川崎竹一

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川崎 竹一(かわさき たけいち、1904年明治37年〉3月23日 - 1982年昭和57年〉4月28日)は、日本フランス文学者翻訳家編集者文藝春秋社文學界」第3代編集長。九州帝国大学仏文学科卒。

『文藝通信』において川崎がゴンクール賞ノーベル賞など海外の文学賞の様な権威のある文学賞を我が国にも設立するべきだと書いた文章を菊池寛が読んだことが芥川龍之介賞直木三十五賞の設立の動機となっている[1]

生涯[編集]

長崎県出身。1929年、九州帝国大学法文学部仏文学科卒業。父親の会社を継ぐために法文学部法学科に入学したが、親に内緒で転科。そのため、条件として菊池寛の下で文学を勉強することになり上京。文藝春秋社に入社し、「文学界」の編集長となり、その後に重役となる。

1945年の文藝春秋社の解散後は、大学教授職の誘いもあったが、翻訳と執筆に専念した。当時最も長い小説とされたジュール・ロマンの『善意の人々』を2巻訳して日本に紹介したほか、後年は実用書、大衆小説、児童文学などの翻訳を行った。

逸話[編集]

  • 「若き日の島崎藤村」は島崎藤村の青年期の手紙をモデルに書いた本で、遺族からプライバシーの侵害を訴えられたことで当時話題となり、ベストセラーとなった。裁判は川崎の勝訴に終わっている。

著作[編集]

単著[編集]

  • 『若き日の島崎藤村』(明日香書房、1947年)
  • 『キュリー夫人 愛の科学者』(信友社、1948年)
  • 『藤村の恋愛と故郷の文学 新生より夜明前迄』(明日香書房、1948年)
  • 『世界名演説集 歴史篇』(信友社、1949年)
  • 『歴史的な大雄弁 ギリシャ・ローマ時代よりアメリカ独立自由の熱弁まで』(信友社、1952年)

翻訳[編集]

  • ジュウル・ロマン『善意の人々 第1』(創元社 1941年)
    • 『善意の人々 第2』(三笠書房〈三笠版現代世界文学全集〉、1954年)
  • ロマン・ルウセル『徒党の地図』(白水社、1941年)
  • ジャン・ルノオ『仏印駐屯軍の記録』( 山河書房、1942年)
  • サン・ピエール『海の嘆き ポールとヴィルジニー』(富士出版、1948年)
  • ジョルジュ・サンド選集 第2巻 魔の沼』(大学書林 1949年)
  • ジョルジュ・サンド『彼女と彼』(岩波文庫、1950年)
  • エルヴェ・バザン『壁にぶつけた頭』(文藝春秋新社、1952年)
  • ピエール・フィツソン『京城の恋人』( 新潮社、1953年)
  • スターフ夫人『愛される女性』 ( 実業之日本社、1953年)
  • ラ・ロッシェル『女たちに覆われた男』( 新潮文庫、1953年)
  • P.ミュッセ『風の神と雨の神』(講談社〈世界名作童話全集〉、1954年)
  • デュマ父『黒いチューリップ』(講談社〈世界名作全集〉、1954年)
  • クロード=アンリ・ルコント『巴里の女 パリジェンヌの性態報告』(谷長茂共訳、北辰堂、1955年)
  • ジルベール・ルメルル『愛の技術』(河出新書、1955年)
  • フロランス・ピカール『結婚教科書 上手な結婚のしかた』(フロランス・ピカール 河出新書、1955年)
  • フロランス・ピカール『恋愛教科書 男女の求愛のしかた・させかた』(河出新書、1956年)
  • フロランス・ピカール『永遠に美しくあるために』(河出新書、1956年)
  • J.ルマルシャン『永遠に若くあるために』(河出新書、1956年)
  • J.ルマルシャン『人生に勝ちぬくために』(河出新書、1956年)
  • ニコル『放たれた雄獅子たち』(大日本雄弁会講談社〈ミリオン・ブックス〉、1956年)
  • ル・マルシャン『有能な人となるには』(河出書房、1956年)
  • ルーズ『実録ロビンソン』(実業之日本社〈少年少女世界の本〉、1957年)
  • ジュール・ロマン『もだえ 若き世代のドラマ』(大日本雄弁会講談社、1957年)
  • マルモン『ジャンヌ・ダルクの不思議な冒険』(実業之日本社〈少年少女世界の本〉、1958年)
  • F.ナヴァラ『禁断の山』(河出書房新社、1958年)
  • J.M.バウェル『わが足の続くかぎり ドイツ人将校シベリア脱走記』(六興出版部、1958年)
  • F.V.ヒルバウ『男狩り』(六興出版部、1959年)
  • V・ナボコフマグダ』(河出書房新社、1960年)
  • マロー『家なき子』(講談社〈世界名作童話全集〉、1962年)
  • セギュール夫人『ろば物語』(講談社〈少年少女世界文学全集 フランス編〉、1962年)
  • セルジュ・ラフォレスト『赤い霧』( 番町書房〈スパイ・サスペンス・シリーズ〉、1962年)
  • セルジュ・ラフォレスト『闇ドルの女王』(番町書房〈ポイントブックス〉、1963年)
  • フランソワ・ポリ『人喰鮫は夜釣れる』( 番町書房、1963年)
  • ビルドラック『ばらいろ島の少年たち』 ( 講談社〈少年少女新世界文学全集〉、1964年)
  • ロベール・シャルー『世界の財宝 未だ発見されざるもの 』(実業之日本社、1964年)
  • ベルヌ海底二万里』(講談社〈世界の名作〉、1965年)
  • 編訳『エロスの文学』(山王書房、1968年)
  • ルブラン『怪盗ルパン』(講談社〈世界の名作図書館〉、1969年)
  • アンドレ・アルヌウ『生きがいをひらく』(大和書房、1970年)
  • J.ルマルシャン『成功する考え方 生きがいある人生への指標』(大和書房、1971年)
  • 『シュリィ・プリュドム詩抄 ノーベル賞文学全集23』(主婦の友社、1971年)
  • ボーガン『紙カヌーの冒険』(小学館〈少年少女世界の名作〉、1972年)
  • ポウロウスキ『おかしなおかしな物語 パダブーンひめのふしぎな物語』(小学館〈少年少女世界の名作〉、1973年)
  • スンダリ『大西洋を股にかけろ』(講談社〈講談社文庫〉1976年)
  • ウィリアム・ベックフォード『呪の王 バテク王物語』(角川書店〈角川文庫〉、1976年)

脚注[編集]

  1. ^ 梅田康夫「芥川賞裏話」『創』1977年3月号初出、『芥川賞の研究』124-125頁

関連項目[編集]