大阪都構想

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大阪都構想(おおさかとこうそう)は、大阪で検討されている統治機構改革である。大阪府と、その域内にある政令指定都市である大阪市(または大阪市と堺市)を統合し、強力な広域行政体を設置することを目的とする。この場合、大阪市(または大阪市と堺市、または大阪市と堺市とその周辺の市)は廃止され、その領域には複数の特別区を設置するとされている[† 1]。「大阪府と大阪市の二重行政の解消」という枠組みという点から、「大阪府・大阪市合併」または「府市統合」ということもある[2]

2010年に橋下徹(当時は大阪府知事)が立ち上げた地域政党大阪維新の会は、この構想を党是ともいうべき最重要政策として掲げ、推進した。大阪維新の会がとりまとめた大阪都構想の最終案では、大阪市を分割して5つの特別区を設置するとされている[3]

2015年5月17日に、大阪市でこの構想の是非を問う住民投票が行われたが、反対票が賛成票を上回り、否決されるに至った。この結果を受けて、「大阪都構想」の議論の場であった大阪府・大阪市特別区設置協議会は正式に廃止された。しかし、大阪維新の会は2016年以降の大阪都構想の再挑戦を明言している。

目次

概要[編集]

大阪市長橋下徹が代表を務める地域政党大阪維新の会が、大阪府と大阪市の双方によってばらばらに行われてきた広域行政を一本化するとともに、「住民から遠い市役所から、『権限・責任』を住民に身近な区役所に移し、公選区・区議会のもと、地域のことを決定できるようにする」ことを実現させる為に掲げる構想である[4]。モデルとされたのは東京都[5]グレーター・ロンドン[6]など。

この構想の目的は、政令指定都市大阪市を廃止して、中核市程度の権限と財源を持ち、公選制の区長を置く特別区を設置し、旧市の行政機能・財源のうち、広域行政に関わる部分を「大阪都」に、地域行政に関わる部分を「特別区」に、それぞれ移譲・統合することである。これにより、

  • 従来から議論となっていた「大阪府と大阪市の二重行政」の解消
  • 大阪都市圏というより広範な地域を対象とした行政ニーズへの対応
  • より小規模な自治体である特別区による、地域の実情に応じた小回りの利く地域サービスの実現

を達成しようというものである。

大阪維新の会の最終案では、大阪市に代わって設置される特別区の区議会議員の数は、大阪市議会議員の議員の数と同数とされ、議員の増員はされない。区議の報酬は市議の報酬額から3割減額する、とされていた[3]。なお、最終案では大阪市地域にはそれぞれ区議会が設置されるが、大阪府議会では、定数削減後の88議席中27議席が配分されることとなり府議会全体の約31パーセントを占めることとなる。

大都市地域特別区設置法に基づき法定協議会が設置され、2014年7月23日に大阪都構想の設計書に当たる協定書(都構想案)が作成されたが、2014年10月27日に、自民党公明党民主党共産党の反対により、協定書は大阪府議会・大阪市議会にてにそれぞれ否決された。

しかし、その後、公明党が「住民投票を行うことについては賛成する」として議会での承認について賛成に転じた。2015年1月13日、改めて開かれた法定協議会にて協定書が承認された[7]。そして、大阪市議会で3月13日に制度案を可決、大阪府議会でも3月17日、賛成多数で可決・承認された[8]

協定書が大阪市議会と大阪府議会で承認されたため、大阪市選挙管理委員会は、住民投票を2015年4月27日告示、5月17日投票の日程で行うことを決めた[9]。住民投票の対象者は、該当区の住民基本台帳に記録されている日本国民で、20歳以上であり、平成27年(2015年)1月2日までに大阪市内へ転入し、その届出をした人[10]

5月17日の住民投票で大阪都構想は、即日開票の結果、僅差であるが反対多数で否決され、廃案となった。

大阪都構想の変遷[編集]

初期構想[編集]

大阪都構想は20世紀の頃から議論が開始されたが、その最初は、1953年(昭和28年)12月の大阪府議会「大阪産業都建設に関する決議」で、大阪府・市を廃止して大阪都を設置し、市内に都市区を設置するとされた。

また、1967年(昭和42年)10月に左藤義詮大阪府知事(当時)が「大阪府を20区にする、現在の大阪の22区を9区にする、衛星都市を11区にして20区にする、そして区長は公選にする。そして20区になりました場合には、名称は大阪都となるかどうかわかりませんが、そこから選出したところの議員をもって、区選出の議員をもって区政の参議会というものをつくる」とする構想が新聞で報道された[11]。これについて政令市・大阪市の拡張を主張していた中馬馨大阪市長(当時)が反発し、対立した。

また、2000年(平成12年)頃に、太田房江大阪府知事(当時)が大阪府と大阪市の統合を掲げた大阪新都構想を唱えて、2001年の「大阪府行財政計画」に「大阪都」という言葉が表現されている。この発言に対して磯村隆文大阪市長(当時)が大阪府を初めとする都道府県から独立した「スーパー指定都市」、「特別市」を主張し対立した経緯があった[12]

しかし、これらの構想はいずれも具体化まで進展することなく消滅した。

2011年大阪市長・大阪知事ダブル選挙まで[編集]

大阪20都区構想[編集]

大阪都20区の区割り
(2010年3月 / 大阪維新の会内部資料を元に作成)

2010年3月に、橋下知事(当時)を代表とする「大阪維新の会」が発表した行政構想で、大阪府全域を「大阪都」とし、大阪市・堺市の政令指定都市を解消させ大阪府と一体化させるというもので、2015年までの実現を目指すものとされた。

特別区については、東京都23区をモデルとしつつ、東京23区よりも独立性が高く、一般市よりも権限範囲の広い中核市レベルの自治体を想定し、20区内の水道・消防・公営交通などの大規模事業は、区内の固定資産税法人税税金などを収入を財源として都が行い、住民サービスやその他の事業は20区の独自性に任せるとされていた[13]

20区の内訳は、現在の大阪市24の行政区を合併し8都区、堺市は7つの行政区を3都区に再編し周辺9市を特別区として大阪都20区に設置する。

大阪都20区の首長は区長を設置し、区議会議員による区議会を設置。区長と区議会議員は選挙で選出する方式とする[14]

大阪市長・大阪府知事ダブル選挙[編集]

2010年4月に設置された「大阪府自治制度研究会」[15]や2011年7月に設置された「大阪府域における新たな大都市制度検討協議会」[16]によって、都構想の議論が具体化していくなか、平松邦夫大阪市長(当時)の任期満了(1期目)に伴い、大阪市長選挙が実施されることとなった。

このとき、当時3か月の任期を残していた大阪府知事の橋下徹が、大阪都構想などを争点とするために、知事を辞職して大阪市長選挙に鞍替え出馬をすることを表明したため、1971年以来40年ぶりに大阪市長選・大阪知事選が同日に行われるダブル選挙となった。

大阪市長選は、「大阪都構想」の推進および「教育基本条例案」「職員基本条例案」の制定を主張する橋下と、これに反対する現職の平松邦夫(自民党支持、民主党共産党支援)の一騎打ちとなった。また、大阪知事選には、大阪維新の会幹事長の松井一郎、元池田市長の倉田薫(自民党支持・民主党支援)ら7名が立候補をし、やはり大阪都構想推進派の松井と反対派の倉田という構図となった。

両選挙は2011年11月27日に投開票され、大阪市長選は橋下徹が現職の平松邦夫に22万票以上の差をつける75万票を獲得し当選、大阪知事選は松井一郎が2位の倉田薫に約80万票の差をつける200万票を獲得し当選した。

法定協の設置と協定書の作成[編集]

国会での法改正と法定協の設置[編集]

2012年8月29日、大都市地域における特別区の設置に関する法律(大都市地域特別区設置法)[17]が、民主党・自民党・生活公明党みんなの党など野党7会派が共同提出する議員立法で可決され、同年9月5日に平成24年法律第80号として公布された。

大都市地域特別区設置法は、「総務大臣は、この法律の定めるところにより、道府県の区域内において、特別区の設置を行うことができる」と定めるものであり、従前、地方自治法において特別区の設置を都(東京都)に限定していたものを(地方自治法第281条第1項は「都の区はこれを特別区という」と規定していた)、他の道府県にも開いたものである。

大都市地域特別区設置法の定める特別区設置の手続きについては大阪都構想 § 実現への条件を参照のこと。

大阪府と大阪市は、2012年4月より「大阪にふさわしい大都市制度推進協議会」を発足させていたが、同評議会を引き継ぐ形で大都市地域特別区設置法の成立に伴い特別区設置協議会(法定協)が設置され、都構想の設計書である協定書の作成が進められることとなった[18][19]

大阪市再編案[編集]

2012年11月14日、市の公募区長プロジェクトチームが、大阪24行政区を再編し5区と7区の特別区にまとめる素案を、橋下市長へ提示し公表した[20]。素案では、夜間人口30万人規模の7区案と、45万人規模の5区案を軸とし、税収上位2区である北区と中央区をそれぞれ分離もしく合体はする計4案となっている。 2013年2月27日、第1回大阪府・大阪市特別区設置協議会が開催され、区割り案における25年後(2035年)の推計人口や鉄道網体系などが示された[21]。更に第14回大阪府・大阪市特別区設置協議会(2014年7月3日)に橋下委員(大阪市長)から5区・分離案を修正する案(福島区を湾岸区から北区に変更、住之江区(咲洲・南港除く。)を湾岸区から南区に変更)が提出された[22]。 2014年7月23日に決定された法定協議会協定書では、この修正された「5区・分離案」が採用された。

  北区・中央区分離 北区・中央区合体
5区案 OSAKA-KUWARI-PLAN-5B.png OSAKA-KUWARI-PLAN-5A.png
都島区、北区、淀川区、東淀川区
0481,511
都島区、淀川区、東淀川区、旭区
0425,450
此花区、福島区、港区、大正区、西淀川区、住之江区
0432,242
此花区、福島区、西区、港区、大正区、西淀川区
0458,961
城東区、東成区、生野区、旭区、鶴見区
0477,388
城東区、東成区、生野区、鶴見区
0413,314
平野区、阿倍野区、住吉区、東住吉区
0443,333
平野区、住之江区、住吉区、東住吉区
0442,197
西成区、中央区、西区、天王寺区、浪速区
0444,933
西成区、北区、中央区、天王寺区、浪速区、阿倍野区
0539,485
7区案 OSAKA-KUWARI-PLAN-7B.png OSAKA-KUWARI-PLAN-7A.png
都島区、北区、福島区
0299,493
都島区、北区、中央区
0337,845
此花区、西区、港区、大正区、西淀川区
0372,050
此花区、福島区、西区、港区、西淀川区
0417,282
天王寺区、中央区、浪速区
0272,851
天王寺区、浪速区、東成区、生野区
0311,810
淀川区、東淀川区
0268,929
淀川区、東淀川区
0268,929
城東区、東成区、旭区、鶴見区
0383,838
城東区、旭区、鶴見区
0313,166
平野区、生野区、東住吉区
0336,493
平野区、阿倍野区、東住吉区
0330,749
西成区、住之江区、阿倍野区、住吉区
0345,753
西成区、大正区、住之江区、住吉区
0299,626
数字は区割り案の基準とした2035年の推計人口。

2013年堺市長選での維新の会の敗北[編集]

大阪都構想は、大阪市のみならず堺市ほかの大阪市周辺の市域をも対象とするものとして構想され、さらには、より広い関西州の形成(いわゆる道州制)をも念頭において構想されたものであった。

しかし、2013年9月29日に実施された堺市長選挙において、堺市を分割する構想に反対する竹山修身が、大阪維新の会の候補者を19万8千票対14万票で破り再選を果たした事から、堺市が特別区に再編される事は事実上なくなった。なお、竹山修身は、橋下徹大阪府知事(当時)の全面的な支援を受けて2009年9月27日の市長選挙で堺市長に当選したが、2010年末ころから大阪都構想をめぐり橋下と対立するようになり、2011年2月16日、政令市の区長権限の強化はするが公選制の導入は考えないとの意向を表明し、大阪都構想に伴う堺市の分割には反対するようになった。

法定協での対立と橋下市長の辞任[編集]

2013年2月より、大都市地域特別区設置法に基づき設置された特別区設置協議会にて、都構想に関する区割案や財政調整制度など、都構想の本格的議論が開始されたが、区割り案の絞り込みについて大阪維新の会と他会派との間で議論が紛糾した。

このとき、自民党委員から「法定協議会を開催すればするほど、都構想の必要がないことが明らかになってきている」、民主・みらい委員から「大阪市の解体・廃止はしない。すべきではない」、共産党委員から「都構想は百害あって一利なしだということがはっきりした」という、都構想そのものに対する反対論が述べられた[23]

大阪維新の会は法定協議会で議決に必要な過半数を占めていなかったため、公明党の協力を得ることが必要であった。しかし、上記の2014年1月31日の法定協議会にて、公明党が維新の会の提案に対して反対に回ったことから、維新の会は法定協議会での決議を得ることができなかった。このような法定協議会での意見対立は、橋下市長らが目指す2015年4月の制度実現を困難にするものであり、大阪都構想の事実上の頓挫を意味するものであった[24]

2014年2月3日、橋下徹大阪市長は「大阪都構想の設計図づくりがストップさせられた」「民意の後押しを受けなければならない」として、市長職を辞任し、出直し市長選を行うと発表した[25]。これに対して、自民・民主・公明・共産の各党は、市長選に対する対立候補を見送るとの方針を明らかにした[26]

橋下市長再選と協定書の作成[編集]

2014年7月の協定書における区割り案
OSAKA-KUWARI-PLAN-20140723.png
  東区
城東区、東成区、生野区、旭区、鶴見区
  北区
北区、都島区、淀川区、東淀川区、福島区
  湾岸区
港区、此花区、大正区、西淀川区、住之江区(咲洲・南港)
  中央区
西成区、中央区、西区、天王寺区、浪速区
  南区
阿倍野区、平野区、住吉区、東住吉区、住之江区(咲洲・南港除く)
下線部は2012年11月の区割り案(5区北区・中央区分離案)からの変更点

2014年3月23日に行われた大阪市長選挙で、橋下徹は37万7472票(得票率87.51%)を得て当選したが、他方で投票率は23.59%と過去最低を更新するものとなった。

維新の会は、2014年6月27日と7月3日に、過半数を占める大阪府議会の議会運営委員会で、府議会から選出されている自民党・民主党・公明党の法定協委員を維新の会の議員に差し替えて、法定協の過半数を確保した[27][28]。そして、2014年7月3日に第14回法定協が実施され、市議会から選出された委員が全員欠席するなか、全会一致で維新の会の主張する「5区・分離案」(上記のとおり福島区、住之江区を修正したもの)が承認され、同月23日の第17回法定協により協定書が決定された[27]

翌24日に大阪都構想協定書は国に提出され[29][30]、同年9月1日に、総務大臣より「特段の意見はありません」との意見書が浅田均法定協会長に交付された。なお、この際に、与野党の対立で府・市両議会が混乱していることについて、「関係者の間で真摯な議論を」と求める新藤総務相名の助言書も交付された[31]

住民投票へ[編集]

住民投票を呼び掛ける看板
特別区設置住民投票の結果

協定書は、2014年10月1日に、松井知事と橋下市長により、それぞれ大阪府議会・大阪市議会に提出されたが[32]、2014年10月27日に、自民党・公明党・民主党・共産党の反対により、協定書は大阪府議会・大阪市議会にてにそれぞれ否決された。

しかし、その後、公明党が「住民投票を行うことについては賛成する」として議会での承認について賛成に転じた。2015年1月13日、改めて開かれた法定協議会にて協定書が承認されたことから、同年3月の議会での承認を経て、実現の是非を問う見通しとなった[33]

2015年2月23日に大阪府議会、2月24日に大阪市議会に制度案(協定書)が再提案された[34]。 2014年10月に否決された内容とほぼ同じだが、今回は公明党が都構想の賛否を問う大阪市民対象の住民投票の実施を了承し[34]、協定書を2015年3月13日の大阪市議会で可決、大阪府議会も3月17日に可決した[35]

大阪市選挙管理委員会は2015年3月20日、住民投票の日程を2015年4月27日告示、5月17日投開票と決めた[36]。3年前に成立した「大都市地域における特別区の設置に関する法律」に基づいて、政令指定都市の廃止を問う全国初の住民投票となった。

住民投票の対象は特別区の設置エリアである大阪市内で、4月2日時点の有権者は約211万人。大都市地域特別区設置法に基づき、投票率に関係なく結果は法的拘束力を持つ[37]。賛否の呼びかけには公職選挙法が準用されるが、活動費用やビラ、ポスターの種類や枚数などには制限がなく、街頭運動も投開票の当日まで可能[38]

2015年5月1日、大阪維新の会の支持者から大阪市選挙管理委員会に対して、世論調査を装った不審な電話が大阪市内で相次いでいる、という指摘がなされた。それによると、女性の声による自動音声で「今回、投票に行かない場合は自動的に賛成になるのはご存じですか」など「都構想に関するアンケート」として、電話で質問をしてきた、というのである。この指摘を受け、大阪市長橋下徹は激怒した。大阪市選管は、こうした電話があったことが事実だとすると、それは公職選挙法に抵触する可能性があるため、大阪府警への相談を検討している、とされた[39]

住民投票での否決、廃案[編集]

2015年5月17日に行われた住民投票の結果、賛成票が有効投票の過半数を満たさず、反対票が多数となったので否決され、廃案に至った[40]

今回の結果を受けて、橋下は松井と共に記者会見し、ことし12月までの任期は全うするものの、次の市長選挙には立候補せず、政界を引退する意向を表明[41]。また、この結果を受けて、大阪維新の会の関連団体である維新の党代表・江田憲司は18日未明、「責任を痛感している」などとして党代表を辞任する意向を表明[42][43][44]。その後、維新の党は19日午後に開いた両院議員総会で、江田の代表辞任を了承し、新代表に前幹事長の松野頼久を選出した[45]

一方、反対派各党の大阪支部の幹部のコメントは以下の通り[46]

  • 自民党大阪市議団の柳本顕幹事長:「大阪市を守らなければいけないという思いで活動してきたが、複雑な思いのなかで反対票を投じてくれた有権者に心から感謝したい。一方で、今の現状の大阪市を何とか変えたいという橋下氏を中心としたメッセージが、市民の心を揺さぶったのも事実であり、現状を見定めて、しっかりとした地に足の着いた大阪市政を取り戻すべく、今後、全力を尽くしたい」
  • 公明党大阪府本部佐藤茂樹代表:「きっ抗した数字の結果として大阪市民の中に、大阪市をさらに今よりも改革してほしいという意思表示もあるということは明らかだ。私どもは表示された意思を尊重しながら、しっかりと先頭をきって役割を果たせるように頑張って参りたい」
  • 共産党大阪府委員会の山口勝利委員長:「大阪都構想は、大阪市を潰すことや暮らしを壊すことになり、1人の指揮官のやりたい放題になると問題を明らかにしてきた。私たちの訴えを受け止めてくれた市民、有権者に感謝を申し上げたいし、敬意を表したい」
  • 民主党大阪府連尾立源幸代表:「大阪市を解体するのではなく、市の権限や財源などを強化することで改革を進めていくという、自分たちの主張が認められて感謝している。一方で、大阪市や大阪府の今の在り方ではだめだという意識を持っている人が多いのも事実だ。今後は、さまざまな場面で対立をあおるのではなく、合意形成を丁寧に図りながら、さらに改革を進めていかなければならない」

法定協議会の廃止[編集]

特別区設置についての住民投票での否決の結果を受けて、大阪府・大阪市特別区設置協議会の廃止の議案を、大阪市長橋下徹が2015年5月29日、大阪市会に、大阪府知事松井一郎が2015年6月2日、大阪府議会にそれぞれ提出し、大阪市会は2015年6月10日に可決、大阪府議会は2015年6月11日に可決し、最後の議決の日である2015年6月11日限りで、正式に大阪府・大阪市特別区設置協議会が廃止された。

大阪都構想を巡るその後の動き[編集]

大阪都構想の対案として、自民党などの野党会派が提案した「大阪戦略調整会議」が設けられ、3度に渡って会合が開かれたが、各会派が自分達の主張を繰り返すばかりで、実質的な協議には入れず、事実上破綻した。

そうした中で、11月22日()の大阪ダブル選挙を迎え、共に大阪維新の会のメンバーで大阪府知事選挙に立候補した松井一郎と大阪市長選挙に立候補した吉村洋文がそろって、対立候補に大差を着けて当選した。

大阪都構想の長所・短所[編集]

本項では、大阪維新の会が中心となって進める大阪市域への特別区設置について、長所と短所、およびそれぞれに関わる論争点を記載する。

長所[編集]

行政効率の向上[編集]

大阪都構想が実現すると、広域行政を大阪都、基礎行政を特別区が担うことになる[47]。これにより、

  • 府と市の非効率な重複施策・事業[48]が解消され、今後も生じなくなる(二重行政の解消)。
  • スケールメリットが大きい広域行政の効率が向上する(大阪都)。
  • 基礎自治体が最小効率規模[49]に近づき、基礎行政の効率が向上する(特別区)[50]

などの効果が期待される(推進派の意見)。

大阪府と大阪市による非効率な二重行政の実態は、従来から指摘されてきた[51]。 府市議会の過半数の会派(維新・公明・自民)は、非効率な二重行政を解消する必要性を認めている[52]。 (ただし共産党は、行政機能を広域と基礎に区分けする考え方に賛同しておらず、二重行政という言葉はレッテル貼りに過ぎないと主張している[53][54]。また、個々の事例が「非効率な」二重行政に当たるかどうかについては意見が分かれる[55]。)

2011年、松井一郎大阪府知事橋下徹大阪市長が誕生してからは、知事・市長が方針を決定することにより、二重行政の解消が進められている[56]。 しかし現行制度には、知事と市長の合意が取れなかった場合の調整制度が存在していない。 このことから橋下は、現行制度を維持する限り、利害が対立するような問題に対する合意形成は困難で、再び二重行政が生じる可能性が高いと主張している[57]。一方、今後も府市の連携協議を一段と押し進めることで二重行政を解消出来る、との声も大きく[58]、対立を深めている。地方の任意である現行制度に代わり、2016年より、安倍内閣によって改正された地方自治法に基づく、総務大臣による裁定の仕組みのある「指定都市都道府県調整会議」がスタートする[59]

これに対し橋下は、役割の異なる都と区の協議は無駄ではなく、また深刻な対立になりにくい政治のメカニズムがあるとの考えを述べている[60][61]

財政効果[編集]

2014年に、大阪府・市法定協議会が、「特別区設置(都構想実現)」後の各特別区の長期的な財政状況を試算した結果、都構想の財政効果は約95億円/1年だという。大阪市環境局が担っているゴミ収集や交通局の地下鉄・バス事業を民営化すれば、約200億円/1年の財政効果が見込める[62]

一方、都構想の実現に伴う財政効果額の試算は、前提によって大きく結果が変わるため、論争がある。 橋下は、大阪都構想について、大阪都・民間会社・特別区の三者に対する役割分担と捉える考えを主張している[63]。 これは、広域行政を「政策」と「事業」とに分けて捉え、原則として、広域政策は大阪都に、広域事業は民営化して民間会社に、基礎行政は特別区に分担しよう、という考えである。 実際、大阪市では地下鉄・バス事業[64]、水道事業[65]、ゴミの収集・輸送[66]、幼稚園・保育所[67]など様々な事業の民営化を目指して、取り組みが進められている。(2014年7月時点では、いずれも市議会で反対され実現はしていない。)

大都市局は、橋下市長のこの考え方に従い、地下鉄・バス事業、水道事業、ゴミの収集・輸送など幾つかの事業の民営化による効果を含めた、都構想の財政効果額の粗い試算を公表した[68]。この試算では、再編コストは財政効果額と、土地売却などの財源対策により対応が可能であり、平成45年度までの累計で約1400億円(移行日変更等を加味した新しい試算では約2700億円[69])の財源活用可能額が得られる、と推計されている。

住民自治の強化[編集]

大阪都構想が実現すると、公選区長と議会を置いた特別区に、中核市並みの権限と財源が移譲される[70]。これにより、

  • 住民に身近な行政サービスを提供出来るようになる。
  • 地域の実情に応じて特色ある施策・事業の展開が図れるようになる。
  • 特別区同士が切磋琢磨することで、行政改革が進む。

などの効果が期待される(推進派の意見)。

橋下徹大阪市長は、大阪市の行政における課題として、住民自治の不足(民政赤字)を挙げた[71]。大阪都構想が実現した場合、充当事業は、大阪府:特別区=50:50 の比率となる(平成24年度一般財源ベース)。税は、大阪府が賦課徴収し、充当事業がある大阪府と特別区に配分される[72]

橋下は、「仕事に見合った財源は必ず分配するというのが、今回の都構想の大方針です」「仕事に見合ったお金はきちっと配分しましょうということですから、今やるサービス分の財源はきちんと確保できることは間違いありません。」と都構想の意義について語った[73][74]

2014年、安倍内閣は地方自治法を改正(2016年施行)し、政令指定都市の都市内分権を進め、住民自治を強化する「総合区」制度を創設した。自民・公明・民主の市議会各会派はこの制度の導入に前向きである[75]

区長[編集]

大阪市における区長権限の予算は平成24年度から合計約50億円→220億円(780億円)[76]→270億円(820億)[77]と年々増加してきた(括弧内は義務的経費を含めた数値)。

大阪府市議会の主な会派(維新・公明・自民・共産)は、大阪市内の住民自治を強化する必要性を認めているが、意見は分かれている。自民は、区長権限の強化。共産党は、市民の声を反映する仕組みづくりを提示している[78]

橋下は、僕の任期中に、現行の公募区長に渡した以上の権限を、(現行の)区長に移していくことは難しい、との考えを述べている[79]

広域行政の一体性向上[編集]

大阪都構想が実現すると、広域行政が大阪都一つに統合される(広域行政の一元化)[80]。これにより、

  • 大阪全体の成長・発展に向けた統一的戦略に基づく政策を、迅速に実行出来るようになる。また、それにより経済が活性化する(財政試算には含まれない効果)。
  • 広域政策を260万規模の大阪市ではなく880万規模の大阪都で行うことによって住民一人当たりの負担額の削減。
  • 大規模災害に備えた防災体制の強化など、大阪全体の安心・安全の確保に一体的に取り組める。

などの効果が期待される(推進派の意見)。

近年、国際的な都市間競争が激化する中、大阪の経済は低迷してきた[81](ただし、それほど低迷していないとする分析もある[82])。 低迷には様々な要因があるとされるが、 大阪維新の会は、有効な対策を講じられなかった「府市の関係」に問題があったと分析している[83]。 橋下は、大阪における都市の集積(人口、事業所数など)が市域外まで広がっている事実[84]を挙げ、都市の集積と広がりにあわせた広域行政の一元化の必要性を訴えた[85][86]。 一方で橋下は、府市の関係だけが大阪経済の低迷原因であるとは言いきれず、大阪都が実現したとしても、政策が伴わなければ大阪の経済が良くなるとは思わない、とも発言している[87]。 府市の自民党は、都構想と大阪の経済には何の因果関係も無く、現行制度の下で良い政策を進めることが重要である、と主張している[88]

都構想に反対の立場の間でも、広域行政の一体性をどう捉えるかについて、様々な考え方がある[89]。 例えば、府市の自民党は、首長と議会が参画する「広域戦略協議会」を設置することで、府市の連携協議を進め、広域行政における一体性を高めることを提案している。 民主党は、広域行政の一体化はせず、府市それぞれの政策エンジンのパワーで、多様なニーズに対応する、としている。 共産党は、行政機能を広域と基礎に区分けする考え方に反対しており、戦略的な集中投資などでは「ゼネコン政治」の失敗を繰り返すだけだ、と批判している[90]

その他の利点[編集]

  • 大阪市24区が再編され、各区に設置され区域間で重複していた施設等の統廃合が可能になる。
  • また、府市が一体化されれば、大量の役人が不要になる。とりわけ大阪市役所は全国有数の「役人天国」として知られ、現業部門の給料が特に高い。例を挙げると大阪市交通局が運営する市バスの運転手の平均年収は、民間の2倍近い800万円弱(2009年)。過去には都市環境局で下水道の維持管理などに従事する職員の3割が年収1000万円を超えていたことも批判された[91]
  • 広域行政の一元化の実現例となり、道州制へ向けた、地方分権へのステップとなる。

短所[編集]

行政効率の低下[編集]

現行で二重行政と言われているものは、選挙で選ばれた知事と市長が協調せず独自に動く事で起きているが、都構想下でも知事と区長の間で同様の事が起こり、 さらに現行では府市間の調整で済むものが、都構想下では各区選出の区長間の調整が新たに必要となり、党派や方針の違いがある場合はより調整が困難になる。

再編コスト[編集]

大阪府市大都市局の試算によると、再編コストは、特別区設置に伴う庁舎建設・システム改修などのイニシャルコスト(初期コスト)は約600億円~680億円、システム運用経費などのランニングコストは年約15億円~20億円と推計される[92]


反対派からは、住民自治について、現行制度の下でも都市内分権を進めることで住民自治を強化出来る、という意見が、幾つか上げられた[93][94][95]

都構想反対派は、「民営化は、現行制度の下でも実現が可能。特別区設置が実現したとしても、同時期に民営化が実現出来るかどうかは定かで無い。その効果額は再編コストへの補てん財源として利用出来ないかもしれない。」と主張している[96][97]

反対派からは、保有財産や税収、歳出規模の異なる複数の特別区が誕生する[98]

自民党大阪による批判[編集]

自民党大阪府連は、「橋下が“大阪は、道州制で関西州が誕生しても、入らない可能性もある”と発言したこと」などを理由に反対。「(都構想の実現によって)道州制という統治機構改革の根底が崩されてしまうことになりかねません。」「大阪だけが勝手を言っては議論も進みません。」と批判している[99]

自民党大阪市議は、 「既存の自治体を複数の特別区に分割することは、基礎自治体の財政力・行政能力向上を目的とした平成の大合併に逆行する。府下の基礎自治体数が43から50程度に増加することで、府内全体で行政効率が悪くなり、施策の整合性も取りにくくなる」との懸念する[100][101]

2014年1月17日、第12回特別区設置協議会(法定協)にて、自民党大阪府議議員団・大阪市議議員団から、「法定協を開催すればするほど都構想の必要性がないことが明らかになってきている」としたうえで、大阪市を解体せずそのまま残す「1区案」が提出されている[102]

自民党大阪府連からは、「都構想が成立すると大阪市議会議員の職がなくなる。」との悲鳴が漏れた。しかし、自民党本部は、自民党大阪府連と一定の距離を置いた[103]

再編コスト[編集]

特別区設置には大きな再編コスト(イニシャルコストとランニングコスト)が伴う。これにより、

  • 財政に深刻なダメージを受け、行政サービスの質の低下を招く。
  • 住所変更など住民や企業に余分な負担が生じ、経済に打撃を与える(財政試算には含まれないコスト)[104]

などの悪影響が懸念される(反対派の意見)。 対策として、広域事業の民営化を含む財政効果額の利用と、土地売却などの財源対策による補てんが検討されている。

基礎行政のサービス[編集]

  • 大阪市が行ってきたユニバーサルな住民サービスが失われ、内容や規模が変わってしまう[105]
  • 2010年度の案では固定資産税都市計画税事業所税などの収入を都の財源とするため[106]、都による財源の再配分のあり方によっては特別区の財源が不足し、地域によっては住民生活に密接した行政サービスが低下する可能性がある[107][108]

効率化について[編集]

都構想が実現しても、大阪都と特別区の間で協議等による時間と労力の無駄遣いが生じる、特別区設置により自治体の数が増えることで、現状以上に合意形成が難しくなる、と主張している[109]

民主党による批判[編集]

都構想が実現すると、大阪市が行ってきた基礎行政を規模の小さな特別区が担うことになる。これにより、

共産党による批判[編集]

共産党は、これらの是正措置が大がかり過ぎるため、理解を得られない可能性があるとの懸念を表明している[116]。 橋下は、現状でも大阪市によって行政区間の大きな格差が是正されており、住民に見える形にすることは住民自治に資する、との考えを述べている[117]

[† 2]民主法律協会が、橋下市長が市職員に対して「公務員という肩書で職場内での個人的な見解の表明」や「権限を有さない立場での無責任な発言」を慎むようにと発言し、この橋下発言に留意を促す文書が、各職場の管理職に宛てに配布されているとし、橋下市長の「箝口令」を批判している[118]

評価[編集]

産経新聞
大阪市を廃止・再編し、特別区を設置する「区割り」は、区ごとの予算編成も可能となる。地方自治の選択肢が広がる意義はある。割りの組み合わせ次第では税収の多い特別区と少ない特別区が生まれ、税収の多い特別区から少ない特別区へと回す財政調整の仕組みも簡単に導入できるかどうか分からない部分がある[119] [120]
公明党
創価学会関西幹部との会談において、創価学会は公明党の反対運動を牽制。反対集会への出席を控えることを要求した[121]

批判後[編集]

これらの批判を受け、大都市局は2014年7月、一部事業(地下鉄・バス事業とゴミの収集・輸送)の民営化を再編効果に加えない前提での粗い試算も公表した[122]。 しかし、この試算は実際には野党の試算と大きくかけ離れたものだった。

再編コスト
この試算においても、再編コストは財源対策により対応が可能であり、平成45年度までに累計約1600億円の財源活用可能額が得られると、おおさか維新側は主張しているが、野党側はそれはウソで大きな赤字になると主張し、ここでも数字が大きくかけ離れている。
行政事務
対策として、現区役所を支所として利用すること[123]、特別区による一部事務組合などを利用した水平連携[124]、などが検討されている。
財政
反対派から「都構想の実現により、特別区間の財政調整の仕組み調整できず、格差が広がる」との批判が2013年にあった。

大都市局の試算によると、公共施設などの普通財産承継による特別区間の格差は最大で約25倍になると見積もられている[125]

これに対して、大阪市で「処分検討地」に指定されている財産を一部事務組合により特別区全体で共同処理するという対策が検討されている。

大都市局は、この対策を実行することにより、区の格差は約1.4倍にまで是正される[126]と試算している。これにも野党側は大きな誤りだと指摘している。

税収
大都市局の試算により、歳入(税収)の差が、最大で2.8倍になると見積もられている。
これについても、大都市局は、財政調整によって1.2倍まで是正されると試算している[127]

大阪維新の会は、特別区設置の後、専門性の確保やサービスの公平性・効率性の確保が特に求められる事務[128](全体の約6%[129])について、一部事務組合による水平連携で実施することを検討している。

特別区設置の手続[編集]

大都市地域における特別区の設置に関する法律[130]の成立により、以下の手続きが整備された。

特別区設置協議会(法定協)での協定書の作成
特別区設置を目指す関係道府県および関係市町村の間で、特別区の設置に関する協定書の作成その他特別区の設置に関する協議を行う協議会(特別区設置協議会、法定協)を設置し(第4条第1項)、協定書を作成する(第5条第1項)。
関係道府県および関係市町村の議会の承認
法定協の作成された協定書は、知事および関係市町村の長を経由して、関係道府県および関係市町村の議会に付され、承認を得る必要がある(第6条第1項)。
関係市町村の住民投票での賛成
上記の各議会の承認を得た場合、特別区の設置案は、関係市町村の住民投票に付され、有効投票の過半数の賛成を得なければならない(第7条第1項、第8条第1項)。
総務大臣の設置の処分
住民投票での過半数の賛成を得た場合、関係道府県および関係市町村は、総務大臣に対して、特別区の設置の申請をすることができ、総務大臣が認可をすることで、当該道府県に特別区が設置される(第8条第1項、第9条第1項)。なお、特別区設置後区長と区議会議員は選挙で選出される。
人口要件
大都市地域における特別区の設置に関する法律は特別区の設置ができる場合を、「人口200万人以上の政令指定都市」または「政令指定都市とその政令指定都市に隣接し同一道府県内にある隣接市町村の人口の合計が200万人以上である場合」に限定しており、この法律で東京都以外で特別区を新設し人口要件を満し、かつ設置可能な道府県は、北海道札幌市とその隣接市町村)・埼玉県さいたま市とその隣接市町村)・千葉県千葉市とその隣接市町村)・神奈川県横浜市単独、もしくは横浜市と川崎市、もしくは横浜市と川崎市とその隣接市町村)・愛知県名古屋市単独、もしくは名古屋市とその隣接市町村)・京都府京都市とその隣接市町村)・大阪府大阪市単独、もしくは大阪市と堺市、もしくは大阪市と堺市とその隣接市町村)・兵庫県神戸市とその隣接市町村)の8道府県のみとなっている。
福岡県では、福岡市単独では法定人口約146万人で、隣接市町村を含めても人口200万人には届かず、今のところこの要件を満たしていない。ただし、推計人口では福岡市と隣接市町村の合計は200万人を越えているから、近い将来、法定人口上でもこの要件を充たす可能性は高い。
特別区を設置した道府県の名称
大都市地域特別区設置法は第10条で「特別区を包括する道府県は、地方自治法その他の法令の規定の適用は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、都とみなされる」と定めており、特別区が設置された道府県は法制度上は「都」として扱われる。ただし、同法は、道府県の名称を「都」に変更する効力は有していないため、名称は従来どおりとなる(地方自治法第3条第2項により都道府県の名称の変更には、別途法改正が必要)。なお、「都」に名称変更されない事について、橋下市長は「大阪府の名前のままでは、何がどう変わったのか実感してもらえない。法改正が必要なら迫る必要がある」「都がダメなら州ぐらいでもいい」と述べている[1]

大阪都構想に対する見解[編集]

各人物の肩書はいずれも見解を述べた当時のものである。

自治体首長[編集]

大阪府・大阪市・堺市[編集]

松井一郎大阪府知事
「橋下市長同様に、関西州を初め地方分権・地域主権・道州制を目指し1歩でも進めるようなスタンスで臨む」と就任時に抱負を語った。大都市地域特別区設置法については「広域機能の一元化や大阪市を特別区再編など、めざすべき大都市制度の枠組みを考え、大都市制度推進協議会において議論を行うとともに、法定協議会設置に向けて準備を進めていきたい。大阪府と大阪市の壁を越えて、新しい大阪づくりの再建、広域行政一元化、府市二重行政の見直しを初め、病院や大学の統合、港湾管理の一元化、信用保証協会の統合など、これまでできなかった取組みを府市一体を実現したい」と語った[131] [132]
橋下徹大阪市市長)
市長就任会見時「大阪都構想は最後の恒久的な永続制度。府市統合本部は都構想のある意味決定する仕組みの中身の部分で政策ではなく決定時の仕組みの中身の部分。これまで大阪府庁・大阪市役所という都道府県に匹敵する役所が2つ存在していたから議論しても結局決まらず、100年戦争と言われた府市合わせの時代で、物事が決まらなかった問題を解決していく制度が都構想である。恒久的な制度とするための大阪都構想へ制度化にしなければいけない。松井知事と僕で物事をこう進めていきますが、大阪都っていう制度を実現する」と述べた。大都市地域特別区設置法を初め国会で大阪都構想法案が成立した事は「本当によかった。議論が出来て自分自身が思ったことが実現される事について、いろんな批判がある中でが民主主義のプロセスと改めて感じたが、法案ができてやっとこれで入口。大阪維新の会で統治機構を変えるっていうのは掲げているが、普通の政治グループでは言えないことだっていうふうに思っている。大阪都構想の事例で認識し、国が大阪維新の会が考える統治機構変革に賛同は嬉しいが言うだけでは変わらない。日本各地で自治体のあり方、大都市のあり方についていろいろ議論が起こるのはいいことだがペーパーにまとめるだけでは何にも変わらない。やっぱり最後は選挙を通じて政治闘争するしかないのではなかろうか」とした[133] [134]
平松邦夫(元大阪市市長)
政令指定都市の権限を強化し、大阪市を核とする大都市圏(都市圏)が連携した、広域行政体を目指す(大都市圏州構想)」と表明し大阪市が消滅することには完全に反対の立場であった[135]。その一方、大阪都構想・大阪市解体から20都区再編については「地域政党「大阪維新の会」の代表または府知事(当時)で立場でものをおっしゃってるのか。その思いは一緒で大阪都構想は非常に微妙な状況で、個人的な思いもある。一歩も譲れない部分は地域主権というものの主体は市民、府民、町民、村民が見えてこない。大阪市がやっていることよりももっと優しいっていったい何ができるか。あるいはそこで都ができたときの財政構造がどうなるのか。「大阪維新の会」として、大阪市をあるいは大阪周辺を大阪都にする際の区割りで内部資料として漏れているものが、テレビやあるいは新聞で報道されているという認識で、本当にどう分けようとしているのか、西成区と確か阿倍野区と天王寺区が一つの区になった。阿倍野、天王寺、西成の人たちがそれにどういう思いを持つのか」と疑問を呈した[136]
また、2015年の報知新聞のインタビューでは「制度を変えれば全てうまくいく、というイリュージョン。妄想です。最初は『年間4000億の利益が出る』と言い張っていたが、精査していくと市単独で市政改革をやればいいものまで含まれていて、効果は1億円しかない。ただ、立て板に水でしゃべるから、最初に聞いたことと全く違う話になっているのに気付かせない。そういうトリックの天才。私は『ハシモトリック』という名前を付けています」とコメントし、大阪都構想は「大阪都妄想」だと切り捨てた上で橋下市長を批判した[137]
竹山修身堺市市長)
「大阪府、大阪市の二重行政を解消し強い大阪を作ることが可能であり、長年府市間の問題解決し、関西発展を牽引する大阪にしていくことに都構想には賛成」としつつ、「大阪府と堺市間には二重行政はなく、一般市・中核市を経て政令指定都市移行まで、大阪府と役割分担を行い行政運営を進め、沿革の違いから、堺市と大阪府の間では、大阪市との関係においてみられる二重行政を生じさせることはなく、現状で何ら大阪府との間に二重行政がない堺市、現行の地方自治制度の中で、政令指定都市という基礎自治体として最大の権限と財源とを活用して市民とともにまちづくりを実行している堺市を分割することが、堺市民のためになるとは思えない。また「大阪都構想」における課題点などが明らかでない中では、やはり何が堺市民のメリットになるのかも分からず、中核的役割を担う堺市の分割が地域の活性化につながるものかどうかも分からないため堺市の分割には賛成できない」として、堺市の分割に対して反対し、2012年2月3日に「大阪にふさわしい大都市制度推進協議会」で松井知事、橋下市長と対談した際、堺市は大都市制度推進協議会から退団する旨を伝えた。
大都市地域特別区設置法については「今回の法案は、自治体、都道府県・市町村が、選択すれば特別区設置可能であることから多様な自治制度が可能である事が認められた事は一定前進であるのではなかろうか。大事な事は効率的な都道府県と市町村の役割分担をいかにやっている事が大事ではなかろうか。堺市は大阪市と違って大阪府に対して二重行政は無く、その特別区制度を適用することは不要であるので、決定するのは地域の住民であるため、住民の皆さんの意志というのは最大限尊重されなければならない」と述べた[138] [139] [140]

大阪府のその他の市町村[編集]

肯定的意見[編集]
北川嗣雄羽曳野市市長)
「大阪府と大阪市の二重行政を目的とし政令市の大阪市・堺市・大阪府を解体し、再編を通じて特別区を10から12設置をする大阪都構想の議論は、大都市の制度のあり方の検討が始まり、実現へ大きなうねりとなっているのではないか。二重行政の解消、あるいは大阪の再生、成長を図っていくという点は同じ考えであるというふうに思っている」と述べた[141]
馬場好弘(寝屋川市市長)
「二重行政の解消や周辺自治体の活性化、役割分担と責任分担の明確化などにつながる」と述べた[142]
野田義和(東大阪市市長)
「地域経済の発展のためには大阪を東京に対抗できる都市として再編する必要があり、相当部分において協力できる」と述べた[143]
倉田哲郎(箕面市市長)
「大阪都構想は、都道府県と政令市の二元行政の状態を解消し、広域機能の一元化をめざすと認識。大阪府と大阪市、2つの権限が張り合っている現在の構図は行政体として大きなロスであるのではないか。広域的な視点による1つの強い都市生活が必要」と述べた[144]
西端勝樹(守口市市長)
「大阪都構想は、二重行政が解消されることにより効率化、大阪全体の活性化につながると考えられることから、メリットがある」と述べた[145]
否定的意見[編集]
中田仁公(交野市市長)
「大阪都構想は、本市としてどう対応するかの段階にはまだ至っていない。市内市町村を中核市へと再編することは、平成の大合併の議論の際に議会も含めて合併について反対の意思表示をしている経緯から基礎自治体は、住民の顔が見える10万人程度規模が最適と考えている」と反対した[146]
井上哲也吹田市市長)
「基礎自治体の長として協力するが、吹田市を吹田区とする必要はない」と反対した[147]
森山一正(摂津市市長)
「再編対象として周辺自治体をも巻き込むことに疑問」と述べた[148]
浅利敬一郎豊中市市長)
「大阪府・大阪市における二重行政の解消は以前からの課題と認識しているが「大阪都」の「特別区」として再編するという考え方については、自治都市の確立をめざしている本市の方向性と全く異なり、本市の歴史や文化を大切にしつつ、地域特性にそった施策を展開するためには、市民に身近な基礎自治体の充実を図るべきであると確信し、中核市への移行と地域自治の充実に向けた取組みを進めることとしている」と反対した[149]
中立的意見[編集]
小南修身(池田市市長)
「大都市制度の検討や広域行政、二重行政の仕分けなど府市共通の重要事項の協議などについては動向を注視しながら府市、府内市町村を巻き込むテーマについて議論になった場合は積極的にこの議論に参加をし、意見を表明しなければいけない」と述べた[150]
吉田友好(大阪狭山市市長)
「大阪都構想はマニフェストの中でも、詳細な制度設計、そして最終案は数年後に示すと表示されているが、最終判断は住民投票で市民・府民に決定するもの。この件については私の意見、皆さん方のご意見を聞きながら見解を考えている為、大阪都構想の中身が不透明な段階で意見を論じるというのは控えたい」と述べた[151]
藤原龍男貝塚市市長)
「橋下知事(当時)が提唱する大阪都構想は大阪府と大阪市の二重行政を解消を目的とし、大阪市、堺市と周辺の主要な市を20区再編することは、幾つかの課題や、意見が出ていて貝塚市への影響などまだまだ不明な点がある。この構想については幾つか不明点があるためその評価は差し控えたいが、反面マイナスの影響が明らかに出た時点では明確に反対の意見を述べたい」と述べた[152]
園部一成(門真市市長)
「大阪ダブル選挙結果を通じ、地方自治枠組み・行政サービスなどの見直しが、住民から鋭く問われているので、多大な影響が生じてくるものと捉え、分析するとともに、避けることなく真正面から対応していかなければならない」と述べた[153]
向井通彦(泉南市市長)
「大阪都構想を協議というものが加速していくのではないか。それらを再編後当然区議会と都議会が必要になるため、行政コストというのはかなりかかり、法律改正、住民投票、こういうものがハードルとしてある。府市統合会議で議論をして府民、あるいは市民の判断が得られるような形を取るべき。拙速に進めず合意形成の上で行っていただきたい」と述べた[154]
濱田剛史高槻市市長)
「大阪ダブル選挙を通じて、大阪府民が改革、変革を求めているということではないか。こういった府民の気持ち、思いをしっかりと市政に反映させていく必要があるのではないか。しかし大阪府といえど各市町村ごとに町の成り立ちも異なりますし、また市民性も異なる」と述べた[155]
多田利喜(富田林市市長)
「橋下知事(当時)の考え方は、大阪も日本も沈むと言った基礎自治体のありかたなど、現状に対して非常に危機感を持っていた。大阪都構想は、大阪府と大阪市の再編については法的手段など山積みがあるため、富田林市にどのような影響があるのか、見えにくい状況である。将来や市民生活にプラスかどうかなどの観点から十分注視したい」と述べた[156]
竹内脩(枚方市市長)
「大阪都構想は、具体論が提起されておらず、大阪の将来を見据えた総合的な議論ができない。大阪都市圏発展観点から、それが適正かどうか慎重に議論していきたい」と述べた[157]
澤井宏文(松原市市長)
「大阪ダブル選挙は、大阪維新の会が掲げる「大阪都構想」が大きな争点だった。大阪府と府下市町村が相互に協力し合い、連携をとり政策を遂行していくことが重要で、大阪府と政令指定都市を解体し複数の特別区に再編する事については、府民の民意が示されたもので十分な議論が必要となってくるのではないか」と述べた[158]
田代堯(岬町町長)
「大阪ダブル選挙で争点された大阪都構想は、大阪府と政令市の役割分担や広域行政と基礎自治体の役割、大阪府と大阪市を中心として本格的な議論が進められることと思うが、広域行政の今後の進展については相当に注意深く判断しなくてはならない」と述べた[159]
田中誠太八尾市市長)
「大阪ダブル選挙は『地方自治に対する閉塞感が大阪を変えたい』と思いが繋がり今回の選挙結果。大阪都構想は、二重行政の解消や行政施策の徹底的な洗い直しなどメリットがあるが制度設計がまだ不十分であるが制度設計・説明責任がいかに果たされるか、大阪都構想推進大綱の中で示されている、財源の問題や議員定数などについては、疑問点があるかもしれないけど、大阪都構想をはじめ大阪維新の会が掲げる政策が、今後の行政運営や大阪全体のまちづくりに大きな影響があることは間違いない」と述べた[160]

関西広域連合の府県・政令市[編集]

三日月大造滋賀県知事
「大阪都構想の住民投票は大きな意義のある取組ではなかろうか。自分たちの住んでいる地域のことを行政効率面や将来の活性化のためにどうするべきなのかを議論して住民で決していくということは一つの自治であるので有意義に見守っていきたい。大阪都構想には「私が賛否を申し上げる問題ではない。大阪府と大阪市の二重行政の問題点もあったと聞いたことがあるし、それを都構想で解消、改善できるのかという疑問もある。いずれにしても大阪市民が決められることではないか。」と静観[161]
2015年に改選された大阪ダブル選挙の結果については「大阪府市の府民・市民の選択が感情の発露になったものであったこと。大阪府と大阪市の間で様々な二重行政重複がこれまで指摘されてた事を見直す取組は極めて大事でこういった取組は一定の敬意を持っている」と評価[162]
山田啓二京都府知事
大阪府ダブル選挙結果について「背景には大阪府と大阪市の長い間のけんかが原因だったのではなかろうか。そういう状況を見直すために橋下知事(当時)は決意して大阪都構想が生まれた。反面、不透明な問題はあるため大都市問題が議論になってくることは紛れもない事実で、議論をしていかなければいけない時期に来ている。それぞれの地域によって事情が異なる事から立法事実というものを踏まえていかなければいけない。大阪府民・市民が都構想を主張されている人を知事と市長に選んだことが結果ではなかろうか。それぞれの地域が、それぞれの住民が選んだ体制をつくり上げていく事が大事ではなかろうか。大阪都構想については全国知事会長としても支援をしていきたい。」とエールを送る。
大阪府と大阪市の二重行政については「これまでの大阪市は権限と財源を譲らなかった経緯があった。〝権限”がある時は、いかにどうやって使用するか抑制し調和させる事が大事なものではなかろうか。調和と抑制も協調もしなかった時に権限同士のぶつかり合いになってお互いに亀裂が生じてしまう。大阪府と大阪市だけではなく、政令市と都道府県間で発生し得る問題であることから調和的に発揮できなかった。もともと政令指定都市は都市対策であったものであり、基礎的地方公共団体の本来のスケールを超えて都市行政・広域行政と一体的にやっていくものであった。大阪市は大発展を遂げ、大阪府自身が全体として都市変わってしまった経緯があったことから一体的な行政をしなければ非常に不便な状況が生まれてしまったものであった。都市のあり方、歴史的な問題、そうしたものも含めてかなり異なり、お互いに財源あり、権力があったことから横暴にできた。政令指定都市と都道府県の二重行政問題でこの制度自身がいろいろな問題を含んでいる事を浮き彫りにしている。常にこの問題に向き合っていかなければいけないし、解決方策を話し合っていかなければいけない」と静観。
大都市地域特別区設置法については「賛成の立場で、それぞれの自治体がそれぞれのあり方があることで住民の選択で進めるようにすべきではなかろうか。そうした住民の意思がうまく生かせるような形にするというのが国の役割であるべき。反面地域の事情があるので、この法案も地域の事情に合わせて色々なことができるという法案ではなかろうか。」[163][164]
門川大作京都市市長)
「大阪都構想を始めとする構想が全国で動いているが都市の成り立ちも違うため,色々な形があっても良いのではと思うが現在の地方行財政制度が良いとは思わない。政令指定都市というのは都道府県と同等の行政能力を持ちあらゆる政策を総合的に行っているフル装備の行政機関で知恵も行政能力もあるが行財政制度がおかしなことになり二重行政を徹底して排除していかなければならない。こういったことが基本。大都市地域特別区設置法案は「地方自治体の在り方には多様な選択肢があってもいいと思うしそういう意味において前進するということは歓迎」と述べた[165][166][167]
井戸敏三兵庫県知事
「大阪都構想の主張は分かりやすく、橋下氏の強い発信力や行動力に大阪再生を期待した結果、大都市制度議論は不可避。人口約370万人の横浜市のような大政令市と熊本市岡山市の70万人前後の小政令市が同様の構造が、大規模政令市が基礎的自治体と示しているが本当に基礎的自治体としていいものなのか。市民の期待に応えられる図体かどうかなどを含め、大都市行政のあり方を考える事例が大阪都構想になるのではないか。大都市における行政区はというものだけでいいのかどうか、行政区が基礎的自治体の機能を代替が可能かどうか疑問。それらを一つのポイントとして議論・検討を進めるべき」と評価。
大都市地域特別区設置法は「大阪府は非常に小さい行政区が多い為、区再編を実施し特別区を設置して、大阪府が広域自治体として再整理実施することは自治形式選択可能意味で意義が大きいのではないか。兵庫県と神戸市が周辺都市を再編し、特別区再編実施するについては神戸市と県がリードしながら協力すべきが大事で県にかわる権能を担う政令市としての機能も果たしている」と反対。
住民投票の結果については「大都市の課題に対してどのように対応していくのが望ましいのかという判断が分かれた結果。結果として大阪市が無くなる事と大阪市をなくして大阪都のような新地方行政システムを創作すべきという方々の思いが、僅差の結果に出たと受けとめるべきではないか。住民投票の結果で大阪府と大阪市との間でさらなる連携協力が必要になったということではなかろうか。」[168][169][170]
久元喜造神戸市市長)
「大阪都構想実現の『大都市地域特別区設置法』施行を通じて「特別自治市」制度に存在しないことはバランスを崩してしまったものではないか。別名「指定都市解体法」とも呼びうるものであり一定の手続きを経て政令指定都市を解体し、特別区を設置可能の法律には大阪市に限られるものではなく、単独で200万人以上の人口を擁する横浜市、名古屋市、大阪市を初めとする五大都市、隣接市町村を含めれば200万以上となる札幌市、さいたま市、千葉市、川崎市、京都市、堺市、神戸市を含む市町村が対象であり法の目的は府県と指定都市の融合一体化。都道府県と政令指定都市を呑み込む形で融合一体化を図ろうとするものは必要性を認めたという点は重要だろうが「大阪都構想」を具体化した大都市法は、大阪市にあてはめたとしても他都市に適用して、指定都市を解体する必要は不要ではなかろうか。すでに大都市法は施行されているが、その存在を前提にして考えざるを得ないが、融合一体化のためのもうひとつの選択肢である「特別自治市」の制度化が図られるべきことは当然。」と述べた[171]
仁坂吉伸和歌山県知事
「大阪都構想については私は賛成。政令指定都市は都道府県並みの権限を有しながらも、その小さい区域でそれを実行すると決まっていて、大阪府と大阪市はその部分が権限としてない状態になっていたことからこれまで区分されていた経緯から二重行政が発生した事に伴い、それらを解消目的とすれば、大組織で解消すべきではなかろうか。大阪府と大阪市を一元化して組織改革を実施する事から総合的に勘案して、松井知事や橋下市長が住民と一緒に今後考えていけばいいのではなかろうか。大阪を中心として考えると周辺地域を活性化し中心部も活性化することになるんだということを強く訴えるべき」と述べた[172]
飯泉嘉門徳島県知事
「大阪都構想は「東京一極集中を打破」すること。日本全体が、安全・安心、機能が向上していくのではないか。東日本大震災を通じて日本が原点に立ち返り復興を考え、複眼構造というのは安全・安心の面でも経済の面でもあらゆる面で必要に。そうした一つの形が大阪都構想かも知れないが一つの挑戦だと思う。日本全体が災害にも強い、そして今、全国的に経済が厳しい中で、やはり東京の一極集中では弱いので47都道府県全部が活性化することによって、日本の力をもう一度取り戻すことができるのではないか」と述べた[173]
平井伸治鳥取県知事
「大阪都構想はポジティブに検討すべき。ダブル選挙での民意が示されたわけである。政府は与野党を含めて政府国会での検討を急ぐべき。反論もあると思うかもしれないが、地域限定でやるべきで、都構想の仕組みに乗っかり決着するのが妥当ではないか。自治的にいろんなことは提案し、地域で話し合って決着していけばいいというふうに考えている。実現にはこれからよく話し合いが必要である」と述べた[174]

その他の都道県・政令市[編集]

中央政府・自民党本部[編集]

安倍内閣
2013年12月20日、安倍内閣は、都道府県から政令指定都市への事務・権限の移譲を推進し、政令指定都市を強化していく方針を閣議決定した[284]
安倍晋三内閣総理大臣
2014年2月13日の衆議院予算委員会にて、維新の会所属の議員からの質問に対して、「大阪都構想については、大阪都構想を実現する制度的な枠組みとして、既に、平成二十四年九月に議員立法により大都市地域特別区設置法が成立をしたわけでございまして、私も当然賛成をしているわけでございます。」と述べた[285][286]
菅義偉内閣官房長官
2014年9月9日午後の定例会見にて、安倍総理が都構想に賛成し、一方で大阪の自民党が反対していることについて、「都構想については、私自身が党の事務局長というかたちでとりまとめて、党でも総務会でも決定しておりますから、総理も当然、そこは自民党総裁でありますので賛成をしてるという、そこは間違いないことです」と述べた[287]
谷垣禎一自由民主党幹事長
2015年2月10日の幹事長記者会見にて、「(大阪府で東京都のような体制をとることができるよう地方自治法を改正し)選択肢としてそういうものが採用できるような制度を作った。選択肢を作ったということまでは党本部の立場だ」「自民党大阪府連に所属される方々は大阪都構想に極めて批判的な意見、おそらく反対の意見を持っておられるわけですが、その二つを混同したような、『自民党は賛成しているではないか』とか『反対しているのは大阪だけだ』とかいうような議論は、その2つの問題の区別、『制度として選択肢はあるのだ』ということと『具体的なあり方、案に賛成するか反対するかということ』、この2つのことを混同した議論があると思う。それはやはり間違いです」と述べ、自民党本部として、大都市地域特別区設置法への賛成と大阪都構想への賛否は別であることを説明した[288][289]

都構想以外の改革案[編集]

大阪府市については、大阪都構想のほかにも、以下のような種々の改革案が唱えられている。

特別自治市(仮称)
2010年5月に相模原市内のホテルで開催された指定都市市長会において政令指定都市制度に代わる新たな大都市制度として、国に提案すると合意された大都市制度[290]。大都市が地域特性や実情にあわせ、広域自治体や周辺自治体と多様な連携を行いながら、創意工夫と責任に基づく自立的な都市経営を行うために、広域自治体である都道府県と基礎自治体である市町村の二層制の自治構造を廃し、広域自治体と特別自治市を同格とする新たな大都市制度。
特別市運動(第265条特別市)
特別市とは、大都市市域における大都市と府県の二重行政、大都市に対する国と府県の二重監督の弊害を除去するため大阪・名古屋・京都・神戸・横浜の五大都市を特別市として府県から独立させる制度。この五大都市は、東京を加えた六大都市として、明治時代から運動を進めていた長い歴史を持っている(東京市は東京府と合体し、昭和18年の東京都制施行により東京都となる[291])。1947年制定の地方自治法には、「特別市」の規定(第265条特別市)が盛り込まれ、特別市は都道府県及び市に属する事務を処理し、都道府県の区域外とされ、市内に設けられる行政区の区長は公選とし有権者の解職請求の対象にもなるなど、一定の住民自治が機能する制度となっていた。特別市(第265条特別市)について、五大都市が推進派、関係府県が反対派となって激しく対立したため、政府は1956年に地方自治法を改正し、第265条特別市の条項を削除の上、替わる制度として、行政区分の階層性を残したまま事務の再配分をする「指定都市」制度(いわゆる政令指定都市制度)を導入した。
大都市圏州構想
橋下知事(当時)の大阪都構想に対して、大阪市の平松市長(当時)が先行して打ち出していた大都市構想[292][293]。大阪市等の大都市を中心にネットワーク型の構造になっている都市と、その衛星都市郡(都市圏)を道州制の中で道州から独立した自治体である大都市圏州とし、行政単位として扱う構想である。
大阪市分割構想
現行の大阪市を、特別区ではなく8〜9の普通市に分割する構想[294][295][296]。大阪維新の会が2010年8月30日に開いたタウンミーティングで、橋下知事(当時)が新たに提示した。二重行政の解消には特別区とほぼ同様の効果があり、かつ法改正の必要がないため、従来からの大阪都(特別区)構想と併せて検討するとしている。これに対し大阪市の平松市長(当時)は、24区毎に税収面で大きな格差があることを理由に、大阪市消滅には一貫して反対の立場をとっている[297]。しかし2010年10月9日に大阪維新の会は市分割後の財政格差や市民感情に配慮し、分割構想案を撤回することを発表した[298]
大阪広域戦略協議会
大阪府と大阪市・堺市の2政令指定都市に広域課題を協議するため「大阪広域戦略協議会」を条例で設置し、道州制実現に取り組むという、自民党大阪府連が打ち出している構想[299]。大阪広域戦略協議会は大阪都や大都市圏州のような新たな都市制度ではないが、これまで広域での連携の仕組みが制度として存在しなかった大阪府と大阪市・堺市の間に条例をもって協議の仕組みを制度として確立し、広域の行政政策の統一や大阪府と大阪市・堺市の間の行政サービスの重複の解消を行おうという構想である。

大阪以外での統治機構改革の動き[編集]

中京都構想
中京都構想を参照。
新潟州構想
新潟州構想を参照。
静岡型県都構想
静岡市を廃止して、行政区の区割りに沿って葵、駿河、清水の3特別区を設置し、静岡県を「静岡都」と改める構想。県と市の広域行政を一体化することを狙っている。静岡県知事の川勝平太が大阪での住民投票の直後から提唱している。ただし、静岡市は隣接している市町と合わせても現行の大都市法に基づく人口要件を満たしていないため、法改正が必要となる。しかし改正の見通しは現時点で立っていない。また、静岡市長の田辺信宏はこの構想に反対している。[300]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 戦時中に行われた東京府東京市を廃止し東京都とした前例を参考にしている。大阪市が特別区に分割されれば、大都市地域における特別区の設置に関する法律 第10条「特別区を包括する道府県は、地方自治法その他の法令の規定の適用については、都とみなす」の適用を受けることになっている。ただし、同法同条の適用を受けても都道府県の名称は変更されず[1]、正式名称は「大阪都」ではなく「大阪府」のままとなることになっていた。これを変更する場合は、地方自治法 第3条第2項「都道府県の名称を変更するときは、法律でこれを定める」によって、法律を制定または改訂する必要がある。
  2. ^ 自由法曹団の関連団体

出典[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]