御用金 (映画)

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御用金
監督 五社英雄
脚本 五社英雄
田坂啓
製作 藤本真澄
福田英雄
椎野英之
佐藤正之
出演者 仲代達矢
中村錦之助
丹波哲郎
音楽 佐藤勝
撮影 岡崎宏三
編集 諏訪三千男
配給 東宝
公開 日本の旗 1969年5月1日
上映時間 123分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
配給収入 2億5000万円[1]
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御用金』(ごようきん)は、1969年5月1日公開の五社英雄監督による時代劇映画フジテレビ東京映画製作、東宝配給。仲代達矢主演。

概要[ソースを編集]

フジテレビがテレビ局として初めて劇場用映画製作に進出し、東京映画と提携して製作した日本初のパナビジョン方式作品。藤巻左門役には三船敏郎がキャスティングされたが仲代達矢との衝突から途中降板したため、中村錦之助が代わりに出演している。映画は海外の映画制作者、映画ファンの間でも評判を呼び、1975年にはリメイク版『ザ・マスター・ガンファイター』がアメリカにて製作・公開された。

あらすじ[ソースを編集]

天保2年(1831年10月越前国鯖井藩(鯖江藩をイメージした架空の地)の漁村・黒崎村の漁民30数名全員が一夜のうちに姿を消した。領民らはこれを「神隠し」として怖れた。

天保5年(1834年)、江戸浪人・脇坂孫兵衛は鯖井藩士・流一学らに命を狙われる。刺客らを倒した孫兵衛は、鯖井藩家老・六郷帯刀が再び「神隠し」を行なおうとしており、その前に孫兵衛の口を塞ごうとしていることを知る。

3年前の「神隠し」の真相は、帯刀らによる虐殺だった。佐渡島から御用金を運ぶ途中で難破した御用船から漁民たちが引き上げた金を、藩の財政立て直しのために横領し、真相を知る漁民全員を皆殺しにしたのだ。孫兵衛は、親友であり、妻の兄である帯刀を責め、二度と「神隠し」を行なわないことを約束させるが、武士であることに嫌気がさし、妻と藩を捨て、浪人となった。しかし帯刀が再び「神隠し」を行なおうとしていることを知った孫兵衛は、それを阻止するために鯖井に向かう。そんな孫兵衛を謎の浪人・藤巻左門が密かに追っていた。

鯖井に向かう途中で、孫兵衛はチンピラたちに追われていた女つぼふり師おりはを救う。彼女は黒崎村の生き残りで、「神隠し」のために許嫁と父親を失い、身を落とした女だった。

一方、孫兵衛の行動を察知した帯刀の部下・高力九内らは孫兵衛を待ち伏せし、急襲する。多勢を相手に傷を負った孫兵衛を救ったのは左門と、おりはが煽ってなだれ込んで来たチンピラたちだった。おりはの実家に逃れた孫兵衛は、御用船を座礁させて御用金を奪おうとしている帯刀らの企みをおりはと左門に語る。孫兵衛は左門が幕府の隠密であることに気付いていたのだ。ところが、孫兵衛と左門はそこに現れた九内らにあえなく捕らえられてしまう。

三船敏郎の途中降板[ソースを編集]

当時三船プロ制作部部長の田中寿一は、この時期三船は多忙を極め、疲労の極地であったため、出演依頼が来たときに大反対したというが、三船は受けてしまったという。さらに撮影は下北半島の極寒の現場であったため、三船はこんな現場ではやってられないと思い、仲代と喧嘩した挙げ句に帰ってきたという。その後、マスコミが三船の降板のことで騒ぎだすが、代役を中村錦之助が引き受けると騒ぎは落ち着く。しかし、三船は降板して迷惑をかけたことで落ち込み、五社監督と東宝に謝罪をする。マスコミには、「胃潰瘍」の診断書を公開し、体調不良による降板と説明した。[2]

加えて撮影時三船は、黒澤監督と決定的に仲が悪化していた。御用金のロケ先の旅館で酒を交わしていると三船が、黒澤監督の悪口ばかり言っていた所、黒澤組常連の仲代達矢がとうとう怒ってしまい、三船を旅館中追いかけ回した。喧嘩の実力では仲代達矢が三船より上だった為、三船はそのまま東京に逃げ帰ってしまった。結局、三船はそのまま降板してしまった。[3]

スタッフ[ソースを編集]

ノンクレジット

キャスト[ソースを編集]

ノンクレジット

同時上映[ソースを編集]

続・社長えんま帖

ハリウッドリメイク[ソースを編集]

1975年西部劇映画『The Master Gunfighter』としてハリウッドリメイクされている。 脚本・主演はトム・ローリン、監督はフランク・ローリン[5]

DVD[ソースを編集]

2011年3月13日現在、日本ではDVD化されていないが、海外ではDVD化されている。

劇画版[ソースを編集]

映画同時公開劇画シリーズ第2弾[7]として、 平田弘史によって「週刊少年キング」(少年画報社1969年20号から29号にかけて連載された。

長らく単行本化されなかったが、連載から36年経った2005年9月に初めて単行本化され、マガジン・ファイブから出版された(ISBN 9784434052767)。

脚注[ソースを編集]

  1. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)260頁
  2. ^ 松田美智子「三船敏郎の栄光とその破滅」(月刊文藝春秋 2013年11月号) より、改訂され『サムライ 評伝三船敏郎』(文藝春秋、2014年)
  3. ^ 丹波哲郎・ダーティ工藤共著『大俳優 丹波哲郎』(ワイズ出版、2004年)より
  4. ^ a b 「作品情報」御用金”. キネマ旬報映画データベース. 2011年3月13日閲覧。
  5. ^ トム・ローリンの別名で息子の名前でもある。
  6. ^ 2003年11月4日には特典ディスクなしの通常版が発売されている。
  7. ^ 第1弾は『座頭市海を渡る』(1966年)、第3弾は『人斬り』(1969年)。

外部リンク[ソースを編集]