宮澤健一
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宮澤 健一(みやざわ けんいち、1925年9月3日 - 2010年1月9日)は、日本の経済学者。学位は、経済学博士(一橋大学・1969年)。第9代一橋大学学長、一橋大学名誉教授。1997年から2010年まで日本学士院会員。元理論・計量経済学会(現日本経済学会)会長[1]、元厚生省社会保障制度審議会会長、財団法人医療経済研究機構所長。神奈川県生まれ。
1962年エコノミスト賞、1977年日経・経済図書文化賞、1983年神戸賞、1998年勲一等瑞宝章[2]。2010年正四位[3]。指導学生に清水啓典(一橋大学名誉教授)などがいる。
経歴
[編集]- 1942年(昭和17年) 横浜市立横浜商業学校(Y校、現横浜市立横浜商業高等学校)卒業
- 1945年(昭和20年) 横浜市立経済専門学校(Y専、現横浜市立大学)第2学年修了、第9師団 (日本軍)入隊
- 1948年(昭和23年) 東京商科大学(現一橋大学)卒業、研究科進学
- 1949年(昭和24年) 横浜市立大学助手
- 1953年(昭和28年) 横浜市立大学助教授
- 1958年(昭和33年) 経済企画庁経済研究所主任研究員兼務
- 1964年(昭和39年) 横浜市立大学教授
- 1965年(昭和40年) 一橋大学経済学部教授
- 1969年(昭和44年) 経済学博士(一橋大学)
- 1980年(昭和55年) 一橋大学学長
- 1982年(昭和57年) 日本銀行金融研究所顧問
- 1990年(平成2年) 社会保障研究所所長[4]
指導学生
[編集]指導学生に清水啓典(一橋大学名誉教授)、叶芳和(元国民経済研究協会理事長)[5]、武蔵武彦(千葉大学名誉教授)[6]、荒井一博(一橋大学名誉教授)[7]、松水征夫(広島大学名誉教授)[8]、野本了三(広島大学教授)、藤垣芳文(成蹊大学教授)[9]、花井敏(南山大学名誉教授)[10]、進藤孝生(日本製鉄会長)など[11]。
著作
[編集]単著
[編集]- 『日本の経済循環』(春秋社、1960年)
- 『経済数学:経済分析と数学論理』(評論社、1961年)
- 『巨視経済学』(至誠堂、1962年)
- 『経済構造の連関分析』(東洋経済新報社、1963年)
- 『産業構造分析入門』(有斐閣、1966年)
- 『国民所得理論』(筑摩書房、1967年)
- 『日本の経済循環』(春秋社、1969年)
- 『産業の経済学』(東洋経済新報社、1975年)
- Input-output analysis and the structure of income distribution(Berlin ; New York : Springer-Verlag, 1976)
- 『現代経済の制度的機構』(岩波書店、1978年)
- 『通論経済学』(岩波書店、1981年)
- 『現代経済学の考え方』(岩波書店、1985年)
- 『業際化と情報化:産業社会へのインパクト』(有斐閣、1988年)
- 『制度と情報の経済学』(有斐閣、1988年)
- 『マクロ経済学入門』(筑摩書房、1989年)
- 『高齢化産業社会の構図』(有斐閣、1992年)
共編著
[編集]- 『地域経済の基礎構造』(春秋社、1967年)
- (小泉明)『ケインズ一般理論研究』(全3巻)(筑摩書房、1970年)
- 『産業機構』(筑摩書房、1971年)
- (新野幸次郎・斉藤謹造)『現代経済体制論:経済の発展と体制の未来を探る』(有斐閣、1973年)
- (新野幸次郎・斉藤謹造)『現代日本経済論:発展の主体と機構を探る』(有斐閣、1973年)
- 『経済学と現代:近代経済学の課題と手法を探る』(有斐閣、1974年)
- (中山伊知郎・荒憲治郎)『原典による経済学の歩み』(講談社、1974年)
- 『産業連関分析入門』(日本経済新聞社、1975年)
- 『超インフレ時代』(学陽書房、1975年)
- (竹内宏)『日本産業教室:その構造・組織・政策を探る』(有斐閣、1976年)
- (森谷正規)『80年代の基礎産業』(筑摩書房、1980年)
- 『製造物責任の経済学』(三嶺書房、1982年)
- 『高度情報社会の流通機構:情報ネットワーク型流通システムの展開』(東洋経済新報社、1986年)
- 『流通システムの再構築 : 開放的かつ競争的な消費者指向型流通機構の構築にむけて』(商事法務研究会、1989年)
- (高丘季昭)『流通の再構築』(有斐閣、1991年)
- 『国際化時代の流通機構』(商事法務研究会、1991年)
- 『医療と福祉の産業連関』(東洋経済新報社、1992年)
- 『物流革新と流通の新展開』(東洋経済新報社、1993年)
- 『価格革命と流通革新』(日本経済新聞社、1995年)
- (連合総合生活開発研究所)『福祉経済社会への選択』(第一書林、1995年)
監修書
[編集]- (寺崎克志・馬田啓一著)『演習ミクロ経済学』(同文館出版、1983年)
- (寺崎克志・馬田啓一著)『演習マクロ経済学』(同文館出版、1983年)
訳書
[編集]- L. R. クライン『ケインズ革命』(篠原三代平と共訳、有斐閣、1952年)
- J. S. ベイン『産業組織論(上・下)』(丸善、1970年)
- ゲーリー・S・ベッカー『経済理論:人間行動へのシカゴ・アプローチ』(清水啓典と共訳、東洋経済新報社、1976年)
- ロナルド・コース『企業・市場・法』(後藤晃、藤垣芳文と共訳、東洋経済新報社、1992年)
論文
[編集]- 「産業ベース=商品ベースの変換と生産係数――国連SNA新提案とケムブリッジ方式へのコメント」『一橋論叢』第56巻第5号(1966年)
- 「所得連関乗数の理論と計測――所得分配の地域間依存構造への適用」『一橋大学研究年報 経済学研究』第13号(1969年)
- 「新SNA投入産出表と技術仮説」『一橋論叢』第65巻第5号(1971年)
- 「産業経済論の領域と方法」『一橋論叢』第67巻第4号(1972年)
- 「サービス経済論をめぐる一展望――情報・サービス産業化と公共経済」『一橋論叢』第70巻第1号(1973年)
- 「産業連関の価格=物量リンクモデルによる生産・消費・貿易構造の展望」『一橋論叢』第76巻第2号(1976年)
- 「一橋経済理論の伝統と現代――理論と歴史および制度」『一橋論叢』第93巻第4号(1985年)
- 「サービス化、情報化、ネットワーク化と産業社会」『一橋論叢』第97巻第5号(1987年)
- 「公私ミックス化と市場システム」『日本學士院紀要』第53巻第3号(1999年)
- 「価値多元化と「合意形成」再考:原理レベルと実態レベル――情報的および制度的基礎」『日本學士院紀要』第56巻第1号(2001年)
- 「競争のシステムと互助のシステム――市場機構・社会保障の接点と制度デザイン」『日本學士院紀要』第58巻第2号(2003年)
- 「公共サービス化の産業連関と社会保障――医療・介護・福祉と経済的波及効果」『日本學士院紀要』第60巻第2号(2006年)
- 「競争政策の方向と新独占禁止法――改正法と指針改定の位置づけと評価」『日本學士院紀要』第63巻第1号(2008年)
脚注
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