宇遠内駅

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宇遠内仮乗降場から転送)
宇遠内駅
ホーム全景 (1988年)
うえんない
Uennai
声問 (5.0* km)
(2.1* km) 南稚内
所在地 北海道稚内市潮見4丁目
北緯45度23分33.7秒 東経141度42分21秒 / 北緯45.392694度 東経141.70583度 / 45.392694; 141.70583座標: 北緯45度23分33.7秒 東経141度42分21秒 / 北緯45.392694度 東経141.70583度 / 45.392694; 141.70583
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 天北線
キロ程 146.8* km(音威子府起点)
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1955年昭和30年)12月2日(仮乗降場)
1987年(昭和62年)4月1日(駅昇格)[1]
廃止年月日 1989年平成元年)5月1日[1]
備考 天北線廃線に伴い廃駅
*キロ程は実キロ(営業キロは最後まで設定されなかった)
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1977年の宇遠内仮乗降場と周囲約500m範囲。左が南稚内方面。稚内市街地内の駅で、仮乗降場にしては長いホームを持つ。周囲に待合室は見当たらない。付近は各路地から線路を横切る小道が多く目立つ。上に流れるのが改修前のウエンナイ川。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

宇遠内駅(うえんないえき)は、北海道宗谷支庁稚内市潮見4丁目にかつて存在した、北海道旅客鉄道(JR北海道)天北線廃駅)である。天北線の廃線に伴い、1989年(平成元年)5月1日に廃駅となった。

歴史[編集]

1955年(昭和30年)に行われた当地付近(富岡地区)への稚内商業高校(→稚内商工高校を経て現在は稚内高校へ統合、現在は稚内大谷高校校舎)の移転、付近への住宅・商店の進出に伴い設置された[2]

  • 1955年(昭和30年)12月2日日本国有鉄道(国鉄)北見線の宇遠内仮乗降場設定)として開業[1]
    • 当初は駅付近で交差する国道40号踏切の声問駅寄りに設置された。
  • 1961年(昭和36年)4月1日:路線名を天北線に改称、それに伴い同線の仮乗降場となる。
  • 1964年(昭和39年):同年の国道40号跨線橋完成に伴い、跨線橋の南稚内駅寄りに移転[2]
    • なお、前年に稚内高校も当駅付近(栄地区)へ移転している[2]
  • 1987年(昭和62年)4月1日国鉄分割民営化により、北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅となると共に駅に昇格、宇遠内駅となる[1]
  • 1989年(平成元年)5月1日:天北線の全線廃止に伴い、廃駅となる[1]

駅名の由来[編集]

現在のウエンナイ川のアイヌ語名、「ウェンナイ(悪い・川)」より[3]。道内諸地の同様の地名と同様、何が悪いのかは忘れられているが、アイヌ語研究者の永田方正は「赤水にして魚上らず」と、水が悪かったらしいことを記している[3]

駅構造[編集]

廃止時点で、1面1線の単式ホームと線路を有する地上駅であった。ホームは、線路の北側(南稚内方面に向かって右手側)に存在した[4]。南稚内方(西側)にスロープを有し[4]、道路に連絡していた。

仮乗降場に出自を持つ無人駅となっており、駅舎は存在しなかったが傍らに待合室と思われるプレハブ小屋が有った。

駅周辺[編集]

駅跡[編集]

当駅付近の廃線跡は稚内市道の「天北通」に転用され、2001年(平成13年)時点では跡形も無く[6]、2010年(平成22年)時点でも同様であった[7]

隣の駅[編集]

北海道旅客鉄道
天北線
声問駅 - 宇遠内駅 - 南稚内駅

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、907頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ a b c 稚内市史編纂室 編『稚内市史』 1巻、稚内市、1968年、1004頁。doi:10.11501/3448729https://doi.org/10.11501/34487292022年8月11日閲覧 
  3. ^ a b 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日。ISBN 978-4-88323-114-0 
  4. ^ a b 書籍『追憶の鉄路 北海道廃止ローカル線写真集』(著:工藤裕之、北海道新聞社2011年12月発行)30ページより。
  5. ^ a b 書籍『北海道道路地図 改訂版』(地勢堂、1980年3月発行)17ページより。
  6. ^ 書籍『鉄道廃線跡を歩くVIII』(JTBパブリッシング2001年8月発行)42ページより。
  7. ^ 書籍『新 鉄道廃線跡を歩く1 北海道・北東北編』(JTBパブリッシング2010年4月発行)19ページより。

関連項目[編集]