山田信夫 (歴史家)
| 人物情報 | |
|---|---|
| 生誕 |
1920年2月17日 日本 山口県山口市 |
| 死没 | 1987年4月26日（67歳没） |
| 出身校 | 東京帝国大学 |
| 学問 | |
| 研究分野 | 東洋史 |
| 研究機関 | 大阪大学・京都女子大学 |
山田 信夫（やまだ のぶお、1920年2月17日 - 1987年4月26日）は、日本の東洋史学者。大阪大学名誉教授。アジア遊牧民族、東西交渉史を専攻、中世ウイグル世俗文書を研究。
経歴
[編集]- 出生から修学期
1920年、山口県山口市で生まれた[1]。第六高等学校（現・岡山大学）を経て、東京帝国大学（現・東京大学）文学部に進学。東洋史学科で学び、1943年9月に卒業[2]。
山田を含む6名が1943年10月海軍予備学生に採用され、江田島の海軍兵学校に入隊、12月末まで兵学校生徒に準じる教育を受けた[3]。翌年には兵学校を去り、内地勤務で少尉、中尉となり、敗戦を迎えた[2]。1945年末に帰郷。
1946年、東京帝国大学大学院へ復学。東洋史学科の先輩にあたる前田直典の提唱により、同年3月に北方史研究会を院生仲間らと組織。4月には和田清による「北方史研究」記念講話、柴田武によるトルコ語講義を発足させ、大学での実際の講義より一歩早い形での勉学を始め[4]、前田直典とのモンゴル語文献購読、のちにはペルシア語講習、アラビア語講習会にも参加した[5]。
- 東洋史研究者として
卒業後は、1949年より静岡大学講師につき、1951年に助教授昇進。1959年、大阪大学文学部助教授に就いた。1967年に教授昇進。1975年12月から1977年3月まで国立民族学博物館教授についても併任した[6]。1979年4月に大阪大学文学部東洋史研究室に「アジア諸民族史講座」が開設されると、その初代教授となった[7]。1983年、大阪大学を定年退官し、名誉教授となった。その後は、京都女子大学教授として教鞭をとった。
1987年に死去。
研究内容・業績
[編集]専門は東洋史で、広く北方史の研究を志向した。
中国史学者の西嶋定生とは六高・東京帝大の同級生であり、親交が深かった[8] 。
家族・親族
[編集]著作
[編集]単書
[編集]- 『草原とオアシス』(ビジュアル版 世界の歴史 10) 講談社 1985[10]
- 『北アジア遊牧民族史研究』東京大学出版会 1989[11]
- 『ウイグル文契約文書集成』小田寿典・ピータ・ツィーメ・梅村坦・森安孝夫編、大阪大学出版会 1993[12] [13]
- 『天山のかなた：ユーラシアと日本人』阿吽社 1994[14]
編著・共編著
[編集]- 『西域 世界の歴史 10』羽田明編者代表、間野英二・小谷仲男共編、河出書房新社 1969
- 新装版 1974年
- 文庫化『西域 世界の歴史 10』河出文庫 1989
- 『ペルシアと唐』(東西文明の交流 2) 平凡社 1971[15]
- 『東アジア史入門』布目潮渢共編、法律文化社 1975
- 改訂版 1989年
- 新訂版 1995年[16]
- 『日本華僑と文化摩擦』巌南堂書店(叢書・アジアにおける文化摩擦) 1983[17]
訳書
[編集]- 『騎馬民族史 2 正史北狄伝』平凡社(東洋文庫 223) 1972
- 『地のはての海の彼方へ』(図説探検の世界史 17) マルカム・ロス＝マクドナルド著、集英社 1976[19]
- 『チムール帝国紀行』(東西交渉旅行記全集 3) クラヴィホ著、桃源社 1967
- 新装版 1979年[20]
記念論集
[編集]- 『人と人 : 山田信夫先生追悼文集』山田信夫教授追悼紀念事業会、1989年4月。 NCID BN03852137。全国書誌番号:91000316。
参考文献
[編集]- 神田信夫・山根幸夫編『戦中戦後に青春を生きて – 東大東洋史同期生の記録』山川出版社、1984年。ISBN 978-4634640702。 ※pp.163-182 山田信夫「北方研究会成立前後 – 昭和二十一年、三～四月の日記より」。
外部リンク
[編集]- CiNii(山田信夫著作)
- 「山田信夫(1)」『日本人名大辞典+Plus』。コトバンクより2022年8月20日閲覧。
脚注・出典
[編集]- ^ 「山田 信夫」『20世紀日本人名事典（2004年刊）』。コトバンクより2019年12月10日閲覧。
- ^ a b 山田信夫 1984, p. 164.
- ^ 同期生の記録 1984, p. 118「海軍兵学校・研究室・みづほ館」護雅夫.
- ^ 山田信夫 1984, pp. 173–174.
- ^ 山田信夫にとって北方史研究会は「決して単純な学問研究の道などではない」、敗戦直後の混乱期「人生そのものの方向を下手をすると見失いかねない、そのような状況の下で、ともかくなにかにすがっていたいという思いに、なんらかの意味でこたえてくれたものの一つではあった」：(山田信夫 1984, p. 164)
- ^ 追悼文集, p. 14 略歴.
- ^ 大阪大学・東洋史研究室の歴史
- ^ 追悼文集, pp. 4-5 友人代表・弔辞.
- ^ 同期生の記録 1984, p. 228「級友の横顔」山根幸夫.
- ^ ISBN 978-4061885103
- ^ ISBN 978-4130260480
- ^ 全3巻 内容紹介・目次：大阪大学出版会
- ^ ISBN 978-4872590012
- ^ ISBN 978-4900590427
- ^ NCID BN01846257 全国書誌番号:73014079
- ^ NCID BN12717562 全国書誌番号:73013244
- ^ NCID BN00998318 全国書誌番号:83021193
- ^ ISBN 978-4256802236
- ^ NCID BN02951494 全国書誌番号:73014028
- ^ NCID BN08760681 全国書誌番号:79014126
| 全般 | |
|---|---|
| 国立図書館 | |
| 学術データベース | |
| その他 | |
