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平陽昭公主

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
平陽公主
平陽公主(『美人百態畫譜』より)
続柄 高祖第三皇女

称号 平陽公主(諡:平陽昭公主)
身位 公主
出生 不詳
死去 武徳6年(623年
配偶者 柴紹
子女 柴哲威
柴令武
父親 高祖
母親 竇皇后
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平陽公主(へいよう こうしゅ)は、中国の高祖李淵の三女。本名は不詳、封号が平陽諡号で、通常はこれをひとつにして平陽昭公主(へいよう しょう こうしゅ)と呼んでいる。娘子軍を率いて父を助けたことで知られる。

生涯

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李淵と竇皇后の間に生まれた。本名は知られていない。成人すると、柴紹に嫁いだ。

大業13年(617年)、父の李淵が太原で起兵したとき、夫の柴紹とともに長安にいた。公主は一計を案じ、柴紹には間道を抜けて太原に向かわせ、自分は鄠県に逃れた。家財を散じて兵を募り、数百人を得て、父の起兵に呼応した。ときに何潘仁が司竹園に拠って総管を称していたが、公主は家奴の馬三宝を派遣して降し、ともに鄠県を攻めた。また武功・盩厔・始平を経略して、李仲文・向善志・丘師利らを下した。部衆に法の遵守を誓わせ、略奪を禁じたので、関中近隣で公主につくものが多く、兵7万に及んだという。李淵の唐軍が黄河を渡ると、公主は渭北で李世民の軍と合流した。柴紹と公主は幕府を対置して、長安の平定にあたり、公主の部衆を娘子軍と号した。李淵が唐朝を建てると、平陽公主に封ぜられた。

武徳6年(623年)、亡くなった。公主の葬儀にあたって、李淵は羽葆・鼓吹・大路・麾幢・虎賁・甲卒・班剣の礼を加えた。葬礼をつかさどる太常は「婦人の葬儀に、昔から鼓吹の礼はない」といって反対したが、李淵は聞き入れず、「鼓吹は軍楽である。公主の身で金鼓をとり、軍命に参じたものが、昔にいたか。鼓吹を用いるにふさわしいではないか」と答えた。

評価

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李淵:鼓吹は軍楽である。かつて公主は司竹で兵を挙げて義旗に呼応し、自ら金鼓を執り、天下平定の勲功を立てられた。周の文母が十乱の臣に列せられたように、公主の功績は建国を助けるものだった。これは普通の婦人の及ぶところではない。どうして鼓吹(の栄誉)があってはならないことがあろうか。

王世貞:夫人城の北に氐族を走らせ降す、娘子関の前高く義旗が翻る。今日この関頭に独り笑う、 あらずやあってしかるべき、巾帼を男児に贈るなきを。

逸話

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初め、高祖(李淵)が挙兵した時、公主は長安に住んでいた。柴紹が言った。「ご尊父(李淵)が兵を率いて都を平定なさる。私もお供したいが、あなたを連れて行くのは難しい。どうすればよいだろうか」。公主は答えた。「どうぞお進みください。私は自分で道を切り開きます」。

伝えられるところでは、娘子関は元々「葦沢関」と呼ばれていたが、唐の平陽公主がここに駐屯したことに因んで改名されたという。

平陽公主が娘子関を守備していた時、劉黒闥の軍が攻め寄せた。兵力不足で危機的な状況の中、公主は一計を案じた。民と共に新米で粥を作り、夜陰に乗じて関前の渓谷に流し込んだのである。 翌朝、それを発見した敵兵は馬の尿と誤認。敵将は関所に翻る旗や響き渡る鬨の声から、援軍が到着したと錯覚し、伏兵を恐れて撤退した。真実に気づいた頃には、太原からの本物の援軍が到着しており、退却を余儀なくされたのである。

演義小説中の平陽公主

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平陽公主は明清の演義小説にしばしば登場し、その物語は主に兵士を募集し複数の県城を攻略した後、李世民の軍と合流するエピソードに集中している。

『大唐秦王詞話』では、公主は李世民の無実を訴えるために李淵に直訴するが、李淵に敷衍され、鬱憤が晴れずに宮中で病に伏せる。彼女は柴紹に李世民を呼び寄せ、日月龍鳳袄(竜と鳳が描かれた礼服)・山河社稷裙(国家を象徴する裙)・賜斬偏妃剣(側妃を斬ることを許された剣)・金鑲伝国璽(金で縁取られた伝国の璽)を李世民に託し、長孫皇后へ届けるよう依頼。さらに李世民に対し、李建成と李元吉に警戒するよう忠告する場面が描かれる。

『隋史遺文』において、平陽公主を三国時代の孫夫人に喩えた原文――「年は十六歳ちょうど、ちょうど三国時代の孫権の妹――劉玄德の夫人――のように、針仕事を弄ぶのには向かず、むしろ弓を引き剣を舞うのに適している。『烈女伝』や『女孝経』のような書物よりは、『三略』『六韜』『孫子呉子』といった兵法書を好んで読んだ」という描写。

唐公主(說唐演義全傳)

『隋唐演義』では、李淵が柴紹を駙馬(女婿)に迎えようとした際、公主は試練として配下の女子たちに長蛇陣・五花陣・六花陣などの陣法を布かせ、柴紹に破陣を挑ませる。柴紹がこれを見事に突破したため、二人は晴れて夫婦となる。

伝記資料

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  • 新唐書』巻83 列伝第8「諸帝公主伝」