大煙管

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大煙管の伝わる吉野川

大煙管(おおぎせる)は、徳島県三好郡三庄村大字毛田村(現・東みよし町)に伝わる化け狸。 

概要[編集]

吉野川に青石瀬という難所があり、ここでは破損した舟や筏が臨時に停泊することがあったが、そうしたときに夜更け現れ「煙草をくれ」と言って煙管を突き出す。これに対して煙草を差し出さないと、舟を沈められるなど様々な怪異が起きる。 煙管一杯に煙草を詰め込んでやれば何事も起きないのだが、この煙管が非常に大きく、40入りの袋で10袋分も入れないと一杯にならないため、この土地の船頭は船が多少破損したとしても、その場所に舟を泊めることだけは避けたと言われている[1]

脚注[編集]

  1. ^ 笠井新也 著「阿波の狸の話」、池田彌三郎他 編『日本民俗誌大系』 第3巻、角川書店、1974年、264頁。ISBN 978-4-04-530303-6