弾薬箱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
7.62x51mm NATO弾 M80ボールカートリッジ用のM19A1弾薬箱。

弾薬箱(だんやくばこ、だんやくそう)、アムニッションボックス英語: Ammunition box)、アンモボックス(英語: Ammo box)とは、弾薬の安全な保管と輸送のために設計された容器である。アモ缶またはアモカンアーモボックスとも呼ばれる。

概要[編集]

通常は金属製で口径、弾種、数量、製造日またはロット番号が記載されている。

弾薬を湿気による変化から保護するために、ヒンジ付きの蓋にはゴムパッキンがよく見られる。

NATOでは、伝統的に再密封が可能な弾薬箱を使用する[1]

ワルシャワ条約機構加盟国の軍隊では通常、使い捨ての通称「スパム缶」を使用した[2]。 これらは、薬莢が一般的な真鍮より安いが錆に弱い鉄製の7.62x39mm弾5.45x39mm弾などを完全密封して保護するためのもので、内側に亜鉛メッキが施され、そのうえで木箱に収納されて保管されていた。現在でもロシア連邦軍などで使用されている[2][3]

第二次世界大戦中には、開封された弾薬缶を再封するためにダクトテープが使用されていた[要出典]

広義での弾薬箱[編集]

収納箱に入った35mm×228弾

弾薬箱には必ずしも金属でできたものだけ使用されてきたわけではない。歴史的には、木箱段ボールも弾薬の包装と保管の方法として使用されてきた。

自衛隊では2023年現在の仕様書でも弾薬の木箱について規定が存在している[4]

一部の愛好家は、歴史的な弾薬箱を収集している[5][6]

保存性[編集]

耐久性のある構造により、金属製の使用済み弾薬箱は小物入れなど、一般物資の保管やその他の目的で再利用されている[1][7][8]

また、宝探しゲームである「ジオキャッシング」では、よく宝箱として利用される。

使用済みの弾薬箱の内部には弾薬に含まれる装薬(火薬)の残留物があるため、飲食物の保管には使用できない。市販の新しいものや洗浄されるなどして完全に再生された使用済み弾薬箱には問題ない。

ステンシル文字が記された、多くの米軍放出品の使用済み弾薬箱が、ミリタリーショップなどで販売されている[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b c にゃかむら (2016年2月22日). “オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第14回 弾薬箱に書かれたステンシル文字の謎にせまる”. ASCII.jp (アスキー): pp. 1-2. https://ascii.jp/elem/000/001/121/1121557/ 2021年7月16日閲覧。 
  2. ^ a b ポル (2018年10月18日). “弾薬の缶詰は現在も利用されている?”. HB-PLAZA. 2021年7月16日閲覧。
  3. ^ syavo (2014年9月29日). “週末スペツナズ:5.45x39 7N6 弾薬用木箱”. ミリタリーブログ. 田村装備開発株式会社. 2021年7月16日閲覧。
  4. ^ 防衛省 (2023年2月22日). “陸上自衛隊小火器弾薬共通仕様書 仕様書番号GW-CG-Y700103R 補給統制本部 弾薬部”. 陸上自衛隊. 2023年5月24日閲覧。
  5. ^ Rains, Richard (2006年). “Collecting .22 Rimfire Boxes”. 2008年7月22日閲覧。
  6. ^ Collecting Shotshell Boxes” (2005年). 2008年7月22日閲覧。
  7. ^ Perkins, George (2003年5月23日). “The "AmmoLAN"”. Mini-ITX.com. 2008年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年7月22日閲覧。
  8. ^ Images tagged "ammobox"”. Flickr. 2008年7月22日閲覧。

外部リンク[編集]