微熱少年
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『微熱少年』(びねつしょうねん)は、松本隆の小説、および、同名の日本映画。
概要[編集]
松本自身が感じていた“熱血少年ではない、しかし冷めているわけでもない『微熱』を秘めていた少年時代”を振り返り、松本自身の経験を元に綴ったという自叙伝的作品。
1987年に実写映画化。松本が自ら監督を務めた。なお、小説と映画ではエンディングへの流れや設定が異なっている。2020年、歌謡ポップスチャンネルにて『松本隆作詞家生活50周年記念特集』が企画され[1]、そのひとつとして本作品が10月25日に放送される。VHSデータでしかなかった本映画を今回の放送にあたり、フィルム映像をテレビジョン信号に変換するテレシネを施したニューマスター版を制作した[2]。
あらすじ[編集]
ビートルズが来日する年、何かが変わりそうな予感を抱(いだ)いていた。今まで経験したことがない音楽、もどかしい恋愛、少年から大人への階段を上がらなければならない不安。熱血には遠く、冷めるにはまだ早い「微熱」を宿した男子高校生・健の視点から描いた青春作品。
映画[編集]
微熱少年 | |
---|---|
監督 | 松本隆 |
脚本 | 筒井ともみ |
製作 |
堀威夫 金森美弥子 |
出演者 |
斉藤隆治 西山由美 広田恵子 関口誠人 |
音楽 | 松本隆 |
主題歌 | REBECCA「MONOTONE BOY」 |
撮影 | 藤井秀男 |
編集 | 山地早智子 |
製作会社 |
ホリプロダクション (制作協力:フジテレビジョン) |
配給 | 東宝 |
公開 |
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上映時間 | 109分 |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
松本が自ら監督を務め、1987年6月13日に公開された。ホリプロダクション製作、東宝配給。
主演に斉藤由貴の実弟で、新人の斉藤隆治、エリー役に新進女優の西山由美(現:由海)、吉田役にC-C-B脱退を表明したばかりの関口誠人を起用したことでも話題となった。また、松本と音楽上の付き合いのある吉田拓郎、財津和夫、森山良子、広石武彦、米米CLUB、爆風スランプなど、普段は俳優として活動していないミュージシャンが多く出演したことでも注目された。劇中音楽もまた、松本が作詞を提供しているミュージシャンやアイドルが多く参加した(オムニバスアルバム項参照)。
キャスト[編集]
- 島本健:斉藤隆治
- エリー:西山由美
- 優子:広田恵子
- 吉田:関口誠人
- 浅井:広石武彦
- 能勢:長畠善次
- 加藤:宮城宗典
- 健の母:森山良子
- カメラマン:吉田拓郎
- 広告代理店プロデューサー:財津和夫
- 暴走族のリーダー:Johnny
- 路面電車の車掌:細野晴臣
他、米米CLUB、爆風スランプ、バービーボーイズ、THE 東南西北などがエキストラとして参加している。
オムニバスアルバム[編集]
『微熱少年 MOVIE SONGS』 | |
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微熱少年 の コンピレーション・アルバム | |
リリース | |
ジャンル |
J-POP ロック |
レーベル | CBSソニー |
プロデュース | 松本隆 |
「微熱少年 MOVIE SONGS」(1987年4月22日発売)
- Monotone Boy / REBECCA
- 作詞:松本隆/作曲:土橋安騎夫/編曲:REBECCA
- Brusing / 鈴木茂
- 作曲・編曲:鈴木茂
- くずせるものなら、くずしてごらん -Movie Version- / CLAXON
- 作詞:松本隆/作曲:得能悟/編曲:CLAXON
- 君の名前を呼びたい / The東南西北
- Do You Feel Me / 杉真理
- 作詞:松本隆/作曲・編曲:杉真理
- 空飛ぶ電車 / 細野晴臣
- 作曲・編曲:細野晴臣
- 恋するカレン / 大滝詠一
- 作詞:松本隆/作曲:大滝詠一/編曲:多羅尾伴内
- 雪のファンタジー / 松田聖子
- 作詞:松本隆/作曲・編曲:大村雅朗
- 夢見るナタリー / 関口誠人
- 作詞:松本隆/作曲:関口誠人/編曲:鈴木茂
- GIRL / 南佳孝
- 作詞:松本隆/作曲:南佳孝/編曲:清水信之
- 長い髪のMaria / CLAXON
- 作詞:松本隆/作曲:越智昭/編曲:CLAXON
スタッフ[編集]
- 監督・原作・音楽:松本隆
- 製作:堀威夫
- プロデューサー:金森美弥子
- アソシエイト・プロデューサー:元持昌之
- 脚本:筒井ともみ
- 撮影:藤井秀男
- 編集:山地早智子
- 主題曲:REBECCA「MONOTONE BOY」
- 配給:東宝
ロケ地[編集]
脚注[編集]
- ^ “松本隆 作詞生活50周年記念特集”. 歌謡ポップスチャンネル. 2020年10月6日閲覧。
- ^ シネフィルDVD公式Twitter 2020年9月15日付
関連項目[編集]
- 松本が生まれ育ち、多くの感性を培った地域。特に、青山・渋谷・麻布(地図上で三地点を結ぶと現れる三角形を成すエリア)を「風街」と呼び、その雰囲気やイメージを本作をはじめ多くの作品に反映させている。
- 映画のスポンサーのひとつであり、劇中でエリーをモデルとして起用した化粧品会社。実際に1987年・夏のキャンペーンガールにエリー役だった西山を起用している(夏用ファンデーション「サンセラミィ」など)。CMソングは、映画のイメージソング「くずせるものなら、くずしてごらん。」(CLAXON)を採用。キャッチコピーにも同タイトルを使用している。また、本作品が公開される前年の1986年には優子役の広田が「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」に選ばれている。