市司

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市司(いちのつかさ)は律令制において京職に属する機関。都の東西のそれぞれに設置され、東市司(ひがしのいちのつかさ)は左京職西市司(にしのいちのつかさ)は右京職に属していた。

職掌[編集]

都の東西に置かれていた市を監督する。市における不正及び犯罪の防止や交易における度量衡の管理、物価の監視などにあたる他、時に応じて公用に供する物資の調達にもあたったとされている。また、10日ごとに(「延喜式」では毎月1度)市における時価を上中下の3等に分けて(その中でも更に高値安値などの3段階表記をしたため、実質は9等)その時々の物価を調査した「估価帳」を作成して属する京職に対して提出した。估価帳の作成は時価を調査することで、官が買い上げる時に適正価格を判断するための資料に用いられたと考えられている[1]

長である市正(いちのかみ)は本来は正六位上相当の官であったが、五位の実務官僚や得業生文章生のうち成功に応じた者が任命されることが多かった。つまり良くも悪くも財力や経済感覚に富んだ人物が起用されていた。また、市の治安を扱う事から検非違使の尉が兼務することもあった。

伴部として価格を検査する価長、市での犯罪者を取り締まる物部などが置かれた。

職員[編集]

  • 史生 東西各二名(後各一名)
  • 価長 東西各五名
  • 物部 東西各二十名
  • 使部 東西各十名(後各六名)
  • 直丁 東西各一名

脚注[編集]

  1. ^ 森明彦「日本古代の価値体系の特質と貨幣」『日本古代貨幣制度史の研究』(塙書房、2016年) ISBN 978-4-8273-1283-6

関連項目[編集]