宅配ボックス

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宅配ボックス(たくはいボックス、英語: home-delivery box)は、受取人が留守のときに宅配便や郵便物の受取を代行するロッカー型設備である。留守でも荷物を受け取れるため、平日は帰宅が遅くて宅配物を受け取るのが困難な人や、インターネット通販をよく利用する人にニーズが高まっている。近年は特にマンションの共用設備として新築物件で導入が進んでいる。

利点[編集]

  • 不在時でも荷物を受け取れる。
  • 入浴中や炊事中など手が離せない時でも荷物を受け取れる。
  • 再配達依頼する必要がないので、再配達を待つ必要がなく外出ができる。
  • 受け取りのことを心配することなく通販で気軽に買い物ができる。
  • 配達会社の再配達業務が減るので、配達コストが下がり、CO2減少(エコ)にもなる。

宅配ボックスに入れることができない物品[編集]

以下の物品は、配達会社の規定、あるいは宅配ボックスメーカーの規定により、正式に、宅配ボックスへの配達は禁止されている。

  • チルド便、冷凍便
  • 生もの(品名が不詳のため生ものかどうか配達員が判断できない場合を含む)
  • 書留(簡易書留を含む)
  • 代金引換、着払
  • 宅配業者の貴重品サービス(ヤマトのセキュリティーパッケージ、佐川のセーフティサービス、商品券ゆうパック)
  • 宛先住所末尾に「宅配ボックス禁止」と書かれているとき。

※レターパックプラスは宅配ボックスに入れることができる。(郵便取扱マニュアル)

また、以下の場合は配達員の判断により、宅配ボックスに入れないことがある。

  • 居住確認できない場合。つまり、郵便受けに表札が無く、宅配ボックスの液晶画面にも名前が表示されない場合。もし居住確認できないまま宅配ボックスに入れると、転居済みのことがよくありトラブルになるため、宅配ボックスには入れないことがある。
  • 宅配ボックスが満杯のとき。需要に比べてボックスの総数が元々少ない物件では、慢性的にボックスが満杯になりやすい。
  • 荷物が空きのボックスを超える大きさのとき。
  • 重量物。概ね10kg以上の重量物は住人がボックスから取り出して運ぶのに労力がかかり苦情となるため、宅配ボックスに入るサイズであっても宅配ボックスに入れないことがある。例えば水や飲料の通販など。
  • 会員登録が必要な宅配ボックスにおいて、事前に会員登録がないとき。ならびに、入庫禁止に設定しているとき。
  • 配達員が新人のため不慣れで、宅配ボックスへの入庫方法が分からないとき、または、宅配ボックスの存在自体に気付かなかったとき。


宅配ボックスに入れてもらうには、宛先住所末尾に「不在時宅配ボックス希望」と書けばよい。この旨が記載された荷物は、配達員は極力宅配ボックスに配達するように努める(ただし書留のような入庫禁止品を除く)。なお、宛先住所末尾に記載せずに、伝票の備考欄や品名欄といった箇所に希望を記載しても配達員がその記載に気づくことはない。(配達員は備考欄や品名欄を見ないため。)

普及状況[編集]

マンション[編集]

1999年以前に建てられたマンションでは設置率は低いが、2000年以降築の物件では急速に普及が進み、一定規模以上の新築マンションでは標準的な設備となっている。マンション情報誌の「ほしい設備」のベスト5に必ず入る設備として受け入れられている。また、新しくないマンションであっても、住民の要望によって宅配ボックスを後から導入した事例も増えている。

アパート[編集]

アパートは設置場所確保が難しく、また管理上やコスト上(10万円以上)の問題から、宅配ボックスの設置率はかなり低い。新築アパートであっても設置されないことが多い。

戸建住宅[編集]

戸建住宅では、価格や設置場所確保の問題から、宅配ボックスが設置される事例はこれまでかなり少なかったが、近年は設置事例が少しずつ増えている。戸建住宅用としては、以前から数万円台の「金属製の据え置き型宅配ボックス」が存在していたが、近年は数千円台の「プラスチック製で自分で設置できる簡易宅配ボックス」が登場して購入しやすくなった。

種類[編集]

宅配ボックスにはいくつかの種類があり、機能や操作方法がそれぞれ異なっている。

ダイヤル式[編集]

  • 概要:宅配ボックス黎明期の1990年代に設置されたものが多い。
  • 操作方法:宅配ボックスのそれぞれの箱の扉に3桁または4桁のダイヤルがある。配達員は荷物を入れ、ダイヤルを配達員自身がその場で決めた番号に合わせてこれを暗証番号とし、「宅配ボックスに入れました。箱番号は○番で、暗証番号は○○○○です。」という配達通知書を作成して郵便受けに投函する。受取人はダイヤルを暗証番号に合わせることで扉が開き、荷物を取り出せる。
  • メリット
    • 電気を使わないので電気代がかからない。
    • 会員登録不要なので、住民が入居したばかりでも取り出せる。
    • 導入コストが電子式よりは安い。アパート向けにボックス数が2箱のタイプもある。
    • アパート向けに屋外設置が可能なタイプもある。
    • 配達員が配達直後に誤配達に気づいたときは、住民が取り出す前であれば、配達員がダイヤルを暗証番号に合わせてすぐ回収することができる。
  • デメリット
    • 配達員が暗証番号を記入漏れしたり、誤記入することがよくある。
    • 暗証番号を記入した配達通知書が第三者に郵便受けから取り出されて読まれ、荷物を盗まれる可能性があるなど、セキュリティ性で劣る面がある。
    • 荷物が長期滞留していても、何月何日から入りっぱなしなのかの記録が無いため、管理会社として対応が難しい。
    • 不慣れな配達員にとっては操作が分かりづらく、誤操作することがある。(配達員が扉のロックを忘れるなど)
    • ダイヤル式はトラブルが多いため、配達会社の営業所によっては使用しない規定になっている場合がある。

電子式(液晶パネル式)[編集]

  • 概要:近年主流のタイプ。
  • 操作方法:液晶画面があり、配達員は画面や音声で案内される手順に従って荷物を入れた後、「宅配ボックスに入れました」という配達通知書を郵便受けに投函する。受取人が扉を開く方法は、入居時にマンション管理会社から通知された暗証番号を使用するタイプと、予め住民に配布されている磁気カード等を使って扉を開くタイプの2タイプがある。
  • メリット
    • その部屋の住民だけが持っているカード等でしか取り出せないので、ダイヤル式に比べセキュリティ性が高い。
    • 何月何日に荷物を入れたという記録が内部データとして残るので、宅配ボックス会社は長期滞留の荷物を発見できる。そのため物置代わりに悪用される恐れが低い。(長期間入りっぱなしの荷物は宅配ボックス会社や管理人が回収し処分する規定になっているなど)
    • 配達通知書を内蔵プリンタで発行する機能が付いたものが多いため、配達員の負荷軽減になっている。
    • 機種によっては、インターホンと連携することができ、宅配ボックスに荷物が入っていると住民が帰宅時にオートロックのインターホンに表示される機種もある。(郵便受けを時々しかチェックしない人の取り忘れ防止になる)
  • デメリット
    • ダイヤル式よりも導入コストが高い。また、定期点検費用など維持コストもかかる。
    • 配達員が部屋番号入力を間違えたり、箱内センサーを外して入庫すると、住民が取り出そうとした時に「荷物はありません」と表示され、簡単には取り出せなくなる。

戸建用の場合[編集]

戸建用の場合、まだほとんど普及しておらず、配達員が戸建用宅配ボックスの操作に慣れていない者がほとんどのため、宅配ボックスが設置してあっても配達員が使用しないことがある。配達員が積極的に使用しない理由としては「宅配ボックスがあることに気づかなかった」「戸建用は使い方が製品により様々なので使い方がよく分からない」「宅配ボックスへの配達を希望しているのか分からない」などが挙げられる。また、戸建用の宅配ボックスは設置場所の理由から、小型で奥行が無いボックスが多いため、大きめの荷物や天地無用の荷物は入れられない問題もある。

管理方式[編集]

住民が何らかの理由で配達通知書に気づかなかった場合に、何か月も荷物がボックスに入りっぱなしになることがあり、これを長期滞留荷物と呼ぶが、その対策としては機種によって2つの方式がある。

ネットワーク方式[編集]

  • この方式は宅配ボックスが通信回線で宅配ボックス会社と接続されており、長期滞留荷物がないかをオンラインで毎日自動点検する。3日間以上入りっぱなしになっている場合は、メール・電話・郵便で登録契約者宛てに通知を行う。通知してもさらに長期間入りっぱなしになっている場合は、宅配ボックス会社または依頼を受けた管理人が強制的に取り出す。このため、長期滞留荷物の防止(=ボックスの満杯防止)に大きな効果がある。
  • 液晶画面には、各住人がインターネットの設定サイトで登録した名前が表示されるので、配達員は表示された名前で居住確認を取って入庫することができ、誤配達が起こりにくい。
  • 宅配ボックス管理センターとの通話機能があり、トラブル時に24時間サポートを受けられる。例えば扉が開かない時は、本人確認した上で遠隔操作で扉を開けられる。
  • 特定のメーカーの上位機種の電子式ボックスがこの方式である。

スタンドアローン方式[編集]

  • この方式は宅配ボックスが通信回線で宅配ボックス会社と繋がっていないので、長期滞留荷物がないかどうかのチェックはマンションの管理人が本来は行う必要がある(自主管理)。しかし、実際にはそういったチェックはマンション管理人の日々の管理業務に組み入れられていないケースが多いため、長期間取り出されない荷物の影響で空きのボックスが常に少ない状況となり、満杯になりやすく、配達員が入れたくても入れられないことが多い。管理不徹底のためにボックス満杯状態が慢性化するとマンション住民・配達員双方の大きな不満となり、物件の資産価値も下がる。
  • 現住民の名前が宅配ボックスに表示されず居住確認ができないため、入庫できなかったり、前の住人宛ての荷物が入庫されることがある。
  • 扉が開かないなどのトラブル時に、宅配ボックス会社は遠隔操作でサポートすることができない。
  • すべてのダイヤル式ボックスと、ほとんどのメーカーの電子式ボックスがこの方式である。

その他[編集]

  • 配達会社には「宅配ボックスに入れてほしい」という要望がしばしば寄せられるが、宅配ボックスの液晶画面に名前が表示されず郵便受けにも表札が無い場合は、居住確認ができないので、宛先住所に住んでいるという保証がないため、配達員の判断によっては宅配ボックスを使わないことがある。(例えば、久しぶりに利用した通販サイトの登録住所がうっかり転居前の住所のままだったとか、転居したことを差出人が知らなかったとか、差出人が部屋番号を書き間違えていた、ということが少なくないため)。ヤマト宅急便や佐川急便と違い、ゆうパックは居住確認を徹底しているので誤配達のような間違い配達が少ないが、その反面、「宅配ボックスがあるのに宅配ボックスに入れてくれない」という苦情も寄せられているようである。表札が無い場合でも宅配ボックスに入れてもらうには、配達会社に要望する必要も申請書を提出する必要もなく、宛先住所の末尾に「不在時宅配ボックス希望」と書くだけで解決する。

駅などに設置された宅配ロッカー[編集]

宅配ボックスが自宅に無い人でも宅配荷物を仕事帰りに受け取れるようにするため、駅などに宅配ロッカーを設置している事例がある(コインロッカーとは異なる)。しかし、こういった宅配ロッカーは、これまでは特定の通販サイトで購入した荷物しか入れられないなど、利用可能シーンが限られているものが多かった。そこで最近は、差出人を問わずに荷物を入れられる「オープン型宅配ロッカー」(PUDOなど)が登場し、設置事例が増えつつある。しかし、自宅近所で「コンビニ受取サービス」を利用するほうが一般には持ち帰りやすいため、オープン型宅配ロッカーの需要は未知数である。

海外の宅配ボックス事情[編集]

中国[編集]

共働きが多い大都市部を中心に、近年は宅配ボックスが急速に普及し始めており、宅配ボックスメーカーは既に20社以上ある。中国でよくある仕組みとしては、配達員が配達時に受取人の電話番号を宅配ボックスに入力すると、システムが自動的に暗証番号を生成して受取人の携帯電話にSMSで暗証番号を通知し、受取人はその暗証番号を宅配ボックスに入力すると受け取れる、という仕組みが一般的である。配達員は配達通知書を手書きする必要がなく、SMSで受取人に直接通知されるので家族に荷物を知られる恐れが少なく、受取時に磁気カードも要らないという点から、日本よりも先進的な仕組みと言える。

脚注[編集]