天地を喰らう (アーケードゲーム)

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天地を喰らう
ジャンル ベルトスクロールアクション
対応機種 アーケード (AC)
開発元 カプコン
発売元 カプコン
プロデューサー 岡本吉起
デザイナー 船水紀孝
S.SATO
片岡謙治
プログラマー Y.MUTSUNOBU
M.KOBAYASHI
綱崎裕三
音楽 後藤真奈美
美術 新谷さゆり
シリーズ 天地を喰らうシリーズ
人数 1 - 2人(同時プレイ)
メディア 業務用基板(5.31メガバイト
稼働時期 日本 1989041989年4月
INT 1989071989年7月
デバイス 8方向レバー
3ボタン
システム基板 CPS-1
CPU MC68000 (@ 10 MHz)
サウンド Z80 (@ 3.580 MHz)
YM2151 (@ 3.580 MHz)
OKI6295 (@ 1.000 MHz)
ディスプレイ ラスタースキャン
横モニター
384×224ピクセル
60.00Hz
パレット4096色
売上本数 1527ポイント
(1989年度ベストインカム第7位)[1]
テンプレートを表示

天地を喰らう』(てんちをくらう)は、1989年4月カプコンから稼働されたアーケードベルトスクロールアクションゲーム。日本国外では『Dynasty Wars』のタイトルで稼働された。

本宮ひろ志の漫画『天地を喰らう』(1983年 - 1984年)を原作としており、張飛関羽趙雲劉備の4人から主人公を選択し、黄巾賊董卓を倒すのを目的としている。

1990年には欧州および北米にてAmigaAmstrad CPCAtari STコモドール64PC/AT互換機ZX Spectrumに移植され、1994年には日本国内にてPCエンジンSUPER CD-ROM²に移植された。

アーケード版はゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第3回ゲーメスト大賞」(1989年度)において大賞6位、ベストアクション賞4位、ベスト演出賞5位を獲得した。

ゲーム内容[編集]

システム[編集]

三国志」を題材にしたアクションゲームで、レバーと3つのボタン(左攻撃、右攻撃、計略)を操作してベルトスクロール型のステージを進んでゆく。

攻撃ボタンを押しっぱなしにすることで攻撃の威力を高める「溜め」が可能。また、レバーによる移動方向と攻撃ボタンによる攻撃方向が分かれているため、前方に進みつつ後方を攻撃するなどの操作(ショット方向撃ち分け)が可能といった特徴がある。

攻撃ボタンのみを使った必殺技に「流星剣」と「真空剣」がある。前者は攻撃ボタンの連打、後者は攻撃ボタンの「溜め」から繰り出す。

プレイヤーキャラクターの体力は画面上部に数字で表現されている。これはパワーアップアイテムの黄色い球を取ることで上限を上げることが可能。

使用する武器はパワーアップアイテムの青い球を2つ集めて出す「武器パネル」を取ることでより強力なものにできる。

計略ボタンを使用することでプレイヤーキャラクターの一定の体力と引き換えに画面ごとに「策略」を繰り出す。この策略は各シーンごとに火計・爆裂・落石・伏兵の4種類が自動的に選ばれる。なお、プレイヤーキャラクターの体力はステージをクリアしても完全回復しないので、体力回復アイテムを取りながら慎重に策略を出す必要がある。

ステージ構成[編集]

  • ROUND1「大興山」ボス = 程遠志鄧茂
  • ROUND2「汜水関」ボス = 大男
  • ROUND3「鉄門峡」ボス = 張角張梁張宝
  • ROUND4「竜門谷」ボス = 華雄
  • ROUND5「虎牢関」ボス = 呂布
  • ROUND6「洛陽」ボス = 張済
  • ROUND7「滎陽城」ボス = 李儒
  • ROUND8「郿塢城」ボス = 董卓

登場キャラクター[編集]

プレイヤー武将[編集]

張飛関羽趙雲劉備の4人が使用可能。この4人から1人をプレイヤーとして選択する。2人同時プレイの場合は2人を選択する。

張飛と関羽はパワー型、趙雲と劉備はスピード&計略型といったようにタイプ分けされている。

敵将[編集]

プレイヤー武将と同様に馬に乗って攻撃してくるかつ会話シーンがある。

程遠志鄧茂
ROUND1のステージボス。黄巾党の幹部たち。
張梁張宝
ROUND2の中ボスおよびROUND3のステージボス。張角の弟たち。
ROUND2の終盤では大男たちをプレイヤー武将に差し向けてくる。
張角
ROUND3のステージボス。黄巾党の教祖。弟たちとともに登場する。
華雄
ROUND4のステージボス。
李傕
ROUND5の中ボスの一番手。
郭汜
ROUND5の中ボスの二番手。
呂布
ROUND5のステージボスおよびROUND8の中ボス。
ROUND5とROUND8では攻撃パターンが変化する。
張済
ROUND6のステージボス。
徐栄
ROUND7の中ボス。斧を使って戦う老将。
李儒
ROUND7のステージボス。他の敵将とは違い、軍師の格好をして妖術で戦う。
董旻
ROUND8の中ボス。董卓の影武者。
董卓
ROUND8のステージボス。本作の最終ボス。

その他の人物[編集]

諸葛亮
プレイヤー武将がレベルアップしたりピンチに陥ったりするとゲージ中の会話シーンでアドバイスを出してくれる。
火虎、周超、宋仁、宋勇
策略で「伏兵」が選択可能な状態で登場する助っ人キャラクター。プレイヤー武将ごとに登場キャラクターが設定されている。
もとは原作漫画のオリジナルキャラクターたちで、原作の終盤では全員死亡してしまう。

続編について[編集]

本作のゲームクリア後のエンディングには続編の『天地を喰らうII 赤壁の戦い』の製作決定の告知がされており、その間『ゲーメスト』の読者投稿では続編稼動を待ち遠しくしている投書が時々見られた。

そして1992年に『天地を喰らうII 赤壁の戦い』はアーケードで稼働したが、キャラクターが常時馬上で戦う本作とは違い、普通のベルトスクロール型になった。また、プレイヤーキャラクターは劉備と入れ替わる形で黄忠魏延が加わった。

カプコン ベルトアクション コレクション』(2018年)には『天地を喰らうII 赤壁の戦い』のみが収録され、本作は収録されていない。

移植版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 Dynasty Wars アメリカ合衆国 1990年
ヨーロッパ 1990年
Amiga
Amstrad CPC
Atari ST
コモドール64
PC/AT互換機
ZX Spectrum
Tiertex Design Studios U.S. Gold フロッピーディスク - - 北米ではAmiga版とコモドール64版のみ発売
2 天地を喰らう 日本 199406171994年6月17日
PCエンジンSUPER CD-ROM² NECアベニュー
クエスト
NECアベニュー CD-ROM NAPR-1030 -
PCエンジン版
1994年6月17日にSUPER CD-ROM2用ソフトとしてNECアベニューより発売。ハードの性能差によるスプライト表示の制約上、キャラクターが一回り小さく描画されており、同一画面に登場する敵キャラクター数も減少している。また、1人プレイ専用となり、「策略」は画面中の敵にダメージというメガクラッシュという形に全て統一された。全体的にアーケード版と比べると見劣りする移植になっているが、ゲーム性は原作にほぼ準ずる仕様である。また、ライフ+残機制を併用のPCエンジンモードが追加されており、このモードはアーケード版より難易度が下げられているのでクリアしやすくなっている。また必殺技の流星剣もアーケード版よりも出しやすい。
PCエンジン版の独自要素として、アーケード版ではカプコン社員による演技だった各キャラクターのボイスに、声優である林延年堀川亮緑川光菅谷勇掛川裕彦宮内幸平佐藤浩之などの青二プロ系のキャストを起用し、プレイヤーの4人の武将にそれぞれ専用のボイスが割り当てられた(オプションでアーケード版と同様の音声でプレイも可)。また敵武将やイベントシーンにも全てボイスが割り当てられており、この辺りはアーケード版を大きくパワーアップさせた形になっている。なお、プレイ中は進行状況に応じてマップデータをCDから読み取る仕様のため、各ラウンド内のBGMは内蔵音源で演奏される。ラウンドクリアやランキングなどデモ関連はCD音源でアレンジされたものが使用された。
この他にも、アーケード版ではデモ画面の文字フォントがひらがなのみだったものを、PCエンジン版ではシステムカードの内蔵フォントを使用して漢字カナ混じりで読みやすいものにしていたり、エンディングではオリジナル版にあった「『天地を喰らうII 赤壁の戦い』につづく」の告知テロップは削除されたが、郷里大輔のナレーションによるエピローグや、CD音源で演奏されるオリジナルのBGMをバックに、原作の漫画から多数のカットや製作スタッフクレジットが表示されるエンドロールが追加されている。

音楽[編集]

サウンドトラック

スタッフ[編集]

アーケード版
  • プロデューサー:KIHAJI OKAMOTO(岡本吉起
  • ゲーム・デザイナー:POO(船水紀孝)、S.SATO、片岡謙治
  • プログラマー:Y.MUTSUNOBU、M.KOBAYASHI、綱崎裕三
  • オブジェクト・デザイナー:KURICHAN(栗原明美)、Y.TAMAGO、M.TANABE、M.MATSUURA、坂下眞司
  • スクロール・デザイナー:FUKUMOYAN(福本容子)、M.KONISHI、M.MIYAO、M.KOIZUMI
  • サウンド・ミュージック:後藤真奈美
  • イラストレーション:新谷さゆり
PCエンジン版

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
Computer and Video Games78% (AC)[2]
79% (CPC)[3]
85 % (ST)[4]
65% (C64)[5]
77% (ZX)[6]
Crash44% (ZX) [7]
ファミ通20/40点 (PCE)[8]
Your Sinclair81% (AC)[2]
80% (ZX) [9]
Commodore User80% (AC)[2]
The Games Machine76% (Amiga)[10]
80% (ST)[4]
45% (C64)[5]
50% (ZX)[6]
Amiga Action70% (Amiga)[10]
Amiga Format69% (Amiga)[10]
Zzap!6457% (Amiga)[10]
62% (C64)[5]
CU Amiga56% (Amiga)[10]
Amiga Power2/6stars (Amiga)[10]
Aktueller Software Markt3.2/12点 (Amiga)[10]
3.4/12点 (ST)[4]
ST Format68% (ST)[4]
電撃PCエンジン65/100点 (PCE)
PC Engine FAN19.3/30点 (PCE)[11]
受賞
媒体受賞
第3回ゲーメスト大賞大賞 6位[1]
ベストアクション賞 4位[1]
ベスト演出賞 5位[1]
プレイヤー人気 4位[1]
年間ヒットゲーム 5位[1]
ゲーメストザ・ベストゲーム 第35位[12]
アーケード版

ゲーム誌『ゲーメスト』の企画「第3回ゲーメスト大賞」(1989年度)において大賞6位を獲得、その他にベストアクション賞で4位、ベスト演出賞で5位、プレイヤー人気で4位、年間ヒットゲームで5位を獲得した[1]。また、1991年にそれまで稼働されていたアーケードゲーム全てを対象に行われた『ゲーメスト』読者の人気投票によるゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』では35位を獲得した[12]。さらに、1998年に刊行されたゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、「大きな特徴は、キャラクターの顔が画面下に表示され、必殺技を使うときやダメージをくらったときには、声を発したり、顔が変化するというところ。この斬新なアイデアはキャラクターの重要性が後のゲームにも影響を与えた」、「細かい動きが妙にリアルで、細かいところにも力を入れられたゲームというのが印象的だ」、「ステージの最後にはそれぞれのボスキャラが待ち受けていて、歴史の中の人物が名乗りを上げて登場してくるシーンは三国志ファンを歓喜させた」とキャラクター造形や原作の再現性などに関して肯定的なコメントで紹介されている[13]

PCエンジン版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では6・5・5・4の合計20点(満40点)[8]、『電撃PCエンジン』では55・65・70・70の平均65点(満100点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、19.3点(満30点)となっている[11]

項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.7 3.2 3.1 3.2 3.2 2.9 19.3

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、 20 - 21頁、 ISBN 9784881994290
  2. ^ a b c Dynasty Wars for Arcade (1989)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年4月20日閲覧。
  3. ^ Dynasty Wars for Amstrad CPC (1990)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年4月20日閲覧。
  4. ^ a b c d Dynasty Wars for Atari ST (1990)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年4月20日閲覧。
  5. ^ a b c Dynasty Wars for Commodore 64 (1990)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年4月20日閲覧。
  6. ^ a b Dynasty Wars for ZX Spectrum (1990)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年4月20日閲覧。
  7. ^ Dynasty Wars review”. CRASH (77). (June 1990). "Dynasty Wars kicks off with a promising start: a good intro tune and static portraits of the heroes. But from there on boredom is just around the corner." 
  8. ^ a b 天地を喰らう まとめ [PCエンジン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年1月4日閲覧。
  9. ^ Davies, Jonathan (June 1990). Dynasty Wars review”. Your Sinclair (54). オリジナルの2008年2月10日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20080210145135/http://www.ysrnry.co.uk/articles/dynastywars.htm 2007年11月27日閲覧. "It's a good conversion of the coin-op, the graphics are ace and the horses are currently the best on the Speccy, but whether or not you'll 'get hitched' to it is another matter. Worth very much more than a passing glance though." 
  10. ^ a b c d e f g Dynasty Wars for Amiga (1990)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年4月20日閲覧。
  11. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、 618頁、 ASIN B00J16900U
  12. ^ a b 「最も愛されたゲームたち!! 読者が選んだベスト30」『ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊』第6巻第7号、新声社、1991年7月1日、 63頁、 ASIN B00BHEECW0
  13. ^ 「ザ・ベストゲーム」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、 104頁、 ISBN 9784881994290

外部リンク[編集]