岡田雅利

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岡田 雅利
埼玉西武ライオンズ #2
2018年2月9日 宮崎・南郷キャンプ
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 奈良県奈良市
生年月日 (1989-06-30) 1989年6月30日(34歳)
身長
体重
173 cm
80 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 2013年 ドラフト6位
初出場 2014年5月17日
年俸 3000万円(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

岡田 雅利 (おかだ まさとし、1989年6月30日 - )は、奈良県奈良市出身[2]プロ野球選手捕手)。右投右打。埼玉西武ライオンズ所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

中学生時代は「桜井リトルシニア」に所属し、主将として全国大会にも出場。 日本選手権の関西予選では大会首位打者として表彰された[3]大阪桐蔭高等学校2年生の時に正捕手として第88回全国高等学校野球選手権大会に出場[2]。1回戦で第78回選抜高等学校野球大会優勝校の横浜高等学校に勝利するも[4]、2回戦で斎藤佑樹を擁する早稲田実業に敗退した[5]。3年生時の第79回選抜高等学校野球大会では中田翔とバッテリーを組みベスト8に進出した[2]第89回全国高等学校野球選手権大会・大阪大会では決勝で金光大阪高等学校に敗れ準優勝[6]。同期には中田が、一学年下にはプロでチームメイトとなる浅村栄斗がいた。

大阪ガス6年目の2013年、第84回都市対抗野球大会1回戦で7番・捕手で先発出場し、4打数2安打だった[7]。8月以降は3番打者を務めた[8]。ドラフト後の10月31日に行われた第39回社会人野球日本選手権大会1回戦では3番・捕手で先発出場し、4打数1安打の成績で[9]、チームはJR東日本に敗れた[10]

2013年10月24日に行われたプロ野球ドラフト会議埼玉西武ライオンズに6巡目で指名され[11]、契約金4000万円、年俸1000万円(金額は推定)で仮契約を結んだ[12]。背番号は「37」に決まった[13]

西武時代[編集]

2014年5月17日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦にて代走でプロ初出場し、18日の対楽天戦にて代打で迎えた初打席は三振に倒れた[14]。5月26日の対広島東洋カープ戦では8番・捕手で初先発出場し、第3打席で初安打を放つと[15][16]、9月28日の対楽天戦では適時二塁打を放って初打点を挙げた[17]

2015年7月8日の対オリックス・バファローズ戦の7回にプロ初本塁打を放った[18][19]。8月8日の対オリックス戦で二塁にヘッドスライディングした際に左肩を痛め、8月9日に出場選手登録を抹消された[20][21]

2016年も開幕一軍入りを果たした。開幕後は炭谷銀仁朗のバックアップとして起用されていたが、4月下旬から先発起用されるようになり、この年は22試合で先発出場した。守備面が評価されて47試合に出場したが、打率.227、5打点と打撃面でアピールすることはできなかった。

2017年も開幕を一軍で迎え、5月17日の千葉ロッテマリーンズ戦でプロ初の猛打賞を記録した[22]。この試合で本塁打が出れば、サイクル安打となったが、空振り三振に倒れた。この年は、炭谷と併用されて47試合で先発起用された。特に、野上亮磨十亀剣多和田真三郎が先発登板する試合で先発起用された。打撃面ではチーム3位の12犠打を記録した。

2018年森友哉、炭谷と併用され、52試合に出場。打率.272、3本塁打の成績を残した。オフに右肘関節鏡視下関節形成術を受けた[23]

2019年は昨オフの手術の影響も無く、無事に開幕一軍入りを果たした。8月4日のオリックス戦で本塁でのタッチプレーの際に左親指を負傷して途中交代[24]。同6日に登録を抹消されると、痛めた左親指に加えて以前から状態が悪かった左膝も同時に手術をした[25]。残りのシーズンはリハビリに費やし、36試合の出場に留まった。オフに背番号が2に変更された。

2020年の春季キャンプでの復帰を目指していたが、新型コロナウイルスの影響で開幕が6月に延期となり、開幕一軍入りを果たした。この年は正捕手の森が打撃不振に陥っていたが、9月6日の北海道日本ハムファイターズ戦でようやくシーズン初安打が出るほど打撃不振に陥り、9月頃からはルーキーの柘植世那がマスクを被る機会が増えていった。シーズンを通して一軍に帯同したが、打率.107で29試合の出場にとどまった。

2021年は5月18日の福岡ソフトバンクホークス戦で2019年7月10日以来、2年ぶりの本塁打を記録した。6月1日に国内FA権を取得した[26]。控え捕手だけでなく代打も担ったが[27]、この年も打率.119と打撃が振るわず、34試合の出場にとどまった。11月30日にFA権を行使した上で西武に残留することを表明[28]。12月3日に現状維持となる推定年俸3000万円で3年契約を締結した[29]

2022年は膝の調子が思わしくなく、1軍では1試合の出場のみ。2軍でも17試合で打率.160、1本塁打5打点と振るわず、7月13日に左膝関節鏡下半月板部分切除術を受け、復帰に3ヶ月かかることが21日に公表された[30]

2023年は、左膝の加重位置修正のため、3月14日に大腿骨・脛骨骨切り術を受け、復帰は来シーズンになる見込みであることが4月27日に発表された[31]

選手としての特徴・人物[編集]

社会人時代で遠投120メートル、本塁から二塁への送球1.9秒。50メートル走のタイムは6秒0[32]

バント技術への評価が高く、ピンチバンターとして出場することもある。

明るい性格であり、チームのムードメーカーとしても活躍している[33]

母校である大阪桐蔭高校の6学年後輩にあたり、チームメイトでもあった森友哉からはリード面を始め様々な相談を受け、試合後も電話で話し込むなど公私ともに慕われている[34]

親戚に吉田賢吾福岡ソフトバンクホークス所属)がいる。

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2014 西武 22 36 32 1 6 2 0 0 8 2 0 0 3 0 0 0 1 7 0 .188 .212 .250 .462
2015 36 54 50 3 12 0 0 1 15 5 0 0 1 0 3 0 0 10 1 .240 .283 .300 .583
2016 47 79 66 3 15 0 0 0 15 5 0 0 2 0 9 0 2 18 2 .227 .338 .227 .565
2017 68 172 144 19 33 6 1 0 41 9 0 0 12 0 10 1 6 28 1 .229 .306 .285 .591
2018 52 108 92 10 25 3 0 3 37 7 0 1 7 1 7 0 1 17 3 .272 .327 .402 .729
2019 36 78 61 8 16 3 1 1 24 7 0 0 6 0 9 0 2 12 1 .262 .375 .393 .768
2020 29 65 56 1 6 1 0 0 7 3 0 0 7 0 1 0 1 7 4 .107 .138 .125 .263
2021 34 55 42 3 5 1 0 1 9 2 0 0 7 0 4 0 2 5 0 .119 .229 .214 .443
2022 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- ---- ---- ----
通算:9年 325 647 543 48 118 16 2 6 156 40 0 1 45 1 43 1 15 104 12 .217 .292 .287 .580
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



捕手






















2014 西武 18 54 3 0 1 1.000 0 8 7 1 -
2015 36 92 9 0 1 1.000 0 15 10 5 .333
2016 45 139 21 1 2 .994 1 15 12 3 .200
2017 65 314 32 1 6 .997 1 18 11 7 .387
2018 49 198 16 0 0 1.000 1 20 19 1 .050
2019 23 112 8 1 0 .992 0 13 11 2 .154
2020 23 117 10 0 1 1.000 0 10 6 4 .400
2021[注 1] 18 67 7 0 0 1.000 0 5 3 2 .400
2022[注 2] 1 2 0 0 0 1.000 0 0 0 0 ----
通算 278 1095 106 3 11 .998 3 104 79 25 .240
  • 2022年度シーズン終了時

記録[編集]

初記録

背番号[編集]

  • 37(2014年 - 2019年)
  • 2(2020年 - )

登場曲[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 企図数・許盗塁・盗塁刺・阻止率については参考文献参照
  2. ^ 企図数・許盗塁・盗塁刺・阻止率については参考文献参照

出典[編集]

  1. ^ 西武 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ (2022年12月1日). 2022年12月1日閲覧。
  2. ^ a b c 西武新人岡田、転覆で「地味キャラ」返上 日刊スポーツ 2014年2月6日紙面から
  3. ^ 岡田 雅利 桜井リトルシニア 公式
  4. ^ 桐蔭、終盤に底力 2年生躍動 石田投手・岡田捕手 朝日新聞デジタル 2006年8月7日掲載
  5. ^ 豪快大阪桐蔭、夏に幕 朝日新聞デジタル 2006年0月13日掲載
  6. ^ 笑顔で励まし最後まで 大阪桐蔭・岡田雅利捕手 朝日新聞デジタル 2007年7月31日掲載
  7. ^ 第84回 都市対抗 本大会 7月16日 東京ドーム 第3試合 1回戦 公益財団法人 日本野球連盟
  8. ^ 西武6位岡田、日ハム中田との対戦を熱望 日刊スポーツ 2013年10月24日掲載
  9. ^ 第39回 日本選手権 本大会 10月31日 京セラドーム大阪 第3試合 1回戦 公益財団法人 日本野球連盟
  10. ^ 大阪ガス・岡田「力の差」/社会人野球 日刊スポーツ 2013年10月31日掲載
  11. ^ 2013年ドラフト会議 全指名選手 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト 2013年10月24日配信
  12. ^ 【西武】ドラ6岡田4000万円で入団合意 日刊スポーツ 2013年11月14日掲載
  13. ^ 本日12/12「2013ドラフト新入団選手発表会」を開催! 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト 2013年12月12日配信
  14. ^ 2014年5月18日 楽天イーグルス 対 埼玉西武 成績詳細 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
  15. ^ 2014年5月26日 広島 対 埼玉西武 成績詳細 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
  16. ^ 西武ルーキー岡田、プロ初安打も反省 日刊スポーツ 掲載
  17. ^ 2014年9月28日 埼玉西武 対 楽天イーグルス 成績詳細 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
  18. ^ 西武岡田プロ1号 大阪桐蔭の後輩森も猛祝福 日刊スポーツ 2015年7月9日紙面から
  19. ^ 2015年7月8日 埼玉西武 対 オリックス 成績詳細 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
  20. ^ 西武・岡田が登録外れる ヘッスラで左肩負傷 スポニチ Sponichi Annex 2015年8月9日掲載
  21. ^ 公示(出場選手登録・抹消) 2015年8月 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
  22. ^ 4年目控え捕手の岡田が初猛打賞 サイクル狙いで大振りも…スポニチ 2017年5月18日掲載
  23. ^ 西武岡田が右肘関節を手術、全体練習復帰まで2カ月”. 日刊スポーツ (2018年11月5日). 2018年11月5日閲覧。
  24. ^ 西武連敗止めたけどまた故障者…岡田負傷、森のDH急きょ解除”. 西日本スポーツ (2019年8月5日). 2019年8月5日閲覧。
  25. ^ 西武・岡田の手術が終了…来春キャンプの復帰が目標”. BASEBALL KING (2019年8月14日). 2019年8月14日閲覧。
  26. ^ 西武・岡田が国内FA権を取得「目の前の1試合1試合、全力で挑む」”. Sponichi Annex (2021年6月1日). 2021年6月1日閲覧。
  27. ^ 西武・岡田雅利 絶大な存在価値を示す“ピンチバンター”/ひと振りにかける”. 週刊ベースボールONLINE (2021年6月23日). 2021年12月6日閲覧。
  28. ^ 【西武】国内FA権取得の岡田雅利が宣言残留 「どこかのチームに行く想像はできなかった」 球団は3年契約提示”. スポーツ報知 (2021年11月30日). 2021年12月6日閲覧。
  29. ^ 【西武】岡田雅利が現状維持でサイン 新たに3年契約「久しぶりにエゴサしちゃって。俺、愛されてるな~」”. スポーツ報知 (2021年12月3日). 2021年12月6日閲覧。
  30. ^ 西武のベテラン捕手・岡田が左膝手術 実戦復帰まで約3カ月 - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2023年4月27日閲覧。
  31. ^ 西武・岡田が左脚大腿骨・脛骨骨切り術を受け退院 来シーズンからの復帰目指す - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2023年4月27日閲覧。
  32. ^ 別冊宝島 プロ野球選手データ名鑑2014 宝島社 31頁
  33. ^ 若き正捕手たちを支える第二捕手。パ・リーグ6球団の「控え捕手事情」”. パ・リーグ.com (2020年2月7日). 2021年12月28日閲覧。
  34. ^ 上岡真里江 (2019年10月12日). “「入院中もずっと電話」 ライオンズ・岡田雅利と森友哉、2人の捕手の深まる絆”. 文春オンライン. 文藝春秋. 2021年11月18日閲覧。

参考文献[編集]

  • ベースボール・マガジン社 編『ベースボール・レコード・ブック』 2022日本プロ野球記録年鑑、ベースボール・マガジン社、2021年。ISBN 978-4-583-11429-3  296ページ参照。
  • ベースボール・マガジン社 編『ベースボール・レコード・ブック』 2023日本プロ野球記録年鑑、ベースボール・マガジン社、2022年。ISBN 978-4-583-11546-7  52ページ参照。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]