岩淵達治

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
岩淵 達治
誕生 (1927-07-06) 1927年7月6日(90歳)
東京市麻布区
死没 2013年2月7日
東京都
職業 ドイツ文学者劇作家翻訳家
国籍 日本の旗 日本
代表作 『ブレヒト戯曲全集』
主な受賞歴 日本翻訳文化賞湯浅芳子賞レッシング賞
Portal.svg ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

岩淵 達治(いわぶち たつじ、1927年7月6日 - 2013年2月7日[1] )は、ドイツ文学者、演劇評論家、演出家劇作家学習院大学名誉教授

来歴・人物[編集]

1927年、東京市麻布区(現・東京都港区)に開業医の子として生まれる。1944年都立一中四修卒、1947年旧制東京高校卒、1951年東京大学文学部独文科卒。埼玉大学文理学部助手、1953年学習院大学文学部独文科専任講師、1956年助教授、1967年教授。1997年定年退職。

ドイツ演劇が専門で、千田是也の門下。ベルトルト・ブレヒトの全戯曲を翻訳した。演劇の現場にあって、ハイナー・ミュラーの『カルテット』(コデルロス・ド・ラクロ危険な関係』が原作)を訳し、渡邊守章と競演の形で演出を行った。西ドイツ、東ドイツ、オーストリアからそれぞれ勲章を授与され、1999年『ブレヒト戯曲全集』の翻訳で日本翻訳文化賞湯浅芳子賞レッシング翻訳賞を授与される。2012年秋、瑞宝中綬章叙勲。

元ナチスであったギュンター・グラスを2006年8月12日グラス本人による告白までその事実を知らず擁護した。

学習院女子大学教授(日本近世史専攻)の岩淵令治は長男。

著作[編集]

  • 『ブレヒト 戯曲作品とその遺産』 紀伊国屋新書 1966
  • 『反現実の演劇の論理 ドイツ演劇の異端と正統』(河出書房新社)1972
  • 『ブレヒト』(清水書院)1980
  • 『《三文オペラ》を読む』(岩波セミナーブックス)1993
  • 『シュニツラー』(清水書院)1994
  • 『雪のベルリンタカラヅカ 岩淵達治戯曲集 宝塚についての宝塚では上演できない歴史喜劇』(カモミール社)2002
  • 『水晶の夜、タカラヅカ』(青土社)2004
  • 『ブレヒトと戦後演劇 私の60年』(みすず書房)2005
  • 『ブレヒト没後五十年』1(カモミール社)2006

共著[編集]

  • ブレヒト演劇入門 「肝っ玉おっ母とその子供たち」上演をめぐって 千田是也共編 白水社 1967
  • クルト・ヴァイル ブレヒト演劇からブロードウェイ・ミュージカルへ 早崎えりな共著 ありな書房 1985
  • 現代演劇101物語 編 新書館 1996

翻訳[編集]

  • 還りゆく道 エーリヒ・マリア・レマルク 三笠書房世界文学全集、1955
  • 恋人の気まぐれ ゲーテ全集第3巻 人文書院、1960
  • 家庭教師 ブレヒト戯曲選集第5巻 白水社、1962
  • 軍人たち フリードリヒ・レンツ 世界文学大系89 筑摩書房、1963
  • 男は男だ、まる頭ととんがり頭 ブレヒト 世界文学全集、河出書房新社、1965
  • アルトウロ・ウイの興隆 ブレヒト 世界文学大系95 筑摩書房、1965
  • ブレヒト詩論集 現代思潮社 1965
  • オッペンハイマー事件 水爆・国家・人間 H.キップハルト 雪華社 1965
  • 屠殺場の聖ヨハンナ、シモーヌ・マルシャールの幻覚、ルーアンのジャンヌ・ダルク裁判一四三一 ブレヒト、ドイツの文学8 三修社、1966
  • 追求 アウシュヴィツの歌 ペーター・ヴァイス 白水社 1966
  • 車輪の下 ヘッセ 旺文社文庫、1966
  • ブレヒト教育劇集 千田是也共訳 未來社 1967
  • マラーの迫害と暗殺 ペーター・ヴァイス 内垣啓一共訳 白水社 1967
  • ロッキーの蒼鷹 世界動物小説集 講談社 1967
  • 幻想と頽廃 エルンスト・フィッシャー 合同出版 1968
  • アウシュヴィツの子供たち インゲ・ドイチュクローン編著 河出書房新社 1968
  • ベトナム討論 ペーター・ヴァイス 白水社 1968
  • 知識人の問題 エルンスト・フィッシャー 合同出版 1968
  • 三文小説 ブレヒト、菊盛英夫共訳 世界の文学 中央公論社、1969
  •  Tod im Hochsommer (真夏の死) 三島由紀夫 Erdmann 1969
  • パリ・コミューン ブレヒト 朝日出版社 1970
  • 亡命のトロツキー ペーター・ヴァイス 白水社 1970
  • 兵卒タナカ ゲオルグ・カイザー 現代世界演劇、白水社、1970
  • 故障-今日なお可能な物語 フリードリヒ・デュレンマット 現代ドイツ幻想小説 種村季弘編 白水社、1970
  • ベルトルト・ブレヒトと演劇 ヘルベルト・イェーリング 朝日出版社 1971
  • 死人に口なし アルトゥル・シュニッツラー ドイツ短篇24 集英社、1971
  • ヘルダーリン ペーター・ヴァイス 野村一郎共訳 白水社 1972
  • メアリ・スチュアート シラー名作集、白水社、1972
  • ペンテシレイア クライスト名作集 白水社、1972
  • ユリウス・カエサル氏の商売 ブレヒト 河出書房新社 1973
  • むずかしい男、新人の演劇、塔 ホーフマンスタール選集4 河出書房新社、1973
  • ダマスカスへ第1部 ストリンドベリ名作集 白水社、1975
  • ブレヒト作業日誌 1-4 共訳 河出書房新社 1976-1977
  • 『人間の演劇』 ジョルジョ・ストレーレル(テアトロ)1978
  • 子羊アスカの死の舞踏 イボー・アンドリッチ 世界動物文学全集3 講談社 1979
  • ある狼の運命 ムフタール・アウエゾフ 世界動物文学全集11 講談社 1979
  • 『ガリレイの生涯』ブレヒト、岩波文庫 1979
  • マリア・ブラウンの結婚 ゲールハルト・ツヴェレンツ 共訳 朝日出版社 1982
  • メフィスト 出世物語 クラウス・マン 共訳 三修社 1983
  • モリス・ラヴェル その生涯と作品 H・H・シュトゥッケンシュミット 音楽之友社 1983
  • 地霊・パンドラの箱 ルル二部作 ヴェデキント 岩波文庫 1984
  • クルト・トゥホルスキー選集 1 共訳 ありな書房 1984
  • ゴッゴローリ伝説 ミヒァエル・エンデ 岩波書店 1985
  • ヴァイルとブレヒト 時代を映す音楽劇 ゴットフリート・ヴァーグナー 音楽之友社 1986
  • キャバレーの文化史 2 ハインツ・グロイル 共訳 ありな書房 1988
  • 『鳩』パトリック・ジュースキント(同学社) 1989
  • ニュー・ジャーマン・シネマ ハンス=ギュンター・プフラウム、ハンス=ヘルムート・プリンツラー 未來社 1990
  • ハムレットマシーン シェイクスピア・ファクトリー ハイナー・ミュラー 谷川道子共訳 未來社 1992
  • メディアマテリアル ギリシア・アルシーヴ ハイナー・ミュラー 共訳 未來社 1993
  • カルテット ミュラー・コンテンポラリー ハイナー・ミュラー 共訳 未來社 1994
  • ワーグナーと人種差別問題 ワーグナーの反ユダヤ主義-今日に至るまでの矛盾と一貫性 ゴットフリート・ワーグナー BOC出版部 1995
  • 『輪舞』シュニッツラー(現代思潮新社)1997 <戲曲>
  • ヴァーグナー家の黄昏 ゴットフリート・ヴァーグナー 狩野智洋共訳 平凡社 1998
  • 『ブレヒト戯曲全集』全8巻別巻1(未來社)1998-2001
  • 34のハーブメルヘン フォルケ・テゲットホッフ 共訳 あむすく 1999
  • 『私の一世紀』ギュンター・グラス 林睦実共訳(早稲田大学出版部)2001
  • Der Fang (飼育) 大江健三郎 Suhrkamp 2001
  • ゼルプの裁き ベルンハルト・シュリンク、ヴァルター・ポップ 共訳 小学館 2002
  • 『ブレヒトの写針詩』(みすず書房)大人の本棚 2002
  • 『ゼルプの殺人』シュリンク 共訳(小学館)2003
  • 『ゴルディオスの結び目』共訳 シュリンク(小学館)2003
  • 『肝っ玉おっ母とその子どもたち』ブレヒト、岩波文庫 2004
  • 過去の責任と現在の法 ドイツの場合 シュリンク 藤倉孚子、中村昌子、岩井智子共訳 岩波書店 2005
  • 『三文オペラ』ブレヒト、岩波文庫 2006
  • 『ヴォイツェク・ダントンの死・レンツ』ゲオルク・ビュヒナー 岩波文庫 2006
  • われらはみな、アイヒマンの息子 ギュンター・アンダース 晶文社 2007

その他[編集]

記念論集[編集]

  • 『ドイツ演劇・文学の万華鏡 ― 岩淵達治先生古希記念論集』(同学社)1997

脚注[編集]

  1. ^ ドイツ文学者・演出家の岩淵達治さん死去 朝日新聞 2013年2月10日閲覧