御岳登山鉄道
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本社がある滝本駅 | |
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
![]() 〒198-0174 東京都青梅市御岳2丁目483番地 |
設立 | 1927年11月20日 |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 9013101004059 |
事業内容 | 鉄道業、索道業、駐車場業、食堂・売店業など |
代表者 | 取締役社長 鑓田 政信 |
資本金 |
1億円 (2018年3月31日現在[1]) |
売上高 |
3億8387万8000円 (2018年3月期[1]) |
営業利益 |
2349万8000円 (2018年3月期[1]) |
純利益 |
2566万4000円 (2018年3月期[1]) |
純資産 |
9億5642万円 (2018年3月31日現在[1]) |
総資産 |
10億5205万6000円 (2018年3月31日現在[1]) |
従業員数 |
18人 (2018年3月31日現在[1]) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
京王電鉄 41.68% 武蔵御嶽神社 23.50% (2019年3月31日現在[2]) |
外部リンク | https://www.mitaketozan.co.jp/ |


御岳登山鉄道株式会社(みたけとざんてつどう)は、東京都青梅市の御岳山を登るケーブルカーとリフトを営業する鉄道事業者。京王グループに属する。本社を東京都青梅市御岳2丁目483番地の滝本駅駅舎内に置く。駅構内の売店・食堂や「滝本駅駐車場」の経営も行っている。
概要[編集]
1934年12月31日にケーブルカー(滝本駅 - 御岳山駅間)が開業[3]、1959年7月18日にリフト(御岳平駅 - 大展望台駅間)が開業[4]。ケーブルカー・リフトとも全駅が青梅市内に位置する。
1972年5月29日、当時の京王帝都電鉄(現・京王電鉄)の傘下入りし、京王グループの一員となった[4]。
運賃支払いには、PASMO・Suicaなど交通系ICカード全国相互利用サービス対応カードが利用できる(電子マネー機能を用いているため、PiTaPaは利用不可)。ただし片道運賃のみの取り扱いで、往復割引は有人窓口で乗車券への引き換えが必要となる。またオートチャージなどの機能はない。
御岳登山鉄道が開発したご当地グルメとして「御嶽汁」があり、野菜、豚肉などの具に地酒「澤乃井」の酒粕を加えた味噌汁である。駅の食堂などで提供されるほか、御岳山のご当地グルメとして定着させるべく、地域のイベントや京王グループのイベントなどに出張して提供されることがある。
沿革[編集]
- 1927年(昭和2年)
- 1934年(昭和9年)12月31日 - ケーブルカー滝本駅 - 御岳山駅間が開業[3]。
- 1944年(昭和19年) - 太平洋戦争の戦況悪化に伴い、不要不急線としてケーブルカー滝本駅 - 御岳山駅間が休止。
- 1947年(昭和22年)10月31日 - 大多摩観光開発に社名変更[4]。
- 1951年(昭和26年)6月29日 - ケーブルカー 滝本駅 - 御岳山駅間が運行再開[4]。
- 1959年(昭和34年)7月18日 - リフト(特殊索道) 御岳平駅 - 大展望台駅間が開業[4]。
- 1961年(昭和36年)7月1日 - 御岳登山鉄道に社名変更[4]。
- 1968年(昭和43年) - 初代車両引退、2代目車両(コ-1形、コ-2形)運転開始。
- 1972年(昭和47年)5月29日 - 京王帝都電鉄(現・京王電鉄)の経営傘下に入る[4]。
- 1991年(平成3年)
- 2007年(平成19年)3月18日 - ICカードPASMO・Suica供用開始(大人用のみ)。
- 2008年(平成20年)
- 2011年(平成23年)11月24日 - 小児用のICカードPASMO・Suica供用開始。
ケーブルカー[編集]

御岳登山鉄道 | |
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基本情報 | |
国 |
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所在地 | 東京都青梅市 |
種類 | ケーブルカー |
起点 | 滝本駅 |
終点 | 御岳山駅 |
駅数 | 2駅 |
開業 | 1934年 |
運営者 | 御岳登山鉄道→大多摩観光開発→御岳登山鉄道 |
路線諸元 | |
路線距離 | 1.107 km |
営業キロ | 1.0 km |
軌間 | 1,049 mm |
最大勾配 | 25度 |
高低差 | 423.6 m |
停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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滝本駅 - 御岳山駅間の1.107km、標高差423.6m、最大勾配斜度25度の急勾配を6分程度で結んでいる。
一般に御岳山ケーブルカーと呼称される場合が多い。なお、同じ京王グループの高尾登山電鉄(高尾鋼索線)と異なり、『鉄道要覧』に線名の記載はない。
運行形態[編集]
営業時間7:30 - 18:30(夏期は延長あり)に、約20分おき(冬期は昼間時間帯約30分おき)に運行されている。多客期には増便されることもある。また、大晦日には終夜運行し、武蔵御嶽神社への初詣客輸送を行っている。
運賃[編集]
- 大人
- 片道 600円、往復1130円
- 小児
- 片道 300円、往復 570円
その他、定期券(1ヶ月のみ)、団体割引あり。また、後述するリフトを含めた往復運賃も設定されている。詳しくはホームページを参照のこと。
車両[編集]
車内には他のケーブルカー車両と同様に運転席はなく、御岳山駅にて運転士が運転の操作をしている。車内には車掌席が設けられており、非常時のために車掌が常時乗車している。なお、車掌席には非常時にのみ利用ができる「非常ブレーキ」が設置されている。
初代車両(1934年 - 1968年)[編集]
1934年の開業時に登場した車両(汽車会社製 定員80人)[14]。1968年2代目車両登場に伴い引退。
2代目車両 (1968年 - 2008年)[編集]
初代車両老朽化に伴い1968年(昭和43年)に日立製作所笠戸工場で製造[15]。コ-1形「日出」とコ-2形「青空」が在籍した。座席配置はクロスシート。モケットはコ-1形が茶色で、コ-2形が青色。
1991年(平成3年)のレール交換に伴う軌間改軌の際には車両も改造されている。
塗装は登場当初から2003年(平成15年)までが白色ベースで、コ-1形「日出」が下半分赤、コ-2形「青空」が下半分青であったが同年4月に塗装変更、「日出」が橙色、「青空」が青色の塗装となった。また時期よってにはイラストなどが入れられていた。また、年末年始に限り「日出」が「希望」、「青空」が「開運」という愛称に変更される。
2代目車両は老朽化のため2008年(平成20年)3月11日で営業運転を終了した。同年2月1日からはありがとうヘッドマークの取り付けが行われ、最終日の11日にはさよならセレモニーも行われた。
- コ-1形・コ-2形
- 車体全長 - 12,800 mm
- 車体全高 - 3,680 mm
- 車体全幅 - 2,896 mm
- 運転整備重量 - 9.9 t
- 車輪径 - 550 mm
- 車体角度 - 22度
- 車両定員 - 135名
- うち座席 - 34席
- 運転最高速度 - 秒速3.2 m(時速11.52 km)
3代目車両(2008年 - 現行)[編集]
2008年3月12日から3月21日までの10日間、営業運転を休止し車両を更新。3月22日より3代目「日出」号、「青空」号が営業運転を開始した。
開業80周年を記念して、2014年10月16日から車両デザインを一新し、愛称も「武蔵 (MUSASHI) 」号、「御嶽 (MITAKE) 」号へ変更した[16]。
-
「日出」号(2010年)
-
「青空」号(2010年)
駅一覧[編集]
滝本駅(たきもとえき、北緯35度47分45.9秒 東経139度9分40.5秒) - 御岳山駅 (みたけさんえき、北緯35度47分22.5秒 東経139度9分12.4秒)
滝本駅[編集]
乗車券販売窓口が2箇所あり、いずれも駅員による販売。改札口は入口・出口1つずつあり、駅員が改札業務を行っている。
駅舎内には御岳登山鉄道本社、売店(土産物店)と駅そばが併設されている。トイレは水洗式である。
JR青梅線御嶽駅から西東京バスの「ケーブル下」停留所まで乗車し、そこから公道を5分程度登った場所にある。駅裏には有料駐車場があり、一般車はここまで進入することができる。
御岳山駅[編集]
- 所在地:東京都青梅市御岳山
- 標高:831.0 m
自動券売機が1機設置されている。窓口も存在するが通常の乗車券は券売機での購入となる。トイレは汲み取り式である。
駅舎内にはケーブルカーの運転室と運転装置がある。駅構内には売店と喫茶店が併設されている。駅前には「奥多摩・みたけ山 ケーブルカー乗車記念」と書かれた写真撮影用の看板が立っている。自動券売機の隣には過去に発売された記念乗車券が展示されている。
リフトの御岳平駅に近接しており、乗り換えができる。
利用状況[編集]
各駅の近年の1日平均乗車人員は次の通り。
年度 | 滝本駅 | 御岳山駅 | 出典 |
---|---|---|---|
1990年 | 1,164 | 1,016 | [17] |
1991年 | 1,046 | 910 | [18] |
1992年 | 1,175 | 1,014 | [19] |
1993年 | 1,112 | 964 | [20] |
1994年 | 1,066 | 918 | [21] |
1995年 | 1,038 | 885 | [22] |
1996年 | 1,047 | 814 | [23] |
1997年 | 1,260 | 447 | [24] |
1998年 | 7,077 | 2,520 | [25] |
1999年 | 1,443 | 1,311 | [26] |
2000年 | 803 | 601 | [27] |
2001年 | 778 | 671 | [28] |
2002年 | 737 | 636 | [29] |
2003年 | 699 | 604 | [30] |
2004年 | 658 | 567 | [31] |
2005年 | 723 | 562 | [32] |
2006年 | 679 | 537 | [33] |
2007年 | 675 | 536 | [34] |
2008年 | 663 | 532 | [35] |
2009年 | 699 | 562 | [36] |
2010年 | 693 | 554 | [37] |
2011年 | 841 | 663 | [38] |
リフト[編集]
御岳平駅 - 大展望台駅間の98m、2分程度で結んでいる。リフトの椅子は、赤・青・黄の3色に塗り分けられ、雨避け・日よけの小さな屋根も設置されている。
リフトは、乗客がいない場合には営業時間中でも運行が停止されるが、乗客が来るとすぐに動き出すようになっている。運行は土日祝のみ(繁忙期は毎日運行)。運賃は、大人・小児とも片道100円、往復190円である[12](前述のとおり、ケーブルカーとセットになった往復切符もある)。
駅一覧[編集]
御岳平駅(みたけだいらえき、北緯35度47分23.2秒 東経139度9分11.7秒) - 大展望台駅(だいてんぼうだいえき、北緯35度47分22.3秒 東経139度9分8.3秒)
御岳平駅[編集]
- 所在地:東京都青梅市御岳山
駅舎と土産物店・食堂の建物が併設されている。
大展望台駅[編集]
- 所在地:東京都青梅市御岳山
- 標高881 m
交通アクセス[編集]
- 鉄道・バス
- JR青梅線御嶽駅から、西東京バスを利用し、「ケーブル下」停留所下車。停留所から滝本駅までは、徒歩で5分程度である。
- 自家用車
- 滝本駅前に、御岳登山鉄道が運営する「滝本駅駐車場」(有料)がある。また、駅から離れた多摩川の河川敷に「公営無料駐車場」もある。
御岳山へのアクセス[編集]
御岳山駅・御岳平駅・大展望台駅から、御岳ビジターセンターや武蔵御岳神社までは、舗装路であるが徒歩のみで少し距離がある。途中で細い山道(都道)を上り下りする軽自動車などを見かけるが、山頂集落の居住者用車両等、特別に指定を受けた車両しか通行できず、一般車両は進入・通行できない。
脚注[編集]
- ^ a b c d e f g 鉄道統計年報平成29年度版 - 国土交通省
- ^ 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』令和元年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会
- ^ a b 「地方鉄道運輸開始」『官報』1935年1月15日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ a b c d e f g h 御岳登山鉄道エキスパート 歴史年表 - 御岳登山鉄道、2014年11月24日閲覧
- ^ 『鉄道統計資料. 昭和元年』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 『鉄道統計資料. 昭和2年』昭和3年度から御岳登山鉄道『鉄道統計資料. 昭和3年』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 会社概要 - 御岳登山鉄道、2014年11月24日閲覧
- ^ 1939年時の筆頭株主青梅電気鉄道『日本全国銀行会社録. 第47回(昭和14年)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 柴田朗(2015年3月28日). “御岳山ケーブルカー:運休 来年1月中旬から3月末まで 通学・通院手段なくなる 青梅市と自治会、鉄道と対応協議”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
- ^ 御岳登山鉄道エキスパート レールと車輪の秘密 - 御岳登山鉄道、2014年11月24日閲覧
- ^ 40年間ありがとう! 旧車体さよならイベント開催 - 御岳登山鉄道 - マイナビニュース、2008年2月14日
- ^ a b “時刻表・運賃”. 御岳登山鉄道. 2019年10月8日閲覧。
- ^ “鉄道運賃の認可および改定について” (PDF). 御岳登山鉄道 (2019年9月5日). 2019年10月8日閲覧。
- ^ 白土貞夫「戦前のケーブルカー小話」『鉄道ピクトリアル』No.421
- ^ 日立製作所『日立評論』1968年10月号製品紹介「御岳登山鉄道株式会社納 日立ケーブルカー (PDF) 」
- ^ 御岳登山鉄道 2014年9月29日閲覧
- ^ 東京都統計年鑑(平成2年)229ページ
- ^ 東京都統計年鑑(平成3年)235ページ
- ^ 東京都統計年鑑(平成4年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成5年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成6年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成7年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成8年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成9年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成10年) (PDF)
- ^ 東京都統計年鑑(平成11年) (PDF)
- ^ 東京都統計年鑑(平成12年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成13年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成14年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成15年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成16年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成17年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成18年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成19年)
- ^ 東京都統計年鑑(平成20年)
- ^ “東京都統計年鑑(平成21年) 4-13 私鉄の駅別乗降者人員” (Excel). 2012年11月12日閲覧。
- ^ “東京都統計年鑑(平成22年) 4-13 私鉄の駅別乗降者人員” (Excel). 2012年11月12日閲覧。
- ^ “東京都統計年鑑平成23年/運輸 4-13 私鉄の駅別乗降車人員” (Excel). 2017年5月3日閲覧。