妖怪の飼育員さん

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妖怪の飼育員さん
ジャンル 妖怪コメディ漫画
漫画
作者 藤栄道彦
出版社 新潮社
掲載サイト くらげバンチ
レーベル BUNCH COMICS
発表期間 2015年3月27日 -
巻数 既刊6巻(2019年5月現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

妖怪の飼育員さん』(ようかいのしいくいんさん)は、藤栄道彦による日本妖怪コメディ漫画[1][2]

概要[編集]

新潮社ウェブコミック配信サイトくらげバンチ』にて2015年3月27日より掲載が開始された[3]動物園を模した妖怪園を舞台に、そこで飼育、公開されている河童牛鬼といった妖怪たちと新人飼育員の奮闘を描き[3]、妖怪たちの生活と現代人との対比によって「人間」を浮かびあがらせる[1]

妖怪を題材とする漫画は数多く存在するが、妖怪が施設で展示されているという設定は珍しい[1]。数多くの妖怪を登場させる舞台としてはうってつけだとフリーライターの川俣綾加は指摘する[1]。また、川俣は本作を“展示系”妖怪コメディ漫画と呼んでいる[1]。本作では妖怪を生物として捉えることで、描写をリアルにすると共に魅力的に描写している[4]。また、天狗雪女などといった人間型の妖怪が見世物となって妖怪園にいる理由付けもされている[4]

OBSラジオ番組『アニマジン』(2016年10月2日放送回)で本作が採り上げられ「ネット上では早くもアニメ化を希望する声がある」と紹介されている[5]

月刊コミック@バンチ』2016年1月号(2015年11月21日発売)に出張版が掲載された[6]

あらすじ[編集]

妖怪が普通に人間と共存している世界。その世界ではどの大都市にも必ず一か所ほど妖怪たちと触れ合える妖怪園が営まれている。

舞台となる西東京妖怪公園でも鳥月日和たち飼育員が妖怪たちの世話をしながら客たちとの対応に追われる日々を過ごしている。

一方、烏天狗の青北風は海外の妖怪の侵入に気づき、戦いに備えるべく知人の妖怪の助けを求め始めていた。

主な登場人物[編集]

西東京妖怪公園の飼育員[編集]

鳥月日和(とりつき ひより)
新人飼育員。社会人一年目の女性。仕事中は耳あてとツノ付きのニット帽を愛用している。
陸奥吾郎(むつ ごろう)
西東京妖怪公園付きの妖怪医師。ドレッドロックスが特徴。
平木直穂梨(ひらき なおり)
飼育員。女王様気質。
猪飼遥(いかい よう)
飼育員。眼鏡っ娘。
大源壮悟(たいげん そうご)
コミックス2巻26話から登場した新人飼育員。人間の女性よりも妖怪の女性を好み、園内の女性妖怪にアプローチする。
コミックス2巻の著者後書きページに依れば、鳥月は能動的に動くタイプではないので、能動的に動いてストーリを展開させやすい登場人物として大源を登場させたとのこと。キャラクターデザインは『サイボーグ009』の009との類似性を著者自らが後書きページでネタにしている。
今田育代(いまだ いくよ)
飼育員。女性。
槍杉浩二(やりすぎ こうじ)
飼育員。男性。

登場する主な妖怪[編集]

複数話に登場している妖怪、固有名を持つ妖怪のみを挙げる。

すねこすり
鳥月が初めて担当を任された妖怪。ふれあい広場が主な公開エリアだが、どこにでも(園の外にでも)鳥月にくっついて回っていることも多い。
河童
集団で飼育エリアに住んでいる。相撲好きで、本場所開催期間はテレビの前に群がっているため、鑑賞には適さない。
冬期は毛が伸び、山童となる。
食べることと酒を呑むこと花札遊びを好む。また、仲間内で格闘の技も競い合っている。
発声器官の違いから人間の言葉を発することはできないが、手話による意思の疎通は可能で、人間のスマートホンなどの操作も行える。契約によって園で生活しているタイプであり、契約には1人あたり1日2の酒の供給も含まれる。
人間も食べる対象ではあるが、中年男性が自殺志願で自分を食べろと乱入した際には「ヤニ臭いので食べられたものではない」「なにか病気を患っていそう」「子供には安全な食材を食べさせたい」などの理由で食べるのを拒否していた。
衣装はフェイクファーであり、伝統的な虎縞柄が好まれているが、若い女性の鬼族のなかには豹柄、キリン柄なども流行っている。
千歳富士
鬼族の雄の1人。息子がゲームを遊ぶために欲しがったスマートフォンをもらうためにミノタウロスの捕獲に協力した。
雪女
固有名は寒菊。契約によって園で生活しているタイプであり、勝手に園外へ出かけることもある。気温が上がると溶け、さらには気化する。
活動期間は冬季のみ。
つらら女
固有名は寒梅。言葉に東北訛りがある。大源の要望を受け入れ交際を始めたが、大源の浮気性から破局。その後も大源のことを「世話の焼ける」と言いつつ助けたり、大源がインフルエンザに罹った際には見舞いに自宅を訪れることもしている。
活動期間は冬季のみ。
烏天狗
固有名は青北風(あをぎた)。人間よりも非常に長命であり、知能も高く、剣術の腕も高い。
二口女
人間が妖怪化したもの。人間名は須田 美奈(すだ みな)。妖怪化した原因は解明されていない。平日は普通のOLとして企業に勤めており、週末のみ妖怪園でショーに出演している。これは後頭部の口が食べる莫大な食費を負担してもらうことと引き換えの契約である。
ケンタウロス
閉園になるギリシアのモンスターパークから、自らの希望によって父親と娘とで西東京妖怪公園に移住してきた。固有名は父がハリー、娘がナタリア
ハリーは鬚をたくわえ眼鏡をかけたカーネル・サンダースにも似た[7]紳士然とした人物であるが、いざという時には眼鏡を外しテンガロンハットと裸にベスト衣装のテキサス・ブロンコ[7]と化す。
ナタリアは攻撃的な性格で、河童の持ち物を弓で射たりしていたが、青北風と寒菊に懲らしめられる。その際に脚を骨折するが、河童から秘薬を提供されて快癒する。以降、青北風に弟子入りしようとするが、青北風から「何のために剣術の腕を高めようとのか?」「教わる心根ができていない」と言われていた。その後、鳥月のアドバイスによって、いっしょに剣の素振りをするようになり、青北風からの指導も受けられるようになった。
石猿
固有名は悟色(ごしき)。石から産まれた猿で孫悟空の同類。
コロポックル
小人。一族で園に住んでおり、民芸品などを作っている。レルラは大源と付き合うが、「互いを傷付けるだけ」という陸奥やコロポックルの長老の説得から、大源を「飽きた」と振る形をとる。
座敷童
固有名は色鳥雄略天皇との面識もある。
スクーグクロー
固有名はマーヤスウェーデンからマンドラゴラ飼育の技術指導のために来ている。
北欧出身の樹木の妖怪。冬季は温室の中で過ごす必要がある。妖怪でもかまわないと、大源に言い寄られるが、冬季は寒菊や寒梅、夏季にマーヤと時期をずらして付き合えるという本音がバレて、レルラを含む女性陣のツッコミを受ける。
ぬらりひょん
固有名は茶の花。茶道に通じており、「宗匠」と呼ばれている。鳥月にも茶道の作法を指導した。
神野悪五郎
主に人間に危害を加える妖怪「魔」を束ねる大妖怪。
日本外の妖怪による侵攻への対応のため(夏季は寒菊、寒梅ら戦力となる存在が活動できないため)、青北風が茶の花を通して協力を依頼する。依頼は物別れに終わりそうになったが、鳥月個人に興味を抱き、支援を行うことを決める。
がしゃどくろ
神野悪五郎が鳥月に貸し与えた妖怪。本作では滝夜叉姫が使役したこともある「相馬の大髑髏」と同じ妖怪とされる。「餓者髑髏」の漢字表記で呼ばれ、無財餓鬼と同様に何かを飲食しようとするとその物が炎になっていずこかへと消える設定となっている。
鳥月が呼ぶと、どこからともなく現れる。
一つ目小僧
一族で園に住んでおり、感性が人間に近いことから、園内の案内係も務める。つぶらは中学生で、園から人間の学校へ通学している。なお、つぶらはまだ中学生であるため、大源の守備範囲外とのこと。

用語[編集]

妖怪園
作中では「大きな都市ならどこにでもひとつはある」とされており、また日本以外にも同様の施設が世界各国に存在している[1][3]
舞台となる西東京妖怪公園には、ふれあい広場といった妖怪と触れ合える施設や、バスに乗って棲息エリアを周遊するような施設もある。西東京妖怪公園以外にも上野妖怪園の名前が登場している。
妖怪園は妖怪が過ごしやすい環境を提供するほか、人間または人間以上の知能をもつ妖怪とは契約を行い、園内で生活してもらっている[1]
妖怪
作中では妖怪の存在は広く認識され、人間と妖怪は共存している。高い知能を持つ妖怪の権利保護を護るために「ワシントン条約」のような国際条約も定められている。

書誌情報[編集]

出典・脚注[編集]

外部リンク[編集]