島根女子大生死体遺棄事件
島根女子大生死体遺棄事件(しまね じょしだいせいしたいいきじけん)は、2009年(平成21年)11月6日に発覚した死体遺棄事件。浜田事件[1]、浜田学生遺棄事件[2]、島根女子大生殺害事件[3]、島根女子大生バラバラ殺人事件[4]と記載されることもある。
2012年10月26日の死体遺棄罪単体での公訴時効成立後も容疑を殺人罪に切り替えて捜査が行われていた。長らく未解決であったが事件から7年が経った2016年12月、捜査機関は過去に事故死していた人物が被疑者であると特定した[5]。
目次
事件の概要[編集]
事件発覚[編集]
| この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2016年12月) |
2009年11月6日、広島県と島根県の県境に近い広島県北広島町の臥龍山(がりゅうざん)山頂付近で、女性の頭部が発見された。DNA鑑定の結果、島根県浜田市で10月26日から行方不明になっていた19歳の女子大生と確認された。死亡時期は約1週間前から2週間前。広島県警・島根県警は合同捜査本部を設置して残りの遺体発見、被疑者特定などの捜査を開始。11月7日に左大腿骨の一部、11月8日に両手足の無い胴体部分、11月9日に左足首、11月19日に爪が発見された。
犯行の状況[編集]
- 死亡推定時期は2009年10月26日 - 31日。
- 遺体状況から連れ去りに近い時間に死亡。
- 頭部に殴打された跡。
- 首を絞められた可能性が高い。
- 遺体損壊に鋭利な小型の刃物が使用[6]。
犯行の特徴[編集]
手口の異常性・残虐性、損壊・遺棄の執拗さ・異様性[6]。
遺留品など[編集]
被害者の血がつき、胴体に付着していたビニール片が遺留品となっている。捜査本部はNTTが電話帳の配達に使用するポリ袋の一部とみている。配達の年・地域によって色や文字・デザインが異なることがある。犯人の遺留品とみて、包装資材業者など流通ルートを調べた[7]。その結果、インクの成分から1995年初めに広島県の5市(三次市、安芸高田市、東広島市、呉市、三原市)に配達されていたものであることが判明したと報道された[8]。2016年12月に事件直後に死亡した男の実家があった山口県下関市内でも同種のポリ袋が配布されていたことが新たに判明した[9]。
被害者[編集]
被害者の女子大生は出身地の香川県の商業高校を卒業後、浜田市にある島根県立大学に進学。学業やサークル活動、アルバイトなどまじめで特定の異性交遊はなかった。また目立ったトラブルはなかった。
被害者は殺害の約半年前まで出身地である香川県の坂出市に居住し、事件当時の両親も同地に在住していた[10]。そのため、香川県は事件現場と隣接も近接もしていないが、香川県内のテレビ(同じ放送エリアである岡山県のテレビ局も含む)・新聞といったマスメディアは、全国ニュース以外のローカルパートでもこの事件を盛んに報道し、周辺住民や元教諭がインタビューに答えるなどした[11]。また、被害者は前年度まで高松市の香川県立高松商業高等学校英語実務科に在籍していたことから、同校では緊急の全校集会を開いて全員で黙とうを行い校長が生徒らに事件の説明したり[12][13]、その後元担任が記者会見を開いて行方不明後の心配や当時の心境を語ったりするなど、事件は遠く離れた地元・香川県でも大きな衝撃を与え、異例の扱いとなっている[14]。その影響は坂出市の実家周辺にも及び、過熱する報道に対して両親が遺族らへの取材自粛を求めるコメントを広島・島根両県警を通じて発表したほどであった[15]。
これまでの経過[編集]
- 2009年
- 2010年
- 2011年[2]
- 2012年
- 2016年
- 12月20日 - 島根・広島両県警合同捜査本部は、遺体が見つかった2日後の2009年11月8日に山口県内の高速道路で事故死した当時30代の会社員の男が本事件に関わった疑いが強いとみて、被疑者死亡のまま松江地方検察庁へ書類送検した[18]。捜査は難航していたが、2016年の頭から過去に性犯罪歴のある人物を捜査し直していた所で事件当時益田市に在住していた被疑者が浮上した(男は事件から5年前の2004年に通りかかった女性にわいせつな行為をしようとしてけがをさせるなど3つの事件を起こし、懲役3年6ヶ月の判決を受けていた[19])。被疑者と被害者との間に接点は無かった[20]。また、被疑者の遺品であるデジタルカメラとUSBメモリーから死亡直前に削除されていた画像を復元し、行方不明後の被害者の遺体や包丁など57枚の画像が確認された[21]。逮捕の決定打とされる画像は複数枚あるが、中でも被疑者宅の壁や風呂場を背景に被害者が撮影されていた画像データが揺るがぬ証拠となった。
- 2017年
犯人のプロファイリング[編集]
捜査状況[編集]
捜査本部は女子大生の帰宅ルートで通行車両などに情報提供を求めたりした。
捜査対象及び捜査[編集]
- 事件前後に臥龍山につながる道路を通行した車両。
- 靴発見現場でのカンガルーバーが付いた四駆車両。
- 同現場付近に不審な動きをしていた、黒のワゴン車の目撃情報も。
- 被害者の勤務先付近で目撃された、白いセダン。
- 残虐なシーンのあるビデオを借りた者。
- 目撃情報・被害者の交友関係に関する聞き込み。
- 刃物購入者の画像分析。
- 臥龍山に至る沿線の空き家の捜査(遺体損壊現場特定のため)[24]。
2010年9月末までに、延べ6万人の捜査員を投入した。9月末現在、捜査本部に寄せられた情報は約1690件。
その他の関連事実[編集]
被害者の実家に無言電話があり、捜査[25]。
島根県警本部長が訓示[編集]
| この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2016年12月) |
行方がわからなくなって1年を迎えた2010年10月26日、広島・島根合同捜査本部が置かれている浜田警察署で高瀬隆之島根県警本部長は訓示で、総力をあげて事件解決をするよう指示した。高瀬本部長は9月に臥龍山に登り、必ず犯人を摘発すると誓った。「犯人を一日も早く法の裁きの場に引きずり出し、法の鉄槌を加えるとの固い決意で捜査を指揮するつもりであり、周辺の住民には数々の情報提供を受け感謝しています」と述べた。また、「断片的でもいいので、1件でも多くの情報を寄せていただきたいと思います」と呼びかけた。
今後の捜査について、収集した情報の徹底した再検討・分析を通じ、県警の総力で犯人検挙を指示した。
警察庁長官が決意[編集]
| この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2016年12月) |
2010年10月28日、警察庁の安藤隆春長官は記者会見で、島根女子大生死体遺棄事件など未解決事件について「1件残らず解決するという決意の下、捜査に全力を尽くすつもりであります」と述べた。
報奨金[編集]
2010年2月に当事件は捜査特別報奨金制度の対象になった。通常は発生から半年以上経った事件に適用されるが、本件は発生から3ヶ月余で適用されており異例である。以降毎年更新され、事件解決・被疑者検挙に直接つながる有力情報の提供者(警察関係者を除く)に最大300万円が支払われることになっていた。
2017年3月、島根県警は容疑者に繋がる有力な情報を提供した3人に計300万円が支払われると発表した。県警は情報提供の具体的な内容等は明らかにしていない[26]。
事件の影響[編集]
| この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2016年12月) |
浜田市では、10月26日を「いのちと安全安心の日」と制定し、「市犯罪のない安全安心なまちづくり推進協議会」が発足した。
出典[編集]
- ^ “浜田事件 2年”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). オリジナルの2013年5月1日時点によるアーカイブ。
- ^ a b “浜田学生遺棄事件”. 中国新聞 (中国新聞社). オリジナルの2013年3月29日時点によるアーカイブ。
- ^ “事故死の男「普通の人だった」 島根・女子大生殺害事件”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2016年12月17日) 2016年12月20日閲覧。
- ^ 『日本凶悪犯罪大全 SPECIAL』[要文献特定詳細情報][要ページ番号]イースト・プレス。
- ^ “島根女子大生遺棄、直後に事故死の男が関与か”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2016年12月17日)
- ^ a b 中国新聞 2010年10月26日[要ページ番号]
- ^ 中国新聞 2009年12月26日[要ページ番号]
- ^ 毎日新聞 2012年10月26日[要ページ番号]
- ^ “遺体付着と同種袋、男の実家周辺で配布 女子大生殺害”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2016年12月19日) 2016年12月19日閲覧。
- ^ “まじめで英語得意/坂出出身・○○さん遺体確認”. SHIKOKU NEWS (四国新聞社). (2009年11月8日). オリジナルの2009年11月11日時点によるアーカイブ。
- ^ “本人でないと信じる/祈る地元関係者、友人ら”. SHIKOKU NEWS (四国新聞社). (2009年11月7日). オリジナルの2010年11月28日時点によるアーカイブ。
- ^ “「夢砕かれ無念」/高松商高でも○○さん追悼”. SHIKOKU NEWS (四国新聞社). (2009年11月10日). オリジナルの2010年11月27日時点によるアーカイブ。
- ^ “女子大学生死体遺棄 出身校の高松商高で全校集会”. 47NEWS. 山陽新聞 (全国新聞ネット). (2009年11月9日). オリジナルの2014年8月8日時点によるアーカイブ。 2014年8月6日閲覧。
- ^ “無事信じてたのに/高松商高元担任ら会見”. SHIKOKU NEWS (四国新聞社). (2009年11月8日). オリジナルの2010年11月28日時点によるアーカイブ。
- ^ “ショックで言葉にならない ○○さん両親がコメント”. 47NEWS. 共同通信 (全国新聞ネット). (2009年11月7日). オリジナルの2009年11月11日時点によるアーカイブ。 2014年8月6日閲覧。
- ^ “島根、警察庁長官が現地を視察 女子大生遺棄事件”. 47NEWS. 共同通信 (全国新聞ネット). (2010年1月20日). オリジナルの2013年12月12日時点によるアーカイブ。
- ^ “浜田の女子大生遺棄:発生から3年 ○○さんの笑顔忘れない 同級生ら追悼の灯、冥福祈る /島根”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2012年10月27日). オリジナルの2012年11月20日時点によるアーカイブ。
- ^ “事故死の男を書類送検 島根女子大生殺害の疑い、発生7年で”. 日本経済新聞 電子版. 共同通信 (日本経済新聞社). (2016年12月20日) 2016年12月20日閲覧。
- ^ “島根女子大生殺害 7年を経て急展開…事故死男を書類送検”. サンスポ. (2016年12月21日) 2016年12月21日閲覧。
- ^ “捜査の網拡大、今年に入り男浮上 島根の女子大生殺害”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2016年12月18日) 2016年12月19日閲覧。
- ^ “デジカメ消去画像、捜査本部が復元”. 産経新聞. (2016年12月19日) 2016年12月21日閲覧。
- ^ “女子大生殺害、事故死の男不起訴に…松江地検”. 読売新聞. (2017年1月31日) 2017年2月1日閲覧。
- ^ 毎日新聞 2010年10月25日[要ページ番号]、中国新聞 10月26日[要ページ番号]
- ^ 毎日新聞 2010年10月25日[要ページ番号]
- ^ 四国新聞 2010年10月25日[要ページ番号]
- ^ “情報提供者3人に報奨金300万円 島根女子大学生殺害”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2016年3月16日) 2017年3月23日閲覧。