山崎定次郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

山崎 定次郎(やまざき さだじろう、明治22年(1889年) - 昭和50年(1975年1月28日)はタンチョウの保護に務めた人物。

来歴・人物[編集]

愛称はツルのおじいちゃん[1]ツルじいさん[2]

富山県の貧しい農家の小作人の末っ子に生まれた。旭川市にいた親戚を頼り北海道に渡り、その後姉を頼って阿寒郡阿寒町(現・釧路市)に移る。大正7年(1918年)、結婚。昭和25年(1950年)の冬に数羽のタンチョウが上阿寒の山崎家の畑に舞い降り、山崎がまいた家畜用のトウモロコシを食べた。これをもってタンチョウへの給餌の成功といわれる[3]。その後は山崎家全体でタンチョウの保護に尽くしてきた[1]

昭和34年(1959年)、北海道文化財保護委員会から「丹頂鶴監視員」を委嘱され、昭和47年(1972年11月3日文化の日勲五等瑞宝章を授与された。

定次郎の死後、2011年3月まで長男の定作が、2012年からは孫の一彦が北海道から委託を受けてタンチョウの給餌を引き継いでおり[3]、山崎宅の隣には「阿寒国際ツルセンター」や「阿寒町タンチョウ観察センター」も開設された。

阿寒国際ツルセンター[編集]

タンチョウ(阿寒国際ツルセンターにて 2007年)
鳴き声を上げるタンチョウ。同センターにて2012年2月撮影

阿寒国際ツルセンター(あかんこくさいツルセンター)は、一年を通じて特別天然記念物「タンチョウ」の生態、飼育の様子を見学出来る施設である。通年、開館している。センターとしての設立は1996年[3]。 擬似的に釧路湿原を再現したセットがあるほか、屋外飼育場には阿寒国際ツルセンターで生まれ、コスチューム飼育で人工的に育てられた2羽のタンチョウ(雄は「ビック」、雌は「ムック」)がいたが、雄の「ビック」は2011年8月、繁殖活動のため台湾へ寄贈された。代わりとして雄は「エク」がいる。入館料は、大人470円、子供240円。年間券は3,550円。入場券を提示すると、後述の「阿寒町タンチョウ観察センター」へも入場できる。

「阿寒町タンチョウ観察センター」は「阿寒国際ツルセンター」の分館という位置づけ。昭和48年(1978年)に開設された。開館は11月1日から3月下旬。昭和55年(1980年)より、日本テレビ系列で放送された『池中玄太80キロ』第2シリーズ第3話「鶴よ舞え!妻の一周忌」で、俳優・西田敏行が役どころの「池中玄太」がタンチョウを写真撮影するシーンのロケが行われた場所である。冬季、降雪などにより湿原で餌が獲れなくなったタンチョウが飛来して、舞い降りる人工給餌場。観察センターに舞い降りるタンチョウの様子を写真に収めるため、道内を中心に日本全国各地、中国韓国、台湾、米国英国欧州などの諸外国から、たくさんの写真愛好家が訪れる。本格的なシーズンは雪が降り始める12月下旬からだが、最もたくさんのタンチョウが舞い降りるのは、寒さがいちだんと厳しくなる 1月下旬から 2月下旬で、200羽近くが舞い降りる。特に週末には溢水の余地もないほどの写真愛好家が集まり、超望遠レンズを装着した高価な機材が砲列を成す光景は壮観である。時代の移り変わりからか、ここ数年はデジタルカメラを使用する写真愛好家がとても多い。この時期、舞い降りたタンチョウは「恋の季節」を迎え、繁殖行動が盛んになる。この瞬間を写真に収めようと、ひとたびタンチョウが動くと人の会話が聞こえないほどのシャッター音が一斉に鳴り響き、タンチョウが驚いてしまうこともある。

ここ数年、タンチョウに混じってオオハクチョウが安住の生息地を求めて舞い降り、その数が年を追う毎に増え続け、タンチョウの写真撮影に訪れる写真愛好家らから不平不満の声が増えていることから、このハクチョウを追い払うための取り組みとして、空気銃や競技用ピストルによる空砲を発砲したところ、初めのうちは発砲音に驚いて逃げていたが、最近はその効果も薄れ、居座るようになった。次の新たな対策として給餌人がスノーモービルを走らせたところ、そのエンジン音に驚いて飛び立つようになった。当面、この方法で追い払う予定である。

観察センターが開館になる11月1日から3月下旬まで、飛来するタンチョウのために、早朝に乾燥させた家畜用トウモロコシ(デントコーン)の給餌が行われる。また12月1日から2月末までは、14時になるとウグイ(川魚)の給餌も行われる。舞い降りたタンチョウと、このウグイを獲ろうとするオジロワシオオワシが激しい争奪戦を繰り返す。この決定的瞬間を写真に収めようとする写真愛好家がたくさん訪れる。また、時にはキタキツネも現れ、このウグイを失敬する姿は観光客の人気の的である。

観察センターでは12月1日(頃)から3月下旬まで、施設内で軽食を摂ることが出来る。メニューはラーメン(しょうゆ味、みそ味)、カレー、牛丼、そばの4種類。温かい飲み物はコーヒー、甘酒、ミルクの3種類。

交通

阿寒バス 阿寒湖温泉行き(30 阿寒線 阿寒エアポートライナー)

「丹頂の里」下車

注:釧路空港発着の飛行機と阿寒湖畔方面へ行くバスは接続しないので、時刻は「阿寒バス」へ要問い合わせ。


参考文献[編集]

脚注・出典[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b 『タンチョウの四季』、45頁。
  2. ^ 『北海道の民話』、201頁。
  3. ^ a b c 阿寒国際ツルセンター グルス Akan Japanese Crane Center GRUS”. 株式会社阿寒町観光振興公社. 2015年9月閲覧。

外部リンク[編集]