定山渓鉄道線

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定山渓鉄道線
概要
現況 廃止
起終点 起点:東札幌駅(開業当初は白石駅
終点:定山渓駅
駅数 20駅(白石駅含む)
運営
開業 1918年10月17日 (1918-10-17)
廃止 1969年11月1日 (1969-11-1)
所有者 定山渓鉄道
使用車両 主な車両の節を参照
路線諸元
路線総延長 27.2 km (16.9 mi)
軌間 1,067 mm (3 ft 6 in)
最小曲線半径 161 m
電化 直流1,500 V 架空電車線方式
最急勾配 25
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線(廃止当時)
STR
国鉄函館本線
BHF
2.7 白石駅
HSTq ABZgr+r
苗穂駅
STR
千歳線(旧線)
BHF
0.0 東札幌駅
xABZgl STRq
千歳線(旧線)
uKBHFeq exBHF
1.0 豊平駅
exSTR
札幌市電豊平線
exBHF
4.7 澄川駅
exBHF
5.6 慈恵学園停留所
exBHF
6.4 真駒内駅
exKHSTaq exABZgr
キャンプ・クロフォード
exBHF
8.1 緑ヶ丘停留所
exhKRZWae
9.894 真駒内川橋梁 真駒内川
exBHF
11.0 石切山駅
exSTR exKHSTa
2.1* 選鉱所
exABZg+l exSTRr
日本鉱業豊羽鉱山専用鉄道
exBHF
13.5
0.0*
藤の沢駅
exBHF
14.4 十五島公園停留所
exBHF
15.3 下藤野停留所
exBHF
16.6 東簾舞停留所
exhKRZWae
16.897 簾舞川橋梁
exBHF
17.4 簾舞駅
exBHF
19.5 豊滝停留所
exBHF
20.8 滝の沢駅
exBHF
21.9 小金湯停留所
exBHF
22.8 一の沢停留所
exhKRZWae
22.968 一の沢川橋梁
exBHF
25.5
0.0#
錦橋駅
exSTR+l exABZgr
日本鉱業豊羽鉱山専用鉄道
exKHSTe exSTR
6.2# オンコノ沢
exBHF
26.3 白糸の滝停留所[注釈 1]
exKBHFe
27.2 定山渓駅
1930年頃の札幌市近郊の地図。右下に定山渓鉄道線の一部がある。

定山渓鉄道線(じょうざんけいてつどうせん)は、かつて北海道札幌市白石区東札幌駅(開業当初は白石駅)から南区定山渓駅を結んでいた定山渓鉄道(現、じょうてつ)の鉄道路線である。1969年廃止された。

路線データ[編集]

廃止時の状態

歴史[編集]

1913年大正2年)に、国鉄苗穂駅から定山渓に至る軽便鉄道として、定山渓温泉への観光客の輸送、木材の輸送、鉱石と石材の輸送を主な目的として計画された。

当初は、苗穂駅から豊平川の左岸を遡り、石切山付近で札幌市街馬車鉄道と平面交差したのちに豊平川を渡り、右岸を通って定山渓へ向かうルートを想定していたが、1913年(大正2年)8月の豊平川洪水を受けた護岸工事で当初の敷設予定地が使えなくなった[1]。そのため、1916年(大正5年)4月13日付の認可で分岐駅が苗穂駅から白石駅に変更となり、その後も月寒地区経由から豊平経由に変更されたり、真駒内地区では北海道庁種畜場の関係でルート変更を余儀なくされたりしたため、最終的に計画が固まったのは1917年(大正6年)8月のことであった[1]。また、資金繰りの難もあり、定山渓鉄道株式会社の設立は1915年(大正4年)12月20日と当初の計画から大きく遅れている。

工事施工認可は1917年(大正6年)4月6日で、22.5 kg/m 軌条や車輌については国鉄の払い下げを受けた[1]。こうして、81万2千円の費用をかけて白石 - 定山渓間 (29.9 km) が1918年(大正7年)に完成し、同年10月17日に開業した[1]

開業当初は白石 - 定山渓間3往復と豊平 - 定山渓間1往復の運行で[1]、白石 - 定山渓間を1時間30分で結んだ。

定山渓鉄道は、定山渓温泉の発展とともに順調に業績を伸ばした。会社は1932年から札幌からのバス運行も始めた。1930年代には木材・鉱石の貨物輸送も増えた。戦時中には温泉客が減り、鉱石・石材輸送に重点がおかれた。資材不足が深刻になり、終戦時には稼働率4割に落ち、列車の窓の1/3がベニヤ板に変わっていた。

定山渓鉄道線の全盛期は戦後復興とともに訪れた。まず、定山渓温泉が繁栄を取り戻した。1949年から1963年まで、定山渓鉄道線は、夜間発の往復と、ビール券とうきび枝豆、温泉利用をセットにした月見電車を走らせた。会社が整備した豊平川沿いのハイキングコースは、多くの市民に利用された。1944年に事故で閉山した豊羽鉱山1950年に再開し、定山渓鉄道がその鉱石の輸送を引き受けた。

1957年に、東京急行電鉄が定山渓鉄道の株を買収し、傘下におさめた。しかしこの頃から鉄道は貨物をトラック輸送に奪われ始めた。特に1963年からは豊羽鉱山の鉱石輸送がトラックに切り替えられた。また、東急傘下入り後に打ち出されていた複線化が実現できず運転間隔が短縮できないまま道路事情が好転し、徐々に乗客がバスやマイカーに奪われたことに加え、1966年北海道警察本部から豊平駅近くの国道36号線上の踏切が交通上の障害になっているとして高架化するか廃止して線路を撤去するなどの適切な処置を取るよう勧告された。こうした劣勢の中で、札幌市が地下鉄南北線を建設することに伴う用地買収を申し出た。会社はこれに応じて、1969年に鉄道部門を廃止した。廃止後は電車路線に沿う形で代行バスが運行されていたが、既存のバス系統と再編・統合され1970年に廃止された。

年表[編集]

鉄道部門廃止以降の会社の沿革についてはじょうてつの項目を参照のこと。

運行系統[編集]

1934年10月1日当時

  • 列車本数:苗穂 - 定山渓間下り17本・上り15本、東札幌 - 定山渓間下り4本・上り5本、白石 - 豊平間2往復
  • 所要時間:苗穂 - 定山渓間58-61分、豊平 - 定山渓間48-51分、白石 - 豊平間12 - 14分
    • 当時、運行系統は既に苗穂 - 定山渓間を主としており、白石 - 東札幌駅間は支線と同様で、極端に旅客列車の本数は少なかった。

1969年3月19日当時

  • 列車本数:札幌 - 定山渓間8往復、東札幌-定山渓間1往復、豊平-定山渓間9往復(休日は朝1往復減便)
  • 所要時間:札幌 - 定山渓間1時間6-22分、豊平 - 定山渓間45-53分
    • 総18往復のうち、半数の列車は千歳線(旧線)経由で札幌駅に乗り入れ(国鉄線内は非電化のため気動車で運転、豊平駅または東札幌駅で自社の電車に併結し、定山渓駅まで電車が牽引して運転)、残りの列車はほとんどが豊平駅 - 定山渓駅間の運転であった。千歳線内では国鉄の列車と併結されることもあった。
    • 当時、札幌駅-定山渓駅間では既に定鉄バスが7時から21時台まで30分間隔の運転を行っていた。
    • 豊滝駅は通過する列車が多かった。

当時の時刻表[編集]

1966年10月1日改正[編集]

鉄道弘済会の「道内時刻表1967年7月号」p.92より作成。

上り
列車番号 札幌 苗穂 東札幌 豊平 澄川 慈恵学園 真駒内 緑ケ丘 石切山 藤の沢 十五島公園 下藤野 東簾舞 簾舞 豊滝 滝ノ沢 小金湯 一ノ沢 錦橋 白糸ノ滝 定山渓
1M - - - 6時50分 6時56分 6時57分 6時59分 7時02分 7時07分 7時11分 7時13分 7時15分 7時18分 7時21分 7時24分 7時29分 7時31分 7時33分 7時38分 7時40分 7時42分
3M - - - 7時30分 7時36分 7時37分 7時41分 7時44分 7時49分 7時54分 7時56分 7時58分 8時01分 8時04分 8時07分 8時12分 8時15分 8時17分 8時22分 8時24分 8時26分
5M - - 7時57分 8時06分 8時11分 8時12分 8時14分 8時17分 8時22分 8時28分 8時30分 8時32分 8時35分 8時37分 - 8時41分 8時44分 8時45分 8時51分 8時53分 8時55分
1207Mv - - 8時16分 8時22分 8時28分 8時32分 8時33分 - - - - - - - - - - - - - -
1711M 8時38分 8時43分 8時52分 9時00分 9時06分 9時07分 9時09分 9時12分 9時18分 9時25分 9時27分 9時29分 9時32分 9時35分 - 9時42分 9時44分 9時46分 9時51分 9時53分 9時55分
761M 9時35分 9時39分 9時44分 9時50分 9時56分 9時57分 9時59分 10時02分 10時07分 10時12分 10時14分 10時16分 10時19分 10時21分 - 10時26分 10時28分 10時30分 10時35分 10時37分 10時39分
763M 10時30分 10時35分 10時40分 10時45分 10時50分 10時52分 10時54分 10時57分 11時01分 11時06分 11時08分 11時10分 11時12分 11時17分 - 11時22分 11時25分 11時27分 11時33分 11時35分 11時37分
15M - - - 11時50分 11時56分 11時57分 12時00分 12時03分 12時08分 12時15分 12時17分 12時19分 12時22分 12時24分 - 12時29分 12時31分 12時34分 12時38分 12時40分 12時42分
765M 12時54分 12時58分 13時03分 13時10分 13時16分 13時17分 13時20分 13時23分 13時28分 13時33分 13時35分 13時37分 13時40分 13時42分 - 13時47分 13時50分 13時52分 13時57分 13時59分 14時01分
767M 13時38分 13時42分 13時48分 13時57分 14時03分 14時04分 14時06分 14時09分 14時14分 14時18分 14時20分 14時22分 14時26分 14時27分 - 14時33分 14時36分 14時37分 14時42分 14時44分 14時46分
1723M 14時32分 14時36分 14時42分 14時52分 14時58分 14時59分 15時02分 15時05分 15時10分 15時14分 15時16分 15時18分 15時20分 15時24分 - 15時30分 15時33分 15時35分 15時40分 15時42分 15時44分
25M - - - 15時51分 15時57分 15時58分 16時00分 16時03分 16時08分 16時12分 16時14分 16時16分 16時19分 16時22分 - 16時27分 16時30分 16時32分 16時37分 16時39分 16時41分
769M 16時21分 16時26分 16時33分 16時49分 16時55分 16時56分 16時58分 17時01分 17時06分 17時11分 17時13分 17時15分 17時18分 17時22分 - 17時27分 17時30分 17時32分 17時37分 17時39分 17時41分
1731M 17時15分 17時19分 17時28分 17時34分 17時40分 17時41分 17時44分 17時47分 17時53分 17時57分 17時59分 18時02分 18時05分 18時08分 - 18時14分 18時17分 18時19分 18時24分 18時26分 18時28分
1735M 18時51分 18時59分 19時08分 19時17分 19時23分 19時24分 19時27分 19時30分 19時35分 19時39分 19時41分 19時43分 19時46分 19時49分 - 19時54分 19時57分 19時59分 20時04分 20時06分 20時08分
1739M 20時14分 20時18分 20時27分 20時34分 20時40分 20時41分 20時43分 20時46分 20時52分 20時56分 20時58分 21時00分 21時03分 21時06分 - 21時15分 21時17分 21時19分 21時04分 21時06分 21時08分
41M - - - 21時30分 21時36分 21時37分 21時42分 21時45分 21時49分 21時53分 21時55分 21時57分 22時00分 22時03分 22時07分 22時10分 22時12分 22時14分 22時19分 22時21分 22時23分
43M - - - 22時40分 22時46分 22時47分 22時49分 22時52分 22時57分 23時01分 23時03分 23時06分 23時08分 23時10分 23時13分 23時16分 23時19分 23時21分 23時26分 23時28分 23時30分
下り
列車番号 定山渓 白糸ノ滝 錦橋 一ノ沢 小金湯 滝ノ沢 豊滝 簾舞 東簾舞 下藤野 十五島公園 藤の沢 石切山 緑ヶ丘 真駒内 慈恵学園前 澄川 豊平 東札幌 苗穂 札幌 
1782M 6時35分 6時37分 6時39分 6時42分 6時44分 6時46分 6時49分 6時53分 6時54分 6時57分 6時59分 7時02分 7時07分 7時11分 7時14分 7時16分 7時18分 7時34分 7時42分 7時46分 7時50分
4M 7時00分 7時02分 7時04分 7時07分 7時09分 7時11分 7時14分 7時20分 7時22分 7時25分 7時26分 7時29分 7時33分 7時37分 7時40分 7時42分 7時44分 7時54分 7時56分  - -
1106M 7時17分 7時19分 7時21分 7時24分 7時26分 7時28分 - 7時34分 7時35分 7時38分 7時40分 7時43分 7時48分 7時52分 7時55分 7時57分 7時59分 8時10分 8時21分  8時25分 8時29分
8M 8時00分 8時02分 8時04分 8時07分 8時09分 8時12分 - 8時17分 8時19分 8時21分 8時23分 8時26分 8時29分 8時33分 8時36分 8時38分 8時40分 8時44分 -  - -
762M 9時00分 9時02分 9時04分 9時07分 9時09分 9時11分 - 9時16分 9時18分 9時21分 9時23分 9時25分 9時30分 9時34分 9時37分 9時38分 9時40分 9時48分 9時53分  9時58分 10時02分
12M 9時30分 9時32分 9時34分 9時37分 9時39分 9時42分 - 9時50分 9時52分 9時54分 9時56分 10時00分 10時07分 10時11分 10時14分 10時16分 10時18分 10時22分 -  - -
14M 10時14分 10時16分 10時18分 10時21分 10時23分 10時27分 - 10時34分 10時35分 10時38分 10時40分 10時42分 10時46分 10時50分 10時55分 10時56分 10時58分 11時03分 -  - -
764M 11時00分 11時02分 11時04分 11時07分 11時09分 11時11分 - 11時17分 11時19分 11時22分 11時23分 11時25分 11時28分 11時32分 11時35分 11時37分 11時38分 11時46分 11時48分 11時52分 11時57分
1720M 11時50分 11時52分 11時54分 11時57分 11時59分 12時01分 - 12時06分 12時08分 12時11分 12時12分 12時14分 12時18分 12時22分 12時25分 12時27分 12時29分 12時37分 12時44分 12時48分 12時52分
1220M+ - - - - - - - - - - - 13時08分 13時11分 13時15分 13時20分 13時24分 13時26分 13時30分 - - -
1722M 13時05分 13時07分 13時09分 13時12分 13時14分 13時16分 - 13時21分 13時23分 13時26分 13時28分 13時32分 13時36分 13時40分 13時43分 13時44分 13時46分 13時54分 14時02分 14時07分 14時11分
26M 14時20分 14時22分 14時24分 14時27分 14時29分 14時32分 - 14時38分 14時39分 14時42分 14時44分 14時47分 14時50分 14時54分 15時00分 15時04分 15時06分 15時10分 - - -
768M 15時05分 15時07分 15時09分 15時12分 15時14分 15時17分 - 15時23分 15時24分 15時27分 15時29分 15時31分 15時35分 15時39分 15時42分 15時43分 15時45分 15時57分 16時00分 16時09分 16時13分
1728Mv - - - - - - - - - - - 15時45分 15時48分 15時53分 16時01分 16時05分 16時06分 16時13分 16時15分 - -
1728M 16時02分 16時04分 16時06分 16時09分 16時11分 16時13分 - 16時21分 16時23分 16時26分 16時27分 16時30分 16時33分 16時37分 16時40分 16時42分 16時44分 16時53分 16時59分  17時04分 17時08分
1730M 17時05分 17時07分 17時09分 17時12分 17時14分 17時16分 - 17時22分 17時24分 17時27分 17時29分 17時32分 17時36分 17時40分 17時44分 17時46分 17時48分 17時58分 18時05分  18時10分 18時14分
32M 18時02分 18時04分 18時06分 18時09分 18時11分 18時14分 - 18時20分 18時21分 18時24分 18時26分 18時29分 18時32分 18時36分 18時39分 18時41分 18時43分 18時47分 - - -
1723M 19時00分 19時02分 19時04分 19時07分 19時09分 19時12分 - 19時18分 19時19分 19時22分 19時24分 19時26分 19時35分 19時39分 19時42分 19時43分 19時45分 19時53分 20時00分 20時06分 20時10分
36M 20時20分 20時22分 20時24分 20時27分 20時29分 20時31分 - 20時36分 20時38分 20時41分 20時43分 20時45分 20時51分 20時55分 20時58分 21時00分 21時02分 21時06分 - - -
38M 21時03分 21時05分 21時07分 21時10分 21時12分 21時16分 21時18分 21時22分 21時24分 21時27分 21時28分 21時31分 21時35分 21時39分 21時42分 21時44分 21時47分 21時50分 - - -
40M 21時45分 21時47分 21時49分 21時52分 21時54分 21時56分 21時58分 22時04分 22時06分 22時08分 22時10分 22時12分 22時15分 22時19分 22時02分 22時24分 22時46分 22時30分 - - -

v 学校休み運休
+ 土曜運転、ただし学校休み運休

主な車両[編集]

蒸気機関車[編集]

1100形
開業時に2両 (1112, 1113) が国鉄から払い下げられた[14]

客車[編集]

コロ1
1893年(明治26年)に手宮工場で北海道炭礦鉄道の一等客車として製造。その後、称号規程制定や改造によってフコロ5670となり、1928年(昭和3年)に定山渓鐵道へ譲渡。譲渡後はコロ1として貴賓用に使用された。太平洋戦争中には定山渓鐵道と接続していた豊羽鉱山専用鉄道で通勤輸送用に使用するなどしたが、その後は留置線で荒廃し、1962年(昭和37年)に廃車。翌年、国鉄に寄贈され開拓使時代の歴史的資料として製造当初の姿(い1)に苗穂工場で復元の上、北海道鉄道記念館(現在の小樽市総合博物館本館)で保存展示されている。

気動車[編集]

キハ7000形(キハ7001 - 7003)
日立製作所製で1957年(昭和32年)7月25日付竣功。国鉄千歳線の電化区間苗穂-東札幌間の電化設備撤去に際し、札幌駅直通運転用に製造した気動車。両運転台で正面は2枚窓の所謂湘南タイプ。千歳線内で国鉄気動車と併結運転できることを国鉄から求められたため、DMH17形エンジン制動装置を含む走り装置などの機械部品には国鉄規格品を使用している。札幌駅乗り入れの際は、自社線内では常にアイドリングで電車にけん引され、東札幌 - 札幌間は国鉄気動車と総括制御で運転されていた[15]
キハ7500形(キハ7501)
1958年(昭和33年)に製造された増備車。前面や主要機器はキハ7000形と同様であるが、客用扉の配置が国鉄キハ21形に準じた中央に寄ったものとなった。運用はキハ7000形と共通。

この時代の北海道私鉄の気動車の多くが他社に譲渡されたが、当系列は右側運転台や電車との併結に対応するなど特殊要素が多く、同線廃止と運命を共にした[16]

電車[編集]

モハ1200形・クハ1210形
1954年(昭和29年)に日本車輌東京支店で製造。廃線の翌年に十和田観光電鉄線へ譲渡され、モハ1207・クハ1208と改番。その後1990年(平成2年)に廃車となる。譲渡後の動向については十和田観光電鉄線#改軌・電化以降を参照のこと。
モ2300形(モ2301・2302)
1964年(昭和39年)に東急車輛で製造。竣功は同年10月29日付。両運転台で前面は貫通式。モ2301はモ201の、モ2302はモ301の台車、電機品を流用している。車体は耐候性高抗張力鋼を使用して、東急車輛が提携していたアメリカ・バッド社のステンレス鋼の工法が採用されている。側面は固定窓[17]

電気機関車[編集]

ED500形
貨物輸送の動力近代化を目的として1957年(昭和32年)にED5001・ED5002の2両が新製された50t機。国鉄EF58形に類似した半流形の箱形車体が特徴であった。廃線後は長野電鉄へ譲渡されてED5100形ED5101・ED5102として運用されたのち、1979年(昭和54年)に越後交通へ同形式・同番号のまま再び譲渡され、同社長岡線が全廃となった1995年(平成7年)まで運用された。

駅一覧[編集]

廃線直前の駅・停留所

  • 全駅北海道に所在。
  • 停車駅は1959年(昭和34年)9月ダイヤ改正時点[18](緑ヶ丘停留所開業前)。
  • 普通は全駅停車(表中省略)。
凡例
●:停車、|:通過
駅名 駅間キロ 営業キロ 準急 急行 特急 接続路線・備考 所在地
白石駅 しろいし - -2.7   日本国有鉄道:函館本線 札幌市白石区
東札幌駅 ひがしさっぽろ 2.7 0.0   日本国有鉄道:千歳線 - 1973年9月10日函館本線(貨物線)に編入後、1986年11月1日廃止。
豊平駅 とよひら 1.0 1.0 札幌市交通局札幌市電):豊平線 - 1971年10月1日廃止 札幌市豊平区
澄川駅 すみかわ 3.7 4.7   札幌市南区
慈恵学園停留所 じけいがくえん 0.9 5.6  
真駒内駅 まこまない 0.8 6.4  
緑ヶ丘停留所 みどりがおか 1.7 8.1    
石切山駅 いしきりやま 2.9 11.0  
藤の沢駅 ふじのさわ 2.5 13.5  
十五島公園停留所 じゅうごしまこうえん 0.9 14.4  
下藤野停留所 しもふじの 0.9 15.3  
東簾舞停留所 ひがしみすまい 1.3 16.6  
簾舞駅 みすまい 0.8 17.4  
豊滝停留所 とよたき 2.1 19.5  
滝の沢駅 たきのさわ 1.3 20.8  
小金湯停留所 こがねゆ 1.1 21.9  
一の沢停留所 いちのさわ 0.9 22.8  
錦橋駅 にしきばし 2.7 25.5  
白糸の滝停留所[注釈 1] しらいとのたき 0.8 26.3  
定山渓駅 じょうざんけい 0.8 27.1  

※白石駅 - 東札幌駅間は1945年廃止。

廃止後の状況[編集]

旧・じょうてつ本社社屋。この左側に旧・豊平駅の駅舎があった
旧・じょうてつ本社社屋裏側のホーム跡。往時の面影が色濃く残っていた

白石 - 東札幌 - 緑ヶ丘間[編集]

  • 白石 - 東札幌間は廃止後市街地となり痕跡は残っていないが、白石駅付近のJR線横に定山渓鉄道時代のものと思われる橋梁の橋台が残っている[19]
  • 国鉄千歳線と接続していた東札幌駅付近は、土地区画整理事業により再開発地区札幌コミュニケーションパークSORAとなり、札幌コンベンションセンター、札幌市産業振興センター、大規模商業施設ラソラ札幌(旧イーアス札幌)が立地している[20]。その先、豊平駅まではじょうてつのマンション、事務所等に転用されている。
  • 豊平駅舎は現役時代より定鉄本社社屋に隣接して一体となっており、廃止後は駅舎部分が「じょうてつ不動産部」として使用されていた(本社社屋は廃止後もそのまま使用。ホーム側は駐車場になった)が、2005年9月に本社社屋とともに解体され同社の2棟のマンションとなった[21]。開業時の初代豊平駅跡地は東光ストア豊平店となっており、跡地を示す標が店舗の外壁に設置されている[21]
  • その先は市街地となり痕跡はなくなるが、米里行啓通と交差した先から環状通と交差するまでは道路として転用されている[22]。その先は緑ヶ丘停留所付近まで札幌市営地下鉄南北線のシェルター(高架)に転用されている[22]
  • 澄川駅は地下鉄澄川駅とほぼ同位置にあった[23]。慈恵学園停留所は地下鉄自衛隊前駅の北方の澄川児童会館と札幌南消防署澄川出張所となっている[24]。真駒内駅は地下鉄自衛隊前駅と地下鉄真駒内駅のほぼ中間に位置し、地下鉄南北線の南車両基地への分岐箇所となっている。駅の平岸通を挟んだ向側にはかつて日通の荷物取扱所であった建物がタイヤ販売店となって現存している[25]。緑ヶ丘停留所の跡地は地下鉄真駒内駅の構内南端に位置する[12]

緑ヶ丘 - 藤の沢 - 簾舞間[編集]

旧・石切山駅(現・石山振興会館)2004年12月
  • 緑ヶ丘 - 藤の沢間は、地下鉄真駒内駅から計画されていた地下鉄南北線延長区間の用地として、廃止時に札幌市へ譲渡されていた。現在、地下鉄延長計画は凍結され、延長予定区間の多くは空き地となっている他、道路、歩行者専用道路などに転用されている。
  • 緑ヶ丘停留所の先からは白樺等の樹林に囲まれた道床跡がしばらく続く[22]。鉄道跡を寸断する形の交差点近辺(真駒内南町)はじょうてつバス転回場兼駐車場となっている。交差点からは森林及び歩道となり、石山陸橋下をくぐるトンネルから続く自動車道と歩道とが合流する。
  • 石山陸橋は、旧国道230号(藻南橋方向 - 石山中央方向)と国道453号(真駒内花園方向 - 常盤方向)が合流する地点に、道路が定鉄をオーバークロスする跨線橋として架設されていた。鉄道廃止後もしばらく跨線橋は残存していたが、交差点改良による拡幅でまず跨線橋の西側(石切山側)が埋設され、後に東側も埋設された。その後、改めて旧跨線橋の地点にトンネルが構築されたが、しばらく放置されていた。地下鉄南北線延長計画が凍結され、その後正式に延長中止が決定され、現在、このトンネルは一方通行の一車線自動車道(石山→真駒内方向)として活用されている。このトンネル以南、石切山駅を中心とした南北付近は、車道や生活道路、空き地となっている。
  • 石切山駅の駅舎は、「石山振興会館」としてほぼ当時のまま現存しており[22]、唯一残存している駅舎である。
  • 石切山駅以南の線路跡は道路となっているが[22]、一部は札幌市立石山小学校グラウンド拡張に転用された。
  • 藤の沢駅は廃線後、バス転回場を経て「藤野東公園」となっている。駅の石切山寄りの区間は公園へ続く遊歩道となっている。公園内には、駅跡であることを示す標柱がある。
  • 十五島公園停留所は痕跡は失われているが、個人住宅地内道路脇に駅跡の標柱がある。
  • 下藤野停留所は初代停留所は含笑寺の裏手にあり、現在は住宅地となっている。移転後の停留所は東野々沢川の西側に位置し、こちらも現在は住宅地となっている。東野々沢川沿いの道路脇に駅跡の標柱が立てられている。
  • 下藤野 - 東簾舞間は豊平川の河岸段丘や段差を利用したことや、地盤の脆弱さから、営業中にたびたび補修を要した。笹薮や森林に帰っている所も多い。
  • 東簾舞停留所は旧御料橋入口付近にあった[26]。同名のバス停がある。また、当時旅館であった建物が民家として残っている。
  • 東簾舞 - 簾舞間の線路跡は道路に転用されている。

簾舞 - 定山渓間[編集]

  • 簾舞駅は木材の集積地であり製材会社の敷地となっていたが、後に広大な空き地となっている[22]
  • 簾舞駅から先の線路跡は深い藪の中に築堤が姿を留める[22]
  • 豊滝停留所は国道230号沿いにある「豊滝除雪ステーション」の下(豊平川寄り)のやや東側に位置していた。現在は跡地への道も消失している。滝の沢駅との間には暗渠の跡が2箇所残っている[22]
  • 滝の沢駅は砥山地区へ続く市道の交差点付近にあり、当時の駅長が敷地内に植林したといわれる桜の木(ソメイヨシノ)が残っており解説版も設置されている[22]。また、その先鱒沢川の煉瓦造りの橋台跡も残る[22]
  • 小金湯停留所は小金湯温泉街より東寄りの神社付近に位置していたが、周辺道路拡張に伴い、大部分の痕跡が消失した。その先には道床跡が残り、キロポストも現存する[22]
  • 一の沢停留所は一の沢川に架かる橋梁の手前、豊平川沿いに位置していた。付近の道床やその先の一の沢川橋梁の橋台跡も残っている[22]。近くに同名のバス停がある。
  • 錦橋駅は定山渓の東はずれ、国道230号旧道沿いにあった。敷地は広い空き地となっており[22]、現在の同名のバス停付近に当時の駅舎の礎石跡が存在している。
  • 白糸の滝停留所は定山渓温泉街の入口の国道脇にあった。跡地は後に「北海道秘宝館」となったが[22]、その後閉館となった。その先のレンガ造の暗渠が残る[22]
  • 定山渓駅は温泉街にある「定山渓スポーツ公園」内となった[22]。廃止後もしばらくの間駅舎がバス乗車券発売所等として使用されたが、1976年頃解体された。公園内の片隅に駅舎の基礎がわずかに残っている。また近くの「定山渓車庫前」バス停待合室は旧豊平駅で使われていた札幌軟石が使われている[22]。温泉街の路線痕跡はホテルなどの敷地として買収されたり、商店街に吸収されほぼ消失している。

札幌急行鉄道[編集]

1958年、親会社となった東急社内に札幌付近陸上交通機関整備委員会が設置され、この委員会で定山渓鉄道の複線化ならびに中山峠方面への路線延長と札幌乗り入れ、および資本金6億円で「札幌急行鉄道」を設立して札幌 - 上江別間20.5kmの地方鉄道を新規開設し、上江別から夕張鉄道線に乗り入れて、札幌から夕張までを直結させることが決まった。東急は早速夕張鉄道の親会社である北炭と共同で設立にとりかかり、免許申請を行った。

東急は、札幌市内を地下鉄で建設し、この新設鉄道を鎹にして定山渓鉄道・夕張鉄道の一元化を図り一大私鉄網を築いて、北海道振興に寄与することを最終目的としていた。

しかしながら、その後東急社内による調査の結果、札幌急行鉄道を新規開業することによる投資効果が希薄であり、不採算事業となるだけであるとされ「札幌急行鉄道」は設立されず、免許申請も取り下げられた。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ a b 各文献には「白糸滝」と表記[27][28]
  2. ^ 表記は「藤ノ沢」。
  3. ^ 表記は「滝ノ沢」。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah 『消えた轍 ローカル私鉄廃線跡探訪 1 北海道』 128-131頁
  2. ^ 「軽便鉄道免許状下付」『官報』1913年7月22日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  3. ^ a b 『地方鉄道及軌道一覧 : 附・専用鉄道. 昭和10年4月1日現在』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. ^ 『日本全国諸会社役員録. 第24回』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. ^ 「定山渓鉄道の施業」1918年10月18日付北海タイムス(神戸大学附属図書館新聞記事文庫)
  6. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1918年10月23日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. ^ a b 『札幌の駅』 186頁
  8. ^ a b c 『札幌の駅』 185頁
  9. ^ 昭和19年度地方鉄道軌道等回収転用ニ依リ廃止方慫慂セラレタルニ依ル(No.34「運輸営業廃止ノ件」『定山渓鉄道(七)・自昭和十六年至昭和二十四年監理部・鉄道監督局民営鉄道部』234頁)(国立公文書館デジタルアーカイブ で画像閲覧可)
  10. ^ a b 『札幌の駅』 189頁
  11. ^ 『札幌の駅』 188頁
  12. ^ a b 『札幌の駅』 187頁
  13. ^ 鉄道ファン』第35巻第8号、交友社、1995年8月、 65頁。
  14. ^ 『消えた轍 ローカル私鉄廃線跡探訪 1 北海道』 132-142頁
  15. ^ 『鉄道ピクトリアル』 No.690(2014年6月号) 43頁
  16. ^ 『鉄道ピクトリアル』 No.232(1969年12月臨時増刊号:私鉄車両めぐり第10分冊) 20頁
  17. ^ 『鉄道ピクトリアル』 No.232(1969年12月臨時増刊号:私鉄車両めぐり第10分冊) 18頁
  18. ^ 今尾恵介、原武史(監修)『日本鉄道旅行歴史地図帳 1号 北海道―全線全駅全優等列車』新潮社、2010年、55-56頁。ISBN 978-4107900357
  19. ^ 久保 『定山渓鉄道』52頁
  20. ^ さっぽろの都市再開発”. 札幌市. 2019年10月22日閲覧。
  21. ^ a b 久保 『定山渓鉄道』64-72頁
  22. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 『新 消えた轍 ローカル私鉄廃線跡探訪 2 北海道・北東北』 10-11頁
  23. ^ 久保 『定山渓鉄道』74-77頁
  24. ^ 久保 『定山渓鉄道』78-81頁
  25. ^ 久保 『定山渓鉄道』85頁
  26. ^ 『札幌の駅』 190頁
  27. ^ 『昭和12年10月1日現在鉄道停車場一覧』 256頁
  28. ^ 『鉄道ピクトリアル』 No.232(1969年12月臨時増刊号:私鉄車両めぐり第10分冊)

参考文献[編集]

書籍[編集]

  • 青木栄一「昭和52年5月1日現在における補遺」『私鉄車両めぐり特輯』2、鉄道ピクトリアル編集部、鉄道図書刊行会、東京、1977年、補遺5頁。
  • 久保ヒデキ『定山渓鉄道』北海道新聞社、2018年。ISBN 978-4-89453-887-0
  • 札幌LRTの会『札幌市電が走った街今昔』JTB、2003年。
  • 札幌市教育委員会(編)『札幌の駅』北海道新聞社〈さっぽろ文庫11〉、1979年。
  • 札幌市教育委員会(編)『定山渓温泉』北海道新聞社〈さっぽろ文庫 59〉、1991年。
  • 鉄道省『昭和12年10月1日現在鉄道停車場一覧』鉄道史資料保存会(1986年覆刻)、東京、1937年、p. 256。ISBN 4-88540-048-1
  • 寺田裕一「定山渓鉄道」『消えた轍 ローカル私鉄廃線跡探訪 1 北海道』ネコ・パブリッシング〈NEKO MOOK 718〉、2004年12月21日、pp. 128-142。ISBN 4-7770-0218-7
  • 寺田裕一「定山渓鉄道」『新 消えた轍 ローカル私鉄廃線跡探訪 2 北海道・北東北』ネコ・パブリッシング〈NEKO MOOK 1627〉、2011年8月30日、pp. 8-22。ISBN 4-7770-1127-5
  • 東京急行電鉄『東京急行電鉄50年史』東京急行電鉄、1973年。

雑誌[編集]

  • 小熊米雄「定山渓鉄道」『鉄道ピクトリアル』No. 232(第19巻 臨時増刊号)1969年12月号臨時増刊:私鉄車両めぐり第10分冊、電気車研究会(鉄道図書刊行会)、1969年、 pp. 4-5, 11-25、 ISSN 0040-4047。
    • 再録:『私鉄車両めぐり特輯』2、鉄道ピクトリアル編集部、鉄道図書刊行会、東京、1977年。
  • 『鉄道ピクトリアル』No. 690(第64巻 第6号)2014年6月号、2014年、 p. 43、 ISSN 0040-4047。

関連項目[編集]

  • 国鉄C12形蒸気機関車#鉄道省以外向けの同形機:自社発注のC121が1942-1957年に在籍
  • 名鉄一宮線:幹線道路との交差で立体化か廃線かを迫られ、廃線となった鉄道の例。
  • 筑肥線京阪京津線:地下鉄開業と引き換えに廃線となった鉄道の例、ただし当線と異なり郊外の区間は地下鉄へ乗り入れすることで地下鉄開業後も存続している。
  • 江若鉄道線:定山渓鉄道線と同じ日に廃止。起点側で国鉄線に乗り入れていたことや新規路線の建設のために廃止されたことが類似する。

外部リンク[編集]