好色五人女
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『好色五人女』(こうしょくごにんおんな)は、江戸時代の浮世草子。井原西鶴作。
概要[編集]
5巻5冊。発刊は1686年(貞享3年)である。5つの独立した物語で構成されており、すべて当時世間に知られていた実話に基づく。各物語のタイトル(とモデルとなった事件)と『好色五人女』でのあらすじは次の通り。
- 姿姫路清十郎物語(お夏清十郎) - 室の造り酒屋の息子である美男清十郎が、放蕩のあげく姫路の但馬屋にあずけられ、主人の妹お夏と恋仲になり、ふたりは駆け落ちのとちゅう、とらえられて、男は刑死、女は狂乱する。
- 情を入れし樽屋物かたり(樽屋おせん) - 大阪天満の樽屋が、さる方の腰元おせんに恋して、近所の麹屋の夫婦の由無い悋気に、おせんは自暴自棄して麹屋といんぎんをつうじ、夫に見とがめられて、女は自害し、男はとらえられる。
- 中段に見る暦屋物語(おさん茂兵衛) - 年増おんなおさんが、ふとした間違いから奉公人茂右衛門と関係を生じ、家をにげたが、とらえられ、刑に処せられる。
- 恋草からげし八百屋物語(八百屋お七) - 寺小姓吉三郎にはかない恋をした八百屋お七の哀話。
- 恋の山源五兵衛物語(おまん源五兵衛) - 薩摩の武士源五兵衛と琉球屋のむすめおまんとの恋が成就して、巨万の富をようするに至る
書名は「好色」の2字を冠しているが、各話の女性が、現代的な語感で言う「好色」な人物であるわけではない。巻5以外はすべて悲劇的な結末を迎える物語となっており、女性たちは、時には命をも賭けて一途な恋を貫いている。と同時に、物語の語り口には滑稽味や露骨な描写なども多く見られ、現代のいわゆる純愛物の雰囲気とも趣を大きく異にしている。
映画[編集]
- 『好色五人女』 - 1948年大映配給、野淵昶監督、脚本。
- 『近松物語』 - 1954年大映配給、溝口健二監督、依田義賢脚本。名目上は同じ事件に取材した近松門左衛門の『大経師昔暦』の映画化となっているが、実際には西鶴の「中段に見る暦屋物語解釈」を用いるよう溝口監督が脚本の依田に指示。
- 『ピンクサロン 好色五人女』 - 舞台を現代に移した本作の翻案。1978年にっかつ配給、田中登監督、いどあきお脚本。
楽曲[編集]
『好色五人女』東宝レコード制作のアルバム「水鏡」(1975年発売)の中に収録されている一曲。歌唱:兼田みえ子、共作詞・作曲:山本正之、吉田健美、編曲:市久。