岩田年浩

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岩田 年浩(いわた としひろ、本名:山名 年浩(やまな としひろ)、1946年1月14日 - )は、日本のマクロ経済学者。企業や学校法人、財団法人、社会福祉法人の顧問も務める。専門は、経済成長論、経済学教育論(第2回経済教育学会賞受賞)。経済学博士

京都市出身。これまでに関西大学教授、京都経済短期大学学長、経済教育学会会長、文部科学省現代社会問題審議委員などを歴任。全国山名氏一族会会長(備後山名家当主:山名宗全から数えて27代目、清和天皇から数えて46代目)でもある。

略歴[編集]

1946年1月14日、京都府京都市に生まれる。戸籍名は山名年浩(やまなとしひろ)。父方の姓は岩田、母方の姓は山名。父は西日本軽金属鋳物工業組合・理事長で、大阪中小企業団体中央会の設立メンバーでもあった岩田年之助(通産大臣表彰2回、中小企業長官表彰1回、大阪府知事表彰3回)。祖父は真宗生命保険(現、大同生命保険)の創業者である岩田幸七(大同生命保険の設立メンバーでもある)。

学歴[編集]

職歴[編集]

学外における役職[編集]

  • 1989年 全国山名氏一族会相談役・理事
  • 1999年 広島大学高等教育研究開発センター客員研究員
  • 2001年 静岡大学人文学部外部評価委員
  • 2002年 文部科学省現代社会問題審議委員
  • 2003年 大商学園相談役
  • 2004年 金沢大学経済学部非常勤講師
  • 2004年 中国・重慶工学院客員教授
  • 2005年 兵庫県立大学大学院経済学研究科非常勤講
  • 2005年 中国・大連理工大学特別講師
  • 2005年 中国・大連海事大学特別講師
  • 2006年 中国・清華大学経済管理学院特別講師
  • 2008年 経済教育学会 会長

著書[編集]

単著[編集]

  • 『資本主義の不安定性と分配問題』(学文社 1985年)
  • 『もうひとまわり賢くなる経済知識』(学文社 1985年)
  • 『経済学ゼミナール』(日本実業出版社 1993年)
  • 『経済学教育論の研究』(関西大学出版部 1997年)
  • 『実況中継 大学の経済学・ダイナミック経済学』(窓社 1999年)
  • 『教授が変われば大学は変わる』(毎日新聞社 2000年)
  • 『科学が明らかにした投資変動の予測力』(学文社 2004年)
  • 『知って役立つマネーの話』(日刊工業新聞社 2010年)

共著[編集]

  • 『中学校公民教科書』(帝国書院 1993年)
  • (菊本義治)『国際調整の経済学』(実教出版 1993年)
  • (辻正次、田岡文夫)『現代・国際マクロ経済学』(多賀出版 1993年)
  • (岡本正志)『科学史』(建帛社 2000年)

訳書[編集]

  • 『経済を学ぶ、経済を教える』(ミネルヴァ書房 1988年)
  • 『チャイナパワーの秘密』(晃洋書房 2002年)

岩田年浩の経済学研究の特徴[編集]

  • 岩田は資本制の市場経済の調整機能は不完全であるというケインズ学派の立場に立つ。ケインズの弟子ハロッドは投資関数にそれを表現しようとした。そこには計画投資と事後投資を区別するという点で、主流派経済学の体系とは性格を異にするものだった。さらに、こうした経済の不安定性が偶発事やタイムラグに起因するものではなく、資本制のもつアンチノミーから生ずることを見る点で、マルクス学派との接点がある。この点で、置塩信雄の視角とも共通点をもつ。
  • この観点から、投資行動を中心とした不安定性が現実にはどのように生じているかの分析に進む。具体的には、1.株価変動における逆ウォッチ曲線での実証、2.移動勾配図による変動の上下での転換点の予測、3.ポアンカレ平面上での安定化作用と不安定化作用が多く見られることの発見、4.一つの経済変数の移動勾配を繰り返し取った場合の三次元図で右下がりの薄い局面が現れることの発見、5.経済数値をフーリエ変換して音を発生させ回復力あるデータの発掘をしてきた。経済データの音を発生させたのは彼が最初の人である。つまり、マクロ経済理論の実証・実験に貢献してきたものである。

岩田年浩の教育の特徴[編集]

難解なマクロ経済学の教育の分野で教育成果をあげるために、またコピー・ペイストで考えない学生が多くなっている中で、岩田は次のような手法を用いる。

  • 経済理論の実証的成果と理論の関連を結んで理解できるように教材を仕上げる。
  • 学生がどこで経済知識を誤解したり、嫌になるかについて、(かつては質問票の回収)電子メールの受信での回収・分類と回答を積み重ねることによって、説明を丁寧にする。
  • 対立する政策やイデオロギーを提示して、考えようというきっかけを与える(特に授業の最初で)。
  • 発問はあらかじめ用意する。集中していない学生には考えやすい問いかけをしていく。
  • 技術的には、立って話す、しっかりした声を出す、(ビジュアルさに敏感な現代の学生に向けて)機器類を用いる(ただし、副次的に)、教室内ではワイヤレスマイクを持って動く、学生の反応がよくなかった授業の場合は何がよくなかったのかを省みるなどである。

岩田年浩の大学発展作戦の特徴[編集]

  • オムニバス講義では「京都」「学び」「利益」などのテーマを専任教員を中心に、躍動感のある授業を目指して進めてきた。また、複数の教員が教檀に上がり、討論する場面も企画した。他大学にはほとんどない企画である。