大阪市営地下鉄千日前線

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大阪市営地下鉄 千日前線
シンボルマーク
千日前線25系
千日前線25系
基本情報
日本の旗 日本
所在地 大阪府大阪市
種類 地下鉄
路線網 大阪市営地下鉄 大阪市営地下鉄
起点 野田阪神駅
終点 南巽駅
駅数 14駅
路線記号 S S
路線番号 5号線
路線色       紅梅色(ピンク、チェリーローズ)
開業 1969年4月16日
最終延伸 1981年12月2日
所有者 大阪市交通局軌道経営者)
運営者 大阪市交通局
車両基地 森之宮検車場
使用車両 車両の節を参照
路線諸元
路線距離 12.6 km
営業キロ 13.1 km
軌間 1,435 mm標準軌
線路数 複線
電化方式 直流750 V 第三軌条方式
閉塞方式 車内信号閉塞式
保安装置 CS-ATCATO
最高速度 70 km/h
路線図
New Sennichimae Line.png
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千日前線(せんにちまえせん)は、大阪府大阪市福島区野田阪神駅から同市生野区南巽駅までを結ぶ大阪市営地下鉄の路線。正式名称は高速電気軌道第5号線大阪市交通局では大阪市高速鉄道第5号線と称し、『鉄道要覧』では5号線(千日前線)と記載されている。駅番号を表す際に用いられる路線記号は「S」。

ラインカラーは、難波新地千日前ネオンサインをイメージした紅梅色(ピンク、チェリーローズ S )である。

概要[編集]

大阪市中心部では新なにわ筋と、大阪ミナミの繁華街を横断する千日前通の地下を走る。桜川駅 - 難波駅間で阪神なんば線、難波駅 - 鶴橋駅間で近鉄難波線大阪線が並行して通っており、全線の半分近い桜川駅 - 鶴橋駅間で阪神なんば線・近鉄難波線と並行している。

大阪市営地下鉄の8路線の中では利用客数は6番目(2013年度の1日平均利用者数は18万1,238人[1])で、列車は短い4両編成で運行されている。ホームは8両編成対応であるが、列車の停車しない部分には柵が設置され、他線への乗り換え通路や出口への通路として使用されない場合は閉鎖されて、駅によっては資材置き場となっており、その部分は照明も薄暗くなっている。

大阪市交通局のすべての地下鉄路線との乗り換えが可能であるが、ニュートラム南港ポートタウン線とは乗り換えできない。

千日前線用液晶案内機

大阪市営地下鉄では初めて、全駅にLCDの案内板が設置された。その後、LCD案内板は今里筋線中央線にも導入されている[2]

自動放送設備に関して、千日前の接近メロディは上下線共に2 - 3回メロディが鳴り途中で切れることはない。

2014年に全駅で可動式ホーム柵(ホームドア)が導入され[3]2015年1月13日からワンマン運転を開始した[3]。ホームドアに対応させるため車両も大規模な改造が必要なことから、改造に供出する1編成を捻出するため、2010年9月6日から、平日のみ午前6 - 9時台の運転間隔の変更と今里発南巽行きの1列車を廃止するダイヤ変更を実施した[4]

路線データ[編集]

  • 路線距離(実キロ):12.6 km営業キロ(運賃計算キロ)では 13.1 km)
  • 軌間:1435 mm
  • 駅数:14駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線電化(直流 750 V第三軌条方式
  • 閉塞方式:車内信号式 (CS-ATC, ATO)
  • 最高速度:70 km/h
  • 編成両数:4両(1970年 - )
  • ホーム最大編成両数:8両
  • 混雑率(野田阪神方面行き):100.7%(2012年度:鶴橋駅→谷町九丁目駅間)[5]
  • 混雑率(南巽方面行き):57.0%(2012年度:鶴橋駅→今里駅間)[5]

運賃計算には、阿波座駅 - 谷町九丁目駅間のキロ数が他線経由と同じになるよう調整された営業キロに対応する区数を用いる。

運行形態[編集]

野田阪神駅 - 南巽駅間の運転を基本としており、日中は7分30秒間隔(1時間あたり8本)で運転される。このほかに出庫を兼ねて今里発と阿波座発の列車が運行されている。野田阪神駅では原則として1番線だけが使用されており、同駅の2番線にはエレベーターやエスカレーターが設置されていない。このためにほぼ大半の野田阪神行きの列車は野田阪神駅1番線から列車が発車するまで玉川駅で時間調整を行う。朝夕ラッシュや夕ラッシュ時と夜に野田阪神駅2番線に到着する列車が数本設定されており、注意喚起のため時刻表には同駅2番線に到着する列車に印が記載されている。

なお、2009年度まではなにわ淀川花火大会の観客輸送のために年に一度野田阪神発今里行き区間列車が数本設定されていたが、2013年3月23日のダイヤ改正で設定された23時50分野田阪神発の最終列車[6]はそれを定期化したものである。今里行きは2014年8月30日の可動式ホーム柵の設置に伴うダイヤ改正で南巽行きに変更され[7]廃止された。

車両の夜間留置は、南巽駅では基本的に1番線に4両2編成が留置される。1番線が工事で使われていない場合は2番線に留置される。また、今里駅では基本的に駅構内から見える新深江側の留置線YTへ4両2本が留置される。また今里駅すぐの鶴橋寄りにある留置線9Tへ留置され、留置線10Tには保線の車両が留置される。また、野田阪神駅2番線に4両2本または1本が留置され、阿波座駅の西長堀駅寄りにある、阿波座駅から見える位置にある阿波座駅の側線4ATに4両1本または2本が留置される(YT、9T、10T、4ATの記号は入出庫線または留置線の記号である)。

また、各駅の車両の乗務員室の横に拡大鏡が設置された。

乗務員[編集]

阿波座駅に乗務員の詰所である阿波座乗務所があるため、乗務員は阿波座駅下り1番線ホームで交代しているが、施設老朽化のため、2015年3月21日の終電で阿波座乗務所を閉鎖し、翌3月22日から乗務所を今里に移転し今里乗務所として今里総合事務所に名称変更して使用開始する。乗務員は今里乗務所に移る。これによって、以後は千日前線の乗務員交代は今里駅1番線下りホームで行われるが、数本だけ今里駅2番線上りホームで交代する。

2015年1月13日のワンマン運転開始後、千日前線で勤務していた車掌は御堂筋線・谷町線・四つ橋線・中央線・堺筋線で勤務している。ワンマン運転になってから運転台に引継メモ(処置完了後、処分すること)と書いたメモが置いてある。可動式ホーム柵の乗務員の出入りするところは、センサーがついている裏側が太いため狭く、今後は乗務員が出入りしやすいように裏側が薄型に変えられた。千日前線では乗務所の所長・副所長・助役が乗ったうえ各運転士の評価添乗が行われる。また、難波駅及び日本橋駅の運輸助役が運転士に付き添いで横について、指導してもらいながら運輸助役が運転を稀にしている。

車両[編集]

かつて走っていた50系
一時期に走っていた30系

千日前線の車両の完全冷房化はかなり遅れた。同線専用の初の新製車両は現在使われている25系で、同車導入までは他線で使用された車両が回されていた。一方、保安面では車内信号式CS-ATCを大阪市営地下鉄で初めて導入している。

線内に車両検査の施設(阿波座駅側線)はあるが、車両は中央線森之宮検車場の所属となっているため、同検車場の入出庫のため中央線を走行する。そのため、阿波座駅構内には両線を結ぶ連絡線がある。なお、このほかに今里検車区がかつてあったが、2011年に廃止された[8]。森之宮検車場の施設老朽化のため四つ橋線の緑木検車場に工場機能が一元化される予定で、中央線と四つ橋線との間に3号・4号間車両回送連絡線が建設されており、緑木検査場への回送の際はさらにその連絡線を通る。留置施設はそのまま森之宮に残す。

車両の自動放送は2014年12月13日まで車掌が放送スイッチを押してから自動放送が流れていたが、以後は放送スイッチを押さなくても自動で自動放送が流れるようになった。南巽駅1番線に可動式ホーム柵を設置する際に、最後まで未更新だった25908編成がホーム柵運搬車両に充当された。千日前線の運転モードは手動・手動支援・ATOがあるが、手動支援の運転モードは運転士が運転モード切替時に間違うおそれがあることと、手動と紛らわしいため使っていない[要出典]

ワンマン運転開始後の2015年10月19日には、25系各編成のVVVFステッカー下にワンマンステッカーが貼られた。また、車両の外側についていた転落防止幌が可動式ホーム柵の設置により不要になったため、取り外された。

過去の車両[編集]

歴史[編集]

  • 1969年昭和44年)
    • 4月16日:5号線 野田阪神駅 - 桜川駅間 (3.7 km) が開業。列車集中制御装置 (CTC)・CS-ATC採用。2両編成運転。
    • 7月25日:谷町九丁目駅 - 今里駅間 (2.6 km) が開業。
    • 9月10日:今里駅 - 新深江駅間 (0.9 km) が開業。
    • 12月6日:愛称が千日前線に決まる。
  • 1970年(昭和45年)
  • 1981年(昭和56年)12月2日:新深江駅 - 南巽駅間 (3.0 km) が開業し全通[9]
  • 1989年(平成元年)3月:100形電車が撤退。
  • 1991年(平成3年)
  • 1994年(平成6年)12月31日:大晦日終夜運転実施開始。
  • 1995年(平成7年)6月:全車25系電車に統一。
  • 1996年(平成8年)4月27日:ダイヤ改正を実施。
  • 2010年(平成22年)9月6日:ダイヤ改正を実施。平日ダイヤの午前6時台から9時台までの運転間隔を3分45秒 - 4分00秒間隔から4分05秒 - 4分10秒間隔に変更。平日ダイヤの6時55分今里発南巽行きの1列車を廃止。土休日ダイヤは回送列車のみ時刻変更。
  • 2013年(平成25年)3月23日:運転指令機能を輸送指令所に移転・統合(この路線で輸送指令所への統合が完了)し、駅構内放送を中央線などと同様のものに更新(旧放送になかった今里行きの放送も追加)[10]。ダイヤ改正を実施[6]。今里までの終電として野田阪神発今里行き定期列車を新設し、野田阪神23:50発とする。また、南巽発野田阪神行きの終電を約12分繰り下げて、南巽23:46発とする。
  • 2014年(平成26年)
    • 8月30日:ダイヤ改正を実施。2014年度予定の可動式ホーム柵設置に伴い駅停車時間を変更し所要時間が延長。野田阪神発今里行き終電を南巽行きに変更。運転間隔を平日7-8時台は4分10秒 - 5分間隔に、平日9-15時台・土休日10-15時台は7分間隔から7分30秒間隔に、平日16-18時台は4分45秒間隔から5分間隔に変更[7]
    • 12月13日:野田阪神駅に可動式ホーム柵を導入。これにより千日前線の全駅で可動式ホーム柵が稼働された[3]
  • 2015年(平成27年)
    • 1月13日:ワンマン運転を開始[3]。前年12月13日から1月12日まで準備期間として車掌が乗務し、運転士が扉操作などのすべての機器操作を行っていた。
    • 3月22日:阿波座乗務所を前日21日限りで閉鎖し、この日の始発から今里乗務所使用開始。乗務員は今里乗務所に移る。

※上記のキロ数は実キロ           

延伸計画[編集]

南巽駅から近鉄大阪線弥刀駅方面への延伸計画がある。1989年の運輸政策審議会第10号答申で今後整備検討すべき路線として示され、同年に大阪市の「交通事業の設置等に関する条例」で計画路線として定められている。しかし、大阪市および大阪市交通局の厳しい財政事情を背景に交通局の民営化や上場も含めた経営改善計画が検討されているため、今里筋線の南半分など他の計画路線と同様に建設計画は凍結されている。なお、下記答申に出てくる神崎川 - 野田阪神間については、1997年3月にJR東西線加島 - 海老江間)が開通した。

未完の構想・答申・計画路線[編集]

区間は構想・答申・計画が出された時点において未完のものを示す。

  • 大阪市高速度鉄道協議会路線網改定(戦災復興院主催)(1948年6月18日)
    • 区間:神崎川 - 野田阪神
    • 区間:南巽 - 国鉄平野
  • 都市交通審議会答申3号(1958年3月28日)
    • 区間:神崎川 - 野田阪神
    • 答申内容:1975年を目処に考慮するのが適当・交通網の形成を図るべき路線。
    • 区間:神崎川 - 伊丹空港
    • 答申内容:慎重な考慮を加える必要がある路線。
    • 区間:南巽 - 平野
    • 答申内容:1975年を目処に考慮するのが適当・交通網の形成を図るべき路線。
  • 都市交通審議会答申7号(1963年3月29日)
    • 区間:神崎川 - 野田阪神
    • 答申内容:1975年度までに新設すべき路線。
    • 区間:南巽 - 西平野
    • 答申内容:1975年度までに新設すべき路線。
    • 区間:平野地区 - 瓜破地区
    • 答申内容:技術的問題その他に付きさらに検討の上で決定すべき路線。
  • 都市交通審議会答申13号(1971年12月8日)
    • 区間:南巽 - 弥刀 - 河内山本付近
    • 答申内容:1985年を目標に新設すべき路線。
  • 鉄道網整備調査委員会(大阪府・大阪市の合同構想)(1982年2月)
    • 路線名:南巽楽音寺線
    • 区間:南巽 - 楽音寺
  • 運輸政策審議会答申10号(1989年5月31日)
    • 区間:南巽 - 弥刀方面
    • 答申内容:今後路線整備について検討すべき区間。

駅一覧[編集]

全駅大阪府大阪市に所在。

駅番号 駅名 駅間
営業
キロ
累計
営業
キロ
累計
実キロ
接続路線 所在地
S11 野田阪神駅 - 0.0 0.0 阪神電気鉄道本線野田駅 (HS 03)
西日本旅客鉄道H JR東西線海老江駅
福島区
S12 玉川駅 0.6 0.6 0.6 西日本旅客鉄道:O 大阪環状線野田駅
S13 阿波座駅 1.3 1.9 1.9 大阪市営地下鉄:C 中央線(C15) 西区
S14 西長堀駅 1.0 2.9 2.8 大阪市営地下鉄:N 長堀鶴見緑地線(N13)
S15 桜川駅 0.9 3.8 3.7 南海電気鉄道NK 高野線(汐見橋線)汐見橋駅(NK06-5)
阪神電気鉄道:HS 阪神なんば線 (HS 42)
浪速区
S16 難波駅[* 1] 1.1 4.9 4.5 大阪市営地下鉄:M 御堂筋線 (M20)・Y 四つ橋線 (Y15)
南海電気鉄道:■ 南海本線■ 高野線難波駅 (NK01)
近畿日本鉄道A 難波線大阪難波駅 (A01)
阪神電気鉄道:HS 阪神なんば線 …大阪難波駅 (HS 41)
西日本旅客鉄道:関西本線Q 大和路線) …JR難波駅
中央区
S17 日本橋駅 0.7 5.6 5.2 大阪市営地下鉄:K 堺筋線(K17)
近畿日本鉄道:A 難波線 …近鉄日本橋駅 (A02)
S18 谷町九丁目駅 1.0 6.6 6.1 大阪市営地下鉄:T 谷町線(T25)
近畿日本鉄道:D 大阪線 (D03)・A 難波線 (A03)…大阪上本町駅
天王寺区
S19 鶴橋駅 1.1 7.7 7.2 西日本旅客鉄道:O 大阪環状線
近畿日本鉄道:D A 大阪線 (D04・A04)
S20 今里駅 1.5 9.2 8.7 大阪市営地下鉄:I 今里筋線(I21) 東成区
S21 新深江駅 0.9 10.1 9.6  
S22 小路駅 1.0 11.1 10.6   生野区
S23 北巽駅 0.9 12.0 11.5  
S24 南巽駅 1.1 13.1 12.6  
  1. ^ 旅客案内上は、平仮名表示が多用されている。
  • 大阪市営地下鉄中央線近鉄けいはんな線の連絡切符を購入した場合でも、長田駅経由と指定されているため、大阪上本町駅(谷町九丁目駅)・鶴橋駅・難波駅(大阪難波駅)・日本橋駅(近鉄日本橋駅)での乗り継ぎをすることはできない。

輸送実績[編集]

調査年月日 乗車人員(人) 降車人員(人)
定期利用 定期外利用 合計 定期利用 定期外利用 合計
1998年11月10日 56,908 69,658 126,566 57,501 69,346 126,847
2007年11月13日 48,281 73,087 121,368 47,736 69,062 116,798

駅別乗降人員[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 大阪市交通局 高速鉄道・中量軌道 路線別収支状況 (PDF)
  2. ^ ただし今里筋線や中央線とは異なり、フォントが日本語用のものではなく「Arial Unicode MS」(バージョン0.85)を使用しているため、ひらがなの表示に難がある。Arial Unicode MSで正しく表示できて日本語のフォントでは正しく表示できないものに、南の「」の字がある。
  3. ^ a b c d 千日前線全駅で可動式ホーム柵の設置が完了しました - 大阪市交通局、2014年12月22日
  4. ^ 市営地下鉄千日前線のダイヤを変更します(Internet Archive) - 大阪市交通局ホームページ 2010年8月13日
  5. ^ a b 平成24年度 地下鉄・ニュートラム 交通調査の結果について (PDF) - p.11、大阪市交通局、2014年4月5日閲覧。
  6. ^ a b 平日及び土曜・休日ダイヤともに終発延長を行います」大阪市交通局報道発表資料 2013年2月7日
  7. ^ a b 地下鉄千日前線のダイヤ改正を行います - 大阪市交通局、2014年7月28日
  8. ^ 朝日新聞出版「週刊 私鉄全駅・全車両基地 31号」p.20
  9. ^ 「モハユニ」、『RAIL FAN』第49巻第1号、鉄道友の会、2002年1月号、 27頁。
  10. ^ 到着放送は、大阪市営地下鉄の路線で最後まで「ただいま、○番線に到着の電車は、(○○・○○方面)○○行きでございます。」が使われていた。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]