山根明
山根 明 | |
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生誕 |
1939年10月12日 日本・大阪府堺市 |
死没 |
2024年1月31日(84歳没) 日本・大阪府大阪市 |
国籍 | 日本[1] |
著名な実績 | 日本ボクシング連盟会長 |
受賞 | 2012年アジア連盟最優秀会長賞[2] |
山根 明(やまね あきら、1939年〈昭和14年〉10月12日 - 2024年〈令和6年〉1月31日[3])は、日本のボクシング指導者。2011年から日本ボクシング連盟会長を務め、2012年には終身会長となったが、2018年に辞任した[4][5][6]。アマチュアボクシング界の重鎮としても知られる[7]。
人物・来歴
[編集]出生時の本名は文甲明(ムン・ガムミョン, 朝: 문갑명)[8]。在日韓国人として堺市で生まれる。5歳で母親の故郷の釜山市に渡った後、朝鮮戦争勃発により父に会いたいという理由もあり[9]10歳で密入国して日本に戻った[10]。初体験は13歳[11]。27歳まで無国籍者であったという[10]。1980年4月、日本国籍を取得[1]。
「アマチュアボクシング不毛の地」といわれた奈良県を「ボクシング王国」とよばれるまでに引き上げ、同県出身の辻本和正などの五輪代表選手を育成した[2]。大阪商業大学ボクシング部ヘッドコーチ、大阪経済大学ボクシング部監督、2000年シドニーオリンピックの日本選手団ボクシング競技監督を歴任した[2]。
1991年日本ボクシング連盟理事[12]、1995年-2002年世界アマチュアボクシング連盟常務理事[13][14]、2010年日本ボクシング連盟副会長[13][14]を経て、2011年2月、会長に就任[4]。2012年10月、理事会全員一致で「終身会長」となった[2][4]。2013年には村田諒太のプロ転向に際し、転向には連盟の承認を必要とすることや、所属することになるジムに移籍金を連盟に支払わせるルールを明確化させ、物議を醸した[4]。
学校法人日本大学第12代理事長の田中英壽と親交があり、2011年頃から日本大学櫻門ボクシング会常任顧問[15]を務め、2018年4月日本大学客員教授に就任した[16]。
夕刊フジの取材で暴力団の元組長に約58年前に「俺の舎弟や」と言われて親交を続けたことを認めた[17]。
辞任
[編集]2018年6月19日、都道府県連盟有志による「日本ボクシングを再興する会」が、山根に対する「退会要求書」への賛同を募っていることが明らかとなった [18]。7月27日、都道府県連盟関係者・大学ボクシング部や全国高等学校体育連盟の関係者・元オリンピック代表選手など333人から告発を受け、「アスリート助成金の不正流用の教唆および隠蔽」「試合用グローブ等の不透明な独占販売」「公式試合における組織的な審判不正」「山根会長の暴行疑惑」など13項目を指摘した告発状が日本オリンピック委員会・日本スポーツ協会・文部科学省・スポーツ庁・日本スポーツ振興センターなどに送付された[19][20]。この中には「奈良判定」と呼ばれる奈良県出身者に有利になる、不正なジャッジがあり[21]、試合に介入した疑惑も取り沙汰された[4]。7月30日、ボクシング連盟は公式ウェブサイトに「事実と異なる部分が多くある」などとする反論文を掲載した[22]。
しかしこの反論でも事態は沈静化せず、地方ボクシング連盟支部からも辞任を求める声が上がった[4]。
2018年8月8日、日本ボクシング連盟の会長および理事を辞任することを表明し[6]、8月15日には同連盟傘下の関西ボクシング連盟と奈良県ボクシング連盟の役職からも退くことを表明した[6]。山根は疑惑について認めていない[23]。「日本ボクシングを再興する会」は、同日山根除名と全理事解任を要求した[23]。「奈良判定」はこの年のユーキャン新語・流行語大賞の最終候補30の一つにノミネートされ、山根は不快感を示している[21]。最終的にはトップテンのひとつに入選している。
2018年12月15日、日本ボクシング連盟は、山根および息子の山根昌守元理事などを除名処分とする方針を決め、2019年2月の総会で正式に承認された[24]。
2018年末以降はテレビのバラエティ番組に多数出演している[25]。
2019年2月10日、日本ボクシング連盟は、都内の総会で、審判の不正や助成金の流用などの問題で山根明ら当時の幹部三人を除名すると正式に決定。これで山根は各都道府県連盟にも復帰できなくなり、事実上の永久追放が確定した[26]。
WYBC
[編集]2019年9月3日、プロボクシング新団体「ワールド・ヤマネ・ボクシング・チャンピオンシップ(WYBC)」設立を発表[27][28]。9月29日、京都KBSホールにて初興行を開催し、WSCS、WNFC両プロ格闘技連盟によるグラップリング、キックボクシング、ボクシングの各試合を組み合わせた興行として、メインイベントでWSCSヘビー級王者高橋知哉がWNFC同級王者ダニエル・ハットに勝利し、WYBC世界ヘビー級の初代王者に認定した[29]。
死去
[編集]2024年1月31日午前3時50分ごろ、大阪市内の病院で肺がんのため死去。84歳没[3]。
執筆
[編集]著書
[編集]- 男 山根 「無冠の帝王」半生記(2019年3月20日 双葉社)ISBN 978-4575314359
連載
[編集]受賞
[編集]- ビートたけしのエンターテインメント賞・第19回(2019年)話題賞[31]
CD
[編集]出演
[編集]Vシネマ
[編集]- GOKU・OH 極王 1 - 5(2019年 - 2020年) - 大東亜連合会会長 笹峯芳雄
脚注
[編集]- ^ a b 昭和55年法務省告示第164号
官報昭和55年4月23日 本紙第15976号 - ^ a b c d “日本アマチュアボクシング連盟の意思決定”. 東京スポーツ. 東京スポーツ新聞社 (2013年2月4日). 2018年8月4日閲覧。
- ^ a b “ボクシング連盟前会長の山根明さん死去、84歳 18年の辞任後はテレビ番組にも出演”. 日刊スポーツ. 日刊スポーツ新聞社 (2024年1月31日). 2024年1月31日閲覧。
- ^ a b c d e f “アマチュアで異例「終身会長」 村田選手らが辞任求める”. 朝日新聞. 朝日新聞社 (2018年8月2日). 2018年8月3日閲覧。
- ^ “【一般社団法人 日本ボクシング連盟歴代会長】※旧:社団法人 日本アマチュアボクシング連盟(大正15年7月14日~平成25年3月)”. 一般社団法人日本ボクシング連盟. 2018年8月4日閲覧。
- ^ a b c “日本ボクシング連盟会長辞任の山根氏、関西、奈良県連盟の役員も辞任”. 産経ニュース. (2018年8月15日) 2018年9月8日閲覧。
- ^ “山根会長はボクシング経験と離婚歴あり、職歴は…”. 日刊スポーツ (2018年8月4日). 2024年4月3日閲覧。
- ^ 山根明・前会長が明かす「ルーツ、密航、強制送還の過去」「無国籍だった私が日本人になるまで」 現代ビジネス
- ^ “ボクシング連盟前会長の山根明さん死去、84歳 18年の辞任後はテレビ番組にも出演”. 日刊スポーツ (2024年1月31日). 2024年1月31日閲覧。
- ^ a b “ボクシング・山根明元会長「これからは芸能人として生きる」”. 週刊ポスト. 小学館 (2018年12月31日). 2019年1月6日閲覧。
- ^ “山根前会長が「男」になった瞬間は? ビートたけしの3分番組が攻めすぎてる”. J-CASTニュース. ジェイ・キャスト. (2018年11月14日) 2018年11月15日閲覧。
- ^ “ボクシング 会長、組長と交友 19年前、連盟理事時代”. 毎日新聞. 毎日新聞社 (2018年8月3日). 2018年8月3日閲覧。
- ^ a b “社団法人日本ボクシング連盟会長山根明氏の経歴及び祝賀会式次第について(お知らせ)”. 一般社団法人日本ボクシング連盟 (2011年12月3日). 2018年8月3日閲覧。
- ^ a b 1 添付ファイル ① 山根明会長の人間像 - ウェイバックマシン(2018年8月3日アーカイブ分)
- ^ “日本大学櫻門ボクシング会常任顧問 山根 明 氏の日本連盟会長就任祝賀会の開催について(報告)”. 日本大学ボクシング部ブログ. 日本大学櫻門ボクシング会 (2011年12月4日). 2018年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月8日閲覧。
- ^ “ボクシングの山根会長を上座に招き、日大の田中理事長がゴマをすった理由とは?【動画独占入手】”. 週刊朝日. 朝日新聞出版 (2018年8月2日). 2018年8月4日閲覧。
- ^ “山根明会長、夕刊フジ取材に“マル暴”交際認めた「元組長との付き合いは58年」 韓国、家族、村田問題を赤裸々に語る” (日本語). zakzak 2018年8月6日閲覧。
- ^ “アマボクシング界に内紛 判定操作やパワハラなど…山根会長に「退会」要求へ”. デイリースポーツ (2018年8月10日). 2018年8月10日閲覧。
- ^ “アマボクシング界で関係者300人が日本連盟を告発 助成金の不正流用も”. デイリースポーツ (2018年7月29日). 2018年8月10日閲覧。
- ^ “ボクシング連盟の不正告発=助成金不正利用などで”. 時事通信 (2018年7月29日). 2018年8月10日閲覧。
- ^ a b “山根明氏、流行語大賞に奈良判定ノミネートで「気分悪くなった」”. サンケイスポーツ. サンケイスポーツ (2018年11月11日). 2019年1月6日閲覧。
- ^ “ボクシング連盟が反論 告発状「事実と異なる部分ある」”. 朝日新聞 (2018年7月31日). 2018年8月10日閲覧。
- ^ a b “ボクシング連盟、山根会長辞任 告発側は除名要求”. 日本経済新聞 (2018年8月8日). 2018年8月10日閲覧。
- ^ “事実上の永久追放へ…ボクシング連盟、山根前会長除名案を承認 2月に正式に決議”. サンケイスポーツ (2018-12-186). 2019年1月6日閲覧。
- ^ 「ボクシング「男・山根」の快進撃がバラエティ番組で続く理由 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)」- 2019.1.5 11:30配信、ラリー遠田執筆
- ^ 「山根前会長ら3人の除名を正式決定 日本ボクシング連盟 |NHK NEWS WEB」- 2019.2.10 17:56]
- ^ “山根元会長、プロ新団体WYBC設立…古巣が「潰しにかかってきた」”. スポーツ報知. (2019年9月3日) 2019年10月6日閲覧。
- ^ “追放劇から1年 日本ボクシング連盟の“ドン”山根明さんは今|あの人は今こうしている”. 日刊ゲンダイDIGITAL. 2020年4月9日閲覧。
- ^ “山根明氏が君が代に涙、立ち上げ新団体の世界戦開催”. 日刊スポーツ. (2019年9月29日) 2019年10月6日閲覧。
- ^ “山根明前会長の「KO人生相談」が『週刊大衆』でスタート「考え事ばかりしたら、オトコは仕舞い」”. 日刊大衆. 2018年12月30日閲覧。
- ^ Inc, Natasha (2019年2月25日). “【イベントレポート】マッハ&霜降りが演芸新人賞、日本芸能大賞の鶴瓶はたけしに「同世代でうれしい」(写真14枚)”. お笑いナタリー. 2019年2月25日閲覧。
- ^ 中西正男 (2020年5月24日). “作詞曲を発表も「この曲は歌えない」。日本ボクシング連盟・山根明前会長の今”. Yahoo!ニュース 2023年1月30日閲覧。
- ^ “男・山根、初出演のラジオで何を語った?”. 産経WEST. (2020年6月12日) 2023年1月30日閲覧。
外部リンク
[編集]- 無冠の帝王ch - YouTubeチャンネル
- 無冠の帝王ch (@ch37895825) - X(旧Twitter)