大臣政務官

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大臣政務官(だいじんせいむかん、英語Parliamentary Secretary, Vice-Minister)は、内閣府復興庁および各に置かれる官職である。通常は「大臣」を省略して単に政務官と呼ばれる。

概要[編集]

大臣政務官は、国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律により、従来の政務次官を廃止して副大臣とともに設けられた。従来の政治任用ポストであった政務次官は、権限も小さく役割も不明確であったため、「省庁の盲腸」と揶揄され軽んじられてきた。この点を反省し、国会審議の活性化と政治主導の政策決定システムを確立するため、国会における政府委員制度を廃止し、副大臣と大臣政務官に適材適所の実力者を登用することとした。

大臣政務官は、その府省の長である大臣(内閣府では内閣官房長官又は特命担当大臣)を助け、特定の政策及び企画に参画し、政務を処理することを職務とする。その地位は内閣府設置法第14条、国家行政組織法第17条などに基づいている。各大臣政務官の行う職務の範囲については、その府省の長である大臣が定める。大臣政務官の任免は、その府省の長である大臣の申出により、内閣がこれを行う(認証官である副大臣と異なり、天皇による認証は受けない)。

大臣政務官は、内閣総辞職の場合においては、内閣総理大臣その他の国務大臣がすべてその地位を失ったときに、これと同時にその地位を失う。国家公務員法上の特別職であり、国会議員を充てることが慣例となっている[1]

大臣政務官は、副大臣の下、大臣補佐官事務次官の上に位置づけられている[2]。官職名は、内閣府大臣政務官(内閣総理大臣政務官でない)、復興大臣政務官(復興庁大臣政務官でない)、総務大臣政務官(総務省大臣政務官でない)のように発令される。

大臣政務官と副大臣の違いとしては、副大臣がその府省の政策全般(ただし、内閣府副大臣は大臣委員会の範囲を除く)について大臣を助けるのに対し、大臣政務官は特定の政策について大臣を助けること、副大臣(内閣府副大臣を除く)が大臣不在時に各省大臣の職務を代行し得る(国務大臣としての職務は代行できない)のに対し、大臣政務官にはそのような権限が与えられていないことなどが挙げられる。

官職名の施行前変更[編集]

内閣府設置法、国家行政組織法の一部を改正する法律(平成11年法律第90号)、中央省庁等改革のための国の行政組織関係法律の整備等に関する法律(平成11年法律第102号)(いずれも1999年7月16日に公布された当時の未改正の条文)で初めて制定されたときは「大臣」の冠されない「政務官」(内閣府政務官、防衛政務官、総務政務官など)となっていたが、同月30日に公布・施行された国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律(附則第7条から附則第9条まで)により前述の三つの法律中の当該文言が「大臣政務官」と「長官政務官」に改正されたため、2001年1月6日の制度施行では当初から大臣政務官・長官政務官としての発足となった。

英語表記[編集]

当初、大臣政務官の英語表記にはイギリスに倣い、「Parliamentary Secretary」(議会からの補佐官の意味)が用いられていた。

2006年(平成18年)2月下旬、経済産業大臣政務官であった片山さつきらが名刺に「Vice-Minister」の表記をしていたことが明らかになった。「Parliamentary Secretary」では「議会の書記、事務員」と解することもでき、国際会議で軽んぜられるというのが理由であった。これを受け、一部の省では大臣政務官の英語表記に「Vice-Minister」を用いるようになった。なお、副大臣には「Senior Vice-Minister」が用いられる。

長官政務官[編集]

法律で国務大臣をもってその長に充てることと定められている各庁(大臣庁)には、同様の職として長官政務官が置かれたが、防衛庁の防衛省への改称(昇格)による大臣庁の消滅に伴い廃止された。

大臣政務官一覧(計27人)[編集]

現内閣での大臣政務官[編集]

第3次安倍第2次改造内閣#大臣政務官を参照

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 国務大臣と同様に国会議員以外からの登用も可能であるが、これまでのところ例はない。
  2. ^ 国家公務員法第二条の3、特別職の職員の給与に関する法律別表第一、一般職の職員の給与に関する法律別表第十一、人事院規則九―四二別表。検査官(会計検査院長を除く)・人事官(人事院総裁を除く)・内閣危機管理監・侍従長などが同格にあたる。

外部リンク[編集]