安田峰俊
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安田 峰俊(やすだ みねとし、1982年1月18日 - )は、日本のルポライター、作家。立命館大学人文科学研究所客員協力研究員、元多摩大学非常勤講師(2012年〜2018年)、朝日新聞論壇時評委員(2023年〜2024年)。主に中華圏(中国・香港・台湾)や在日ベトナム人社会に関連した書籍を著述している。
来歴・人物
[編集]滋賀県能登川町(現・東近江市)出身[1]。滋賀県立八日市高等学校、立命館大学文学部(東洋史学専攻)卒業、広島大学大学院文学研究科修士課程修了。在学中の研究テーマは中国明清時代の華南地域における宗族の械闘。その後、「一般企業勤務を経た後、いくつかの職業を経てノンフィクションライターとなる」[2]。大学在学中、中国広東省の深圳大学に交換留学している。
『生協の白石さん』を企画編集したフリー編集者・堀田純司によって発掘され、2010年4月に『中国人の本音』(講談社)でデビュー。その後は書籍や雑誌媒体、テレビ等で活動している。
2018年刊行の『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』で第5回城山三郎賞及び第50回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2021年刊行の『「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本』が、及川眠子の私設ノンフィクション賞である第5回及川眠子賞を受賞。
2026年9月13日、本人のXでラムゼイ・ハント症候群の罹患を報告[3]。
著作の傾向
[編集]「中国の闇から日本の外国人問題、恐竜まで幅広く取材・執筆」[4]、「硬軟とりまぜた執筆活動」[5]といった説明がなされることが多い。著作の例は次の通り。
- 天安門事件や香港デモ、在日ベトナム人犯罪、中国の対日スパイ工作、台湾有事などに切り込む正統派のノンフィクションやジャーナリズム(『八九六四』『「低度」外国人材』『戦狼中国の対日工作』[6][7])
- 中国による沖縄への工作について、中国側の民間団体を通じた沖縄県政への接近や琉球独立運動プロパガンダの流布などについて、その実態と粗雑さを指摘する[8][9]
- 陳水扁[10]、蔡霞[11]、羅冠聡[12]、郭文貴[13]、王志安[14]、薛剣[15]、王丹[16]、竹内亮[17]など中華圏の著名人へのインタビュー。
- アカデミックな歴史学の知見を生かした中国論(『現代中国の秘密結社』『中国ぎらいのための中国史』[18])や中国研究者との対談[19]、インタビュー[20][21]
- 中国の恐竜事情(『恐竜大陸 中国』)、台湾のマイナー政党ルポ[22]、中国の性事情(『性と欲望の中国』)、台湾のAV撮影現場突撃[23]、サッカーW杯予選を中国側アウェイ席で応援する[24]などの、ニッチで庶民的な題材
- 文章術(『みんなのユニバーサル文章術』)、中国近未来シミュレーション小説(『エンド・オブ・スカーレット』)
以上のように、中華圏や在日ベトナム人社会を題材とした、多種多様な著作や寄稿で知られる。
エピソード
[編集]- もともとは「迷路人」のハンドルネームで、中国のネット掲示板を2ちゃんねる風の日本語に翻訳・編集するブログを運営していた[1]。
- 2012年10月31日発売の『週刊文春』誌上にて、「中国で一番有名な日本人」として日中のメディアで盛んに取り上げられていた加藤嘉一の経歴詐称を検証。加藤側は即座に経歴詐称を認める記事を公式サイトに掲載した[25]。
- スクウェアソフト(現スクウェア・エニックス)のロマンシング サ・ガ3を「人生で最も長くプレイしたゲーム」と語っており、ゲームライターではないにもかかわらず『週刊プレイボーイ』にサガシリーズの25周年記念特集記事を寄稿。記事の記述によれば、企画中で同シリーズプロデューサーの河津秋敏にインタビューした際、感極まったという[26]。
- 恐竜が好きであり、過去に中国の恐竜学者の邢立達へのインタビューをおこなっているほか、恐竜関連の著書もある。
著書(ノンフィクション)
[編集]- 『中国人の本音 中華ネット掲示板を読んでみた』講談社、2010年。 ISBN 978-4062161930
- 『中国人のリアル 恋愛事情から、お騒がせ大国を「ゆるく」論じてみた』TOブックス、2010年
- 『独裁者の教養』星海社新書、2011年。ISBN 978-4061385047
- 『中国・電脳大国の嘘 「ネット世論」に騙されてはいけない』文藝春秋、2011年。ISBN 978-4163747408
- 『和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人』角川書店、2012年。角川文庫、2016年
- 『知中論 理不尽な国の7つの論理』星海社新書、2014年。ISBN 978-4061385580
- 『境界の民(マージナル・マン) 難民、遺民、抵抗者。国と国の境界線に立つ人々』角川書店、2015年
- 『移民棄民遺民 国と国の境界線に立つ人々』角川文庫、2019年
- 『野心 郭台銘伝』プレジデント社、2016年。ISBN 978-4833451048
- 『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』KADOKAWA、2018年。ISBN 9784041067352
- 『八九六四 完全版 「天安門事件」から香港デモへ』角川新書、2021年
- 『さいはての中国』小学館新書、2018年。ISBN 978-4098253357
- 『性と欲望の中国』文春新書、2019年
- 『もっとさいはての中国』小学館新書、2019年
- 『現代中国の秘密結社 マフィア、政党、カルトの興亡史』中公新書ラクレ、2021年
- 『「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本』KADOKAWA、2021年
- 『中国vs.世界 呑まれる国、抗う国』PHP新書、2021年
- 『みんなのユニバーサル文章術 今すぐ役に立つ「最強」の日本語ライティングの世界』星海社新書、2022年
- 『北関東「移民」アンダーグラウンド ベトナム人不法滞在者たちの青春と犯罪』文藝春秋、2023年2月
- 『戦狼中国の対日工作』文春新書、2023年12月
- 『恐竜大陸 中国』角川新書、2024年6月
- 『中国ぎらいのための中国史』PHP新書、2024年9月
- 『民族がわかれば中国がわかる-帝国化する大国の実像』中公新書ラクレ、2025年2月
著書(小説)
[編集]- 『エンド・オブ・スカーレット 8964リターンズ』星海社FICTIONS、2026年8月
共著ほか
[編集]編訳
[編集]- 顔伯鈞『「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄』文春新書、2016年。ISBN 978-4166610839
関連項目
[編集]出典
[編集]- 1 2 “憂楽帳:はみ出して生きる - 毎日新聞”. 毎日新聞. 2018年8月10日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2025年10月20日閲覧.
- ↑ “Amazon.co.jp: 安田 峰俊:作品一覧、著者略歴”. www.amazon.co.jp. 2025年10月20日閲覧。
- ↑ https://x.com/YSD0118/status/2099053837684507051?s=20
- ↑ “「安田峰俊」の検索結果”. 週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]. 2025年10月20日閲覧。
- ↑ 峰俊, 安田. “「48万円で赤ちゃんを差し上げます」…中国チャット“暗黒コミュ”で繰り広げられるヤバい取引”. 文春オンライン. 2024年9月16日閲覧。
- ↑ “第11回「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」 決定”. www.mymf.or.jp. 2024年9月16日閲覧。
- ↑ 「文藝春秋」編集部. “現地緊急レポート 台湾は中国を撃退できるのか?”. 文春オンライン. 2024年9月16日閲覧。
- ↑ “「沖縄は独立したがっている」「琉球人は中華民族だ」…中国が進める「沖縄工作」の最前線”. 現代ビジネス (2025年1月12日). 2025年10月20日閲覧。
- ↑ “〈解説〉中国による沖縄工作って、結局のところどうなってるの?ルポライター・安田峰俊氏が語る最前線、実態は習近平の“号令”で党員の「手柄合戦」の様相も”. Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン) (2025年4月2日). 2025年10月20日閲覧。
- ↑ “4月6日”. Facebook. 2024年9月16日閲覧。
- ↑ 霞, 蔡 (2022年12月8日). “私が習近平から逃げ出した理由 | 蔡霞”. 文藝春秋 電子版. 2024年9月16日閲覧。
- ↑ 峰俊, 安田 (2020年8月12日). “潜伏する民主派の肉声 香港は習近平に屈しない | 安田 峰俊”. 文藝春秋 電子版. 2024年9月16日閲覧。
- ↑ “郭文貴氏、中国有数の大富豪のナゾに包まれた正体 暴露YouTuberの過去、1300億円詐欺容疑も:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2024年9月16日閲覧。
- ↑ 峰俊, 安田. “日本にただいま潜伏中…国営放送CCTVの元編集委員「中国の池上彰」がぶちまける中国メディアの内情”. 文春オンライン. 2024年9月16日閲覧。
- ↑ “中国総領事、吠える 安田峰俊・薛剣|文藝春秋digital”. note(ノート) (2021年12月10日). 2024年9月16日閲覧。
- ↑ “天安門事件 民主化運動家の"あの人は今" 富を得る人、消息不明になる人”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) (2018年10月7日). 2024年9月16日閲覧。
- ↑ 峰俊, 安田. “「僕はニセ日本人」中国当局がお墨付きを与えた“親中日本人”クリエイター・竹内亮氏(43)の正体とは?”. 文春オンライン. 2024年9月16日閲覧。
- ↑ “安田峰俊『中国ぎらいのための中国史』(PHP研究所)【今月の一冊】:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2024年9月16日閲覧。
- ↑ “中国の「秘密結社」とは何か? 岡本隆司×安田峰俊|国際|中央公論.jp”. 中央公論.jp (2021年4月10日). 2024年9月16日閲覧。
- ↑ “「漢文は本当に役に立たないのか」三国志が教える中国エリート層との付き合い方 それは「本物の金持ち」を知らない人”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン). 2024年9月16日閲覧。
- ↑ “「中国は民主国家ではない」は本当か…日本人が知らない「儒教と民主主義」の密接な関係 むしろ中国のほうが「民の声」をていねいに拾っている”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) (2022年4月1日). 2024年9月16日閲覧。
- ↑ 峰俊, 安田. “台湾選挙のやさしいせかい…比例区の得票第5位「おばさん連盟」の静かな野望”. 文春オンライン. 2024年9月16日閲覧。
- ↑ “日本メディア初公開! "全裸監督"ばりに激アツな「台湾のAV」の世界《撮影現場を直撃取材》 - ライフ・文化 - ニュース”. 週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト] (2023年5月7日). 2024年9月16日閲覧。
- ↑ 峰俊, 安田. “「アブない国」の行儀よき人々。W杯予選アウェイ席観戦で感じた中国サポーターのマナー向上と「中国がそれでもダメな理由」”. 文春オンライン. 2024年9月16日閲覧。
- ↑ “加藤嘉一オフィシャルサイト”. katoyoshikazu.com. 2025年10月20日閲覧。
- ↑ 「週刊プレイボーイNo.52 - 表紙&中吊り - ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]」『週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]』。オリジナルの2014年12月20日時点におけるアーカイブ。2025年10月20日閲覧。