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山村聰

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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やまむら そう
山村 聰
山村 聰
黒い潮』(1954年
本名 古賀 寛定こが ひろさだ
別名義 山村 聡
生年月日 (1910-02-24) 1910年2月24日
没年月日 (2000-05-26) 2000年5月26日(90歳没)
出生地 日本の旗 奈良県山辺郡
死没地 日本の旗 東京都杉並区
身長 171 cm
血液型 AB型
職業 俳優映画監督
ジャンル 映画テレビ映画演劇テレビドラマ
活動期間 1936年 - 2000年
配偶者 あり
著名な家族 古賀定雄(祖父)
主な作品
映画
テレビドラマ
CM
トヨタ・クラウン
受賞
日本アカデミー賞
会長特別賞
2001年
ブルーリボン賞
その他の賞
毎日映画コンクール
男優主演賞
1955年山の音』『黒い潮[1]
助演賞
1951年『宗方姉妹』『大利根の夜霧』『帰郷[2]
キネマ旬報ベスト・テン
主演男優賞
1965年傷だらけの山河
日本映画批評家大賞
ゴールデン・グローリー賞
1996年
紫綬褒章 1977年
勲四等旭日小綬章 1983年
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山村 聰やまむら そう[3][4]1910年明治43年〉2月24日[3][5] - 2000年平成12年〉5月26日[5])は、日本俳優映画監督。作品により、山村 聡クレジット表記もある[3][4]。本名は古賀 寛定(こが ひろさだ)。

第二次世界大戦後の日本映画を代表する名優のひとりで、小津安二郎監督作品への出演で知られる。国際的にも知名度が高く、1950年代以降は日本国外の映画にも出演した。生涯で出演した映画本数は195本に上る[6]。作品により、山村 聡クレジット表記もある。

昭和芸能界を代表する国民的俳優の一人であり、志村喬森繁久彌にならぶ日本映画界の大スターの一人でもあった。

来歴

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アサヒグラフ1954年昭和29年)9月22日

奈良県山辺郡出身[3]神戸一中旧制一高を経て東京帝国大学文学部卒業。

研究劇団「太陽座」に入団。戦前の劇団文化座等での舞台活動を経て、1946年昭和21年)、『命ある限り』で映画初出演。1947年(昭和22年)、『女優須磨子の恋』で田中絹代演じる松井須磨子の愛人役・島村抱月役に抜擢され、1950年(昭和25年)には『宗方姉妹』で第1回ブルーリボン賞の主演男優賞を受賞。

東京物語』など数多くの映画に出演する一方、1952年(昭和27年)には山田典吾とともに現代ぷろだくしょんを設立し、翌年には山村自身も多額の出資をして完成させた第1回監督作品『蟹工船』を発表、映画監督としても活躍した。

英語が堪能なので、1958年(昭和33年)にはアメリカ映画の『黒船』では下田奉行の田村左衛門守役で出演した。

トヨタ・クラウンのCMキャラクターを長年務め、1962年(昭和37年)の2代目から1979年(昭和54年)の6代目まで出演した。

1970年(昭和45年)に太平洋戦争劈頭の真珠湾攻撃を描いた日米合作の『トラ・トラ・トラ!』では連合艦隊司令長官山本五十六で主演。同役を芦田伸介が降板したため(詳細はトラ・トラ・トラ!#製作を参照)、急遽、オファーを受けた[7][8][9]。既に『あゝ忠臣蔵』の大石内蔵助を主演していたが、東京と京都を往復する新幹線で『トラ・トラ・トラ!』の台本を読み[7]、「日本側に忠実に書いてあり役柄に不満はない。どうしても出演したい」と意欲を燃やし[9]、東映の了解を得て、二作を掛け持ちした。しかし『トラ・トラ・トラ!』への参加は、同時期に鹿島守之助役のオファーを受けていた『超高層のあけぼの』を佐野周二と交代して降板するなどの影響が出ている。

1972年(昭和47年)、必殺シリーズ第1作の『必殺仕掛人』に仕掛人の元締 音羽屋半右衛門役で出演。代表作の一つとなった[10]

1976年(昭和51年)には『隠し目付参上』に元締的な役柄である松平伊豆守信明役には、必殺シリーズの元締役で人気のあった山村が内定していたが、これに本作のスポンサーの白鹿から待ったがかかった。山村は当時、白鹿のライバルメーカーである日本盛CMに出演しており、自身が出演していたスポンサー絡みで降板を余儀なくされた[10]。松平伊豆守信明役は三船敏郎の二役で行くことになった。

1978年(昭和53年)の『柳生一族の陰謀』にて主演・千葉真一扮する柳生十兵衛の父・柳生但馬守は当たり役となり、その後も千葉主演の『柳生あばれ旅シリーズ』でも同役を演じ、同時期の千葉主演『服部半蔵 影の軍団』では保科正之、『影の軍団II』では平賀源内、などそれぞれの作品で主要キャラクターを演じている。但馬守は1990年(平成2年)の『柳生武芸帳 柳生十兵衛五十人斬り』でも扮した。

1986年(昭和61年)、アメリカ映画の『ガン・ホー』に出演し、日本の自動車メーカーの重役・坂本を演じた。

2000年(平成12年)5月26日午後4時40分、急性心筋梗塞のため東京都杉並区の病院で死去。90歳だった。1996年12月、帝国劇場での舞台「女たちの忠臣蔵」の細川越中守役が最後の仕事になった[11]。墓所は青山霊園にある。

人物

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志村喬旧制神戸一中の先輩で尊敬しており、三船敏郎とは親友だった。

熱心な釣り人として知られ、1974年には『釣りひとり』という著書も出版したことがある。東京・銀座に自身の釣具店「ポイント」を経営していた[12]。旧制一高時代には東京湾ハゼに熱中し、長じては利根川下流の水郷地帯ヘラブナ釣りを楽しみ、一カ月滞在することがあった[13]

出演

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映画

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蟹工船』(1953年)
東京物語』(1953年)
にごりえ』(1953年)
早春』(1956年)
智恵子抄』(1957年)

テレビドラマ

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演劇

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  • 黄昏
  • 女たちの忠臣蔵

OVA

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CM

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監督作品

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著書

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親族

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脚注

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注釈

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  1. ^ 映画における最後の作品。
  2. ^ 当時86歳だった山村のテレビドラマにおける最後の作品、「山村」と誤表記されている。

出典

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  1. ^ 毎日映画コンクール 第9回(1954年)”. 毎日新聞社. 2025年10月16日閲覧。
  2. ^ 毎日映画コンクール 第5回(1950年)”. 毎日新聞社. 2025年10月16日閲覧。
  3. ^ a b c d e 『東宝特撮映画全史』 & 1983年, p. 534, 「怪獣・SF映画俳優名鑑」
  4. ^ a b c d ゴジラ大百科 1993, p. 130, 構成・文 岩田雅幸「決定保存版 怪獣映画の名優名鑑」
  5. ^ a b c d e 野村宏平、冬門稔弐「2月24日」『ゴジラ365日』洋泉社映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、57頁。ISBN 978-4-8003-1074-3 
  6. ^ 『日本映画人名事典』キネマ旬報社[信頼性要検証]
  7. ^ a b “東映で『超高層のあけぼの』 主役交代 不安なスタート 主演に木村功 田村高広が突然おりる”. 報知新聞 (報知新聞社): p. 15. (1969年2月26日) 
  8. ^ “トラ・トラ・トラ五十六役 急転!山村聡と交渉 芦田伸介、やむなく辞退 民芸が圧力”. スポーツニッポン (スポーツニッポン新聞社): p. 10. (1969年2月26日) 
  9. ^ a b “精力的に動き回る"山村五十六" 『トラ・トラ・トラ!』/山村聡、出演断る 東映『超高層のあけぼの』”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社): p. 10. (1969年3月6日) 
  10. ^ a b 週刊TVガイド1976年1月30日号 p.30「REPORT・スポンサーに消された“元締め”」
  11. ^ 朝日新聞2000年5月29日『「ただいま11人」「トラ トラ トラ!」 俳優の山村聡さん死去』
  12. ^ 釣りの店「ポイント」の顛末 釣りひとり 山村聰
  13. ^ 【竿と筆 文人と釣り歩く】(14)山村聡「釣りひとり」横利根川のヘラブナ:水郷の寂しさに魅せられ東京新聞』朝刊2022年10月30日22面(2022年11月18日閲覧)
  14. ^ a b 『東宝特撮映画全史』 & 1983年, pp. 536–538, 「主要特撮作品配役リスト」
  15. ^ 安寿と厨子王丸”. メディア芸術データベース. 2016年10月29日閲覧。
  16. ^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 225, 「『ゴジラVSキングギドラ』作品解説/俳優名鑑」
  17. ^ 危険な再会 - ドラマ詳細データ - ◇テレビドラマデータベース◇”. テレビドラマデータベース. 2023年9月11日閲覧。
  18. ^ 『迷走千里-年々歳々今を尊く生きる』10頁。

参考文献

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  • 『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸東宝出版事業室、1983年12月10日。ISBN 4-924609-00-5 
  • 『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一Gakken〈Gakken MOOK〉、1993年12月10日。 
  • 武蔵村山における戦後の文化活動 - 俳優・山村聰をとりまく演劇・音楽活動-特別展解説書』武蔵村山市立歴史民俗資料館、2001年
  • 『東宝特撮映画大全集』執筆:元山掌 松野本和弘 浅井和康 鈴木宣孝 加藤まさし、ヴィレッジブックス、2012年9月28日。ISBN 978-4-86491-013-2 

外部リンク

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