巾着

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巾着

巾着(きんちゃく)とは、日本古来の小物や手回り品を収納して持ち歩くための。巾着袋(きんちゃくふくろ)。

『編物教科書』(1905年)菊花編(きくかあみ)巾着

概要[編集]

使用されている素材は主に布・革がある。一般的には布で製造されているものが多い。入れ口にはが通してあり紐で口をしばって携帯する。携行されるときは腰に付けられることが多い。一般的に金品や貴重品類などをおさめるために使用されるほか、幼稚園や小学校などでは食器(コップなど)や文房具などを入れるためにも使用される。

編み物で作られることもあり、明治時代に出版された編み物の教科書などにも、和装の装飾品としての編み物の巾着の作り方などが掲載されている。

守巾着(まもりきんちゃく)と呼ばれるものもあり、これは中にお守りを入れて幼児に携行させた巾着袋である[1]。麻の葉の模様やなど、巾着に使われる布地の模様や刺繍、紐の結び方などに魔除けや健康・長寿の意味をもたせたものが施されることもある。

明治から昭和にかけての日本の軍隊では、入営のときに用いられる必需品をおさめる袋である奉公袋(ほうこうぶくろ)応召袋(おうしょうぶくろ)あるいは兵隊たちに支給された被服手入具(ひふくていれぐ)を入れておく製の袋[2]が巾着袋の形状をしていた。

言語[編集]

  • イソギンチャク(磯巾着)キンチャクソウ(巾着草) 形状からの呼称。
  • ぶらさげて持ち歩く点からの転用で、権力者などの下にべったりとくっついている人間のことを腰巾着(こしきんちゃく)と呼ぶ。また、おなじような意味からついでに旅行に同行することを巾着旅行と呼ぶ。
  • 金品などを入れていることから、スリのことを巾着切りと呼ぶ。
  • おでんなどの煮物料理に用いられる油揚げ加工品に「巾着」と呼ばれる食品がある。などが油揚げの中に入っており、口を干瓢などで巾着の口のように結ぶ。

文学における巾着[編集]

  • 十返舎一九による滑稽本東海道中膝栗毛』(二編)では、道中で「ごまのはい」に金を盗まれて困った弥次郎兵衛と喜多八が身に着けていた印伝革の巾着を通りがかりの武士に300文で売りつけようとするが、足元を見られて安く買いたたかれてしまう。
  • 池田光政は倹約をつとめた大名だったが、ある日、家臣が珊瑚の緒締(おじめ)を紐につけた豪華な巾着をつけているのを見た。そのときは何も言わず、後日その家臣に対し「これは自分が手づくりした巾着である、出来がとても良いので、そなたに授けよう」と粗末な布で縫い、火箸で穴をあけただけのムクロジの実を緒締にした巾着を渡し、暗に倹約の励行を示したという。この話は、明治時代の修身の教科書などに掲載されている(「光政の巾着」[3]などの題で掲載)。

その他[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 赤沼八重子 『嚢物教科書』上巻 元元堂書房 1909年 60頁
  2. ^ 上田頼三 『内務ニ関スル心得』 軍需商会 1914年 附図第七:被服手入具及雑嚢制式
  3. ^ 那珂通世、秋山四郎 編『尋常小学修身口授書』巻3 共益商社書店 1893年 33-35頁

関連項目[編集]