夫源病

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

夫源病(ふげんびょう)とは、夫の言動が原因で妻がストレスを感じ、溜まったストレスにより妻の心身に生じる様々な不定愁訴を主訴とする疾病概念で、医学的な病名では無い。

類似の概念として主人在宅ストレス症候群がある[1][2][3]。夫の休日になると妻のメンタルヘルスや体調が悪化する。熟年離婚の大きな原因とされ増加傾向にあると報道された[4]。典型的な例は、亭主関白な「昭和おやじ」[4]の定年退職によって在宅時間が長くなり、離婚に至る。なお、逆の概念として妻からのストレスで夫の心身に異常が生じるものは妻源病と呼ばれる[5]

原因[編集]

妻が夫から受けるストレスで、夫が家にいることが最大のストレス[6]。ストレスを生じさせている原因は様々であるが、夫の学歴、性格、普段の言動、低収入、学歴、性格、義親の介護、夫の婚外恋愛[7][8][9]、家事・育児に参加しない夫[10]が挙げられている。「男性更年期症候群による不調が妻にもストレスとして大きな影響を与えているとする報告もある[7]。特に、夫の暴言や、器の小さい男は大きく影響を及ぼす[8]。夫の存在そのものが強いストレスとなっているとする見解もある[11][3]。夫の在宅時間が長くなる夫の定年をきっかけに増加する[6]が、20 - 30歳代の子育て世代でも症例報告がある[6][7][8]。つまり夫婦関係の満足度は発症に影響を与え、特に家族形成期初期の影響は大きいと報告されている[12]

命名[編集]

「夫源病」の呼称は医師の石蔵文信が、更年期外来での診察中に気が付き、自身の著書で発表した[13][2]、「主人在宅ストレス症候群」の呼称は医師の黒川順夫[1]による。

症状[編集]

精神的な症状のほかに身体的な症状が現れ、更年期障害の症状と似ているとされる[13]。代表的な症状は、情緒不安、慢性的な疲労感、不眠、強い頭痛、全身の痛み、動悸、眩暈、家庭内別居

治療[編集]

どの様な帰結を求めるのかにより治療方針は変わる。

夫との婚姻関係、同居を継続する
夫との婚姻関係、同居を継続しない

参考書籍[編集]

  • (著)石蔵文信「いつまでたっても更年期が終わらない…… 奥さん、それは「夫源病」ですね。」(出版)静山社 2013年 ISBN 978-4863892132

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b 黒川順夫. 主人在宅ストレス症候群. 双葉社, 1993., NAID 10029728667
  2. ^ a b c 石蔵文信、中高年女性を苦しめる夫源病と男性更年期障害(<特集>第14回日本女性心身医学会研修会報告) 女性心身医学 2012年 17巻 2号 p.188-192, doi:10.18977/jspog.17.2_188
  3. ^ a b 黒川順夫、主人在宅ストレス症候群 心身医学 2009年 49巻 2号 p.99-, doi:10.15064/jjpm.49.2_99
  4. ^ a b 夫婦2人の時間が苦痛に…急増する「夫源病」 典型的“昭和のオヤジ”はご用心 産経ニュース 記事:2018/8/13
  5. ^ OTARU 男女共同参画情報誌[PAL-NET] 2017年 3月 第27号 小樽市生活環境部男女共同参画課
  6. ^ a b c 熟年だけでない「夫源病」の実態 夫が家にいるだけで「気が狂いそう」「動悸がヤバい」 ライブドアニュース 記事:2018年8月19日
  7. ^ a b c 大関信子、 大井けい子、佐藤愛、池田礼美、【原著】乳幼児を持つ母親のメンタルヘルス : 父親のメンタルヘルスと関連要因 女性心身医学 2013年 18巻 2号 p.248-255, doi:10.18977/jspog.18.2_248
  8. ^ a b c 20・30代注意!「夫源病」の根深い病根の断ち方 共働き妻は器の小さい男に心底苦しんでいる 東洋経済ONLINE 記事:2018/11/08
  9. ^ 寺内公一、心身症・身体表現性障害としての更年期症候群(シンポジウム:女性のライフステージと心身症,2013年,第54回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜)) 心身医学 2014年 54巻 7号 p.673-678, doi:10.15064/jjpm.54.7_673
  10. ^ 小川佳代、中岡泰子、富田喜代子 ほか、A県における子育て支援ニーズに関する調査研究(その2) 育児ストレッサーの因子構造 四国大学紀要, A(人文・社会科学編) 2013年 40巻 p.13-19,
  11. ^ 体調不良は夫のせい?夫が妻を病気にする「夫源病」
  12. ^ 田中慶子、家族形成期の夫婦関係の「質」とその後の評価 (特集 女性・労働・家計) (PDF) 家計経済研究 (112), 33-45, 2016, NAID 40021034131
  13. ^ a b (著)石蔵文信 『夫源病 - こんなアタシに誰がした - (阪大リーブル031)』 (出版)大阪大学出版会 2011年 ISBN 978-4872593143
  14. ^ 定年後、妻を「夫源病」にさせない3つの選択 日経ビジネスオンライン 記事:2017/9/20
  15. ^ 上沼恵美子さんも発病?夫の存在がストレスに…“夫源病”とはどんな病気!? FNN.jpプライムオンライン 記事:2018/7/28

関連項目[編集]

外部リンク[編集]