戸部和久

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戸部 和久
(とべ かずひさ)
プロフィール
誕生日 (1984-08-02) 1984年8月2日(38歳)
出身地 日本の旗 日本東京都
血液型 A型
主な作品
受賞
大谷竹次郎賞
2019年風の谷のナウシカ
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戸部 和久(とべ かずひさ、1984年 - )は、東京都出身。松竹所属の歌舞伎脚本家。父は演劇評論家、歌舞伎脚本、演出家の戸部銀作[1]

来歴[編集]

東京都文京区目白台に生まれ。1997年お茶の水女子大学附属小学校2000年お茶の水女子大学附属中学校卒業[2]2007年日本大学芸術学部演劇学科卒業。

2007年、松竹株式会社に入社。以後、演劇部に勤務し歌舞伎公演に携わり、2014年2月歌舞伎座二月花形歌舞伎『心謎解色糸』にて脚本の補綴を担当[3][4]

2015年8月ラスベガスホテルベラージオの噴水の特設舞台にて上演された『KABUKI Spectacle at FOUNTAINS OF BELLAGIO』(鯉つかみ)で初めて脚本家としてクレジットされる[5]

2015年10月、歌舞伎座ギャラリーで歌舞伎俳優のトークイベント第一回「ギャラリーレクチャー 歌舞伎夜話(かぶきやわ)」が開催され[6]、司会を務める[7]。以来、現在まで続く人気企画となる。

2016年4月、歌舞伎座四月大歌舞伎で新作歌舞伎『幻想神空海』で歌舞伎座で初めて脚本を手掛ける[8]

2016年8月、歌舞伎座八月納涼歌舞伎で新作歌舞伎『東海道中膝栗毛』の脚本を担当[7]まで毎年8月に上演を重ねる人気シリーズとなる。

2017年5月、国立代々木競技場第一体育館で「氷艶 hyoen2017『破沙羅(ばさら)』」の脚本を担当[9]。同公演は歌舞伎とフィギアスケートの史上初めてのコラボレーション作品として成功を収める。

2018年5月、第181回鴨川をどりにおいて、W・シェイクスピア『真夏の夜の夢より~空想い』の脚本、作詞で、初めて花街先斗町の舞踊に携わる[10]

2019年10月、音楽劇『ハムレット』の上演台本を担当し作詞も行う[11]。歌舞伎、古典舞踊のみならず、音楽劇にも進出。

2019年12月、新橋演舞場で上演された宮崎駿による漫画風の谷のナウシカ全七巻の新作歌舞伎化の脚本を丹羽圭子と共同で担当。同作にて第48回令和元年度大谷竹次郎賞を受賞[12]

2020年6月新型コロナウイルス感染症流行の影響により歌舞伎の劇場公演が中止となったことを受け、オンライン配信公演を企画し、十代目松本幸四郎と共に史上初のオンライン歌舞伎図夢歌舞伎忠臣蔵』を上演、自身は脚本を担当した[13]。続いて8月に観世能楽堂で行われた 中村吉右衛門配信特別公演『須磨浦』[14]を企画、制作し[15] 12月にはAmazon Prime Videoで初めての歌舞伎作品となった図夢歌舞伎『弥次喜多』を脚本[16]、制作[17]を担当。歌舞伎のオンライン配信公演の可能性を広げその礎を築いた。

2021年 1月コロナ禍で延期となっていたOSK日本歌劇団 春のおどり大阪松竹座で開演し第一部の『ツクヨミ~the moon~』[18]の脚本[19]を担当し、レヴュー作者としてデビューを飾る。 6月、小劇場演劇の聖地ともいわれる下北沢 本多劇場で初めての歌舞伎公演、またコロナ禍以後最初の新作歌舞伎となった尾上松也生田斗真主演の新作歌舞伎赤胴鈴之助の脚本を手がけ[20]2022年6月よりNetflixで密着ドキュメンタリーと同時に本公演の映像が配信[21]され、歌舞伎座作品としては初の全世界オンライン配信作品となった。

2022年3月、歌舞伎座ギャラリー、木挽町ホールで松竹が主催する「子供歌舞伎スクール寺子屋」の成果披露公演として、「寺子屋乙女かぶき『本朝不思議之國 夢逢姫』」の脚本を手掛ける[22]。『不思議の国のアリス』をモチーフとしたこの作品は女性だけで本格的な歌舞伎を演じる初めての試みとなった。また、7月に歌舞伎座で『風の谷のナウシカ』「上の巻 白き魔女の戦記」[23]、8月に同じく歌舞伎座で『東海道中膝栗毛』シリーズの第五弾「弥次喜多流離譚」 [24]と立て続けに脚本を手がけ、コロナ禍からの復活を目指す歌舞伎座界の話題作を執筆している。

作品[編集]

  • 『東慶寺はなだより』(2014年1月歌舞伎座)演出助手[25]
  • 『心謎解色糸』(2014年2月歌舞伎座)補綴。
  • 『艪清の夢』(2014年5月明治座)演出助手[26]
  • 『たぬき』(2014年8月歌舞伎座)演出助手[27]
  • 『恐怖時代』(2014年8月歌舞伎座)演出助手[27]
  • 『幻武蔵』(2014年12月歌舞伎座)補綴[28]
  • 『伊達の十役』(2015年2月博多座)演出助手[29]
  • 『寿曽我石段』(2015年2月歌舞伎座)補綴[30]
  • 『怪談牡丹燈籠』(2015年7月歌舞伎座)補綴[31]
  • 『鯉つかみ』(2015年8月ラスベガスベラージオ)脚本。
  • 『二人袴』(2015年8月神奈川芸術劇場)脚本[32]
  • 『競伊勢物語』(2015年9月歌舞伎座)補綴[33]
  • 『妹背山婦女庭訓』(2015年12月歌舞伎座)補綴[34]
  • 『幻想神空海』(2016年4月歌舞伎座)脚本。
  • 『獅子王 SHI-SHI-O』(2016年5月ラスベガスMGMグランド)脚本[35]
  • 『柳沢騒動』(2016年7月歌舞伎座)演出助手[36]
  • 『東海道中膝栗毛』(2016年8月歌舞伎座)脚本。
  • 『大商蛭子島』(2017年2月歌舞伎座)補綴[37]
  • 『氷艶 hyoen2017『破沙羅(ばさら)』(2017年5月国立代々木競技場第一体育館)脚本。
  • 『駄右衛門花御所異聞』(2017年7月歌舞伎座)演出助手[38]
  • 『東海道中膝栗毛 歌舞伎座捕物帖』(2017年8月歌舞伎座)脚本[39]
  • 『再桜遇清水』(2017年9月歌舞伎座)補綴[40]
  • 『極付印度伝マハーバーラタ戦記』(2017年10月歌舞伎座)補綴[41]
  • 『鯉つかみ』(2017年11月歌舞伎座)補綴[42]
  • 『於染久松色読販』(2018年3月歌舞伎座)補綴[43]
  • 『西郷と勝』(2018年4月歌舞伎座)補綴[44]
  • 『真夏の夜の夢より~空想い』(2018年5月先斗町歌舞練場)脚本[10]
  • 雷神不動北山櫻』(2018年7月歌舞伎座)補綴[45]
  • 『某はセロである』(2018年7月サントリーホールブルーローズ)脚本[46]
  • 『東海道中膝栗毛』(2018年8月歌舞伎座)脚本[47]
  • 『於染久松色読販』(2018年12月歌舞伎座)補綴[48]
  • 『百桃かたり』(2019年2月木挽町ホール)脚本[49]
  • 『二人夕霧』(2019年4月歌舞伎座)補綴[50]
  • 『御名残木挽闇爭 』(2019年4月歌舞伎座)補綴[51]
  • 『南総里見八犬伝』(2019年4月御園座)補綴[52]
  • 『わかよたれそ 筒井筒』『艶姿祝新御代祭』(2019年5月先斗町歌舞練場)脚本[10]
  • 『月光露針路日本 風雲児たち』(2019年6月歌舞伎座)修辞・演出助手[53]
  • 『東海道中膝栗毛』(2019年8月歌舞伎座)脚本[54]
  • 『ハムレット』(2019年10月天空劇場)上演台本[11]
  • 『風の谷のナウシカ』(2019年12月演舞場)脚本。
  • 『令和にそよぐ風』(2020年1月東京国際フォーラム)脚本[55]
  • 図夢歌舞伎『忠臣蔵』(2020年6月配信)脚本[13]
  • 中村吉右衛門配信特別公演『須磨浦』(2020年8月配信)企画・制作[15]
  • 図夢歌舞伎『弥次喜多』(2020年12月配信)制作[17]・脚本[16]
  • 『レヴュー春のおどり』第一部「ツクヨミ~the moon」(2021年1月松竹座・2月演舞場)脚本[18]
  • 『八陣守護城』(2021年5月)補綴[56]
  • 新作歌舞伎『赤胴鈴之助』(2021年8月本多劇場)脚本[20]
  • 『清玄桜三囲入相』(2022年9月内幸町ホール)脚本[57]
  • 『本朝不思議之國 夢逢姫』(2022年3月歌舞伎座ギャラリー木挽町ホール)脚本[22]
  • 薬師寺ひかり響夜-inori- 新作歌舞伎舞踊『瑠璃光』(2022年5月薬師寺)脚本[58]
  • 『風の谷のナウシカ』「上の巻 白き魔女の戦記」(2022年7月歌舞伎座)脚本[23]
  • 『東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚』(2022年8月歌舞伎座)脚本[24]
  • 『揚羽蝶繍姿』(2022年9月歌舞伎座)構成[59]

脚注[編集]

  1. ^ 小冊子『熱風』2020年2月号『風の谷のナウシカ』と僕. STUDIO GHIBLI. (2020-02-10). https://www.ghibli.jp/shuppan/np/013221/ 2020年12月2日閲覧。. 
  2. ^ 忘れられないお茶「お茶っ子」戸部和久なごみ、2022年9月号)
  3. ^ 久々の「心謎解色糸」犬丸治テアトロ、2014年4月号)
  4. ^ 平成二十六年歌舞伎座筋書
  5. ^ 「Japan KABUKI Festival in Las Vegas 2015-2016」公式サイト”. 歌舞伎美人(かぶきびと). 松竹 (2015年6月18日). 2020年12月2日閲覧。
  6. ^ 松也出演「ギャラリーレクチャー 歌舞伎夜話」のお知らせ”. 歌舞伎美人(かぶきびと). 松竹 (2015年10月2日). 2020年12月2日閲覧。
  7. ^ a b 【東海道(東京・神奈川・静岡)、埼玉】『東海道中膝栗毛〈やじきた〉』解説付き上映開催決定!”. シネマ歌舞伎(しねまかぶき). 松竹 (2017年5月26日). 2020年12月2日閲覧。
  8. ^ 四月大歌舞伎 歌舞伎座公演詳細”. 歌舞伎美人(かぶきびと). 松竹 (2016年4月2日). 2020年12月2日閲覧。
  9. ^ 「氷艶 hyoen 2017 -破沙羅-」舞台の感動をもう一度 日テレプラスで10月に放送決定”. HMV&BOOKS online (2017年6月22日). 2020年12月2日閲覧。
  10. ^ a b c 先斗町鴨川をどり |過去の演目 |先斗町歌舞会
  11. ^ a b KIM YONGSEOK主演、7名で紡ぐ音楽劇「ハムレット」共演に北翔海莉ら”. ステージナタリー (2019年9月2日). 2020年12月2日閲覧。
  12. ^ 『月光露針路日本 風雲児たち』と『風の谷のナウシカ』が大谷竹次郎賞、『本朝白雪姫譚話』が奨励賞を受賞”. 歌舞伎美人(かぶきびと). 松竹 (2019年2月17日). 2020年12月2日閲覧。
  13. ^ a b “幸四郎も巻き込み「図夢歌舞伎」で「歴史作った」…発起人が明かす舞台裏 ”. スポーツ報知. (2020年10月29日). https://hochi.news/articles/20201028-OHT1T50197.html 2020年12月2日閲覧。 
  14. ^ 【動画公開】中村吉右衛門配信特別公演『須磨浦』配信のお知らせ”. 歌舞伎美人(かぶきびと). 松竹 (2020年8月28日). 2022年9月15日閲覧。
  15. ^ a b 中村吉右衛門配信特別公演『須磨浦』エンドクレジット
  16. ^ a b 図夢歌舞伎『弥次喜多』Amazond独占レンタル配信のお知らせ”. 歌舞伎美人(かぶきびと). 松竹 (2020年12月21日). 2022年9月15日閲覧。
  17. ^ a b |『図夢歌舞伎 弥次喜多』エンドクレジット |
  18. ^ a b “[https:// www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/shochikuza_202102/ レヴュー春のおどり]”. 松竹. 松竹. 2022年9月15日閲覧。
  19. ^ 桐生麻耶インタビュー『桜咲く家話』、そしてOSKトップスター・ラストステージ『レヴュー春のおどり』へ(聞き手:戸部和久)”. SPICE (2021年3月16日). 2022年9月15日閲覧。
  20. ^ a b “[https:// https://natalie.mu/stage/news/440897 尾上松也と生田斗真の“夢”が実現、歌舞伎自主公演「挑む」ファイナル開幕]”. ステージナタリー (2021年8月14日). 2022年9月15日閲覧。
  21. ^ “生田斗真の歌舞伎初挑戦に完全密着、親友・尾上松也も登壇Netflixドキュメンタリー映画 ”. 中日スポーツ. (2022年6月17日) 
  22. ^ a b “女性だけで本格的な歌舞伎を演じる初の試み 藤間勘十郎が演出・振付『本朝不思議之國 夢逢姫』 ”. 中日スポーツ. (2022年1月12日) 
  23. ^ a b “[https:// https://engekisengen.com/genre/tranditional/39198/ 7月歌舞伎座『七月大歌舞伎』第三部『風の谷のナウシカ上の巻‐白き魔女の戦記‐』クシャナ&ナウシカ扮装ビジュアル公開! ]”. ローチケ演劇宣言! (2022年6月10日). 2022年9月15日閲覧。
  24. ^ a b 「八月納涼歌舞伎」演目発表、松本幸四郎・市川猿之助らの“やじきたリターンズ”も”. ステージナタリー (2022年6月4日). 2022年9月15日閲覧。
  25. ^ 平成二六年一月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  26. ^ 平成二六年五月明治座筋書(公演パンフレット)
  27. ^ a b 平成二六年八月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  28. ^ 平成二六年十二月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  29. ^ 平成二七年二月博多座筋書(公演パンフレット)
  30. ^ 平成二七年二月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  31. ^ 平成二七年七月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  32. ^ 平成二七年八月挑む筋書(公演パンフレット)
  33. ^ 平成二七年九月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  34. ^ 平成二七年十二月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  35. ^ KABUKI LION 獅子王公式サイト”. 歌舞伎美人(かぶきびと). 松竹 (2016年7月1日). 2020年12月2日閲覧。
  36. ^ 平成二八年七月歌舞伎座座筋書(公演パンフレット)
  37. ^ 平成二年十九年二月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  38. ^ 平成二九年七月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  39. ^ 平成二九年八月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  40. ^ 平成二九年九月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  41. ^ 平成二九年十月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  42. ^ 平成二九年十一月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  43. ^ 平成三十年十三月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  44. ^ 平成三十年四月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  45. ^ 平成三十年七月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  46. ^ https://ameblo.jp/hitomi-kobeya/entry-12391311843.html
  47. ^ 平成三十年八月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  48. ^ 平成三十年十二月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  49. ^ “歌舞伎俳優になる! 道を開く若者たち ”. 時事通信. (2019年11月5日). https://www.jiji.com/sp/v4?id=kabukikids201911050006 2020年12月2日閲覧。 
  50. ^ 平成三十一年十四月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  51. ^ 平成三十一年四月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  52. ^ 平成三十一年四月御園座筋書(公演パンフレット)
  53. ^ 令和元年六月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  54. ^ 令和元年八月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  55. ^ 『令和にそよぐ風 ~若き歌詠みの物語~』観劇レポート”. スパイス (2020年1月15日). 2020年12月2日閲覧。
  56. ^ 令和三年五月歌舞伎座筋書(公演パンフレット)
  57. ^ 令和三年九月十七日公演パンフレット
  58. ^ 獅童出演“「meme nippon project」第一章「薬師寺ひかり響夜-inori-」~歌舞伎と灯りと響きの夕べ”のお知らせ”. 歌舞伎美人(かぶきびと). 松竹 (2022年6月14日). 2022年9月15日閲覧。
  59. ^ 二世中村吉右衛門の一周忌追善として、歌舞伎座9月公演『秀山祭九月大歌舞伎』を開催 演目・配役が決定”. SPICE (2022年7月4日). 2022年9月15日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]