EAFF E-1サッカー選手権

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女子東アジアカップから転送)
EAFF E-1サッカー選手権(男子)
開始年 2003年
主催 EAFF
地域 東アジア
参加チーム数 10 (予選)
4 (決勝)
前回優勝  日本 (2回目)
最多優勝  韓国 (5回)
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EAFF E-1サッカー選手権(女子)
開始年 2005年
主催 EAFF
地域 東アジア
参加チーム数 8 (予選)
4 (決勝)
前回優勝  日本 (4回目)
最多優勝  日本 (4回)
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EAFF E-1サッカー選手権[1][2]: EAFF E-1 Football Championship)は、東アジアサッカー連盟(EAFF)が主催する、ナショナルチームによるサッカーの国際大会である。

日本のテレビ等では『東アジア E-1サッカー選手権』とも表記される。旧大会名は東アジアサッカー選手権EAFF東アジアカップ。前身大会は、1990年から1998年まで開かれたダイナスティカップ

概要[編集]

2003年に第1回大会を日本で開催し、以後2年ごとに日本韓国中国の3か国持ち回りで開催されている。同年に国際Aマッチデー制度が開始されたが、アジアサッカー連盟(AFC)の公式戦消化にAマッチデーは使われることから、当初から東アジア選手権本大会及び予選はAマッチデーではない日に開催されている。このことから、全ての出場国がベストメンバーを組めるわけではない。

2005年の韓国大会では、女子によるトーナメントとして東アジア女子サッカー大会(: EAFF Women's Cup)が行われ、男子と女子の合計勝点で争う男女総合優勝の表彰が行われたが、2008年の中国大会からは、女子大会も東アジア女子サッカー選手権(: EAFF Women's Championship)となり、男女とも予選大会を行うようになった。

2012年4月11日の第35回EAFF理事会で、東アジア選手権から男子大会は東アジアカップ(: EAFF East Asian Cup)、女子大会は女子東アジアカップ(: EAFF Women’s East Asian Cup)に大会名称が変更された[3]。同時に、韓国で2013年に開催される東アジアカップからオーストラリアの男女代表とも同大会からゲスト参加(連盟に加盟するのではなく、大会のみ参加)する方向で検討中と同理事会で発表され[3]、同年8月30日に正式に決定した。オーストラリアは男女代表とも、2012年の東アジアカップ予選大会に出場した。オーストラリア男子代表は香港で同年12月1日から9日に開催される予選第2ラウンドから参加し、予選を突破して本大会出場を決めた。オーストラリア女子代表は中国で同年11月20日から24日に開催される予選から参加したが、予選で敗退した[4][5]

2016年の第50回EAFF理事会で、東アジアカップからEAFF E-1サッカー選手権(: EAFF E-1 Football Championship)に大会名称が変更された[6]

賞金[編集]

賞金は男子が1位:50万ドル、2位:30万ドル、3位:20万ドル、4位:15万ドル。女子が1位:5万ドル、2位:3万ドル、3位:2万ドル、4位:1万5千ドル。男女総合優勝は、10万ドル。

大会形式[編集]

  • 男子
    • シードの日本韓国中国の3か国を除いた7チームにより、セントラル方式の予選大会を実施し、上位1チームが決勝大会へ進出する。
    • 決勝大会は、予選大会を勝ちあがった1チームと、シード国3チームの「計4チーム」による総当たり戦で行われる。2019年大会で、8回目にして初めて開催国が優勝した(韓国)。
  • 女子
    • 2005年大会については本大会のみで、出場4チームはEAFFの推薦により決定されたが、2008年大会からは予選が実施されている。
    • 開催国の優勝は2005年大会の韓国と、2010年大会および2022年大会の日本の3回となっている。

備考[編集]

  • 第1回大会は、当初5月から6月にかけて行われる予定であったが、新型肺炎SARSの影響により12月の開催となった。
  • 第2回大会のみ男女総合成績も付けた(勝ち点・得点・失点を男女で加算。1位:北朝鮮、2位:韓国、3位:中国、4位:日本)。
  • 第3回大会は2007年開催の予定だったが、AFCアジアカップが前倒し開催となった影響で2008年に後送りとなった(中国・重慶で2008年2月17日~24日に開催)。
  • 第4回大会は、北朝鮮女子代表が出場を辞退した。繰り上げでチャイニーズタイペイが出場となった。
  • 第8回大会は北朝鮮女子代表が出場を辞退し、繰り上げでチャイニーズタイペイが出場[7]
  • 第9回大会は予選大会の開催がなく、FIFAランキング(男子女子)の上位チームが出場するものとした[注釈 1]。また、当初は中国での開催が予定されていたものの、同国における新型コロナウイルス対策の状況を理由に断念され、開催地が日本に変更された[8]

参加国[編集]

結果[編集]

男子
開催年 開催国 決勝リーグ順位 出場
国数
優勝 準優勝 3位 4位
1 2003年 日本の旗 日本  韓国  日本  中華人民共和国  香港 4
2 2005年 大韓民国の旗 韓国  中華人民共和国  日本  北朝鮮  韓国 4
3 2008年 中華人民共和国の旗 中国  韓国  日本  中華人民共和国  北朝鮮 4
4 2010年 日本の旗 日本  中華人民共和国  韓国  日本  香港 4
5 2013年 大韓民国の旗 韓国  日本  中華人民共和国  韓国  オーストラリア 4
6 2015年 中華人民共和国の旗 中国  韓国  中華人民共和国  北朝鮮  日本 4
7 2017年 日本の旗 日本  韓国  日本  中華人民共和国  北朝鮮 4
8 2019年 大韓民国の旗 韓国  韓国  日本  中華人民共和国  香港 4
9 2022年 日本の旗 日本  日本  韓国  中華人民共和国  香港 4
女子
開催年 開催国 決勝リーグ順位 出場
国数
優勝 準優勝 3位 4位
2 2005年 大韓民国の旗 韓国  韓国  北朝鮮  日本  中華人民共和国 4
3 2008年 中華人民共和国の旗 中国  日本  北朝鮮  中華人民共和国  韓国 4
4 2010年 日本の旗 日本  日本  中華人民共和国  韓国  チャイニーズタイペイ 4
5 2013年 大韓民国の旗 韓国  北朝鮮  日本  韓国  中華人民共和国 4
6 2015年 中華人民共和国の旗 中国  北朝鮮  韓国  日本  中華人民共和国 4
7 2017年 日本の旗 日本  北朝鮮  日本  中華人民共和国  韓国 4
8 2019年 大韓民国の旗 韓国  日本  韓国  中華人民共和国  チャイニーズタイペイ 4
9 2022年 日本の旗 日本  日本  中華人民共和国  韓国  チャイニーズタイペイ 4

代表別通算成績[編集]

男子
国・地域名
1  韓国 5 2 1 1 9
2  日本 2 5 1 1 9
3  中華人民共和国 2 2 5 0 9
4  北朝鮮 0 0 2 2 4
5  香港 0 0 0 4 4
6  オーストラリア 0 0 0 1 1
女子
国・地域名
1  日本 4 2 2 0 8
2  北朝鮮 3 2 0 0 5
3  韓国 1 2 3 2 8
4  中華人民共和国 0 2 3 3 8
5  チャイニーズタイペイ 0 0 0 3 3
  • データは2022年大会終了時点
  • 太字は優勝経験のある国・地域で、太数字は最多記録

表彰[編集]

男子
年度 大会MVP 得点王 得点数 最優秀GK 最優秀DF フェアプレー賞
2003 大韓民国の旗 柳想鐵 日本の旗 久保竜彦 2 日本の旗 楢﨑正剛 大韓民国の旗 崔眞喆  香港
2005 中華人民共和国の旗 季銘義中国語版 該当者なし - 大韓民国の旗 李雲在 中華人民共和国の旗 張耀坤  日本
2008 大韓民国の旗 金南一 大韓民国の旗 朴主永
大韓民国の旗 廉基勲
日本の旗 山瀬功治
朝鮮民主主義人民共和国の旗 鄭大世
2 朝鮮民主主義人民共和国の旗 李明國 日本の旗 中澤佑二  韓国
2010 中華人民共和国の旗 杜威 中華人民共和国の旗 曲波
大韓民国の旗 李昇烈
大韓民国の旗 李東国
日本の旗 玉田圭司
2 中華人民共和国の旗 楊智 大韓民国の旗 趙容亨  香港
2013 日本の旗 山口蛍 日本の旗 柿谷曜一朗 3
2015 大韓民国の旗 張賢秀 日本の旗 武藤雄樹 2 朝鮮民主主義人民共和国の旗 李明國 大韓民国の旗 金英權
2017 大韓民国の旗 李在成 大韓民国の旗 金信煜 3 大韓民国の旗 趙賢祐 大韓民国の旗 張賢秀
2019 大韓民国の旗 黄仁範 日本の旗 小川航基 3 大韓民国の旗 金承奎 大韓民国の旗 金玟哉
2022 日本の旗 相馬勇紀 日本の旗 相馬勇紀
日本の旗 町野修斗
3 大韓民国の旗 金東俊 日本の旗 谷口彰悟
女子
年度 大会MVP 得点王 得点数 最優秀GK 最優秀DF フェアプレー賞
2005 朝鮮民主主義人民共和国の旗 許順姫 該当者なし - 大韓民国の旗 金正美 大韓民国の旗 劉英實  日本
2008 日本の旗 澤穂希 日本の旗 大野忍 3 中華人民共和国の旗 張艶茹 朝鮮民主主義人民共和国の旗 紅明今  日本
2010 日本の旗 澤穂希 日本の旗 岩渕真奈
中華人民共和国の旗 韓端
大韓民国の旗 李張微
大韓民国の旗 柳英雅
2 中華人民共和国の旗 張艶茹 日本の旗 岩清水梓  中華人民共和国
2013 朝鮮民主主義人民共和国の旗 金恩珠 朝鮮民主主義人民共和国の旗 許恩別
大韓民国の旗 池笑然
2
2015 朝鮮民主主義人民共和国の旗 衛鍾心 朝鮮民主主義人民共和国の旗 羅恩心 3 大韓民国の旗 金正美 朝鮮民主主義人民共和国の旗 金南嬉
2017 朝鮮民主主義人民共和国の旗 金潤美 朝鮮民主主義人民共和国の旗 金潤美 4 朝鮮民主主義人民共和国の旗 金明順 朝鮮民主主義人民共和国の旗 金南嬉
2019 日本の旗 南萌華 日本の旗 岩渕真奈 5 日本の旗 山下杏也加 大韓民国の旗 張瑟琪
2022 日本の旗 清水梨紗 該当者なし - 日本の旗 山下杏也加 中華人民共和国の旗 汪琳琳

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ただし北朝鮮の男子女子代表はともに出場を辞退したため、次点のチームとして男子は香港、女子はチャイニーズタイペイを繰り上げ。
  2. ^ モンゴルサッカー連盟は2011年3月19日から2014年3月のEAFF総会までの3年間EAFF資格停止の為、その間は出場できなかった。
  3. ^ 大会のみのゲスト参加。
  4. ^ 大会のみのゲスト参加。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]