小さな池の大きな魚効果

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小さな池の大きな魚効果(ちいさないけのおおきなさかなこうか、:Big-fish–little-pond effect)とは、心理的効果のひとつであり、個人の学業レベルが同程度である場合、所属している学校の学業レベルの高低が個人の有能感に影響を与える現象のことを言う。

解説[編集]

アメリカの社会学者デイビス(James A. Davis)が、論文[1]の中で「Big-fish–little-pond」という格言を紹介したことに由来すると言われる。 その後、オーストラリアの教育心理学者マーシュ(Herbert Marsh)が実証的かつ組織的にこの効果を検証した[2]マルコム・グラッドウェル英語版の著書『逆転!』中の「二流大学が勝つには」の章[3]において、一般向けにも説明されている。

ここでこの効果の一例を紹介する。 ここにAさんBさんがいるとする。AさんとBさんは同じ学業レベルでありAさんは学業レベルの高い学校へ、BさんはAさんが通う学校ほどは学業レベルが高くない学校へ行った。 その後、どうなったかというとAさんは、周囲の優秀な人との比較で有能感が徐々に低下し、勉強に対するモチベーションが下がり成績が悪くなった。それに対しBさんは、周囲との比較で有能感が高まり、勉強に対するモチベーションが上がり成績が良くなった。 最終的にはAさんよりもBさんの方が良い成績をおさめることになったのである。

関連語[編集]

  • 鶏口となるも牛後となるなかれ

脚注[編集]

  1. ^ Davis, J. (1966). “The campus as a frogpond: An application of the theory of relative deprivation to career decisions for college men”. American Journal of Sociology 72: 17-31. 
  2. ^ Marsh, H.; Seaton, M.; U., Trautwein; O., Lüdtke (2008). “The Big-fish–little-pond-effect Stands Up to Critical Scrutiny: Implications for Theory, Methodology, and Future Research”. Educational Psychology Review (Springer) 20 (3): 319–350. http://link.springer.com/article/10.1007/s10648-008-9075-6. 
  3. ^ マルコム・グラッドウェル 『逆転! - 強敵や逆境に勝てる秘密』 藤井留美訳、講談社2014年、65頁。ISBN 978-4062185059