寺内ダム
寺内ダム | |
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所在地 |
左岸:福岡県朝倉市荷原字中組 右岸:福岡県朝倉市荷原字寺内 |
位置 | 北緯33度25分43秒 東経130度43分23秒 / 北緯33.42861度 東経130.72306度 |
河川 | 筑後川水系佐田川 |
ダム湖 |
美奈宜湖 (ダム湖百選) |
ダム諸元 | |
ダム型式 |
中央土質遮水壁型 ロックフィルダム |
堤高 | 83.0 m |
堤頂長 | 420.0 m |
堤体積 | 3,000,000 m3 |
流域面積 | 51.0 km2 |
湛水面積 | 90.0 ha |
総貯水容量 | 18,000,000 m3 |
有効貯水容量 | 16,000,000 m3 |
利用目的 |
洪水調節・不特定利水 上水道・かんがい |
事業主体 | 独立行政法人水資源機構 |
電気事業者 | なし |
発電所名 (認可出力) | なし |
施工業者 | 間組・日本国土開発 |
着手年 / 竣工年 | 1970年 / 1978年 |
寺内ダム(てらうちダム)は、福岡県朝倉市、一級河川・筑後川水系佐田川に建設されたダムである。
概要
[編集]独立行政法人水資源機構が管理する高さ83.0メートルのロックフィルダムで、筑後川水系のダムの中では下筌ダム(津江川)に次いで高いダムである。佐田川及び筑後川下流の治水と、福岡市、久留米市をはじめとする両筑地域への利水を目的に建設された多目的ダムで、松原・下筌ダム、江川ダム、筑後大堰及び合所ダムなどと連携して北部九州の治水と利水に重要な役割を担う。
ダムによって形成された人造湖は所在地の旧名を採って美奈宜湖(みなぎこ)と命名され、2005年(平成17年)に当時の甘木市からの推薦を受けて一般財団法人水源地環境センターが選定するダム湖百選に選ばれている。
経緯
[編集]1964年(昭和39年)に筑後川水系は「水資源開発促進法」に基づく「水資源開発水系」に指定され、「筑後川水系水資源開発基本計画」(フルプラン)が策定された。この中で寺内ダムは北部九州の水需要を賄うべく江川ダム(小石原川)と共に計画され、1970年(昭和45年)より着手された。
ダムの型式はロックフィルダム、高さは83mで1978年(昭和53年)に完成した。目的は洪水調節・不特定利水・灌漑・上水道であり、朝倉市等に上水道・農業用水を供給する両筑平野用水の水源となっているほか、本ダムと江川ダムと合わせて、筑後大堰において福岡導水を介した福岡地方の9市9町村[1] への各種用水供給、筑後導水を介した筑後地方の6市8町村[2] への上水道・工業用水・農業用水の供給、更に佐賀東部導水を介して佐賀県東部2市17町村[3] への上水道・工業用水・農業用水の水源の一つとしての役割を果たしている。福岡導水・筑後導水の供給割当量(次表)上、重要なダムである[4][5]。
取水者 | 小計 | 内 | |||
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筑後大堰 | 江川ダム・寺内ダム | 合所ダム | 大山ダム | ||
福岡地区水道企業団 (福岡導水) |
23.1 | 0.7 | 14.4 | 2.8 | 5.2 |
福岡県南広域水道企業団 (筑後導水) |
15.5 | 1.4 | 6.7 | 1.3 | 6.1 |
佐賀東部水道企業団 (佐賀東部導水) |
水利権設定あり※ | - | - |
- ※2018年現在取水量枠ベース
- ※佐賀東部導水は、筑後大堰手前の揚排水機場において渇水期には取水、洪水期には排水を行う。また渇水期には佐賀西部導水により佐賀西部広域水道企業団にも間接的に供給される。
完成年に福岡大渇水が起こり、江川ダムや那珂川の南畑ダム・脊振ダムが枯渇したが、寺内ダムは普段は使用しないデッドウォーター(死水)も利用して福岡市に水を供給した。
ダム建設に伴い147世帯が水没したが、補償交渉は僅か1年半というスピード妥結となった。これは情報開示を積極的に行い、補償基準を1軒毎に木目細やかに設定・交渉したことで地元住民の信頼を得たことによる。蜂の巣城紛争の教訓を生かした補償交渉でもある。
2023年(令和5年)7月10日、梅雨前線豪雨により増水。午前9時50分ごろから緊急放流を実施した[6]。
ダムは朝倉市内に近い都市型ダムであり、大分自動車道甘木インターチェンジを過ぎ日田方面に走ると左側にダムの姿が見えてくる。ダム湖は「美奈宜湖」(みなぎこ)と呼ばれ地域住民の憩いの場ともなっている。
脚注
[編集]- ^ 福岡地区水道企業団構成自治体・組合は、福岡市、大野城市、筑紫野市、太宰府市、春日那珂川水道企業団、古賀市、宇美町、志免町、須恵町、粕屋町、篠栗町、久山町、新宮町、宗像地区事務組合、糸島市
- ^ 福岡県南広域水道企業団構成自治体・組合は久留米市、大川市、筑後市、柳川市、大牟田市、八女市、朝倉市、みやま市、大木町、広川町、筑前町、三井水道企業団《小郡市、久留米市、大刀洗町》
- ^ 佐賀東部水道企業団構成自治体・組合は、佐賀市、神埼市、吉野ヶ里町、基山町、上峰町、みやき町
- ^ “平成28年度 福岡県の水道 - 福岡県庁ホームページ”. www.pref.fukuoka.lg.jp. 2018年10月14日閲覧。
- ^ http://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/126267_50282781_misc.pdf
- ^ “九州で複数の河川に氾濫発生情報 寺内ダムで緊急放流”. 毎日新聞 (2023年7月10日). 2023年7月10日閲覧。