小言念仏

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小言念仏(こごとねんぶつ)は落語の演目のひとつ。上方落語における世帯念仏(しょたいねんぶつ)もこの項で説明する。

概要[編集]

ストーリーのない、形態模写の要素が濃い演目。大阪から東京に移入されたいわゆる「上方種」のひとつ。

上方では3代目桂米朝の、東京では3代目三遊亭金馬10代目柳家小三治の得意ネタとして知られる。

あらすじ[編集]

演者は人々の様々な読経の様子を演じる。その際、扇子で見台(ない場合は床)を一定のリズムで叩き、木魚を模する。

演目の主題である小言をこぼしながら読経する老人は、以下のように演じられる。

  • 朝の読経中、仏壇のホコリやしおれた花が気になり、「南無阿弥陀仏」ととなえる合間に妻に指摘する。
  • 「南無阿弥陀仏」ととなえながら、「鉄瓶(の湯)が煮立っている」「飯が焦げているようだ」「今朝のおかずは何だ」と頻繁に妻に尋ねる。
  • 表をどじょう屋が通るので、「南無阿弥陀仏」ととなえながら家族に呼ばせ、どじょうを買わせる。妻に「鍋に酒を入れて蒸し焼きにしろ。暴れないようにしっかり蓋をしておけ」と調理方法を細かく指示する。どじょうによく火が通ったことを聞き、念仏をしながらほくそ笑む(仏前で殺生の禁を堂々と冒す、という風刺)。

バリエーション[編集]

  • 10代目小三治は、声が届かずに通り過ぎようとするどじょう屋に向かって、主人公が「南無阿弥陀!」と怒鳴り、仏壇に「どじょう屋……」ととなえるという描写を用いる。