小刀根トンネル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

座標: 北緯35度36分9.8秒 東経136度8分12.8秒 / 北緯35.602722度 東経136.136889度 / 35.602722; 136.136889 (小刀根トンネル)

小刀根トンネル

小刀根トンネル(ことねトンネル)は、福井県敦賀市にあるトンネル。元来は北陸本線(のちに柳ヶ瀬線、1964年廃止)のトンネルとして1881年明治14年)に建設されたもので、当時の姿を留める鉄道トンネルとしては日本最古である[1][2]

概要[編集]

明治政府は近代化を急ぐ中、鉄道路線の計画に着手し、東京 - 横浜、京都 - 神戸、敦賀 - 米原の方針を立て、敦賀 - 長浜区間が1880年(明治13年)に着工した[3][4]。この区間のトンネルは、曽々木・刀根・小刀根・柳ヶ瀬の4箇所であったが、1964年(昭和39年)の廃線後には車道に転用され[4]2016年平成28年)現在、曽々木トンネルは開削されて消滅[5]、刀根トンネルは拡張工事で新しく造り替えられ[4][5]、また柳ヶ瀬トンネルも部分的に改修を受け[3]、当時の姿を完全には留めていない。この中で、小刀根トンネルのみが手付かずで残っている[2][5]。日本人技術者による鉄道トンネルとしては、逢坂山トンネルに次ぐ古さであり[3][2]、当時のまま現存するトンネルとしては国内最古のものである。蒸気機関車D51は、このトンネルのサイズに合わせて造られたとも言われている[1]1996年(平成8年)には敦賀市指定有形文化財となり[2]、2014年(平成26年)には土木学会選奨土木遺産に選定されている[6]。現在は、県道から外れた脇道となっており、内部を徒歩で通行して見学することが可能である。

遺構[編集]

小刀根トンネルは、総高6.2m・全幅16.7m・総延長56m[3]と小規模であるが、当時の建築技術が随所に窺える。トンネルの形は馬蹄型のレンガ積みであり[3]、入口上部の要石には「明治十四年」の文字が刻まれている[4]。内部は下半分が石積み造りで上半分はレンガ積みとなっており[5]レンガの積み方には、イギリス積み、長手積みがみられる。中央部に待避所が設けられており、また一部が掘削されたままの岩盤が露出した状態となっている[3]

なお、トンネル西側の笙の川に架かっている小さな橋も鉄道遺構であり[5][7]橋台部には石組みが見られ、現在の路盤の下部に当時の鉄橋である桁橋(ガーダー橋)がそのまま残っている。

年表[編集]

  • 1869年(明治2年) - 日本初の鉄道建設計画が決定[4]
  • 1871年(明治4年) - 日本初の石屋川トンネル完成(設計はイギリス人による)[2]
  • 1872年(明治5年) - 新橋 - 横浜間が開通[4]
  • 1877年(明治10年) - 京都 - 大阪間が開通[4]
  • 1880年(明治13年) - 日本人の設計としては日本初の逢坂山トンネル完成[2]。敦賀線の着工[4]
  • 1881年(明治14年) - 曽々木・刀根・小刀根トンネルが竣工[3]
  • 1884年(明治17年) - 柳ヶ瀬トンネルが竣工し、長浜 - 敦賀間が開通[4]
  • 1909年(明治42年) - 米原 - 直江津間の名称が北陸本線となる[8]
  • 1957年(昭和32年) - 深坂トンネルが開通し、木ノ本 - 敦賀間が柳ヶ瀬線となる[4]
  • 1964年(昭和39年) - 柳ヶ瀬線が廃線となり、自動車道路に転用。
  • 1996年(平成8年) - 小刀根トンネルが敦賀市指定有形文化財に指定[2]
  • 2014年(平成26年) - 小刀根トンネルが土木学会選奨土木遺産に選定[6]

アクセス[編集]

  • 最寄りの駅のJR新疋田駅からは約5km。
  • JR敦賀駅よりバス(愛発線)乗車、「宮前橋」下車、徒歩10分。

関連画像[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 『福井県敦賀市・南越前町を巡る 近代化遺産周遊ハンドブック』「旧北陸本線隧道群について」
  2. ^ a b c d e f g 敦賀市 みんなの文化財 第37回 小刀根トンネル,2016年10月5日確認
  3. ^ a b c d e f g 『敦賀市指定文化財 建造物 小刀根トンネル』現地説明板
  4. ^ a b c d e f g h i j 『敦賀長浜鉄道物語 ~敦賀みなとと鉄道文化~』
  5. ^ a b c d e 旧柳ヶ瀬線,2016年10月5日確認
  6. ^ a b 土木学会選奨土木遺産 小刀根トンネル,2016年10月5日確認
  7. ^ 鹿島紀行 第2回 敦賀線,2016年10月5日確認
  8. ^ 『敦賀をめぐる鉄道の歴史 つるがみなとレール物語』

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]