悪役令嬢の中の人
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悪役令嬢の中の人 | |
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ジャンル | ファンタジー[1]、悪役令嬢[1] |
小説 | |
著者 | まきぶろ |
イラスト | 紫真依 |
出版社 | 一迅社 |
掲載サイト | 小説家になろう |
レーベル | 一迅社ノベルス |
連載期間 | 2020年5月6日 - |
刊行期間 | 2021年2月2日 - |
巻数 | 既刊2巻(2024年2月現在) |
漫画:悪役令嬢の中の人 〜断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします〜 | |
原作・原案など | まきぶろ |
作画 | 白梅ナズナ |
出版社 | 一迅社 |
掲載サイト | comic POOL→comic LAKE |
発表期間 | 2021年11月19日 - |
巻数 | 既刊5巻(2024年11月現在) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル・漫画・アニメ |
ポータル | 文学・漫画・アニメ |
『悪役令嬢の中の人』(あくやくれいじょうのなかのひと)は、まきぶろによる日本のライトノベル。「小説家になろう」にて2020年5月より連載されており、書籍版が一迅社ノベルス(一迅社)より2021年2月から刊行されている。2024年9月時点でシリーズ累計部数は180万部を突破している[2]。
「comic POOL」にて白梅ナズナによるコミカライズが『悪役令嬢の中の人〜断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします〜』のタイトルで2021年11月より連載され[1]、後に「comic LAKE」に掲載媒体を移している[3]。次にくるマンガ大賞2022 WEBマンガ部門第20位[4]、2023WEBマンガ部門第9位[5]、WEB漫画総選挙特別編第5位[6]、2023年版第3位[7]を受賞した。
あらすじ
[編集]![]() | この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
とあるゲームの悪役令嬢・レミリアに転生したエミは、推しであるレミリアの幸福な人生のため研鑽を重ね、悲劇的な結末を回避するよう努める。しかし、同じく転生してきた主人公・ピナによって築き上げてきた努力は打ち砕かれ、原作と同じ婚約破棄イベントに直面してしまい、エミは絶望して意識を閉ざす。そのとき、本来の悪役令嬢・レミリアの意識が表に出てくる。優しいエミを裏切った者たちすべてに復讐するため、レミリアは原作とは全く違う復讐を実行することを決意するのだった。
登場人物
[編集]- レミリア・ローゼ・グラウプナー
- 本作の主人公。ソーシャルゲーム『星の乙女と救世の騎士』における悪役令嬢。原作では家族から愛されず、婚約者のウィリアルドからも拒絶されたことに絶望して悪魔召喚を敢行し、世界を破滅に導く悪役で同作のラスボスだった。
- 幼少時、高熱を出して意識を失ったことを機に交通事故で死んだ現実世界の日本人女性エミの魂に憑依される形で肉体の主導権を奪われてしまう。事態を把握した時こそ憤っていたが、エミの優しさに触れ、レミリアとして生きるエミの幸せを強く願うようになる。断罪劇によってエミの意識が途絶えたのを機に肉体を取り戻し、ピナをはじめとしたエミを裏切った全ての者に対して復讐し、エミの望みだった「レミリアの幸せ」を成就させることを誓う。
- 原作におけるラスボスであったため、戦闘ステータスが高く設定されているほか、様々な種類の魔法も扱うことができる。さらにカリスマ・統率力によって追放時に実家から運営権を譲渡された廃村寸前の村を短期間で発展させた政治的手腕を持つ。性格についてはゲーム通りに悪辣であることを自認しているが、「エミのレミリアならこうするはず」という考えを行動の軸にしているため、対外的な行動は常に善性を伴っており、自身もエミが築き上げてきた「エミのレミリア」としての人物像を最大限に尊重した振る舞いを心掛けているため、本来の悪辣な悪役としてのキャラクターは周囲に全くと言っていいほど気取られていない。
- エミ
- 幼少期のレミリアに憑依する形で転生した日本の女性。生前はレミリア推しで、原作で救いがないレミリアを幸せにするために奮闘するほか、攻略キャラクターたちの悩みを早期に解決しようとする優しい性格。しかし、原作通りの展開を望むピナの策略による嫌がらせ行為の捏造で徐々に孤立し、ダメ押しのように仕掛けられた殺人未遂の冤罪で糾弾され、信頼を築けていたと思われた攻略キャラクターたちからも見放されたことで絶望し、婚約破棄の場面で意識が断絶。以後は本来のレミリアの人格が表に出ることとなった。
- ピナ・ブランシュ
- 『星の乙女と救世の騎士』における主人公。平民出身だが「星の乙女」としての能力が開花し、レミリアのいる学園に編入する。強大な魔力を有し、他者の能力を高める力を持つとされる。
- 本作においては転生者であるリィナ[8]の魂が憑依している。この世界は主人公である自分のための世界だという意識が強く、編入時点で攻略キャラクターから好かれているレミリア(エミ)を強く嫌悪し、原作再現しようと躍起になるものの前提となる事実構築を怠ったり、王侯貴族の振る舞いや教養に乏しいためうまく行かないことに苛立ちを募らせる。豪を煮やした末に課金アイテムを使って攻略キャラクターや学園の生徒たちを篭絡し、一方的にレミリアを嵌めて強引に婚約解消に追い込んだ。
- 自分の思い通りにならなければ気が済まない我がままかつ自己中心的な性格で、独占欲も強い。星の乙女の役割を積極的に果たそうとする素振りもなく、婚約者の立場を傘に着て贅沢三昧して遊び呆け国に多大な負担を強いている。そのため、ウィリアルドの母である王妃や過去にレミリアと面識のあったスフィア、反ウィリアルド派の家臣たちなど、彼女の存在を端から嫌悪している者たちも多く、課金アイテムの効果の低下に伴い、策略された者たちの中にすらも彼女に嫌悪を抱く者が出始めるようになっていく(対象の好感度を上げるだけで意識までは操れないため)が、レミリアの徹底して先手を打った行動により、そのことにすら全く気づいていない。
- 推しのキャラクターはアンヘルで、攻略キャラクターで唯一「様」をつけている。
- ウィリアルド
- 『星の乙女と救世の騎士』における攻略キャラクターの一人で、レミリアの婚約者。舞台となる国の第二王子で、将来の王位継承を嘱望されている。原作では最初からレミリアとの仲は冷え切っており、主人公に対する暗殺未遂をきっかけに婚約破棄を行う。
- 本作ではレミリア(エミ)の努力によって関係自体は改善されてはいたものの、内心ではなんでも完璧にこなすレミリア(エミ)に対して嫉妬しており、ピナになびく自分を嫉妬するエミにわずかな優越感を感じたためにピナを受け入れ、課金アイテムによって篭絡される。本気で婚約破棄をするつもりはなかったが、レミリアがあっさりと受け入れたことによって計算が狂い、復讐を誓うレミリアの密かな立ち回りにより立場が危うくなっていく.
- デイビッド
- 『星の乙女と救世の騎士』における攻略キャラクターの一人。原作では剣聖と呼ばれる兄・シルベストに対して劣等感を抱いていたが、主人公によって魔法剣士の才能を開花させる。
- 本作では最初、兄とレミリア(エミ)の双方に劣等感を抱いており、エミの真似をして森へ魔物討伐に行った際の危機をエミによって救われた。
- ステファン
- 『星の乙女と救世の騎士』における攻略キャラクターの一人。王宮魔導士長の息子だったが、本人は音楽に興味を見出している。原作では主人公の言葉で救われたが、本作ではレミリア(エミ)の言葉で魔術師と音楽家の道を両立させることを目指すようになる。
- クロード
- 『星の乙女と救世の騎士』における攻略キャラクターの一人で、レミリアの義弟。原作では父を夜盗に殺され、グラウプナー家に引き取られるが、父の愛を知らない影のある少年として育つ。本作ではレミリア(エミ)が夜盗を討伐し、父との交流を持つことができた。間もなく父は流行り病で死亡してしまうが、義姉に淡い想いを抱く明るい少年として育った。
- 終盤の独白や番外編「私達は家族だった」にて、ピナの課金アイテムの効果は他よりも薄かったが、婚約破棄されたレミリアを自分のものとするため事態を静観していたことが明かされている。
- ソーン
- 王都の裏通りで課金ショップを運営していた魔族の男。ピナの課金アイテムの供給手段を潰すレミリアの策略により、店を畳んで自分の村で商売を始めてはどうかという提案をされる。最初は疑っていたものの、功利ある提案や魔族全体を慮る姿勢を信用し、最終的にレミリアの運営する村の村長代理を務めるまでになった。
- 原作では名前がなく、コミカライズに際して名前の付加と詳細なキャラクターの掘り下げがなされた。
- スフィア
- デイビッドの婚約者で騎士を目指していた女性。レミリアの断罪劇に疑問を感じ、独自に調べたうえでレミリアの無実を確信、さらに人間性に惹かれたため貴族籍を抜けて婚約も破棄したうえでレミリアの側近として自ら雇用を申し出て受け入れられる。実直な性格で、レミリアがピナによって受けた屈辱を晴らしてあげたいと心から思っている。
- 原作ではレミリアとは断罪劇の前の時点でレミリアとの面識はなかったが、コミカライズ版では生徒会での交流を通じてレミリアと交友関係を築いており、そのことが断罪劇に対する疑問を抱くきっかけとして描写されている
- アンヘル
- 『星の乙女と救世の騎士』における攻略キャラクターの一人で、魔国の王。原作では瘴気による狂化の影響で弟・クリムトを殺した後、レミリアによって悪魔召喚され、狂化が起こらないという人間界の領土を目的に侵略を始めるボスキャラクターでもあった。
- 本作ではレミリアと協力して瘴気の元凶であった邪神を討伐し、狂化の影響を受けずに済んだ。そのうえで魔国と人間界の交易が盛んに行われるようになり、魔族の地位向上に多大な貢献をしたレミリアに対して深い恩情と愛情を持つようになる。
- 魔族であるが故の高い戦闘ステータスと、嘘を見抜く天眼の能力を持っている。
既刊一覧
[編集]小説
[編集]- まきぶろ(著)・紫真依(イラスト) 『悪役令嬢の中の人』 一迅社〈一迅社ノベルス〉、既刊2巻(2024年2月2日現在)
- 2021年2月2日発売[9]、ISBN 978-4-7580-9337-8
- 2024年2月2日発売[10]、ISBN 978-4-7580-9588-4
漫画
[編集]- まきぶろ(原作)・紫真依(キャラクターデザイン)・白梅ナズナ(作画) 『悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~』 一迅社、既刊5巻(2024年11月25日現在)
- 2022年4月25日発売[11]、ISBN 978-4-7580-2386-3
- 2022年10月25日発売[12]、ISBN 978-4-7580-2459-4
- 2023年5月25日発売[13]、ISBN 978-4-7580-2536-2
- 2024年2月24日発売[14]、ISBN 978-4-7580-2655-0
- 2024年11月25日発売[15]、ISBN 978-4-7580-2804-2
脚注
[編集]- ^ a b c “『悪役令嬢の中の人』のコミカライズ連載が開始 目覚めた悪役令嬢の華麗で苛烈な復讐劇”. ラノベニュースオンライン. (2021年11月20日) 2024年10月27日閲覧。
- ^ siraume_nazunaの2024年9月27日のツイート、2024年11月20日閲覧。
- ^ 『新レーベル『comic LAKE』創刊!「女性向け新マンガレーベル 異世界ファンタジーマンガ原作コンテスト」結果発表!』(プレスリリース)一迅社、2022年3月14日 。2023年12月1日閲覧。
- ^ “歴代受賞作品”. 次にくるマンガ大賞2024. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “歴代受賞作品”. 次にくるマンガ大賞2024. 2024年10月28日閲覧。
- ^ “WEBマンガ総選挙 pixivコミック10周年 特別編 結果一覧!”. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “WEBマンガ総選挙2023”. 2024年10月27日閲覧。
- ^ 番外編「星の乙女の中の人」
- ^ “悪役令嬢の中の人”. 一迅社ノベルス. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “悪役令嬢の中の人2”. 一迅社ノベルス. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~(1)”. 一迅社. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~(2)”. 一迅社. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~(3)”. 一迅社. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~(4)”. 一迅社. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~(5)”. 一迅社. 2024年11月25日閲覧。