実践倫理宏正会

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実践倫理宏正会
The Practical Ethics Association
創立者 上廣哲彦[1]
団体種類 一般社団法人
設立 1946年(昭和21年)5月3日[2]
所在地 東京都千代田区九段北1-14-1[2]
法人番号 2010005003029 ウィキデータを編集
起源 生活倫理実践会「宏正会」
主要人物 上廣哲治(会長)[2]
上廣榮治(名誉会長)[2]
活動地域 日本全国、ハワイロサンゼルス[1]
主眼 生活の改善、道義の昂揚および文化の発展を図るため、生活倫理を実践することを宏める
活動内容 生活倫理の研究、実践、普及活動
活動手段 朝起会、講演会、機関誌「倫風」
従業員数 138人[3]
会員数 409万人[3]
ウェブサイト https://www.jissenrinri.or.jp/
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一般社団法人実践倫理宏正会(じっせんりんりこうせいかい)は、一般社団法人1946年(昭和21年)5月に東京吉祥寺上廣哲彦によって設立され、1953年(昭和28年)4月1日に社団法人の許可を受けた[1][2]。毎朝午前5時~6時まで、全国の会場で一斉に行われる朝起会(あさおきかい)を主な活動としており[4]1月1日の同時刻には「元朝式」として盛大に行われる[5][6]。機関誌「倫風」や関連図書を発行している[7]

平成16年度総務省の調査では日本で2番目に賛助会員等が多い公益法人[3]。会員は主婦が中心[4]

上廣哲彦の設立した生活倫理実践会が前身[8][4]

松野純孝ひとのみち教団の「朝詣り」が倫理研究所の「朝起会」を通じて実践倫理宏正会の「朝起会」に影響した可能性を指摘した[1]

実践倫理宏正会は自らを宗教団体ではなく社会教育団体だと規定している[9]が、研究者からはしばしば宗教団体と見なされている[10]

日本各地に「朝起会」を行うための「朝起会場」を持っており、1978年時点で会が認可した会場が360あった[11]。その後約1000か所に増えた[2]。個々の朝起会場は人数・会費納入額・勧誘運動の成果(「倍加運動」)などによって格付けされている[11]

朝起会[編集]

朝起会は実践倫理宏正会の最も中心的な活動。明るく元気な暮らしを実現するのに最も効果的な実践活動として全国各地にある朝起会場で毎朝5時~6時に行われており、そこに集う会員がその日1日の積極的な活動を誓い合う。具体的には、参加者全員で「朝の誓(あさのちかい)」を唱和し[11][1]、会長の著書を読む「御本読み」「倫読」[11]・会友(会員)が体験談、反省や決意の表明を語る「演談」[11]・講師(責任者)によるまとめ[1]、「結びの誓」の唱和などがなされる。男性よりも時間の都合をつけやすい女性の参加者が多い[11]

「朝の誓」は今日一日をより善く生きるための基本的な心構えで、

  • 今日一日 三つの恩を忘れず 喜んで進んではたらきます
  • 今日一日 人の悪をいわず 己の善を語りません
  • 今日一日 気付いたことは 身がるに直ぐ行います
  • 今日一日 腹を立てず 不足の思いをいたしません
  • 今日一日 三つの無駄を排し 新しく大地に生き貫きます

の5項目である[12]。※三つの恩=親の恩、師の恩、社会の恩。三つの無駄=物の無駄、時の無駄、心の無駄。

組織[編集]

平成16年度総務省「公益法人に関する年次報告」によると実践倫理宏正会の賛助会員等は409万人で、最多の日本自動車連盟(賛助会員等3958万人)に次いだ[3]。職員数138人[13]。ただし、300万人とされていた会員数は朝起会場の分布に合わず誇大ではないかと沼田健哉が1978年に指摘した[11]。沼田によればその勧誘活動の熱心さは「かつての創価学会を思わせる」[11]

1972年に本部会館を九段に建設した[2][1]。日本国内に185の支部、国外にはハワイロサンゼルスに朝起会場を持つ[1]東京理科大学が2011年に九段校舎を217億円で実践倫理宏正会に売却した[14]。2016年完成を予定する老人ホーム渋谷区に建てている[15]

平成21年内閣府の概況調査による年次報告によれば寄付金受領額69億4932万7千円[16]文部科学省所管公益法人総点検結果表(平成13年3月)では、実践倫理宏正会は役員報酬が2000万円を超えており会計監査が不十分だとされた[17]

実践倫理宏正会草津支部は「平成23年元朝式」を草津市庁舎特大会議室および101会議室で行った[18]。市が支部に部屋の暖房代等の経費を徴収せず利益供与をしたのではないかとして住民監査請求があったところ、市が経費請求を失念し1年あまりの間経費が徴収されていなかったことが分かった[18]

平成28年6月開催の理事会において、上廣榮治第二代会長が名誉会長に、上廣哲治理事が第三代会長にそれぞれ就任した。

歴史・系統[編集]

上廣哲彦は、昭和21年5月に生活倫理実践会を主宰し、昭和26年5月に東京で実践倫理宏正会を創立した[1]。十一月には機関誌「宏正」を創刊。東京の武蔵野市吉祥寺に居を構え、三鷹、文京、神田、阿佐ヶ谷にて朝起会を開く。昭和二十八年に、これを組織して、文部省許可の社団法人とした[1]。1972年に初代会長が死去し、以後1972年から上廣榮治(二代)、2016年から上廣哲治(三代)が会長[2]

倫理研究所の分派であり[1]神道徳光教から派生したひとのみち教団(後のパーフェクト リバティー教団)に起源をもつ新宗教団体のひとつ[11]。ただし、会自身は、拝む神も教義もなく宗教団体ではなく、社会教育団体であるとしている。松野純孝によれば、宗教団体ではなく「道徳・倫理・修養団体」を自称しているとされる[1]

教理[編集]

団体自身によれば、実践倫理は宗教ではなく、「信じなければならない教義も、拝む神様も」なく、「自分の暮らしをより善いものにするノウハウがあるだけ」だという[9]

実践倫理宏正会の教理は朝起を重視し禁欲的修養をうたう点でひとのみち教団倫理研究所と類似点が多いと沼田健哉が1978年に指摘した[11]。実践倫理宏正会は「大自然の法則にそって確立した生活のすじ道を会員に教え実践する」ことを目的としており、祖先から受け継いだ「伝承の重み」を重視する[19][20]

家族関係については、「目上、目下のけじめ」をつけること、意見の相違や不平不満があっても妻は夫に逆らわず、夫をたてるべきであること、親は子を「捨て育て」すべきことなどが教えられる[19]。尚、「捨て育て」とは、過保護や過干渉という親の身勝手な押し付けを「捨て」、子どもの自然な発達を尊重しようということ。人は生まれつき、より善く生きるための力を持っており、その力がのびのびと育っていけるよう、愛情を持って「見守る」。子どもが自分の力で立ち上がるのを辛抱強く「待つ」。そして、子どもの心に「寄り添う」。それが子どもが本来持っているすばらしい資質を伸ばしていく実践倫理の「捨て育て」イコール「見守る子育て」である。[21]

初代会長上廣哲彦とその長男で名誉会長の上廣榮治の著書、また毎月発刊される会誌「倫風」に掲載される会長上廣哲治による倫風宏話等が教典に当たる[1]。これらの著書は朝起会で「御本読み」の対象となる[19]

目的[編集]

そもそも「実践倫理」とは、「明るく幸せな生活」を実現するための、誰にでもたどることができる最も確実な「すじ道」のこと。実践倫理宏正会の目的は「生活の改善、道義の昂揚および文化の発展を図るため、生活倫理を実践することを宏めると共に、これを各人の生活に融合せしめ、人生の苦悶を解脱し、人と争わず、家庭を明朗化し、各々の業務に精励せしめ、人類永遠の平和を目標に、祖国の再建に資する」こととされる。また理念の特徴として、日本固有の文化と伝統を重視し、親・祖先を重んじながらも宗教を説かず、むしろ宗教以前の人間にとって不可欠の問題として倫理を考える。したがって、宗教団体ではなく、社会教育団体であることを強調する。

政党との関係[編集]

橋本龍太郎奥田幹生森喜朗武村正義加藤紘一が1996年の50周年記念式典に出席し祝辞を述べた[4]。森喜朗は2016年時点で例年元朝式に出席する習慣があった[22]

自由民主党衆議院議員の後藤田正純は地元の同僚議員とともに地元活動の一環として元朝式に出席している[5]。国民新党の亀井静香は自身が実践倫理宏正会に「指導を受けている」と2007年に衆議院予算委員会で述べた[23]。民主党衆議院議員の逢坂誠二によれば自身のほか2010年の函館支部元朝式に函館市議会議員が出席した[24]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 松野純孝編著『新宗教辞典』1984年 4335160186、p123-125
  2. ^ a b c d e f g h 一般社団法人 実践倫理宏正会 - プロフィール
  3. ^ a b c d 総務省 公益法人に関する年次報告. 平成16年度 2004年
  4. ^ a b c d 三神國隆「異色集団を斬る(2) 社団法人実践倫理宏正会 主婦層を中心に全国規模で拡大する組織の現状」『政界』第18巻第12号、政界出版社。
  5. ^ a b 活動報告-2013年1月”. 後藤田正純公式ウェブサイト. 2020年4月23日閲覧。
  6. ^ 『倫風』2020年3月号
  7. ^ 生涯学習政策局<社会教育課>:文部科学省 2012年4月17日時点
  8. ^ 実践倫理宏正会 じっせんりんりこうせいかい ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
  9. ^ a b Q&A - 一般社団法人 実践倫理宏正会”. www.jissenrinri.or.jp. 2022年7月13日閲覧。「Q3 実践倫理の教義を、簡単に教えてください。」
  10. ^ いのうえせつこ『新興宗教ブームと女性』6章、p.180
  11. ^ a b c d e f g h i j 沼田健哉「修養団体の事例研究」『桃山学院大学社会学論集』第11巻第2号、桃山学院大学総合研究所、1978年3月1日、 149-186頁。※論文中では「J会」と匿名にされているが、実践倫理宏正会について書いたものであることを沼田が『現代日本の新宗教』1988年 ISBN 4-422-14015-9 p256 で明らかにした。
  12. ^ 一般社団法人 実践倫理宏正会 - 活動内容”. 2020年3月19日閲覧。
  13. ^ 国家公務員出身者の在籍状況 - 公益法人information
  14. ^ “東京理科大が217億円で売却、社団法人実践倫理宏正会へ”. 日経不動産マーケット情報. (2011年6月). https://xtech.nikkei.com/kn/article/books/nfm/20110519/547491/ 2020年4月23日閲覧。 
  15. ^ “渋谷区 老人ホームは竹中”. 建設ニュース (建通新聞社). (2015年5月18日). https://www.kentsu.co.jp/webnews/html_top/150518500004.html 2020年4月23日閲覧。 
  16. ^ 太田達男 (2011年2月6日). “公益寄附と信託制度-日本版プランドギビングの導入にあたり”. 公益財団法人公益法人協会. 2020年4月23日閲覧。
  17. ^ 文部科学省所管公益法人総点検結果表(平成13年3月)
  18. ^ a b 住民監査請求書 平成24年1月10日
  19. ^ a b c 沼田健哉「修養団体ならびに新宗教教団における家族倫理」『桃山学院大学社会学論集』第18巻第2号、桃山学院大学総合研究所、1984年12月20日、 203-232頁。
  20. ^ Gagné, Isaac (2011-03-01) (英語). Spiritual safety nets and networked faith: The “liquidity” of family and work under late modernity. 23. pp. 71–92. doi:10.1515/cj.2011.005. ISSN 1869-2737. https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1515/cj.2011.005. 
  21. ^ Q&A - 一般社団法人 実践倫理宏正会”. www.jissenrinri.or.jp. 2022年7月13日閲覧。
  22. ^ 「原点に返る」”. 森喜朗ブログ (2009年1月1日). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月23日閲覧。
  23. ^ 衆議院会議録情報 第166回国会 予算委員会 第7号
  24. ^ 朝起き会「元朝式」に出席”. 衆議院議員 逢坂誠二 (2020年1月1日). 2015年11月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月23日閲覧。

参考文献[編集]

沼田健哉「修養団体の事例研究」『桃山学院大学社会学論集』第11巻第2号、桃山学院大学総合研究所、1978年3月1日、 149-186頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]