常動曲 (ヨハン・シュトラウス2世)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

常動曲』(じょうどうきょく、ラテン語Perpetuum mobile作品257は、ヨハン・シュトラウス2世が作曲した管弦楽曲。『無窮動』(むきゅうどう)とも称される。ニューイヤーコンサートで多く演奏される作品である。

概要[編集]

シュトラウス2世には次第にテンポを上げてゆく「加速度円舞曲」という作品があるが、この常動曲は「常に動いているように」と指示している通り何回でも最初から繰り返し演奏できるように作られた「音楽の永久運動」と言うべき作品である。1861年4月4日ウィーンで初演され、当時普及し始めていた「機械」に着想したと言われているが、初演当時の評判はあまり芳しくなかったという。しかし現在はコンサートにおける「小粋なアンコール」として親しまれ、有名になっている。スコアの最後には「あとはご自由に」と書かれており、フェイドアウトする演奏や最初から繰り返す演奏、指揮者が「あとはこの繰り返しです」と聴衆に語りかけて終わるという演奏などがあるが、現在では聴衆に語りかけて終わる演奏のほうが一般的である。例えば2015年ウィーン・フィルニュー・イヤー・コンサートでは、指揮者のズービン・メータが、この曲を自ら"et cetera. et cetera..."と語って終わらせた。また、かつてのニューイヤーコンサートで、指揮者のロリン・マゼールはこの作品の演奏終了直後に、ドイツ語で”und so weiter,und so weiter(この後も引き続きます)”と述べた過去があった。

同時に、この作品は、さながらオーケストラの各楽器の紹介といった意味・機能をも持っており、ここ最近のニューイヤーでは、同工な意味合いを持つ父ヨハン・シュトラウス1世が1840年頃に作曲した幻想曲『エルンストの思い出、またはヴェネツィアの謝肉祭』(op.126)という作品が演奏される新しい傾向をみせ始めてもいる。ちなみに、この父1世の幻想曲は2007年、2013年度のニューイヤーで過去2回ほど演奏されている。

また逸話として、リヒャルト・シュトラウスは、このワルツ王の『常動曲』が個人的に好みの一曲であったらしく、1925年にシュトラウス2世の生誕100年を記念して、ウィーンのある新聞に掲載された記事の中で次の様な言葉を残したと言われる。

「・・・正直に申しますと、私は4楽章の交響曲よりも、時として彼の『常動曲』の指揮の方が嬉しいと思うことがありまして・・・」

なお、音楽番組「オーケストラがやってきた」のテーマ曲として広く知られていた。また「音楽の冗談」という副題を持っており、シュトラウス2世の遊び心が込められた小さな佳作である。

構成[編集]

8小節の旋律を変奏曲形式でつなぎ楽器が次々と変わっていき、機械の無機質な回転を思わせるリズムに乗って、ウィーンっ子の軽口を聞くような流麗軽快な音楽である。