孤独の太陽 (アルバム)

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桑田佳祐 > 孤独の太陽
孤独の太陽
桑田佳祐スタジオ・アルバム
リリース
録音 1994年3月 - 8月
猫に小判STUDIO
VICTOR STUDIO
ジャンル ロック
時間
レーベル タイシタレーベル
プロデュース 桑田佳祐
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 1994年度年間14位(オリコン)
ゴールドディスク
  • ミリオン(日本レコード協会
  • 桑田佳祐 年表
    フロム イエスタデイ
    1992年
    孤独の太陽
    (1994年)
    ROCK AND ROLL HERO
    2002年
    EANコード
    EAN 4988002299928(1994年盤)
    EAN 4988002417629(2001年盤)
    『孤独の太陽』収録のシングル
    1. 真夜中のダンディー
      リリース: 1993年10月6日

    2. リリース: 1994年8月24日
    テンプレートを表示

    孤独の太陽』(こどくのたいよう、SOLITUDE SOLEIL)は、桑田佳祐の2枚目のオリジナル・アルバムでもあり、本作の10曲目の楽曲でもある。1994年9月23日発売。発売元はタイシタレーベル

    2001年6月25日にリマスタリングされて再発をしている。

    解説[編集]

    制作経緯とコンセプト[編集]

    桑田自身が「自分はこのままでいいのだろうか」と思った事から前年まで続いたサザンオールスターズの活動を一時的に休止して制作に取り掛かり、発表された2ndソロアルバム[1]。「ギター一本でロックは出来る」をコンセプトに作られ、サザンの楽曲とは対照的な内向的な歌詞とアコースティックサウンドを全面に押し出している。また、製作期間中であった1994年2月に桑田の母・昌子[2]が60歳の若さで亡くなった事も制作に大きな影響を与えた[1]

    「孤独の太陽」というタイトルは当時の桑田自身の事で「体温も表情も無いまま世の中を俯瞰で見つめているイメージ」と述べている[1]

    なお、桑田本人はこうしたコンセプトやサウンドでも、根底にあるのはポップスであったと後に著書で述べている[1]

    発売後[編集]

    アルバム発売直後には本作を引き下げて、桑田初のソロツアー『桑田佳祐 LIVE TOUR'94 "さのさのさ"』をスタートさせた。

    発売直後、収録曲の「すべての歌に懺悔しな!!」が長渕剛矢沢永吉を揶揄していると決めつけられマスコミなどで話題になり、桑田は記者会見を開き制作経緯を説明し釈明する事態となった。矢沢は桑田を気遣う対応をしたが、長渕は桑田を糾弾する発言をし、最終的に1995年1月24日、長渕が大麻取締法違反で逮捕されて、事態が一気に沈静化するまで続いた。事の詳細は「祭りのあと (桑田佳祐の曲)#すべての歌に懺悔しな!!に関わる論争」を参照のこと。

    シングル「祭りのあと」を発売後、翌1995年からはサザンオールスターズとしての活動を再開し、本作から次のソロアルバムとしては、2002年の『ROCK AND ROLL HERO』まで途絶える。

    前作と同様に2001年6月25日に「波乗りジョニー」リリースにあわせてリマスタリング盤が発売された。再発盤の初回出荷分には専用のスリーブケース付きである。

    評価[編集]

    歌詞についてはメッセージ性の強いものと評されることがあったが、桑田はそれについてやや否定的な発言をしており、「打倒せよ」「断固反対」といったはっきりとしたメッセージは言い切れていないとしている。また、制作当時は母の死も影響して行き場のない気持ちになっていた事や、社会問題などを歌うことに自信を無くしていた事も述べている[1]

    Mr.Children桜井和寿は2016年に自身のおすすめとしてこのアルバムを挙げている[3]

    チャート成績[編集]

    本作はオリコンチャートで週間1位を獲得して、オリジナル・アルバムとしては『Keisuke Kuwata』から2作連続首位獲得となった。累計87万枚(オリコン調べ)を売り上げたが[4]日本レコード協会では出荷台数の関係でミリオンに認定されている[5]

    受賞[編集]

    収録曲[編集]

    1. 漫画ドリーム(4:53)
      (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:桑田佳祐、小倉博和
      ギターの小倉博和と桑田だけでレコーディングされた、ほとんどアコースティックギター一本のナンバー。ハナ肇とクレイジー・キャッツが出演した時事ネタを題材にしたコント番組『おとなの漫画』の影響を受けていると公言している桑田が、日本の様々な社会問題を「笑ってしまうしかない漫画のよう」と表現し痛烈に風刺した曲。歌詞には放送問題用語である「ノータリン」が入っている。なお、ライブやテレビなどで演奏される際には歌詞がその時々の時事ネタに変えられていることが多い。
      Mr.Children桜井和寿はこの曲を好きな曲として挙げている[6]
      自身のベストアルバム『I LOVE YOU -now & forever-』にも収録されている。
    2. しゃアない節(4:11)
      (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:桑田佳祐、小倉博和)
      歌詞は「時計台」「馬鈴薯」など北海道を連想させ、「兵隊さんの住む街」「兵隊さんは今日もパレード」という部分が駐屯地で縦列行進する軍隊を思わせており、軍令部への批判や兵士のお世話になった人々や恋人、そして故郷への未練ともとれる内容が歌われている。
    3. (4:47)
      (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:桑田佳祐、小倉博和)
      4枚目シングル。
    4. エロスで殺して (ROCK ON)(3:55)
      (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:桑田佳祐、小倉博和)
      歌詞はSMをテーマにしている。

    5. (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:桑田佳祐、小倉博和)
      歌詞は、自己の内面と対峙し、対話する様子を歌ったものである。
    6. 飛べないモスキート (MOSQUITO)(4:52)
      (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:桑田佳祐、小倉博和)
      「モスキート」とはの意味である。いじめや差別などをテーマにしているが、桑田本人は安易に「いじめてはいけない」「差別してはいけない」と説法したり警告したりする気は無かったといい、「そんな詩を僕が書いても、きっと誰の心の奥にも響かないだろう」といった旨を著書で述べている[7]
    7. 僕のお父さん(2:59)
      (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:桑田佳祐、小倉博和)
      小倉と桑田だけでレコーディングされた、アコースティック・ギターとブルースハープのみで演奏された楽曲。フォークソング風の曲調で、両親の愛に飢える少年を歌っている。制作期間中のの死が大きく関係している。
    8. 真夜中のダンディー(5:15)
      (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:桑田佳祐、片山敦夫)
      3枚目シングル。
    9. すべての歌に懺悔しな!!(4:21)
      (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:桑田佳祐、小倉博和)
      自身出演のキリンビバレッジ『JIVE』CMソング
      5枚目シングル「祭りのあと」のカップリング曲として後にシングルカットされた。発売当時は前述の事もあり話題となった。
    10. 孤独の太陽(3:21)
      (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:桑田佳祐、小倉博和/弦編曲:中西俊博
      アルバムタイトル曲で、引きこもりの少年を歌ったバラード。モチーフとなったのは長年にわたって廃人同然だったというザ・ビーチ・ボーイズブライアン・ウィルソンである。
    11. 太陽が消えた街(4:36)
      (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:桑田佳祐、小倉博和/管編曲:山本拓夫
      麻薬売春などに身を堕とす少女とその家族を歌った曲。
    12. 貧乏ブルース(3:15)
      (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:桑田佳祐、小倉博和/管編曲:山本拓夫)
      「日本の貧乏さ」をまくし立てるように歌っている。
    13. JOURNEY(5:32)
      (作詞・作曲:桑田佳祐/編曲:桑田佳祐、小倉博和)
      制作期間中に亡くなった桑田の母に捧げる歌である。後に現在サザン本体のライブでコーラスとして参加している平松八千代が自身のアルバム内でカバーしている。

    参加ミュージシャン[編集]

    漫画ドリーム
    しゃアない節
    エロスで殺して (ROCK ON)
    • 桑田佳祐:Vocals, Harmonica, Acoustic Guitar
    • 小倉博和:Electric Guitar, Bass
    • 小林武史:Piano, Keyboards
    • 小田原豊:Drums
    • 今野多久郎:Tambourine, Cowbell
    • 松本賢:Computer Operation
    • 桑田佳祐:Vocals, Harmonica
    • 小倉博和:Acoustic Guitars, Banjo, Dobro
    • 根岸孝旨:Bass
    • 山本拓夫:Soprano Sax
    • 松本賢:Computer Operation
    • 加藤茂:Drums Programming Assist
    飛べないモスキート (MOSQUITO)
    • 桑田佳祐:Vocals, Harmonica, Acoustic Guitar
    • 小倉博和:Electric Guitar, Bass
    • 小林武史:Piano, Organ, Keyboards
    • 今野多久郎:Tambourine
    • 松本賢:Computer Operation
    僕のお父さん
    • 桑田佳祐:Vocals, Harmonica
    • 小倉博和:Acoustic Guitar

    真夜中のダンディー
    • 桑田佳祐:Vocals, Electric Guitar
    • 小倉博和:Electric & Acoustic Guitars, Back Vocals
    • 根岸孝旨:Bass
    • 片山敦夫:Keyboards, Back Vocals
    • 今野多久郎:Tambourine
    • 角谷仁宣:Computer Operation
    すべての歌に懺悔しな!!
    • 桑田佳祐:Vocals, Harmonica, Percussions
    • 小倉博和:Electric & Acoustic Guitars
    • 根岸孝旨:Bass
    • 片山敦夫:Organ
    • 今野多久郎:Conga
    • 松本賢:Computer Operation
    孤独の太陽
    • 桑田佳祐:Vocals, Harmonica
    • 小倉博和:Electric & Acoustic Guitars
    • 小林武史:Piano, Organ
    • 今野多久郎:Tambourine
    • 中西俊博:Violin
    • 桑野聖:Violin
    • 細川亜維子:Violin
    • 永山利彦:Cello
    • 松本賢:Computer Operation
    太陽が消えた街
    • 桑田佳祐:Vocals, Harmonica, Cowbell
    • 小倉博和:Electric Guitars, Bass
    • 原由子:Electric Piano, Back Vocals
    • 片山敦夫:Organ
    • 今野多久郎:Conga
    • 山本拓夫:Tenor & Baritone Sax
    • 荒木敏男:Trumpet
    • 松本賢:Computer Operation
    貧乏ブルース
    • 桑田佳祐:Vocals, Harmonica
    • 小倉博和:Electric & Acoustic Guitars
    • 根岸孝旨:Bass
    • 小田原豊:Drums
    • 山本拓夫:Tenor & Baritone Sax
    • 松本賢:Computer Operation
    • 田崎良子:Back Vocals
    JOURNEY
    • 桑田佳祐:Vocals, Harmonica
    • 小倉博和:Gut & Acoustic Guitars, Bass
    • 原由子:Organ
    • 松本賢:Computer Operation

    脚注[編集]

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    1. ^ a b c d e 桑田佳祐『やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』P53 - P59、新潮社、2012年
    2. ^ アテネに届け…こちらサザンは初の五輪応援歌!サンスポ
    3. ^ 桜井和寿「I ♥ CD shops!」プロジェクト開始「CDを手に取る喜びを感じてもらいたい」
    4. ^ 桑田佳祐 オリコンスタイル 2015年11月25日閲覧
    5. ^ ゴールドディスク認定 1994年12月度 日本レコード協会 2017年1月1日閲覧
    6. ^ 「別冊カドカワ 総力特集 桑田佳祐」P78より。 角川書店、2011年
    7. ^ 桑田佳祐『やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』P57 - P58、新潮社、2012年

    文献[編集]

    • 桑田佳祐『やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』P53 - P59、新潮社、2012年

    外部リンク[編集]