大向美咲

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大向美咲
人物
生誕 1990年
岩手県久慈市
国籍 日本の旗 日本
職業 北限の海女(活動時)
YouTube
活動期間 2009年 - 2010年
ジャンル ナマドルローカルアイドル
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大向 美咲(おおむかい みさき、1990年 - )は、岩手県久慈市出身で、2009年平成21年)夏季から2010年(平成22年)夏季にかけての約1年間、同市の漁業における観光・集客事業である「北限の海女」のメンバーとして活動した女性。

地方にあって4万人弱(当時)の小都市在住の一般女性でありながら、新しいメディアであるインターネット上の動画投稿サイトYouTube」に投稿された動画から一気に人気を得て有名人となり、また、その人気が日本のみならず、言語の壁を超えて東アジアに数日間で広がった。短期間に国際的な人気を得たこの例は、従来の現実空間におけるメディアの広告がなせる訴求力を時間的・空間的に圧倒し、当時はまだ大きい市場では無かった電脳空間インターネット広告の可能性を示した。

ネットを後追いしたマスメディアによる命名の「かわいすぎる海女」の異名でも知られる。NHK連続テレビ小説あまちゃん』(2013年)が放送されると、同ドラマの主人公のモデルと見なされたり、逆に主人公を地で行く「リアルあまちゃん」と呼ばれたりもした。

概要[編集]

2009年平成21年)は、ラジオドラマ北限の海女」の放送から50周年、観光事業「北限の海女」に観光客を運ぶ役割も持つ三陸鉄道北リアス線(および南リアス線)の開業から25周年、三陸海岸の一部である久慈市の小袖海岸で開催される「北限の海女フェスティバル」の20周年という複数の節目の年であった。同年に高校を卒業した大向は、友人と共に「小袖北限の海女の会」に入会し、観光事業「北限の海女」の一員となった。当地で両人は約四半世紀振りの新人海女であったため地元で話題になった。リーマン・ショックから1年にも満たない疲弊した地方経済の中、「最盛期と比べて激減し、中高年で占められるようになってしまった小袖海岸の海女たちの中で、ひたむきに伝統を繋ごうとする19歳の新人海女」という文脈で、大向をNHK盛岡放送局が取材・編集し、同年8月14日夕方にはNHK総合東北6県ブロックネット向けに、翌朝にはNHK総合の全国向けに特集が放送された。

それらの放送を録画していた者たちの一部が、著作権を持つNHKの許諾を得たか不明のまま、日本語版サービス開始から2年余りしか経っておらず、ユーザーが現状より圧倒的に少なかった動画投稿サイトYouTube[† 1]に即日アップロードした。すると大向は、NHK盛岡の特集の意図から大きく外れ、「南部弁訛りで話す美人」とみなされることとなり、SNS電子掲示板等で「祭り」状態となって拡散、日本語のみならず韓国語の言語コミュニティでも数日で注目を浴びる存在になった(隣県の秋田県出身で秋田弁話者であるグラデル女優(現称:モグラ女子)の佐々木希を筆頭に次々登場した、2007年命名の方言で話すアイドルナマドル」の素人版)。

現実空間から離れ、サイバー空間で人気になった大向は、「美人すぎる市議」として有名になった藤川優里(2007年より隣県の青森県八戸市市議会議員)にならい、現実空間のマスメディアから「かわいすぎる海女」と命名されて記事化され、地上波テレビも追随した。大向の「北限の海女」としての活動期間は約1年間に過ぎないが、大手マスメディアの取材が殺到して全国的に知られる存在になり、東アジア各国でも注目を浴びた。

東アジア各国あるいは日本国内の三大都市圏等からアクセスが困難な地方在住ながら、YouTubeを端緒に全国さらには東アジアに知られるアイドル的な存在となったことは、後にブームとなるローカルアイドル(ご当地アイドル)において、ロールモデル若しくはビジネスモデルの1つともなった(YouTuber参照)。また、NHKの連続テレビ小説あまちゃん』(2013年)が放送されると、大向は主人公と重ね合わされて「リアルあまちゃん」とも呼ばれた。

なお、元プロレスラー大向美智子、および、演歌歌手金澤未咲親戚にあたる[1][2]。また、2009年に25周年を迎えた三陸鉄道とのコラボもしばしばあり、同鉄道に初めて導入されたアテンダント、あるいは、鉄道むすめ「久慈ありす」と一緒に搭乗するイベントに現れ、マスメディアが報道した。

来歴[編集]

岩手県久慈市小袖海岸では明治以来、生活のために女性が素潜りによる海女漁を行っていた(第一次産業)。

1959年昭和34年)11月27日NHKラジオ第1放送においてラジオドラマ「北限の海女」(原作:水木洋子、出演:荒木道子原泉賀原夏子)が放送されると[3][4]、当地の海女たちはドラマの題名と同様「北限の海女」として全国に知られるようになった。1980年代には東北新幹線三陸鉄道の開業で観光客の増加が見られるようになり[5]、かつては生活のためだったものから観光の呼び物としても当地の海女は活躍するようになった(第三次産業化)。しかし、バブル崩壊以降は観光客が減少し、最盛期に100人いた海女も20人ほどまで減少した。

2009年(平成21年)、当地の最高齢海女を祖母に持つ大向美咲[6]は、高校卒業後に先輩海女の勧めで久慈市漁業協同組合小袖支所「小袖北限の海女の会」に同級生の小袖妃香理とともに入会した[7]2009年(平成21年)8月2日の「第20回 北限の海女フェスティバル」[8]で2人はデビューするが、小袖は会社が休みの日だけ海女をし、大向はほぼ常勤で働いていた。

その大向をNHK盛岡放送局取材[9]8月15日NHKで全国放送されると、大向はインターネット日本語ウェブサイト上で「かわいすぎる海女」として話題になり[10][11]韓国語ウェブサイト上でも検索ワードランキングで4位になる[12]など話題になった[13]

その後、会社の休日だけ海女をしている小袖もテレビに出るようになり、2人合わせて「かわいすぎる海女」と呼ばれるようになった。

9月末で海女のシーズンが終わると、大向は10月から久慈市の臨時職員となり、各地で観光PRや物産展などが開催される場合は海女姿で参加し、平時は「もぐらんぴあ」に勤めるようになった[7]

大向を初めとした北限の海女の話題は、日本のテレビ放送や新聞で度々取り上げられているほか、台湾民間全民電視公司東森新聞台[14]などのテレビ放送でも取り上げられている。

2010年(平成22年)5月には、ギャル系雑誌ファッションモデル出身の藤田志穂らによる「ノギャルプロジェクト[15]」(秋田県南秋田郡大潟村)やLieらによる「ウギャルプロジェクト[16][17][18]」(岩手県釜石市)と、「かわいすぎる海女」の事例を挙げて、日本農業漁業の振興策として品種改良や外国への輸出に加えて「美女」で注目を集める手法も登場したと、台湾の東森新聞および中華人民共和国人民日報が伝えた[19][20]

同年8月20日、大向を含む新人海女3人が、7月27日に「小袖海女の会」をそろって退会していたと日本のマスメディアで報じられ始めた[21][22][23][24]8月23日には大韓民国でも国民日報が脱会について報じ[25]、韓国語の各ネットメディアでも報道された[26]8月24日には台湾でも自由時報が退会について報じた[27]。退会の原因として、1か月あたり27日働いて給料が7万程度だったから[28]、また、先輩海女と接客態度について意見が対立したから等と報道された[23][29][30]

2011年(平成23年)3月11日東北地方太平洋沖地震東日本大震災)が発生すると、久慈市も津波の被害に遭ったことを受けて「死亡説」が流れた。しかし、3月17日大向美智子のブログにおいて無事を報告され[31]、「死亡説」はデマとして否定された。発災から2週間後にはフジテレビ系ニュース番組の現地インタビューに本人が出演し、「海中のダメージが心配」とコメントを残した。

2013年(平成25年)4月、久慈市内の水族館で臨時職員として働いている姿が写真週刊誌FRIDAYに掲載された。

年表[編集]

高校時代
2009年(平成21年)
2010年(平成22年)
2011年(平成23年)
2013年(平成25年)
  • 4月12日発売の写真週刊誌FRIDAYで、久慈市内の水族館で臨時職員として働く姿が掲載される。

その他[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 2007年(平成19年)6月19日に、日本語版のサービスを開始。

出典[編集]

  1. ^ 大向美咲(大向美智子オフィシャルブログ 2009年9月19日)
  2. ^ 北限の海女♪(金澤未咲・七瀬龍一の岩手音ブログ~音・音楽~ 2010年7月30日)
  3. ^ 特集 NHKラジオドラマ放送50周年記念 「北限の海女」及び水木洋子の世界月刊ダ・なす 平成21年7月28日/8月号ピックアップ)
  4. ^ 水木洋子の海洋作品千葉県市川市
  5. ^ 振り返る「北限の海女」久慈で来月から資料展岩手日報 2009年7月11日)
  6. ^ 新人海女・大向美咲さんのライフスタイルを紹介東海テレビa life』 2009年10月25日放送)
  7. ^ a b c d e f g かわいすぎる北限の海女、シーズンオフも大活躍 大向さんと小袖さんインタビュー産経新聞 2010年1月9日)
  8. ^ 第20回 北限の海女フェスティバル (PDF) (久慈市)
  9. ^ 海女さんは19歳…岩手読売新聞 2009年9月27日)
  10. ^ 【YouTube】「かわいすぎる海女」…見られるのは9月まで(サーチナ 2009年8月19日)
  11. ^ a b c ネットで話題の“かわいすぎる海女”、「今度は本当にかわいい」と絶賛も。(Narinari.com 2009年8月17日)
  12. ^ a b 小袖海女センターのテレビ情報TVais
  13. ^ 【韓国ブログ】日本の「かわいすぎる海女さん」が韓国でも話題に(サーチナ 2009年8月18日)
  14. ^ 19歲正妹當「海女」 風靡全日本(東森新聞 2009年9月30日)
  15. ^ ノギャルプロジェクト「シブヤ米」
  16. ^ ウギャルプロジェクト
  17. ^ かまいし魅力発信協議会かまいし水産振興企業組合
  18. ^ かまいしウギャルプロジェクト公式ブログ「ウギャルが浜にやって来た!」(かまいし魅力発信協議会)
  19. ^ 日本美女下海养珠辣妹下乡种田引热议(人民網 2010年5月23日)
  20. ^ 日本で「美女」による農業・漁業の振興(人民網日本語版 2010年5月24日)
  21. ^ 出漁拒否!?かわいすぎる海女「電撃引退」の真相-岩手・小袖海岸発(フライデー9月3日号 2010年8月20日)
  22. ^ 「かわいすぎる海女」大向さんが引退していた(ゆかしメディア 2010年8月20日)
  23. ^ a b かわいすぎる海女が引退!? 待望のDVD発売も延期に......(メンズサイゾー 2010年8月21日)
  24. ^ 「北限の海女」若手3人引退 久慈 体調不良理由?河北新報 2010年8月22日)
  25. ^ “이젠 지긋지긋해” 日 미소녀 해녀 돌연 은퇴선언国民日報 2010年8月23日)
  26. ^ かわいすぎる海女さん「なんで引退したの?」韓国でも関心集中(Searchina 2010年8月24日)
  27. ^ 世代隔閡! 正妹海女不幹了自由時報 2010年8月24日)
  28. ^ 引退した「かわいすぎる海女」 月給7万円だったと地元民(女性セブン 2010年9月16日号)
  29. ^ かわいすぎる海女 引退の裏にベテラン海女との意見の対立説(女性セブン 2010年9月16日号)
  30. ^ 2010年8月20日発売のフライデー
  31. ^ 美しすぎる海女(大向美智子ブログ「Egoist大向美智子のEGO日記 ~白い薔薇 黒い薔薇~」 2011年3月17日)
  32. ^ 第20回 北限の海女フェスティバル (PDF) (久慈市)
  33. ^ 北限の海女、次代へ 久慈でフェスティバル(岩手日報 2009年8月3日)
  34. ^ 北限の海女☆感謝祭(久慈市)
  35. ^ 2009年8月15日(土)の放送内容(NHK「おはよう日本」)
  36. ^ 北限の海女 大向美咲さんを応援(mixi)
  37. ^ 海女、"美咲" さん (19才)。(明和水産)
  38. ^ 【美人すぎるシリーズ?】新人の海女 (19) デビューでニュー速が絶賛(痛ニュー速報)
  39. ^ 【画像】新人の海女 (19) さんがかわい過ぎる件【動画あり】(2ちゃんねる)
  40. ^ 海女さんが超絶可愛すぎてどうしたものか始末に困る(2ちゃんねる)
  41. ^ 【韓国ブログ】日本の「かわいすぎる海女さん」が韓国でも話題にsearchina 2009年8月18日)
  42. ^ 「かわいすぎる海女」に直撃 ボーイフレンドは?J-CASTテレビウォッチ 2009年8月24日)
  43. ^ ふるさとCM大賞(岩手朝日テレビ)
  44. ^ 「かわいすぎる海女」が久慈市税務署の1日署長に任命(searchina 2010年2月12日)
  45. ^ 木下優樹菜&フジモン、後輩のはんにゃ助け舟「わかりまペン!チケットぴあ 2009年9月8日)

関連項目[編集]