広浜線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
広浜線(大朝付近)
大朝支所(旧大朝駅)

広浜本線(こうひんほんせん)は、日本国有鉄道自動車局(国鉄バス)・西日本旅客鉄道(JR西日本)・中国ジェイアールバス(中国JRバス)が運行する自動車路線である。

概要[編集]

かつては「鉄道線の短絡」という使命を持ち、千代田・大朝経由で広島市浜田市を結ぶ幹線であった。1934年9月に広島浜田間の直通バスとなった時点では、120kmを走破する広浜本線は当時としては有数の長距離バス路線であった。

第二次世界大戦が終結した後の1948年には急行便の運行が開始されたが、国鉄バスでは初めて急行料金制が導入された。1952年には夜行便として「明星号」の運行が開始された。未舗装路も残る山間部を経由する自動車路線における夜行便という点で特筆されるが、この時の経験が、「ドリーム号」の夜行ワンマン運行の実現につながったという[1]。夜行便は1962年8月に一旦は廃止されるが、1985年から数年間、浜田3:40発で広島駅新幹線口に7:13に到着、広島駅新幹線口22:10発に広島を出発して翌1:54に浜田到着の半夜行型の全区間一般道経由の長距離普通便として再開されている[2]

浜田自動車道の開通まで経由していた県境の三坂峠は狭隘で約100箇所のカーブがある[3]という曲がりくねった山道で、人気の全くない場所だった。観光バス仕様の11m車がやっと通過できる程度の道を、豪快なハンドルさばきであまり速度を落とさずに走り抜けていく[4]ことから、車体の色から「青い暴走族」という異名がついた[3]という。

浜田自動車道の開通後は、陰陽連絡路線としての使命は高速バス「いさりび号」に引き継がれることとなり、浜田と広島の間の所要時間は2時間程度に短縮された。その後、広浜本線の使命は地域路線へと変化している。

沿革[編集]

  • 1934年(昭和9年)
    • 3月26日 省営自動車広浜本線広島・亀山北口間開業[5][6]
    • 6月16日 亀山北口・大朝間延伸[7]
    • 9月1日 大朝・浜田港間延伸[8]
  • 1948年(昭和23年)
    • 6月 - 急行便2往復の運行を開始。
    • 9月10日 - 石見今市の営業範囲を一般運輸営業に変更。
    • 12月26日 - 石見今市・和田本郷間の支線開業。
  • 1952年(昭和27年)5月 - 夜行便「明星号」の運行を開始。
  • 1954年(昭和29年) - 有料道路で改修された幕ノ内峠を経由するようになる。
  • 1962年(昭和37年)8月 - 夜行便を廃止。マイクロバスによる特急ワンマンカーが運行開始。
  • 1964年
    • 10月9日 - 横川・七軒茶屋前間廃止。
    • 10月10日 - 停車場新設及び横川―安芸今津―七軒茶屋前間開業。
    • この年マイクロバスの運行を中止。
  • 1985年(昭和60年) - 新幹線連絡を目的とした半夜行便の運行を開始。
  • 1990年(平成2年)3月14日 広島-浜田間にG特急2往復運行開始
  • 1991年(平成3年)12月8日 浜田自動車道開通によりいさりび号が運行開始され、同時に県境の上大塚 - 瑞穂IC入口の区間が廃止される。
  • 1998年(平成10年)2月3日 広島駅の発着場が新幹線口から南口に変更になり、同時に安芸線からの直通系統が運行開始される。
  • 1999年(平成11年)4月1日 安芸線との直通便、森城団地を経由しない槇原橋経由、および川本線への直通普通便は全廃され、半数の便が文教女子大前発に短縮される。
  • 2000年(平成12年)
    • 6月 鈴張 - 大朝間の廃止計画浮上。
    • 11月 鈴張 - 大朝間を存続させるために同区間の便数を半減する。
  • 2003年(平成15年)
    • 4月1日 島根県側の浜田 - 瑞穂IC入口が廃止され、石見交通が路線を引き継ぐ。
    • 4月30日 新大朝駅が完成し、乗り入れを開始する。従来の大朝駅は大朝車庫となり、駅機能停止。
  • 2005年(平成17年)7月1日 広島 - 大田市・江津の特急バス廃止に伴って千代田IC - 大朝車庫の区間便を運行開始。
  • 2007年(平成19年)12月3日 従来の可部駅前バス停を可部駅西口広場に移設し、乗り入れを開始する。
  • 2008年(平成20年)
    • 1月26日 ICカード乗車券『PASPY』導入。
    • 3月 JR西日本発行の『ICOCA』での乗車が可能になる。
  • 2018年(平成30年)

運行系統[編集]

2014年11月10日より順次導入される広島都市圏及びその周辺のバス事業者共通の系統番号が割り振られ、74号線となる[9]

PASPY定期券は広電バス広島バス広島交通芸陽バス備北交通ボン・バスとの並行区間で相互利用可能となっている[10]

(停留所名)は一部の便のみ停車。<停留所名/停留所名>はどちらかを経由。

  • 大朝発着系統(広島駅への便は快速便)(広島方面は紙屋町経由で、大朝方面は広島バスセンター経由)
    • 74H(上り)・74-4(下り) 広島駅 - 八丁堀 - <広島バスセンター/紙屋町> - 横川 - 祇園出張所前 - 下古市 - 古市小学校前 - 佐東出張所前 - 文教女子大前 - 可部 - 可部上市 - 上大毛寺 - 上勝木 - 飯室 - 森城団地入口 - 森城団地中央 - 鈴張 - 千代田IC - 安芸新庄 - 大朝駅 - 大朝車庫
      • 74(上り)・74-4(下り) 文教女子大前・森城団地入口・千代田IC - 大朝車庫間の区間便あり。
  • 鈴張・星が丘発着系統(広島方面は紙屋町経由で、鈴張・星が丘方面は広島バスセンター経由)
    • 74H(上り)・74-3(下り) 広島駅 - 八丁堀 - <広島バスセンター/紙屋町> - 横川 - 祇園出張所前 - 下古市 - 古市小学校前 - 佐東出張所前 - 文教女子大前 - 可部 - 可部上市 - 上大毛寺 - 上勝木 - 飯室 - 森城団地入口 - 森城団地中央 - 鈴張
    • 74H(上り)・74-6(下り) 広島駅 - 八丁堀 - <広島バスセンター/紙屋町> - 横川 - 祇園出張所前 - 下古市 - 古市小学校前 - 佐東出張所前 - 文教女子大前 - 可部 - 可部上市 - 上大毛寺 - 上勝木 - 飯室 - 森城団地入口 - 森城団地中央 - 星が丘 - 譲羽団地入口

廃止路線[編集]

  • 広浜本線
    • 浜田駅 - 下佐野 - 石見今福 - 美又温泉口 - 石見今市 - 坂本 - 都川 - 越木 - 石見市木 - 丸瀬橋 - 大朝
  • 雲城線
    • 雲城口 - 金城中学校前 - 雲城
  • 美又線
    • 美又温泉口 - 美又温泉 - 追原
  • 柚根線
    • 久佐郷口 - 浄光寺前
  • 木田線
    • 旭インター入口 - 旭温泉- 木田
  • 和田線
    • 石見今市 - 和田本郷- 中戸川

備考[編集]

  • 1998年2月3日から1999年3月31日までの1年ほどの間、安芸線と広浜線、雲芸南線との直通便が運行された。広浜線の場合は海田車庫 - 大朝、海田車庫 - 鈴張、海田車庫 - 星が丘、鯛尾 - 鈴張の4系統だったが、渋滞ポイントの大州付近などで大幅な遅れを出して広島バスセンターに乗り入れてくるために不評だった。また、遅れを取り戻すためにバスセンターの乗り場に割り込むように乗り入れて、本来その時間に発着する便が乗り場に入れないなどの事態が発生した。
  • 全国的にJRバスの一般路線が廃止されていく中で、鈴張 - 大朝間は一度廃止計画が浮上したものの、沿線自治体との協議で撤回されて未だに運行が続いている稀有な例である。ただし同区間の利用者は依然多いとはいえず、将来的には再び廃止計画が浮上する可能性も考えられる。
  • 中国JRバス広島支店の一般路線車は三菱ふそうと日野自動車、いすゞが配置されているが、何故か広浜線にはよほどの事がないと三菱ふそうの車両のみで運行されていたが、2007年10月から新車のいすゞエルガも運用に就くようになった。

注記[編集]

  1. ^ バスラマ・インターナショナル24号「特集・国鉄~名神 東名・名神ハイウェイバス」p37
  2. ^ ただし、実質広島県内での始発便と最終便として趣が強く、県境を越えての利用は少なかったらしい。
  3. ^ a b 種村直樹「さよなら国鉄最長片道きっぷの旅」(1987年・実業之日本社)p72-73
  4. ^ バスジャパン・ハンドブックシリーズ5「中国ジェイアールバス」p20
  5. ^ 「鉄道省告示第107号」『官報』1934年3月23日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  6. ^ 『全国乗合自動車総覧』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. ^ 「鉄道省告示第263号」『官報』1934年6月15日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  8. ^ 「鉄道省告示第405号」『官報』1934年8月30日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ 広島県バス協会 路線バス”. 広島県バス協会. 2018年6月10日閲覧。
  10. ^ 共通定期券制度開始のお知らせ”. 中国ジェイアールバス (2018年6月29日). 2018年7月15日閲覧。

参考文献[編集]

  • バスジャパン・ハンドブックシリーズ5「中国ジェイアールバス」(1996年・BJエディターズ)