岡真理

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岡 真理(おか まり、1960年10月6日[1] - )は、日本のアラブ文学者、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専門は、現代アラブ文学第三世界フェミニズム思想研究。

略歴[編集]

東京都生まれ。埼玉県立浦和第一女子高等学校卒業[2]、1985年東京外国語大学外国語学部アラビア語学科卒業[3]後、1988年同大学院修士課程修了[4]、エジプト・カイロ大学に留学。在モロッコ日本大使館専門調査員、大阪女子大学人文社会学部専任講師等を経て、現職。

岡は学生時代はジャーナリスト志望であり、ジャーナリストとしてパレスチナ問題に取り組もうとしていた[5]

京都大学ではアラビア語、現代アラブ文学、比較文明論などを教える。ただし、岡はアラビア語パレスチナ方言を知らない。また、パレスチナ問題を研究する上でアラビア語に加えてヘブライ語の語学力も要求されるが、岡はヘブライ語を知らない。大学時代にガッサーン・カナファーニーの小説「ハイファに戻って」に出会い、カイロ留学時代にパレスチナを訪れて以来、パレスチナ問題に深く関心を持った。以来、現代世界に生きる人間の普遍的思想課題としてパレスチナ問題に取り組む。2001年頃より、毎月のように、一般向けの講演・学習会などの講師として各地に出講している。また、大学内でもパレスチナや、イスラエルの批判的研究者、アメリカなどからゲストを招き、研究室・大学院生主催の公開講演会・シンポジウムなどをたびたび開催している。 最近は、学生・市民有志による朗読集団「国境なき朗読者」を主宰、朗読劇「The Message from Gaza ~ガザ 希望のメッセージ~」の構成、脚本、演出を担当。

イスラエル、ユダヤ人、ユダヤ教に対しては極めて批判的で、2009年ガザ紛争の東京都内での抗議集会に出席し、講演でイスラエルを厳しく批判した[6]

主張[編集]

ジャーナリズムがイラクやパレスチナなどの「戦争の惨禍」を映し出そうとする映像は記号化されステレオタイプ化したものであり、人々の痛みや叫びを伝えることはできない。本当に大事なのは人々がどのようにその生を営んできたのかという生の具体的な細部なのであり、記号に還元されない具体的な生の諸相を描き、人間的想像力と他者に対する共感を喚起するものとして、文学は今こそ切実に求められているのである[7]。さらに、岡は中東関連ではハマスなどイスラム過激派国際テロ組織によるイスラエル米国に対するテロに対して支持を表明するだけではなく、「パレスチナの平和を考える会」などによるイスラエル企業のボイコットに賛同し[8]イラク人質事件を引き起こした高遠菜穂子志葉玲など在野の政治活動家とともにイスラエルに批判的な政治活動を行っている[9][10]。その上、岡は日本国内の在日外国人問題に関して、在日朝鮮人政治活動家の韓基大らとともに在日外国人に対する社会的排除に抗議する政治活動を行い[11]朝鮮学校に対しても高校無償化の対象とするよう訴える活動を行った[12]

著書[編集]

単著
  • 『記憶/物語』(岩波書店 2000年)
  • 『彼女の「正しい」名前とは何か――第三世界フェミニズムの思想』(青土社 2000年)
  • 『棗椰子の木陰で―第三世界フェミニズムと文学の力』(青土社 2006年)
  • 『アラブ、祈りとしての文学』(みすず書房 2008年)
共著
編著
  • 『Women in Struggle ─目線─ パレスチナ 占領・ジェンダー・人権を考える』( WiSEC…映画『Women in Struggle ─目線─』京都上映会記録集編集委員会・編, 2008年)
訳書
  • ライラ・アハメド『イスラームにおける女性とジェンダー――近代論争の歴史的根源』法政大学出版局 2000年)
  • エドワード・W・サイード『イスラム報道』浅井信雄,佐藤成文共訳、みすず書房 2003)
  • アーディラ・ラーイディ『シャヒード、100の命――パレスチナで生きて死ぬこと』岸田直子,中野真紀子共訳(インパクト出版会 2003年)
  • ガザ通信 サイード・アブデルワーヘド TUP共訳 青土社 2009.4
  • ホロコーストからガザへ パレスチナの政治経済学 サラ・ロイ 小田切拓,早尾貴紀共編訳 青土社 2009.11
  • 猫の首を刎ねる ガーダ・アル=サンマーン 世界文学全集 河出書房新社、2010 

脚注[編集]

外部リンク[編集]