大黒島 (厚岸町)

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大黒島 (厚岸町)
大黒島
大黒島の空中写真。画像上方が東側。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成(1978年)
Daikoku Is.JPG
尻羽岬から撮影した大黒島。
座標 北緯42度57分20秒
東経144度52分20秒
面積 1.08 km²
最高標高 105 m
所在海域 太平洋
所属国・地域 日本の旗 日本
地図
大黒島 (厚岸町)の位置(北海道内)
大黒島 (厚岸町)
大黒島 (厚岸町)の位置(日本内)
大黒島 (厚岸町)
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地理院地図 Googleマップ 大黒島 (厚岸町)の位置

大黒島(だいこくじま)は、日本北海道厚岸郡厚岸町に属する厚岸道立自然公園に含まれる。

概要[編集]

島の面積は1.08km2、標高は105mである。島名は、島の姿が丸く大黒天の頭のように見えることに由来する。古くは、モリシカ・ホロモシリとも呼ばれており、アイヌ語でモリシカは島、ホロモシリは大きな島という意味である。現在定住者はいないが、コンブ漁期のみ番屋で過ごす世帯が1軒存在する。

日本郵便から交通困難地に指定されているため、島外から郵便物を送付することは出来ない。

大黒島と厚岸湾の自然[編集]

本島が所在する厚岸湾周辺では、暖流寒流の交流が行われるため、大量のプランクトンの発生を促し、豊かな生態系を生み出す環境が確立されている。また、暖流の影響からか水温は比較的暖かく、ダケカンバサルオガセなども見られる。近隣の仙鳳趾にある仙鳳寺には、道東では稀なが植栽されている。

オオセグロカモメアホウドリ科など北方系の海鳥の大繁殖地および回遊域であり、国内で現存する数少ないウミウウトウの繁殖地の一つでもある。とりわけ百万羽以上が棲息するコシジロウミツバメにいたっては日本唯一の繁殖地であることから、1951年昭和26年)6月9日に「大黒島海鳥繁殖地」として国の天然記念物に指定され、1972年(昭和47年)11月1日に国指定大黒島鳥獣保護区(集団繁殖地)に指定されている(面積107ヘクタール、全域が特別保護地区)。また、現在では稀だがエトピリカケイマフリなどの貴重な鳥類もかつては少数繁殖していた[1]。島で確認された鳥類は59種を数え、チシマウガラスオジロワシオオタカハヤブサウミガラスなどの国内希少野生動植物種も棲息が確認され、オジロワシの繁殖も行われている。東梅には厚岸水鳥観察館が設立されている。

哺乳類ではエゾヤチネズミが棲息する。海岸は100頭を超えるゼニガタアザラシの繁殖地としても知られ、ゴマフアザラシトドも現れるほか、厚岸湾ではラッコの確認例もある[2]。ラッコもかつてこの地に豊富に存在していた事は歴史的に示唆されている[3]。 その他の鰭脚類ではクラカケアザラシワモンアザラシキタオットセイなどの棲息の可能性もある[4]ニホンアシカニホンカワウソもかつては棲息していたと思われ、平成9年には別寒牛川にてカワウソらしき動物を見たとの報告もある。[5]

鯨類では本島から霧多布岬などにかけてミンククジラシャチカマイルカイシイルカネズミイルカなどが沿岸域を通過し[6]、シャチも時には湾内部の尻羽岬などでも見られる事がある。その他、ツチクジラなども現れる可能性があり[4]マッコウクジラなどが漂着する事もある。また、セミクジラが1960年代までは見られており[7]、他にもナガスクジラザトウクジラなど、かつては大型の鯨類もよく見られたと思われる。[8]

厚岸湾東部にはアイニンカップ岬があり、北方では貴重なアマモ場が数ヘクタール広がっている。オオアマモが湾内に広く分布し、厚岸湖中にもアマモ、 コアマモカワツルモが棲息する。湾岸の子野日公園近辺にはラムサール条約指定の東梅海岸があり、アッケシソウもここで発見された。

歴史[編集]

大黒島という名は、江戸時代から見られ、周囲がタラコンブの好漁場であることから、文化年間(1804年 - 1818年)には、番屋が置かれ季節移住があったという。第二次世界大戦の時には、日本軍の基地が置かれたため、全島民が立ち退いたこともあり、現在でも高射砲陣地跡や旧海軍の特攻艇を格納した横穴などの戦争遺跡が残る。

参照[編集]

  1. ^ 『国指定大黒島鳥獣保護区 指定計画書 (案)』 環境省 2014年6月18日閲覧
  2. ^ 2010年度 沿岸域(アマモ場) モニタリングサイト1000 - 生物多様性センター 2014年6月18日
  3. ^ 厚岸町の歴史 厚岸町 ホームページ 2014年6月18日閲覧
  4. ^ a b H22 年度霧多布海上調査. 13項. NPO法人エトピリカ基金. 2014年6月19日閲覧
  5. ^ 北海道ニホンカワウソを探す会
  6. ^ H23年度霧多布岬定点調査. 16項. NPO法人エトピリカ基金. 2014年6月19日閲覧
  7. ^ Robert L. Brownell Junior, Phillip J. Clapham, 宮下富夫, 粕谷俊雄 2001. Conservation status of North Pacific right whales. J. Cetacean Res. Manage. (special issue 2): 269–286. James E. Scarff. Selective Bibliography of Scientific Literature on the North Pacific Right Whale (Eubalaena japonica). 2014年6月18日閲覧
  8. ^ 宇仁義和 1999 『捕鯨遺跡』. 北海道新聞朝刊コラム「朝の食卓」平成23年12月23日掲載. 宇仁自然歴史研究所. 2014年6月19日閲覧

外部リンク[編集]

座標: 北緯42度57分20秒 東経144度52分20秒