快楽亭ブラック (2代目)

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2代目 快楽亭 ブラックかいらくてい ぶらっく
本名 福田 秀文(ふくだ ひでふみ)
生年月日 (1952-05-26) 1952年5月26日(64歳)
出身地 日本の旗 日本東京都町田市
師匠 7代目立川談志
6代桂文枝
弟子 快楽亭ブラ坊
名跡 略歴参照
出囃子 青い目の人形
活動期間 1969年 -
活動内容 古典落語
新作落語
映画評論
所属 落語協会(1969年 - 1972年)
上方落語協会(1972年 - 1979年)
落語協会(1979年 - 1983年)
落語立川流(1983年 - 2005年)
フリー(2005年 - )
公式サイト 快楽亭ブラックの出直しブログ
受賞歴
芸術祭 演芸部門 優秀賞(2000年)
第11回 国立演芸場 花形演芸大賞 特別賞(1991年)
第44回 国立演芸場 花形演芸会 金賞 「反対俥」(1990年)

2代目快楽亭 ブラック(かいらくてい ブラック、1952年5月26日 - )は、東京都町田市出身の落語家である。本名福田 秀文日本国籍出囃子は『青い目の人形』。

元妻(1人目)は日活ロマンポルノ女優の川口朱里1979年結婚)、堀越高校中退。また高校の同期にはフォーリーブス江木俊夫がいる。

来歴・人物[編集]

東京都町田市生まれ。父は厚木基地所属の在日米軍兵士だったが朝鮮戦争出兵時に船上で病死。

以後母子家庭で育つ。外見は父の血を濃く受け継いでいるが、英語は話せない。デパートの店員だった母が私立の小学校に通わせてまで英語を習わせたがそれでも身に付かなかった。

好物は、嫌いな物は乳製品

立川談志の命により、2代目快楽亭ブラックを襲名するまで、16回の改名をしたことでも知られている。しかし、借金が元で落語立川流Aコースを自主退会(破門はまぬがれている)離婚(2回)を経験しており、娘と息子がいる。

艶話や、放送規制にかかるような不謹慎ネタを盛り込んだ新作を得意としている。そのため出入禁止になった寄席も数多い。だが決してキワモノ新作一辺倒という訳ではなく、古典落語をきっちりと演じる技量も持ち合わせており、次の御用日では上方の船場言葉風の言葉を使っている(しかし、言葉のアクセント部分がずれている)。

また、落語家としての活動に加えて映画監督脚本家映画俳優映画評論家風俗体験リポーターもこなす。


略歴[編集]

(出典[1]) 名前左側の数字が改名回数である。

  • 1969年2月 立川談志に入門。前座名、1.立川ワシントン。談志に入門した理由として本人は、当時落語協会会長であった6代目三遊亭圓生が会員の落語家に対して「弟子取り禁止」を通達しており、その意に反して弟子を受け入れていたのが談志だけだったため、と語っている。
  • 1972年 破門。桂三枝(現:6代桂文枝)門下に移籍、2.ジョニー三ノ介の名前で漫談家として活動。
  • 数ヶ月で3.桂三ノ介と改名。
  • 1977年 4.桂三Qと改名。
  • 1979年 談志門下に戻る。
  • 同年11月 5.立川談トンと改名。二ツ目昇進
  • 同年 6.立川カメレオンと改名。談志より「志ん生の改名記録(18回)を抜け!」という命令が下る。
  • 1980年 7.立川レーガン(当時のアメリカ大統領ロナルド・レーガンに由来)と改名。
  • 1981年4月 8.立川丹波守と改名。
  • 1983年5月 9.英国屋志笑と改名。
  • 1983年 談志一門が落語協会を脱会するが、協会のスパイとして残留を命じられ10.立川レフチェンコ(元KGBスタニスラフ・レフチェンコに由来)と改名、その後小さんに除名され本人も脱会、英国屋志笑から立川レフチェンコに戻した後、1984年11.立川世之介と改名。
  • 12.立川フルハムロード三浦和義の経営していた輸入雑貨店に由来)、一週間だけ立川世之介に戻り、1985年13.立川小錦(当時話題を呼んだ大相撲力士小錦に由来)に改名。
  • 1986年 14.快楽亭セックス及び15.立川マーガレット、これは「セックス」という高座名がNHKからクレームがついてNHKでのみ「立川マーガレット」を名乗っていたという逸話がある(浅草キッド玉袋筋太郎と共にNHKでのみ強制的に改名されたケースとして有名)。
  • 1989年 元号が昭和から平成になるに伴い16.立川平成と改名。なお、川嶋紀子婚約報道の渦中、渋谷ジァン・ジァンなどアンダーグラウンドな場では「立川紀子」を名乗っていた。
  • 1990年 国立演芸場若手花形演芸大賞で金賞
  • 1991年 国立演芸場花形演芸大賞金賞銀賞の集いで年間特別賞を受賞。
  • 1992年9月 17.2代目快楽亭ブラックを襲名し真打昇進。
  • 2000年 芸術祭優秀賞受賞。「英國密航」「道具屋」
  • 2005年 6月28日、落語立川流を自主退会[2]。談志は新聞に“事実上の除名”と説明。
  • 2005年 10月21日、心筋梗塞及び急性大動脈乖離(解離性大動脈瘤) により緊急入院、手術。
  • 2011年 名古屋の大須演芸場を拠点にする事を発表。また楽屋を寝泊りにする。
  • 2014年 2月3日、大須演芸場にて落語「お血脈」を口演中、同演芸場が家賃滞納のため強制執行され、それに伴い演芸場は同日をもって閉場となる。これにより、活動拠点を再度東京に戻す。

得意演目[編集]

後述する「放送禁止ネタ」の他、歌舞伎に造詣が深いことから、芝居を題材にした演目を得意とする。演目のジャンルは古典落語、新作落語を問わず多岐にわたり、また、一時期、桂三枝(現、桂文枝)の弟子であったことから上方落語を口演することもある。

ほか多数

放送禁止ネタ[編集]

「日本語がうまい外国人」といった評価しかされない時期が続いた。そのため、注目を集める目的で下ネタや差別、皇室などといったタブーを扱う落語を多く創作し演じた。その多くは純粋な新作落語ではなく、古典落語や映画などを元にした改作である。

隠語に対して伏字や比喩、曖昧な言い回しを全くしないため、ネタの過激さや下品さについては群を抜いている。代表的な放送禁止ネタとしては以下のようなものがある。

映画評論[編集]

日本映画通として、映画評論家としても活躍。その守備範囲は歴史的な名作から低予算のピンク映画アニメまで幅広い。英語がわからない、字幕を読むのが面倒との理由から洋画はまったく観ないと公言しているが、影では観ている。映画作品を題材にした創作落語の独演会も行っている。

  • 『TV Taro』「映画地獄平成放浪記」
  • 『話のチャンネル』「日本映画に愛のグチと猛毒を」など。

映画出演[編集]

  • 痴漢各駅停車おっさん何するんや (1978年、新東宝興業、稲生実 監督)
  • 戦争の犬たち (1980年、アサルトプロダクション、土方鉄人 監督)
  • 不思議の国のゲイたち 第2話 映画の中心でアイを叫んだけだもの (1997年、ENKプロモーション、ソルボンヌK子 監督)
  • 四谷怪談でござる (2005年、竹書房、快楽亭ブラック 監督・脚本) - 民谷伊右衛門 役

趣味[編集]

弟子[編集]

元弟子[編集]

立川流在籍時[編集]

ブラックの立川流退会に伴い、当時の弟子は下記それぞれの師匠に移籍した。[3]その後はそれぞれ移籍先の亭号を名乗っている。

  • 総領弟子・快楽亭ブラ房 → 談幸門下へ移籍、「吉幸」と改名。
  • 快楽亭ブラ談次 → 左談次門下へ移籍、一字違いだが「ラ談次」と改名。更に二ツ目昇進に伴い「談奈」を襲名、真打昇進で「左平次」と改名。
  • 快楽亭ブラ汁 → 志らく門下へ移籍、「らくB」と改名。更に二ツ目昇進に伴い「らく里」、真打昇進で「志ら玉」と改名。
  • 快楽亭ブラッC → 談四楼門下へ移籍「三四楼」と改名。
  • 快楽亭小ブラ → 談志一門総領弟子・文字助門下へ移籍、「文字ら」と改名。(廃業)

独立後[編集]

  • 快楽亭ブラ淋
    2007年6月入門。9月に「快楽亭正日(ジョンイル)」と命名される。2008年9月に「ブラ淋」に改名。2009年8月破門。その後すぐに落語芸術協会山遊亭金太郎に再入門し「山遊亭くま八」。
  • 快楽亭ブラ之助
    2009年4月入門。2010年5月破門。ブラックはブログで「本当に破門する気はなかった」と事後に示す。活を入れるために破門を言い渡したが、ブラ之助が額面通り受け取り、謝罪を行わなかったために正式に破門にせざるを得なかった。
  • 快楽亭 恥くび(ちくび)
    2012年4月入門。同年12月31日初高座。当初「快楽亭変態」と命名されたが、大須演芸場席亭夫人の要請により初高座を前に「ブラ雲」と改名。2015年3月12日有末剛の命名により、恥くびに改名。[4]2015年7月24日、廃業。

エピソード[編集]

著作リスト[編集]

CD[編集]

  • 猛毒十八番 借金男1 「道具屋 松竹編」「イメクラ五人廻し」収録
  • 猛毒十八番 借金男2 「文七ぶっとい」「一発のオ○○コ」収録
  • 猛毒十八番 借金男3 「英國密航〜帝難河勢揃場/附析入り〜」「反対俥」収録
  • 猛毒十八番 借金男4 「聖水番屋」「SM幇間腹」収録
  • 猛毒十八番 借金男5 「カラオケ寄席」「川柳の芝浜」収録
  • 猛毒十八番 借金男6 「お血脈」「次の御用日」収録
  • 猛毒十八番 借金男7 (2006年7月) 「怪獣忠臣蔵」「マラなし芳一」収録
  • 猛毒十八番 借金男8 (2006年9月) 「野ざらし」「朝鮮人の恩返し」収録
  • 猛毒十八番 借金男9 (2006年10月) 「オマン公社」「人生劇場」収録
  • 猛毒十八番 借金男10 (2006年12月) 「たがや」「目黒の秋刀魚」「味噌蔵」収録
  • 猛毒十八番 リニューアル版 借金男2 (2008年11月) 「文七ぶっとい」「一発のオ○○コ」※2008年9月の別音源を収録
  • ふたたび借金男1 (2007年2月) 「道具屋 松竹編」「イメクラ五人廻し」収録
  • ふたたび借金男2 「紀子ほめ」「オナニー指南」「近日息子」収録
  • ふたたび借金男3 (2007年7月) 「タイムヌードル」「ジャズ息子」「演歌息子」収録
  • 成人落語アワー 下根多 (2008年2月) 「紀州飛脚」「艶笑小噺あれこれ」「抜けマラ」収録
  • 成人落語アワー 續下根多 (2008年10月) 「蛙茶番」「七段目」収録
  • 成人落語アワー 續々下根多 (2009年11月) 「七度狐」「開田乳房榎」収録
  • 成人落語アワー 下根多4 (2010年1月) 「なめる」「短命」「買えん大根」収録
  • 毒落語1 (2010年2月) 「お若伊之助」「文違い」収録
  • 毒落語2 (2010年3月) 「金田正太郎」「四段目」収録
  • 毒落語3 (2010年3月) 「井戸の茶碗」「お国なまり」収録
  • 毒落語4 (2010年8月) 「五人廻し」「日本相撲一家」収録
  • 毒落語5 (2010年11月) 「権助魚」「全女番」収録
  • 毒落語6 (2011年7月) 「一眼国」「駒長SM変」収録
  • 毒落語7 (2011年10月) 「雛鍔」「付き馬」収録
  • 毒落語8 (2011年12月) 「皇室アルバム」「三味線栗毛」収録
  • 毒落語9 (2012年12月) 「押しくら」「不孝者」収録
  • 名人宣言1 (2012年7月) 「真田小僧」「柳田格之進」収録
  • 名人宣言2 (2013年3月) 「蒟蒻問答」「猿後家」収録
  • 名人宣言3 (2013年3月) 「夢金」「淀五郎」収録
  • 山田洋次寄席 快楽亭ブラック・プレゼンツ (2007年5月) 「まむし」「目玉(柳家花緑)」および山田洋次玉置宏との鼎談を収録
  • 恐怖奇形人間 (2008年5月) 「せむし茶屋」「ふたなり」「快楽亭ブラック歌謡コンサート」収録
  • 第14回新宿亭砥寄席『快楽亭ブラック独演会』 (2012年1月) 「談志が死んだ」「聖水番屋」収録
  • お年玉 (2012年12月) 「羽団扇」「ぞろぞろ」収録

プライベート盤[編集]

ジャケットなしのCD-R盤で、正規盤の別テイクとして位置づけられている。

  • マル禁 「地獄八景金大中の戯れ」「放禁百川」収録
  • 川柳・ブラック偽親子会 「川柳の芝浜」「ジャズ息子(川柳川柳)」「演歌息子」収録
  • マル禁2 (2010年8月) 「転校せえ!」「艶笑小噺集」収録
  • マル禁3 (2011年7月) 「立川談志の正体」「キウイ調べ」収録
  • マル禁4 (2012年7月) 「金正日と談志が死んだ」「胡桃の悔やみ」収録
  • マル禁5 (2012年11月) 「死神」「死ぬなら今」収録
  • ブラック・馬るこ二人会 (2013年5月) 「死神(鈴々舎馬るこ)」「お血脈」収録
  • マル禁6 (2013年8月) 「大本営八俵 極右漫談」「三軒長屋」収録

DVD[編集]

  • 快楽亭ブラック 大迷人(2008年) 「次の御用日」「権助魚」「英國密航」収録
  • 快楽亭ブラック 猥褻犯(2008年) 「山田洋次作・まむし」「人性劇場」「聖水番屋」収録
  • 快楽亭ブラック 不敬罪(2008年) 「オナニー指南」「オマン公社」「イメクラ五人廻し」収録
  • 快楽亭ブラック 破廉恥(2008年) 「川柳の芝浜」「カラオケ寄席」「一発のオ○ンコ」収録
  • 快楽亭ブラック 非国民(2008年) 「道具屋・松竹篇」「紀子ほめ」「マラなし芳一」収録
  • 快楽亭ブラック 放禁王(2009年) 「全女番」「紀州飛脚」「文七ぶっとい」収録
  • 快楽亭ブラック 大変態(2009年) 「蛙茶番」「野ざらし」「SM幇間腹」収録
  • 快楽亭ブラック 不発弾(2009年) 「お血脈」「たがや」「反対俥」収録
  • 快楽亭ブラック 交尾期(2010年) 「目黒の秋刀魚」「怪獣忠臣蔵」「タイムヌードル」収録
  • 快楽亭ブラック 埋蔵金(2010年) 「せむし茶屋」「朝鮮人の恩返し」「川柳川柳のジャズ息子」「演歌息子」収録

脚注[編集]

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関連項目[編集]

  • 落語家一覧
  • 唐沢俊一 - 親交が深い人物。
  • 快楽亭ブラック
  • 美味しんぼ グルメ漫画。劇中に快楽亭ブラック(本名はヘンリー・ジェームス・ブラック)というアメリカ人落語家が登場。ちなみにこのキャラクターの登場時期(連載開始後の1983年頃)の方がブラック本人の2代目襲名より早い。

外部リンク[編集]