宝飯郡

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愛知県宝飯郡の位置(水色:後に他郡から編入した区域)

宝飯郡(ほいぐん)は、愛知県三河国)にあった

郡域[編集]

1878年明治11年)に行政区画として発足した当時の郡域は、下記の区域にあたる。

当該区域の面積は226.98km2、人口は279,772人(平成22年国勢調査)。[1]

歴史[編集]

7世紀後半に、三川国穂評(ほのこほり)、8世紀の律令制以降は、寶飫(ほお)郡である。さらに、寶飯(ほい)郡と誤記され、現在の宝飯郡に至る。10世紀までは、設楽郡域も宝飯郡であった。

三河国国府一宮砥鹿神社)・総社国分寺国分尼寺は宝飯郡にあった。これらは現在の豊川市にあたる。東三河では、飽海評(渥美郡)と並んで、穂評(宝飯郡)は古くから設置されている。

中世では、支配者であった長山一色城主の一色時家が、大沢城波多野全慶(時政)に討たれ、宝飯郡における戦国時代が幕を開ける。その波多野全慶を討ち果たした牧野古白の後裔にあたる牧野城牛久保城牧野家などの牛久保六騎と、西部山間部には長沢城長沢松平家(以上、現豊川市)、豊川下流域には伊奈城本多彦八郎家(平八郎家の弟筋)(現豊川市小坂井地区)、南西の海岸部では上ノ郷城鵜殿氏(現蒲郡市)などが勢力を保持した地域。やがて徳川家康今川氏の支配力を排除するが、その家康も関東へ移封され、吉田城に配された池田輝政の支配下に入った時期もある。

明治、大正時代と、豊川西岸(現豊川市江島町のみ東岸)に郡域が広がっていた。郡役所は当初御油町に置かれ、のち郡のほぼ中央の国府町に移転し、1926年の郡制廃止を迎えた。なお、国府町には、1942年(昭和17年)7月から1955年(昭和30年)11月まで、宝飯地方事務所が置かれていた。

東海道本線の星越トンネルあたりを境に、東側を東宝地方、西側を西宝地方と呼んだ場合があった。

近世以降の沿革[編集]

  • 慶応4年
  • 明治2年
  • 明治3年(1870年) - 旧旗本領の一部が刈谷藩領となる(管轄は上表参照)。
  • 明治4年
  • 明治5年11月27日1872年12月27日) - 愛知県の管轄となる。
  • 明治6年(1873年) - 石原村・雨谷村・三橋村が合併して三谷原村となる。(121村)
  • 明治8年(1875年)(118村)
    • 蒲形村・西郡村が合併して蒲郡村となる。
    • 楠木村・楽筒村が合併して二葉村となる。
    • 形原新田が形原村に合併。
  • 明治9年(1876年) - 以下の各村の統合が行われる。(114村)
    • 金平村 ← 平地村、戸金村
    • 相楽村 ← 丹野村、山神村
    • 豊沢村 ← 茂松村、森下村
    • 金野村 ← 灰野村、金割村
  • 明治10年(1877年) - 太田新田が竹ノ谷村に合併。(113村)
  • 明治11年(1878年12月20日 - 郡区町村編制法の愛知県での施行により、行政区画としての宝飯郡が発足。郡役所が御油村に設置。同年、以下の各村の統合が行われる。(102村)
    • 牧山村 ← 西牧山村、東牧山村
    • 津田村 ← 藪下新田、横須賀村
    • 大村 ← 大磯村、沖木村、住吉村、柴屋村
    • 江島村 ← 江村、鵜飼島村
    • 千両村 ← 上千両村、下千両村
    • 北岡新田が東上村に、藤井新田が平井村に、青木新田・山内新田が前芝村にそれぞれ合併。
  • 明治16年(1883年) - 南金屋村・鍛冶村が合併して中条村となる。(101村)
  • 明治17年(1884年) - 大蚊里村が大村に合併。(100村)

町村制以降の沿革[編集]

1.御油村 2.赤坂村 3.長沢村 4.萩村 5.平幡村 6.穂原村 7.桑富村 8.本茂村 9.麻生田村 10.睦美村 11.豊川村 12.牛久保村 13.明子村 14.大村 15.下地村 16.鹿菅村 17.豊秋村 18.前芝村 19.伊奈村 20.白鳥村 21.国府村 22.佐脇村 23.御馬村 24.御津村 25.大塚村 26.三谷村 27.豊岡村 28.蒲郡村 29.静里村 30.神ノ郷村 31.塩津村 32.形原村 33.西浦村(紫:豊橋市 桃:豊川市 赤:蒲郡市)
  • 明治24年(1891年
  • 明治25年(1892年1月29日 - 御油村が町制施行して御油町となる。(4町29村)
  • 明治26年(1893年3月13日(6町27村)
    • 国府村が町制施行して国府町となる。
    • 豊川村が町制施行して豊川町となる。
  • 明治27年(1894年
  • 明治39年(1906年
    • 7月1日 - 以下の町村の統合が行われる。いずれも新設合併。(8町13村)
      • 豊川町 ← 豊川町、麻生田村、睦美村[三谷原・牧野・土筒・当古]
      • 牛久保町 ← 睦美村[瀬木]、牛久保町、明子村
      • 御津村 ← 御津村、御馬村、佐脇村
      • 下地町 ← 下地町、大村、鹿菅村
      • 一宮村 ← 本茂村、桑富村
      • 八幡村 ← 穂原村、平幡村
      • 蒲郡町 ← 蒲郡町、豊岡村、静里村、神ノ郷村が合併して発足。
    • 9月10日(8町11村)
      • 伊奈村・豊秋村が合併して小坂井村が発足。
      • 国府町・白鳥村が合併し、改めて国府町が発足。
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正13年(1924年4月1日 - 形原村が町制施行して形原町となる。(9町10村)
  • 大正15年(1926年
    • 7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
    • 9月12日 - 小坂井村が町制施行して小坂井町となる。(10町9村)
  • 昭和5年(1930年2月11日 - 御津村が町制施行して御津町となる。(11町8村)
  • 昭和7年(1932年9月1日 - 下地町が豊橋市に編入。(10町8村)
  • 昭和8年(1933年6月10日 - 豊川町が豊橋市の一部(院之子町)を編入。
  • 昭和18年(1943年6月1日 - 豊川町・牛久保町・国府町・八幡村が合併して豊川市が発足。郡より離脱。(7町7村)
  • 昭和19年(1944年2月11日 - 西浦村が町制施行して西浦町となる。(8町6村)
  • 昭和29年(1954年)4月1日(6町5村)
  • 昭和30年(1955年
    • 3月1日 - 前芝村が豊橋市に編入。(6町4村)
    • 4月1日(6町2村)
      • 赤坂町・長沢村・萩村が合併して音羽町が発足。
      • 一宮村が八名郡双和村の一部(賀茂)を編入。
    • 10月1日 - 大塚村が分割し、一部(大塚・相楽)が蒲郡市に、残部(大草・赤根)が御津町にそれぞれ編入。(6町1村)
  • 昭和34年(1959年)4月1日 - 御油町が豊川市に編入。(5町1村)
  • 昭和36年(1961年)4月1日 - 一宮村が町制施行して一宮町となる。(6町)
  • 昭和37年(1962年)4月1日 - 形原町が蒲郡市に編入。(5町)
  • 昭和38年(1963年)4月1日 - 西浦町が蒲郡市に編入。(4町)
  • 平成18年(2006年2月1日 - 一宮町が豊川市に編入。(3町)
  • 平成20年(2008年1月15日 - 音羽町・御津町が豊川市に編入。(1町)
  • 平成22年(2010年)2月1日 - 小坂井町が豊川市に編入。同日宝飯郡消滅。

変遷表[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 幸田町史 147頁
  2. ^ 領主から年貢免除の特権を与えられた土地。
  3. ^ 記載は御油駅。
  4. ^ ○上萩村(旗本領)・●下萩村(磐城平藩領)に分かれて記載。

参考文献[編集]

関連項目[編集]