小さな恋のものがたり

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小さな恋のものがたり[1](ちいさなこいのものがたり)は、みつはしちかこによる日本4コマ漫画ストーリー4コマ漫画の形態をとっている。連載期間は、52年4月となるが、この数字は、一人の作家による連載漫画としては、小島功の『仙人部落』(57年11月)に次ぎ、日本で2番目の長さであったが、聖悠紀超人ロック』(52年5月)に抜かれた[2]

高校時代の部活動の日々を漫画にした物を書き直した形で、『美しい十代』(学習研究社)に持ち込み後、連載が決定。1962年6月号に連載予告を掲載され、7月号より連載を開始した。その後いくつかの雑誌で連載し、2008年4月号まで芳文社まんがタイムファミリー』に連載されていたが、同号を最後に「長期休載」の扱いとなっていた。単行本は1967年11月に刊行後、学習研究社→立風書房→学習研究社→学研パブリッシングより発刊されており、一部を除き毎年5-6月に新刊が発行されていた。2007年の第41集以後は中断していたが、2011年12月に42集が発売、さらに2014年9月28日[3]には描き下ろし内容を主とする最終第43集が刊行され、完結した[4][5]とされているが、みつはしは「チッチとサリーの未来を描いてみたい」とも発言している[6]。2018年10月に、第44集が、「その後のチッチ」というサブタイトルを付けられて刊行された。

1972年には連続テレビドラマ化、1984年には単発TVアニメ化されている。1977年頃には映画化の企画が存在したが[7]、後に中止となっている[8]

背が低いことを気にしている女の子チッチ(小川チイコ)と、背が高くハンサムなサリー(村上聡)の恋愛模様を描いた作品。

随所に主人公チッチの目線から書かれた詩が挿入されており、恋の喜びや切なさといった叙情的な心情が分かるようになっている。

登場人物[編集]

主な登場人物[編集]

チッチ[9](小川 チイコ〈おがわ チイコ〉)
チビでオッチョコチョイで勉強もスポーツも苦手だが、サリーを一途に思い続ける女子高校生。料理と編み物が得意でよく大きなオムスビを作る。身長は132cm[10]/139cm
サリー(村上 聡〈むらかみ さとし〉)
のっぽでハンサム。おまけにスポーツ万能な野球部[11]のエースで常にテストがトップクラスの成績優秀。一応チッチの彼氏だがプラトニック関係をキープ。女の子によくモテるためチッチによくヤキモチを焼かれる。甘い物が苦手という一面も。身長は179cm/185cm
トンコ(大川 友子〈おおかわ ともこ〉)
チッチの大親友。よき相談相手。ボインだが太目の体形をよく気にする。チッチとの友情は時に山下君以上になることもある。身長は153cm/148cm
山下君(山下 勇〈やました いさむ〉) 3集より登場
トンコの彼氏。さえない所もあるがトンコに一途で優しい。趣味は山登りや囲碁だが、下記のアニメ版では野球部となっていた。身長は160cm/165cm
岸本さん(岸本 文彦〈きしもと ふみひこ〉) 6集より登場
テニス部のキャプテン。サリーと同じく女の子たちの憧れ。チッチを暖かく見守るが、どこまでの感情かは不明。チッチと同じく花が好きで花に関するエピソードが多い。身長は170cm/179cm
マユミ(岡本 まゆみ〈おかもと まゆみ〉) 11集より登場
北海道からの転校生でチッチと仲良くなる。美人で天然パーマが特徴。[12]家はお金持ち。明るくて人懐っこい性格。ゴータローと一度別れたが、現在は寄りを戻した。身長は160cm/163cm
松木さん(松木 カオル〈まつき カオル〉) 15集より登場
メガネが特徴。ドライな性格だがお茶目な一面もある。成績優秀でサリーと同じくいつもトップクラス[13]にいる努力家。運動は苦手。背が高く見た目は男に見えるがメガネの下はまつ毛の長い美人である。岸本さんに片思い中。身長は174cm
マリちゃん(金子 マリ〈かねこ マリ〉) 18集より登場
メガネをかけた水泳部所属の、チッチの後輩。背はチッチとほぼ同じくらい[14]だが、努力家。同じくメガネをかけた兄がいる。入学した当時はサリーを追いかけ続けていたが後にチッチを補佐する役割に徹することとなった。合気道を習っている、写真撮影が得意といった隠れた面もある。
ゴータロー[15](丸山 ゴータロー〈まるやま ゴータロー〉) 26集より登場
ミサキ  31集より登場
チッチの母
かっぽう着に和服を着た優しいお母さん。結構そそっかしい所がある。
チッチの父
頑固な性格。マユミに弱い。

その他の人物[編集]

チッチの同級生
「美しい十代」連載開始時を含めて、ごく初期より登場していた。三角眼鏡が特徴。
アケミ 1集に登場
サリーの従姉妹。登場後、後に再登場した。
ルミちゃん(高丘 ルミ〈たかおか ルミ〉)4集に登場
バレー部部員。サリーの一言がチッチのヤキモチとなりチッチもバレー部に入部することとなった。
中原さん
ケイコ
スミレの君(林 京子〈はやし きょうこ〉)
田舎のおばさん
ケン坊
生徒会長
バスケットボール部のK君
名前のみ登場。校内のバレンタインデーでのチョコを誰が多く貰ったかの話題で言及された。
武井先生
オサム君
チュー平(森田宙平〈もりた ちゅうへい〉)
カネコヨーノスケヒロノシン

作品の特徴[編集]

初期においては、チッチとサリーの出会いから始まり、先々に登場した恋敵を交えながらの高校生活が作品の軸となっている。岸本さんやマユミの登場以降は、サリー以外の登場人物との邂逅や展開が増えていった。中期~後期には他キャラクター同士の掛け合いや従来のキャラクターとは性格の異なるミサキの登場、マユミの恋心の変化など初期を彷彿させる展開が増加している。

主に作中では、山へのハイキング、夏に海に行く、クリスマスや正月、高校生活といったものが恒例のテーマとなっている。

連載雑誌[編集]

関連雑誌「いつかどこかで」[編集]

年4回発行の雑誌。1975年~1982年にかけて発行された。1980年頃まではみつはしちかこの描いたイラストが表紙となっていたが1981年以降は内容とともに変化した。内容はみつはしちかこによる詩やイラスト、「小さな恋のものがたり」の掲載以外にも中島みゆき、田村セツコ、さだまさしを始めとした著名人による寄稿が行われていた。最終的に1982年1月をもって休刊となっている。

関連商品[編集]

1970年代後期に、学研より幾つものグッズが販売されていた。確認されているだけでも日記帳、レターセット、ミニバッグ、サイン帳、ハンカチ、絵葉書、ノート、ミニカード、布製のペンケース、便箋・封筒セット、額縁イラスト、マグカップが存在した。 上記のグッズ以外には、サクラカラーでの販促やグリコでのCMが放映されている。

その他[編集]

  • 連載は、みつはしちかこが「美しい十代」編集部にスケッチを持ち込み、そのまま決定された。なお、同誌には既に福地泡介東海林さだお南義郎による連載が行われていたが福地と東海林の連載を終了し、「小さな恋のものがたり」の連載となった。[18]
  • タイトーの「ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国」では多くの漫画家がキャラクターを書きあげたが、みつはしちかこはチッチを書きあげている。
  • 各連載雑誌と、単行本掲載時では大幅な加筆が行われており、第1集の段階で多くの加筆または未収録となったエピソードが存在する。[19]
  • 本作品のパロディが、幾つかの作品で確認可能。例として「星のカービィ3」等が挙げられる
  • チッチは音符足というイメージが一般的だが、「美しい十代」連載末期には他キャラクターと同様に足を描かれていた。
  • 1975年現在、単行本は1集/70万部・2集/63万部・3集/60万部・4集/63万部・5集/64万部・6集/59万部・7集/56万部・8集/53万部・9集/47万部の合計585万部の出荷が行われていた。[20]
  • 立風書房で1970年頃に発行された「ナンシーちゃん英語版」の和訳版は、「小さな恋のものがたり」の表紙を模した物となっていた。

海外での出版[編集]

本作は1979年に韓国において紅斑出版社より第1集(작은 사랑의 이야기)が発行されていた。その後、1990年代前半に「チッチとサリー(치치와샐리)」という題名の無許可版が才能出版より1~3巻が発行された。絵柄はサリーこそオリジナルに近いものだったがチッチは若干のアレンジが行われている。ほか、中国でも1集が発売されたとされているが詳細は不明。

テレビドラマ[編集]

小さな恋のものがたり
(ドラマ版)
ジャンル テレビドラマ
原作 みつはしちかこ
脚本 松木ひろし市川森一重森孝子
監督 井上芳夫、野崎貞夫、後藤秀司
出演者 岡崎友紀沖雅也
オープニング 「ファースト・ラブ」(岡崎友紀)
製作
制作 日本テレビ国際放映ユニオン映画
放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 1972年7月8日 - 9月30日
放送時間 土曜19:30 - 20:00
放送枠 日本テレビ土曜7時30分枠連続ドラマ
放送分 30分
回数 13
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1972年7月8日から9月30日まで日本テレビ系列で放送。全13回。

前番組『だから大好き!』が視聴率不振で打ち切られたため、その穴埋めとして制作された。主演の岡崎友紀沖雅也も『だから大好き!』からのスライド出演で、テーマ曲「ファースト・ラブ」も『だから大好き!』から引き続き使用している。また、岡崎友紀の歌による挿入歌も前番組に引き続いて毎回あった。後に香港でも『荳蔻年華』という題名で放映された。

放送時間(JST)は土曜19時30分 - 20時00分。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

「ファースト・ラブ」
歌 - 岡崎友紀
「君と二人で」
歌 - 沖雅也

各話リスト[編集]

回数 放送日 サブタイトル 脚本 監督 ゲスト(カッコ内は役名) 挿入歌
1 1972年
7月8日
いつかだれかと 松木ひろし 井上芳夫   「ファースト・ラブ」
2 1972年7月15日 はじめてのデート 市川森一 「黄色い船」
3 7月22日 恋はどこから? 「フレンズ」
4 7月29日 チッチとサリー 松木ひろし 小栗一也(南ヶ丘牧場のおじさん) 「希望の旅」
5 8月5日 赤いピエロのお月さま 市川森一 「黄色い船」
6 8月12日 風のうた花のうた 重森孝子 野崎貞夫 江戸家小猫 「雛菊の首飾り」
7 8月19日 あなたのふるさとへ 福田トヨ(聡の母)、中村俊一(聡の父) 「恋は知らない」
8 8月26日 恋の夏休み 市川森一 「恋愛時代」
9 9月2日 涙のとなりのほほえみ 水谷豊(ノブコの取り巻きの不良)  
10 9月9日 すれちがった心
11 9月16日 たそがれに別れを 重森孝子 後藤秀司 大和田伸也(教育実習生の南先生) 「雛菊の首飾り」
12 9月23日 秋風の忘れた涙 市川森一 「私は忘れない」
13 9月30日 遠い思い出の恋人たち 井上芳夫 野村昭子(みどりの母) 「誰もいない海」

放送局[編集]

特筆のないものは、土曜 19:30 - 20:00に同時ネット。

再放送[編集]

コミカライズ[編集]

小学6年生」1972年9月から10月にかけて榎本有也によるコミカライズが掲載された他、「小学5年生」1972年9月と10月にテレビ絵物語としてダイジェスト版が掲載された。

日本テレビ 土曜19時台後半枠
前番組 番組名 次番組
小さな恋のものがたり
(ドラマ版)

テレビアニメ[編集]

1984年3月20日TBSで放送。タイトルは『小さな恋のものがたり チッチとサリー初恋の四季』。放送時間は火曜15:30 - 17:00(JST)。 原作同様に詩が挿入され、比較的原作に近い形でのアニメーション化が行われた。後にVHS、LDで発売されている。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

「愛をあずけて」
作詞 - 来生えつこ / 作曲 - 来生たかお / 編曲 - 戸塚修 / 歌 - 清原正姫
「真珠の季節」
作詞 - みつはしちかこ、佐藤ありす / 作曲・編曲 - 風戸慎介 / 歌 - 清原正姫
「名なしの花」
作詞 - みつはしちかこ、三好美帆 / 作曲 - 小坂恵子 / 編曲 - 戸塚修 / 歌 - 清原正姫

原作との相違点[編集]

  • 一部登場人物の役割が異なる。
  • 山へのハイキングの際に乗った鉄道車両が蒸気機関車から電車に変更されている。

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 旧題「小さな恋の物語」。『美しい十代』昭和37年11月号まで
  2. ^ 碧南一家連載50年記念特集 (PDF) 」 『広報へきなん』第1805巻、碧南市、2017年2月1日、 2-5頁、2019年3月11日閲覧。
  3. ^ ショップ学研 小さな恋のものがたり第43集 2014年10月4日閲覧。
  4. ^ 第43集より。
  5. ^ 52年におよぶ「小さな恋のものがたり」完結”. コミックナタリー (2014年9月29日). 2014年10月4日閲覧。
  6. ^ みつはしちかこ (2015年1月29日). “チッチの未来”. ちいさな恋のものがたり公式サイト. 2015年2月15日閲覧。
  7. ^ 別冊「小さな恋のものがたり」より
  8. ^ 雑誌「いつかどこかで」より
  9. ^ 連載開始時は「ちびこ」。チッチとなったのは1966年から
  10. ^ 身体測定のコマより。
  11. ^ 単行本未収録のごく初期の作品にはラグビー部と思われるシーンがある。
  12. ^ しかし作中では高校で問題になったが、思い切った方法で乗り切ったことがある。
  13. ^ 36集によると、学年トップとされている。なおサリーは8位、岸本さんは12位
  14. ^ 30集参照
  15. ^ 1991年頃のまんがタイムでは「ボータロー」表記
  16. ^ 1992年4月号での連載を確認
  17. ^ 1992年頃の連載を確認
  18. ^ 南の連載していた「十代っぺ」は1962年12月まで連載された
  19. ^ 一例として、サリーがチッチに傘を貸したシーンは「美しい十代」誌には掲載されず、単行本化の際に加筆された。なお「美しい十代」誌におけるサリーの登場はその他の体育系の生徒と共に宿題を忘れ、先生に怒鳴られるシーンであった。本エピソードは同誌の昭和37年10月号にて確認可能
  20. ^ 中央公論昭和51年8月号より
  21. ^ 企画書には「泉 チイコ」と表記
  22. ^ 企画書には「市川 トンコ」と表記
  23. ^ a b c d e f 河北新報』1972年7月8日付朝刊テレビ欄。
  24. ^ a b 『北國新聞』1972年7月8日付朝刊、テレビ欄。

外部リンク[編集]