山田真貴子
![]() やまだ まきこ | |
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![]() 公式肖像写真 | |
生年月日 | 1960年9月13日(60歳) |
出生地 |
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出身校 | 早稲田大学法学部 |
前職 | 総務審議官(国際担当) |
現職 | 内閣広報官 |
在任期間 | 2020年9月16日 - 現職 |
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在任期間 | 2019年7月5日 - 2020年7月20日 |
在任期間 | 2017年7月11日 - 2019年7月5日 |
在任期間 | 2016年6月17日 - 2017年7月11日 |
在任期間 | 2015年7月31日 - 2016年6月17日 |
山田 真貴子(やまだ まきこ、1960年〈昭和35年〉9月13日[1] - )は、日本の郵政・総務官僚。戸籍名は吉田[2]。
内閣総理大臣秘書官、総務省情報通信国際戦略局長、大臣官房長、情報流通行政局長、総務審議官(国際担当)を務めて退官し、現在は内閣広報官を務める。
来歴[編集]
生い立ち[編集]
東京都出身[3]。東京学芸大学附属高等学校(同級生に香山リカ、大隅典子)を経て[4]、1984年3月、早稲田大学法学部卒業[5][1]。
郵政官僚として[編集]
国家公務員採用上級甲種試験(法律)に合格して1984年4月に郵政省に入省[5][1]。入省同期には、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 (KMD) 教授の中村伊知哉、総務審議官(郵政・通信担当)の谷脇康彦、内閣官房内閣審議官(内閣官房郵政民営化推進室長)の武田博之などがいる。
総務省総合通信基盤局国際部国際政策課長 (2007年)、総務省情報通信国際戦略局国際政策課長 (2008年)、総務省総合通信基盤局総務課長 (2009年) 、総務省大臣官房会計課長(2010年)、総務省情報通信国際戦略局参事官 (2011年) 、経済産業省大臣官房審議官(2013年)を経て、2013年11月31日、女性として初の内閣総理大臣秘書官に就任し[5][6]、安倍政権のもとで広報、女性政策、少子化対策などを担当した[7]。
2015年7月31日、総務省情報通信国際戦略局長[8][9]。2016年6月17日、総務省大臣官房長[10]。2017年7月11日、総務省情報流通行政局長[11]。
2019年7月5日、女性としては初めて総務省次官級ポストの総務審議官(国際担当)に就任[12][13]
2020年7月20日、退官[14][15]。同年9月16日、菅義偉内閣のもとで女性初の内閣広報官に就任[16]。同年10月26日のニュースウオッチ9で有馬嘉男キャスターが菅総理に日本学術会議会員の任命問題について詰め寄った事に対して「総理が怒っている」と電話でNHKの原聖樹政治部長にクレームを入れたと報道された[17][18]。
人物[編集]
- 20代で銀行員の男性と結婚したが、離婚。すぐに省の3年後輩の吉田博史と再婚している[19]。
- 夫と長男の3人家族[20]。30代半ばで海外勤務中に長男を出産してる[21]。
- 2020年に若者への動画メッセージで、自身について「飲み会を絶対に断らない女」と述べた[22]。後述の菅首相長男からの違法供応接待を受けたのは、動画配信の7ヶ月前のことだった[22]。
不祥事[編集]
菅首相長男からの違法供応接待問題[編集]
菅義偉首相の長男が勤める放送事業会社、東北新社による接待問題で、総務審議官だった山田真貴子・現内閣広報官も2019年11月6日に長男と会食をしており、1人あたりの飲食単価は7万4203円だったと2021年2月22日に総務省が調査結果を報告した[23]。総務省は長男らに接待を受けた13人のうち11人について、国家公務員倫理規定上の「利害関係者からの接待」に該当するか、その可能性が高いと認定し、懲戒処分などとする方針を固めたが、山田は特別職の国家公務員のため、処分対象からは外れている[24]。
菅長男らに接待を受けて20日に事実上更迭された秋本芳徳の後任となった吉田博史総括審議官は、皮肉にも山田の夫だった[25]。
2月24日、山田が受けた7万4203円の供応の内容は、和牛ステーキ、海鮮料理などだと明らかになった[26]。
2月25日、山田は初めて参考人招致された衆院予算委員会で野党の追及を受けた[27]。山田は「(菅長男の)菅正剛さまとは、名刺交換はこの会合以前にしていたと思っております」と答えておきながら、立憲民主党の今井雅人議員が「会食に行った時に長男がいると認識していたのか」とただすと、山田は「交流がほとんどない状況だったので、事前にきちんと認識していたかというと、そうではなかったのではないか」と矛盾する答弁をした[28][29]。5人の会食時の認識は「横並びだったと思うので、お話もしておりませんので。どういう方がいたかも、にわかに思い出せなかったということです」と山田は迷走答弁を続けた[27][29]。今井が「5人で会食して、そこに首相の息子がいたかどうか分からない、なんてことがあるのか」などとただすと、山田は「私自身、仕事、プライベートでも、お会いする方がどういった方のご子息であるかとかは、あまりお付き合いに関係がないと思っている」「菅さまがいたことについて、こういう言い方は適当かどうか分かりませんが、私にとって大きな事実だったかというと、必ずしもそうではないのではないかと」と答えた[28]。答弁では、6日前に総務省の情報流通行政局長に就任した、山田の夫の吉田博史が助け船を出す場面もあった[29]。
なお、菅は2006年の総務大臣就任時、無名のバンドマンで社会人経験のない無職の菅長男(当時25歳)を大臣秘書官として抜擢し、2007年まで多数の総務官僚との接点を持たせていた[30]。
山田は月収の6割に相当する70万5000円を自主返納したが、辞任はしなかった[27]。
略歴[1][編集]
- 1984年 3月:早稲田大学法学部卒業
- 1984年 4月:郵政省入省、通信政策局国際企画課[31]
- 1987年 7月:イギリス留学(ロンドン大学)[31]
- 1988年 6月:郵政省放送行政局業務課国際放送係長[31]
- 1990年 7月:下田郵便局長[31]
- 1991年 6月:郵政省貯金局営業課長課課補佐
- 1992年 7月:郵政省大臣官房文書課課長補佐
- 1994年 7月:郵政省大臣官房国際部国際政策課課長補佐
- 1997年 7月:郵政省大臣官房人事部人材開発課調査官(世界貯蓄銀行協会)
- 1999年 7月:文部省学術国際局学術情報課学術情報基盤整備推進室長
- 2001年 1月:文部科学省研究振興局情報課学術基盤整備室長
- 2001年総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課電気通信利用環境整備室長 7月:
- 2003年 6月:総務省総合通信基盤局総務課調査官
- 2004年 1月:総務省大臣官房付
- 2004年世田谷区助役 2月:
- 2007年 4月:世田谷区副区長
- 2007年 7月:総務省総合通信基盤局国際部国際政策課長
- 2008年 7月:総務省情報通信国際戦略局国際政策課長
- 2009年 7月:総務省総合通信基盤局総務課長
- 2010年 7月:総務省大臣官房会計課長・会計課予算執行調査室長
- 2011年 7月:総務省情報通信国際戦略局参事官(国際競争力強化戦略担当)
- 2013年 6月:経済産業省大臣官房審議官(IT戦略担当)・商務情報政策局付
- 2013年11月29日:内閣総理大臣秘書官[6]。女性初の内閣総理大臣秘書官である。
- 2015年 7月31日:総務省情報通信国際戦略局長[9]。女性初の総務省局長である。
- 2016年 6月17日:総務省大臣官房長[10]。全省庁初の女性官房長である。
- 2017年 7月11日:総務省情報流通行政局長[32][11]
- 2019年 7月 5日:総務審議官(国際担当)[13]。女性初の総務審議官である。
- 2020年 7月20日:退官[15]
- 2020年内閣広報官。女性初の内閣広報官である[16]。 9月16日:
脚注[編集]
- ^ a b c d “略歴書”. 2020年9月17日閲覧。
- ^ 2004年1月27日世田谷区議会議会運営委員会会議録
- ^ “総務次官に安田氏”. 日本経済新聞 (2017年7月4日). 2018年6月27日閲覧。
- ^ 東京学芸大学附属高等学校同窓会会報『泰山木』32号 (PDF) p.18
- ^ a b c “憲政史上初の女性秘書官は法学部卒 総務省情報通信国際戦略局局長 山田 真貴子”. 早稲田ウィークリー. 2018年6月27日閲覧。
- ^ a b "総務省人事平成25年11月29日付" (PDF). 総務省. 2020年9月17日閲覧。
- ^ “首相秘書官に初の女性起用 経産省の山田審議官”. 日本経済新聞 (2013年11月29日). 2018年6月27日閲覧。
- ^ xTECH(クロステック), 日経. “IoT/AIは政府一丸で振興する 技術の海外進出も後押し” (日本語). 日経 xTECH(クロステック). 2019年3月17日閲覧。
- ^ a b "総務省人事平成27年7月31日付" (PDF). 総務省. 2020年9月17日閲覧。
- ^ a b "総務省人事平成28年6月17日付" (PDF). 総務省. 2020年9月17日閲覧。
- ^ a b "総務省人事平成29年7月11日付" (PDF). 総務省. 2020年9月17日閲覧。
- ^ “総務次官に鈴木氏 山田氏は女性初の次官級” (日本語). 日本経済新聞 (2019年7月2日). 2019年7月2日閲覧。
- ^ a b "総務省人事令和元年7月5日付" (PDF). 総務省. 2020年9月17日閲覧。
- ^ “総務審議官に吉田氏” (日本語). 日本経済新聞 (2020年7月14日). 2020年7月14日閲覧。
- ^ a b "総務省人事令和2年7月20日付" (PDF). 総務省. 2020年9月17日閲覧。
- ^ a b “内閣広報官に山田氏、女性初 北村氏らは再任” (日本語). 日本経済新聞 (2020年9月16日). 2020年9月17日閲覧。
- ^ “菅官邸を怒らせた……NHK「ニュースウオッチ9」有馬キャスターが3月いっぱいで降板”. 2021年2月10日閲覧。
- ^ “NHKへのクレーム指示してない=学術会議巡るやり取りで菅首相”. 2020年11月25日閲覧。
- ^ “東北新社の子会社・囲碁将棋チャンネル...” (日本語). J-CAST テレビウォッチ (2021年2月25日). 2021年2月26日閲覧。
- ^ “"政策の最前線から"総理大臣秘書官山田真貴子”. 総務省. 2021年2月26日閲覧。
- ^ “「波瀾万丈の勧め」Model21 山田真貴子”. 内閣官房. 2021年2月26日閲覧。
- ^ a b “「飲み会絶対断らない女」 山田真貴子氏、昨年の動画で公言:時事ドットコム” (日本語). 時事ドットコム. 2021年2月25日閲覧。
- ^ https://web.archive.org/web/20210222080121/https://news.yahoo.co.jp/articles/fe471480a9aac83641a18ee79f1028e36d336fe1
- ^ “【菅首相長男接待問題】山田真貴子内閣広報官7万4000円“ゴチ”政権ダメージ必至(スポーツ報知)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年2月23日閲覧。
- ^ “菅首相の長男が接待した美人内閣広報官の裏の顔 更迭された総務省幹部の後任は夫〈週刊朝日〉(AERA dot.)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年2月23日閲覧。
- ^ “山田真貴子内閣広報官“7万円会食”は和牛と海鮮 菅首相長男接待(FNNプライムオンライン)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年2月25日閲覧。
- ^ a b c “山田広報官が辞任否定 野党は首相長男の招致求める(日刊スポーツ)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年2月25日閲覧。
- ^ a b “首相長男の接待同席 山田広報官「大きな事実ではない」(朝日新聞デジタル)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年2月25日閲覧。
- ^ a b c “首相長男から高額接待「心の緩み」質問攻めの山田広報官に総務省の夫が助け舟も止まらぬ辞任論”. FNNプライムオンライン. 2021年2月25日閲覧。
- ^ “菅義偉首相長男の「パパ活」から見える問題点 なぜ身内には“自助”を求めないのか?(文春オンライン)” (日本語). Yahoo!ニュース. 2021年2月22日閲覧。
- ^ a b c d "先輩からのメッセージ情報通信ネットワークは 心をつなぎ いのちを守る" (PDF). 総務省. 2020年9月17日閲覧。
- ^ “総務次官に安田氏” (日本語). 日本経済新聞 (2017年7月4日). 2019年3月17日閲覧。
外部リンク[編集]
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