富永次郎

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富永 次郎(とみなが じろう 1909年4月23日 - 1969年7月14日)は、日本美術評論家

生涯[編集]

東京本郷に生まれる。富永太郎は兄、富永三郎は弟。1925年大正14年)12月旧制成城第二中学校4年のとき、兄太郎死去。1927年昭和2年)富永太郎詩集を没後出版。旧制成城高等学校大岡昇平古谷綱武と知り合い[1]1929年(昭和4年)4月、同人雑誌『白痴群』創刊時に、同人として参加。同誌は、編輯人を河上徹太郎が務め、村井康男とその門下生たち、中原中也が創作や翻訳を寄せるものであった。京都帝国大学文学部美学科卒業。1940年(昭和15年)小説『黄昏暦』を出版[2]。そのほかに美術書、こども向けの美術案内書の著作がある。戦後は成城大学教授を務めた。

著書[編集]

  • ダ・ヴィンチ 玉川学園出版部、1932
  • マネ アトリエ社、1939
  • 黄昏暦 大観堂書店、1940
  • 西洋美術文庫 第9巻 マネ アトリエ社、1940
  • 南の友 六合書院、1942
  • 藝術と現実 評論集 無何有書房、1942
  • 渡邊崋山の道 敎養社、1943
  • 生活と造形 高桐書院、1947
  • ゴッホ 炎の画家 ポプラ社、1952
  • レオナルド・ダ・ヴィンチ 芸術と科学の先駆 偕成社、1953
  • 玉川こども百科 5 玉川大学出版部、1953
  • 世界文化史物語 偕成社、1954
  • 北斎 浮世絵の巨匠 偕成社、1954
  • きみの意見わたくしの意見 共著 東西文明社、1954
  • 美術のたのしみ 三笠書房、1955
  • 中国むかしばなし 1年生(絵を担当) 宝文館、1955
  • 現代女性講座 生活の智慧 第4 角川書店、1955
  • 日本のこころ 4年生 共著(「名だかいたてもの」を執筆)小峰書店、1955
  • 日本の誇り 1~3 三十書房、1955-1956
  • 日本の美術をたかめた人々 東西文明社、1956
  • 美術のおもしろさ 東西文明社、1956
  • 失われた季節 一日本人の記録 角川書店、1956
  • 美のくに日本 誠文堂新光社、1956
  • かぐや姫 ポプラ社、1957
  • 偉人の少年時代 8 共著(ミレーを執筆) 金の星社、1957
  • ひらかなミレー 金の星社、1957
  • ミケランジェロ あかね書房、1959
  • 日本のこころ 5年生 共著(「日本のふるさと」を執筆)小峰書店、1959
  • 新・職場読本 一等サラリーマンへの道 学灯社、1960
  • 少年少女世界伝記全集 6(フランス編) 共著(ミレーを執筆) 講談社、1960
  • 日本の菓子 社会思想研究会出版部、1961
  • 北海道旅行 秋元書房、1961
  • 美しき街と里への旅 共著(倉敷を執筆)秋元書房、1961
  • 少年少女世界伝記全集 8(南欧編) (ダ・ビンチを執筆) 講談社、1961
  • ダ・ビンチ 万能の天才 偕成社、1961
  • 少年少女世界めぐり 4年生 地球と自然のすがた 実業之日本社、1961
  • 裏日本ベスト12コース 秋元書房、1965
  • 偉人の少年時代 第8集 共著(フランソワ・ミレーを執筆) 金の星社、1965
  • 雪舟 ポプラ社、1967
  • 東北周遊券旅行 秋元書房、1967
  • 北海道・東北周遊券旅行 秋元書房、1969
  • 汽笛一声 鉄道100年 共著(「奇蹟」を執筆)実業之日本社、1972

脚注[編集]

  1. ^ 厳密には、旧制成城第二中学校から。
  2. ^ 大岡昇平「富永太郎の手紙」『聲』第1号 丸善、1958年 p.41

関連項目[編集]