必殺剣劇人

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必殺剣劇人
ジャンル 時代劇
放送時間 金曜22:00 - 22:54(54分)
放送期間 1987年8月7日 - 9月25日(8回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 朝日放送
製作総指揮 山内久司(朝日放送)
監督 石原興
津島勝
水川淳三
山根成之
脚本 吉田剛
篠崎好
田上雄
保利吉紀
プロデューサー 奥田哲雄(朝日放送)
辰野悦央(朝日放送)
櫻井洋三(松竹
出演者 近藤正臣
田中健
工藤夕貴
二宮さよ子
あおい輝彦
ナレーター 加賀まりこ
オープニング 作曲:平尾昌晃(タイトル不明)
エンディング テン・リー「ついて行きたい」
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必殺剣劇人』(ひっさつけんげきにん)は1987年8月7日から9月25日まで、テレビ朝日系で毎週金曜日22:00 - 22:54に放送された、朝日放送松竹(京都映画撮影所、現・松竹撮影所)共同製作のテレビ時代劇。全8話。主演は近藤正臣

必殺シリーズの第29作で、『必殺仕掛人』以来、15年に渡って続いた連続テレビ時代劇としては最終作となった。

概要[編集]

前作『必殺仕事人V・風雲竜虎編』の放送中、必殺シリーズの終了が決まり、本作はシリーズ最終作という位置付けで制作、放送された。

モノクロの時代劇映画を彷彿とさせる作風で、これまでのシリーズとは一線を画する。殺陣シーンは劇場映画『必殺4 恨みはらします』に参加した、ジャパンアクションクラブ (JAC) が協力している。

最終回は中村主水が登場し、殺しのシーンは過去のシリーズへのオマージュを捧げるなど、必殺シリーズ全体の最終回という側面を持っていた。

あらすじ[編集]

前作『必殺仕事人V・風雲竜虎編』最終回で、江戸城から一万両が奪われる御金蔵破りが起こる。これは義賊「世直し三人組」の仕業で、彼らはその半分の五千両を市井の人々にばらまいた。

それから数年後。3人の元義賊 カルタの綾太郎、早縄の清次、すたすたの松坊主の元に、かつて3人が愛した女性 お百の娘を名乗るお七という少女が尋ねてくる。八丈島で生まれ育った自由奔放な彼女は、江戸に渦巻く非道な悪に率直過ぎる怒りを表す。3人はお七のために、かつての衣装を引っ張り出し「幻の世直し三人組」として立ち上がる。

登場人物[編集]

剣劇人[編集]

カルタの綾太郎
演 - 近藤正臣[1]
表稼業は賭場のカルタ札撒き。御家人ムシリに着流しで、腰の刀は竹光にして、悠々自適の生活を送っている浪人。
お七の願いを叶えるためにかつての「世直し三人組」仲間たちとともに「剣劇人」を結成する。
「世直し三人組」「剣劇人」ともにリーダー格で、剣術で敵を葬る。
早縄の清次
演 - 田中健
表稼業は町火消し。三人組の中では年齢が一番若いらしい。江戸っ子らしく竹を割った性格で、南蛮渡来の尺八に似た楽器「けぇな」を吹くのが趣味である[2]
年齢的にお七と近いことから、お七の悩みや相談事を聞いてやれる優しい兄貴のような存在である。
すたすたの松坊主
演 - あおい輝彦[3]
表稼業は「すたすた坊主」と呼ばれる祈祷師。「すたすた踊り」と称し、「あ、すたすたや〜、あ、すたすたや〜」と髑髏模様の紫の羽織を着て、家々の入り口で家内安全を祈って踊る。
一見、軟派に見えるが、お七に対し、生きる上での知恵や心構えを諭して聞かせるなど、真面目な姿を見せる時もある。
最後の見得を切る時に使う大蝦蟇のハリボテに空気を入れて膨らましたり、目眩ましの煙幕を張るのは彼の役目である。

その他[編集]

お七
演 - 工藤夕貴
三人組が八丈島に流罪となっている時に共通の恋人であった女流人 お百の娘。お百が病で死ぬ際、「江戸に父親がいる」と聞かされ、三人組を頼って、江戸にやって来た。
3人のうちの誰かが実父らしいが、実際に誰かはわからない。3人を「父ちゃん」と呼び、3人も自分らの娘として、大事に扱う。
正義感が強く、無鉄砲で、事ある毎に江戸で出来た友人たちが悪人たちに惨殺され、そのたびに報復を企てる。それを止めさせるのが、剣劇人の基本行動である。
基本的に本作は全て、お七が頼み人ということになっており、彼女の願いを叶えるという形で、3人が悪人たちを葬る。
3人は自分たちが剣劇人であることを彼女に隠していたが、最終回で「とっくに知っていた」と告げられた。
お歌
演 - 二宮さよ子
三人組の行き付けの一杯飲み屋の女主人。お七の願いを汲み取り、3人に三途の川の渡し賃である、十二文(一人当たり、四文)を渡し、殺しを依頼する。
面倒見のいい性格で、普段はだらしのない三人組に何かと世話を焼いたり、お七の話し相手となっている。
中村主水とは旧知の仲であることを窺わせるシーンがあり、かつては裏稼業の仲間として、主水と組んでいたと思われる。

ゲスト[編集]

第1話 「寄らば斬るぞ!」
第2話 「おととい来やがれ!」
第3話 「むふふ、バカめ!」
第4話 「日照り続きで、ほこりが立たあ!」
第5話 「月夜ばかりじゃねえ!」
第6話 「しゃらくせえ!」
第7話 「じたばたするねえ!」
第8話 「あばよ!」

殺し技[編集]

本作の殺しは他の必殺シリーズとは異なり、芝居のような派手な衣装を着た剣劇人が悪人の屋敷などに正面から、正々堂々と現れる。3人は手下たちは殺さず、峰打ちなどで退けながら、殺害する悪人に近付き、武器を抜き、相手を仕留める。その後は煙幕とともに松坊主の妖術「大蝦蟇の術」で残った手下たちを驚かせ、腰を抜かしているところを脱出する。

これはタイトルにもなっているモノクロ剣劇時代劇映画を彷彿させるようなシーンで、従来の必殺シリーズのような殺し方ではなく、三人組の殺陣を見せ場とした華やかなものになっている。

最終回のみ、過去作のオマージュとなっており、決め台詞は相手を仕留めた後で、静かに発声した。

カルタの綾太郎
腰に差した大刀で峰打ちを行った後、「寄らば、斬るぞ!」の決め台詞と共に背中に背負った赤鞘の長刀を抜いた二刀流で、悪人を斬り倒す。衣装は白装束と宗十郎頭巾
最終回は、勇次と同じ技と衣装を披露し、その際に花札で弦を鳴らし、糸を切った。この時の決め台詞は「やったね!」。
早縄の清次
表稼業の火消しの時と同じ、鳶口と鈎縄を使用し、縄で悪人を絞め殺す。鳶口を悪人の急所に刺す(第3、8話)。衣装は彫り物が描かれた襦袢。決め台詞は「おととい来やがれ!」
最終回は、と同じ技を披露。頭に黒いターバンを巻いていた。
すたすたの松坊主
錫杖に仕込んだで、悪人の急所を刺す。頭に挟んだ小柄小刀を投げて相手を威嚇する事もある。衣装は朱色の着物。決め台詞は「むふふ〜、ぁバァ〜カァ〜めぇ〜!」
最終回は、『暗闇仕留人』の村雨の大吉と同じ技を披露。胡桃割りの演出の代わりに素手が湯気が出る演出がなされており、レントゲン映像は『仕留人』の物が流用された。[5]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

放送日程[編集]

  • 強調部は、サブタイトルのフォーマット。
  • 最終回は中村主水、中村せん、中村りつ、筆頭同心 田中、与力 鬼塚がゲスト出演[7]
話数 放送日 サブタイトル 脚本 監督
第1話 1987年8月07日 寄らば斬るぞ! 吉田剛 石原興
第2話 1987年8月14日 おととい来やがれ! 津島勝
第3話 1987年8月21日 むふふ、バカめ! 水川淳三
第4話 1987年8月28日 日照り続きで、ほこりが立たあ! 篠崎好
第5話 1987年9月04日 月夜ばかりじゃねえ! 田上雄 津島勝
第6話 1987年9月11日 しゃらくせえ! 保利吉紀 山根成之
第7話 1987年9月18日 じたばたするねえ! 田上雄 津島勝
第8話 1987年9月25日 あばよ! 保利吉紀 山根成之

ネット局[編集]

※途中で打ち切られた局や、しばらくの間放送する他系列ネットの局がある。

系列は放送当時のもの。
放送対象地域 放送局 系列 備考
近畿広域圏 朝日放送 テレビ朝日系列 制作局
関東広域圏 テレビ朝日
北海道 北海道テレビ
青森県 青森放送 日本テレビ系列
テレビ朝日系列
岩手県 テレビ岩手 日本テレビ系列
宮城県 東日本放送 テレビ朝日系列
秋田県 秋田テレビ フジテレビ系列
山形県 山形放送 日本テレビ系列
テレビ朝日系列
福島県 福島放送 テレビ朝日系列
新潟県 新潟テレビ21
長野県 テレビ信州 テレビ朝日系列
日本テレビ系列
山梨県 テレビ山梨 TBS系列
富山県 富山テレビ フジテレビ系列
石川県 石川テレビ
福井県 福井テレビ
静岡県 静岡けんみんテレビ テレビ朝日系列 現・静岡朝日テレビ
中京広域圏 名古屋テレビ
鳥取県島根県 山陰放送 TBS系列
広島県 広島ホームテレビ テレビ朝日系列
山口県 山口放送 日本テレビ系列
テレビ朝日系列
徳島県 四国放送 日本テレビ系列
香川県岡山県 瀬戸内海放送 テレビ朝日系列
愛媛県 南海放送 日本テレビ系列
高知県 テレビ高知 TBS系列
福岡県 九州朝日放送 テレビ朝日系列
長崎県 長崎放送 TBS系列
熊本県 テレビ熊本 フジテレビ系列
テレビ朝日系列
大分県 大分放送 TBS系列
宮崎県 宮崎放送
鹿児島県 鹿児島放送 テレビ朝日系列
沖縄県 琉球放送 TBS系列

朝日放送・テレビ朝日を始めとする、テレビ朝日系フルネット局では必殺シリーズ終了後、『ニュースステーション』が金曜日も22時スタートとなるまでの約半年間、金曜21時の連続ドラマ枠を22時へ移動させ、現代劇を2作放送した。

放送終了後[編集]

制作サイドは剣劇人の登場人物を主役にした単発作品『必殺ワイド TANTAN狸御殿に恋が散る』を企画した。内容は「大人の御伽噺」をモチーフに『桃太郎』『かちかち山』『金太郎』『かぐや姫』などの「日本の昔話」の要素を取り入れる異色作であり、剣劇人の出演者以外に、藤田まことが中村主水役でキャスティングされていた。

しかし、藤田が「内容的に考えて、主水の必要性を感じさせない」と難色を示したことで立ち消えとなり、代わりに剣劇人を演じた俳優陣を主役に起用した2時間ドラマ『謎のダイヤモンドを求めて日本縦断!』が製作された。

脚注[編集]

  1. ^ 最終回のみ、エンディングのクレジットは最後(トメ)に表記された。
  2. ^ 演じた田中の実際の趣味に合わせた設定。
  3. ^ 第1 - 7話のエンディングのクレジットは最後(トメ)、最終回のみ、2番目に表記された。
  4. ^ 最終回のみ、エンディングのクレジットはトップに表記された。
  5. ^ この時は、抑揚を付けず「むふふ、バカめ!」と発声した。
  6. ^ ついて行きたい”. @ ELISE(アットエリーゼ). 2016年1月19日閲覧。
  7. ^ エンディングのキャスト、スタッフロールが特別バージョンとなった。
テレビ朝日 金曜22時台(当時はABCの制作枠)
前番組 番組名 次番組
必殺仕事人V・風雲竜虎編
(1987年3月13日 - 1987年7月31日)
必殺剣劇人
(1987年8月7日 - 1987年9月25日)
六本木ダンディーおみやさん
(1987年10月9日 - 1987年12月25日)