常石造船

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常石造船株式会社
Tsuneishi Shipbuilding Co., Ltd.
種類 株式会社
略称 つねぞう
本社所在地 日本の旗 日本
720-0393
広島県福山市沼隈町常石1083
設立 2011年平成23年)1月4日
業種 輸送用機器
法人番号 8240001037704 ウィキデータを編集
事業内容 船舶の建造・修繕
代表者 代表取締役社長 河野健二
資本金 1億円
売上高 988億5800万円(2019年12月31日時点)[1]
営業利益 ▲49億8000万円(2019年12月31日時点)[1]
経常利益 ▲38億7800万円(2019年12月31日時点)[1]
純利益 ▲56億6700万円(2019年12月31日時点)[1]
純資産 270億9100万円(2019年12月31日時点)[1]
総資産 1456億3100万円(2019年12月31日時点)[1]
従業員数 920人(2010年12月現在)
決算期 12月
外部リンク http://www.tsuneishi.co.jp/
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常石造船株式会社(つねいしぞうせん、英語: Tsuneishi Shipbuilding Co., Ltd.)は、日本の大手造船メーカー。通称「つねぞう」。

概要[編集]

広島県福山市に拠点を置く造船事業会社である。現在の会社は法人格としては2代目で、初代は現会社の持ち株会社であるツネイシホールディングスにあたる。同社が2007年平成19年)1月にグループ10社を吸収合併して「常石造船株式会社」から「ツネイシホールディングス株式会社」に改称、造船事業部門を担当する社内カンパニーが「ツネイシホールディングス 常石造船カンパニー」となった後、2011年(平成23年)1月にツネイシホールディングスの事業部門を新設分割した際、造船事業部門を「常石造船株式会社」として分割した[2][3]

バラ積み貨物船を主力とする国内有数の造船メーカーであり、常石工場(広島県福山市)を製造拠点としている。また、フィリピン中国に造船所を持ち、海外展開も進めている。 新造船竣工量(艦艇を除く)を基準にした2005年の国内順位は5位[4]

同社のバラ積み船はTESS(Tsuneishi Economical Standard Ship)シリーズとして販売されている。

パナマックス型バルカー(kamsarmax)では世界シェアNo.1、ハンディマックス型バルカー(TESS58)では世界シェアNo.2を誇る。[5]

沿革[編集]

  • 1903年(明治36) - 創業者神原勝太郎が石炭輸送のため中古船を購入し海運業を興す(現・神原汽船株式会社)[6][7]
  • 1917年(大正6年)7月 - 海運のコストダウンとして船の製造・修理を自前で手掛けるため塩浜造船所を創業[7]
  • 1942年(昭和17年)- 太平洋戦争勃発による輸送需要の高まりから、国の要請により、藤井造船所,西浜造船所と合併し、常石造船株式会社として法人化、設立[7]。木造船の竣工と修理を手掛ける[8][6]。常石の名は所在地の地名に由来する[7]
  • 1958年(昭和33年)- 初の鋼船「美小丸」竣工[8]
  • 1973年(昭和48年)- 常石造船事件(労災における損害賠償責任を認めた東京高裁判決)[9][10][11]
  • 1976年(昭和51年)- 波止浜造船株式会社と業務提携
  • 1992年(平成4年)- 日本鋼管株式会社(現ジャパン マリンユナイテッド)と業務提携
  • 1994年(平成6年)- TSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU) INC.をフィリピンに設立
  • 1998年(平成10年)- 代表取締役社長に神原勝成(創業者の曾孫、2代目社長神原真人長男)[12]
  • 1999年(平成11年)- ISO 9001の認証取得
  • 2000年(平成12年)- 波止浜造船株式会社と合併、多度津工場とする。
  • 2003年(平成15年)- 常石(舟山)船業発展有限公司、常石(舟山)大型船体有限公司を中国に設立
  • 2006年(平成18年)- 東京大学で「マリタイム・イノベーション(常石造船)寄付講座」開始[13]
  • 2007年(平成19年)- グループ10社と合併、ツネイシホールディングス株式会社が発足。同社の社内カンパニーの一つとなる。
常石集団(舟山)船業発展有限公司と常石集団(舟山)大型船体有限公司を統合し、常石集団(舟山)造船有限公司に改組
  • 2008年(平成20年) - パラグアイに海外子会社ASTILLERO TSUNEISHI PARAGUAY S.A.を設立[14]
  • 2011年(平成23年)1月4日 - ツネイシホールディングスの造船事業部門を新設分割により、常石造船株式会社として再発足[2][3]。代表取締役社長に川本隆夫[15]
  • 2013年7月- 大島造船所新来島どっくサノヤス造船と共同出資して、マリタイムイノベーションジャパンを設立[16]
  • 2013年(平成25年)- 国内2カ所目の製造拠点であった多度津工場の譲渡を発表し、それを目的として完全子会社の多度津造船株式会社を設立。
  • 2014年(平成26年)12月 - 多度津造船株式会社を今治造船に譲渡した。
  • 2015年(平成27年)1月 - 代表取締役会長に川本隆夫、代表取締役社長に河野健二が就任[17]
  • 2015年(平成27年)1月 - カムサマックスバルカー200隻目を竣工
  • 2017年(平成29年)7月 - 常石造船創業100周年
  • 2017年(平成29年)9月 - クルーズ客船「guntû(ガンツウ)」竣工
  • 2018年(平成30年)4月 - 2,800TEU型コンテナ運搬船1番船を竣工
  • 2018年(平成30年)5月 - 三井E&S造船の商船事業分野と業務提携
  • 2020年(令和2年)1月 - TESSシリーズが500隻竣工を達成

事業所及び建造設備[編集]

国内及び海外の関連会社も含め、記述する。

自社[編集]

  • 常石工場 : 広島県福山市沼隈町常石1083番地
    • 船台、ドック
      • No.1 船台 : L 250.0 × W 41.5 m
      • 建造ドック : L 275.0 × W 48.0 × 9.00 m
    • 修繕部門
      • No.1 ドック : L 250.0 × W 49.5 × D 8.05 m
      • No.10 ドック : L 160.0 × W 35.6 × D 6.25 m
      • No.11 ドック : L 150.0 × W 31.7 × D 6.25 m
      • No.12 ドック : L 330.0 × W 54.5 × D 7.75 m

関連会社(海外)[編集]

  • Tsuneishi Heavy Industries (Cebu) Inc. : フィリピン共和国セブ島
    • 第1船台 : 52,000 DWT、L 200.0 × W 34.0 m
    • 第2船台 : 100,000 DWT、L 250.0 × W 41.0 m
    • 浮きドック : 5,000 ton、L 128.0 × W 23.3 m
    • 浮きドック : 8,500 ton、L 139.5 × W 24.5 m

製品[編集]

標準船 TESSシリーズ[編集]

主力製品であるバラ積み貨物船の標準船シリーズの呼称。Tsuneishi Economical Standard Shipの略。 低コスト、低燃費、高い汎用性を追求し、ノルウェーの海運会社ウグランド社の技術支援によって開発された。

第1番船は、1984年3月に竣工。40,000 DWTの「TESS 40」からスタート。バリエーションを増やし、2006年11月までに198隻が就航した。

2012年1月6日には、TESSシリーズのハンディマックスサイズで300隻目となる「TESS 58」型バラ積み貨物船を中国舟山工場で建造し、パナマの海運会社に引き渡した[18]

  • TESS 40 : 40,000 DWT
  • TESS 45 : 45,000 DWT
  • TESS 52 : 52,000 DWT
  • TESS 58 : 58,500 DWT
  • TESS 76 : 76,000 DWT
  • EURO TESS : 52,000 DWT、76,000 DWT

KAMSARMAX シリーズ[編集]

ギニアのカムサ港 (Port Kamsar) に入港でき、積載量が多いバラ積み貨物船として、2002年に開発された。「KAMSARMAX(カムサマックス)」はツネイシホールディングスの登録商標(第4777201号)となっている[19]

  • KAMSARMAX : 82,300 DWT

参考文献[編集]

  • 『常石グループ報 つねいし』No.286、神原汽船株式会社内『つねいし』編集室、2006年

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f 常石造船株式会社 第9期決算公告
  2. ^ a b グループ報「つねいし」No.334 (PDF)”. ツネイシホールディングス (2011年1月1日). 2011年12月17日閲覧。
  3. ^ a b ツネイシホールディングスの分社化について〜ツネイシホールディングスを持ち株会社へ7事業会社を分社〜”. ツネイシホールディングス (2010年12月7日). 2011年12月17日閲覧。
  4. ^ 2006年7月24日 日経産業新聞
  5. ^ ABOUT US” (日本語). 常石造船 新卒採用|TSUNEISHI SHIPBUILDING Co.,Ltd.. 2020年5月20日閲覧。
  6. ^ a b 企業情報 沿革常石造船株式会社
  7. ^ a b c d 寺院経営における企業スポンサーの役割に関する一考察─神勝寺と常石グループの事例から小野瀬拡・山口浩、駒澤大学、Journal of Global Media Studies Vol. 26、2020年
  8. ^ a b 副島信, 「常石造船株式会社(事業所紹介)」『Techno marine 日本造船学会誌』 880巻 2004年 p.492-495, 日本船舶海洋工学会, doi:10.14856/technom.880.0_492
  9. ^ 常石造船事件労働法ナビ
  10. ^ 05146事件名:損害賠償請求控訴/同附帯控訴事件労働基準判例検索全情報、公益社団法人全国労働基準関係団体連合会
  11. ^ 労働契約における使用者の安全配慮義務 : 労働者の身体的・精神的過労、ストレス等による労災事案を中心として内藤恵、慶應義塾大学法学研究会『法学研究』 81(12), 413-455, 2008-12
  12. ^ 『地方の名門企業: 週刊東洋経済eビジネス新書No.242』週刊東洋経済編集部、東洋経済新報社、「宮澤家を長年支援 瀬戸内の重鎮 ツネイシHD」の章
  13. ^ 常石造船が東京大学大学院で寄附講座をこの秋から開設 〜船舶のライフサイクルの価値向上が重点テーマ〜常石造船プレスリリース、2006年7月28日
  14. ^ 常石造船が南米パラグアイの“日本パラグアイ学院”の学生を迎え、常石グループ施設の見学ツアーを実施常石造船プレスリリース、2019年7月26日
  15. ^ 役員人事についてのお知らせ常石造船プレスリリース、2010年12月27日
  16. ^ “中堅造船4社、船舶研究開発で新会社”. (2013年7月5日). http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0120130705bcaw.html 2013年10月7日閲覧。 
  17. ^ 役員人事についてのお知らせツネイシホールディングス株式会社、2014年11月17日
  18. ^ 常石の主力貨物船が祝300隻”. 中国新聞 (2012年1月7日). 2012年1月9日閲覧。
  19. ^ KAMSARMAX (カムサマックス) の紹介”. 西部造船会 メールマガジン第14号 (2004年8月31日). 2012年1月9日閲覧。

外部リンク[編集]